2016年12月30日

チヤウパディ

ネパール社会に残る因習について考えさせられる記事がありました。

ネパール西部ヒマラヤ山脈の山奥にある小さな小屋に寝泊まりしていた15歳の少女が、暖を取ろうとしてつけたたき火の煙を就寝中に吸い込んで死亡した。少女は生理中だったことを理由に集落から引き離され、この小屋で1人きりで過ごしていた。

少女が住んでいたアチャム郡ガジャラ村などネパールの極西部には、生理中の女性をけがれた存在と見なして村から追放する「チャウパディ」の習慣がある。

アチャム郡警察によると、この1カ月で死亡したのはこれで2人目。同郡だけで過去9年の間に10人の少女が同じような小屋で死亡した。主な死因は煙の吸引のほか、ヘビにかまれたり基本的な医療を受けられなかったために死亡する少女もいたという。

チャウパディは何百年も前から続く習慣で、生理に関するヒンドゥー教のタブーに由来する。少女たちが隔離される「生理小屋」は小さな入り口が1つあるだけの粗末な造りで衛生状態は悪く、窓がないため通気も悪い。

2011年の国連報告書によれば、生理中の女性はほかの人や家畜、野菜、植物、果実に触れることを禁止される。牛乳や乳製品の摂取も許されず、水道や井戸の使用は制限される。「この習慣を破れば神が怒って寿命が縮んだり家畜や作物が死ぬと信じている地域が今もある」と報告書は指摘。「女性が触れた果実は熟す前に落ち、水に触れれば井戸は枯渇すると信じる人もいる」

地域によっては、教育の神を怒らせるという恐れから生理中の女性が本を読んだり触れたりすることさえ禁じることもあるという。

ネパールの最高裁判所は2005年にチャウパディを違法とする判断を示し、政府はその3年後、チャウパディ撲滅に向けたガイドラインを公表した。それでも西部の山間部などには今もその習慣が根強く残る。

ガジャラ村は2015年にチャウパディ撲滅を宣言したが、アチャム郡の当局者によると、同郡の女性13万8000人のうち70%以上が今もこの習慣に従っているという

政府の統計によるとガジャラ村の人口は約1500人。チャウパディ撲滅宣言は90%を超す世帯がこの習慣をやめた時点で宣言される。しかし「地元の霊能者が村に起きた不幸は少女や女性がチャウパディの伝統を破ったためだと言いふらし、家族が娘や妻を再びこの習慣に従わせている」(女性・児童・社会福祉省広報)。それでも今回のような悲惨な事例は極めて稀になったと同広報は話している。



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