2020年12月13日
期待はため息に
ネパールが民主化運動を経て、世俗国家となったのは2008年。当時、誰もが「ナヤネパール(新しいネパール)」と口癖のように言っては、新しい社会の幕開けに大きな期待を寄せていました。あれから12年、あのときの期待はすっかり溜息に変わってしまったようです。
ニューデリー時事】2008年に王政を廃止したネパールで、王政復古を求めるデモが広がっている。民主制移行後、政府の内紛が絶えず、国民生活は置き去りに。現共産党政権の新型コロナウイルス対応や汚職の横行への不満も、デモの原因と指摘される。
デモは首都カトマンズ周辺で11月末ごろから始まった。コロナ感染の拡大防止のため25人を超える集会を禁じている当局は今月1日、「感染リスクを高める行為で違法だ」と警告したが、デモ隊は集会を続け、他の都市にも飛び火した。
地元有力紙記者は、デモの直接的原因は「政府のコロナ対策の失敗だ」と分析する。ネパールではコロナ検査に2000〜4000ルピー(約1800〜3500円)かかるという。病院で他の治療を受けるにもまずコロナの検査を受けねばならず、アジアで最貧レベルのネパール国民には負担が大きい。
政治家がコロナ検査への助成などを後回しにし、私腹を肥やしているという不満も根強い。今年2月にはバスコタ情報通信相が収賄疑惑で辞任。NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」が今年発表した調査では、国民の58%が「過去1年間で汚職が増えた」と回答した。
ネパールでは約9000人が死亡した15年の大地震後、政権内の内輪もめが続いて復興が進まなかった。安定した政治を求めた国民は17年の総選挙で、統一共産党の結党による多数派形成を約束した共産系勢力に国政を託した。だがその共産党も党内での主導権争いに終始しており、国民の間に失望が広がっている。
ただ、今回のデモでは、旧王室の誰を王に就けるといった具体的要求が広がっているわけではない。行き所のない国民の不満が、漠然とした王政復古要求につながっているもようだ。(2020/12/09-07:11)
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