忘れてはいけないガタスタパナ

2014年09月28日

試行錯誤

9月28日

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僕の治療活動はカトマンズ盆地内の往診(行けるところはバイク。道路のない山の上の村へは徒歩)と、へき地の村を周る治療が中心だ。

元々、下宿先の屋上で治療したのが僕の治療活動の始まりだった。始めた当時は誰かを治したい、という思いよりも、集まった患者が治療ついでにお茶を飲んだり、お菓子を食べたりしながらお喋りをして、皆が楽しめるサロンのようなものを作りたいとの思っていたのだが、無償治療を求めて大病を患う人が来たり、遠くの村からやってくる患者もいたりして、ただ治療に追われる日々が続き、サロンを作る余裕はなくなった。

その後、治療室の提供を受け、そこでも一日何十人という患者を治療をしていたが、様々な「壁」にぶつかった結果、一人ひとりをじっくり治療したいとの思いに至り、現在のような往診中心の形になった。

既報の通り、今年はじめに老人施設での治療を再開した。実は今そこでは自分自身が活動を始めた当時の思いであるサロンづくりを試験的に実施している。施設を運営しているのが仏教寺院という事もあり、治療を待つ時間にはお坊さんの説法を聴いたり、皆で宗教音楽を歌ったりする。治療が終わると全員でビスケットとお茶、時々、カジャを飲食しながら、それぞれの病状について話したり、世間話をして夕方まで過ごすというもの。

治療に来るお年寄りから「楽しみにしている」という声が聞こえる様になり、少しずつ手応えを感じられるようにもなったのだが、予想していたよりも患者の数が多いため時間に追われてしまい、なかなか一人ひとりをじっくり治療する事が出来ない状況だ。数をそのままに、どう納得出来る治療を施す事が出来るか、試行錯誤の毎日だが、一歩でも理想をに近づけるよう努力を積み重ねて行きたい。


留守にしますので、メイルの返信が遅れます。

hsf at 00:00│
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