虫、虫、虫ビーチボール大作戦

2012年08月25日

展示台の下で

8月25日

先日、テルコットからチャングナラヤン寺院を経てサクーまで、道中の小さな集落での往診を兼ねたトレッキングに出掛けた時の事。チャングナラヤン寺院の参堂でお供え物を売る少年から「花は要りませんか?」と声をかけられた。普段ならしつこい物売りにウンザリしているので立ち止まる事は殆どないのだが、少年の穏かな笑顔に自然と足が止まり、お供え物の花を買ってみる事にした。

しばらくの間、少年と雑談を交わしていると、少年は普段、地元の公立小学校の4年生で勉強しているそうだ。この日は街商をする母親の手伝いをするため学校を休んだとか。「物を売るより、勉強の方が得意」と笑顔で豪語している表情はなかなか凛々しかった。

チャングナラヤン寺院への御参りを終え、少年にひと言、花のお礼を言おうと思い露店に立ち寄ったが、残念ながら少年の姿はなかった。諦めて露店を後にすると、後ろから「ダイ!(お兄さん)」と大きな呼び声が。露店の方を振り返ると展示台の下に少年がいた。なんでも客がいない時はこうして展示台の下で勉強をして、参拝客の足が見えると上に戻るのだそうだ。さながら二宮金次郎のように時間を惜しんで勉強に勤しむ少年に驚かされると同時に、いろんな事を考えさせられた。自分ならきっと欠伸や昼寝をしながら店番をしていると思う。

実はこの日、チャングナラヤン寺院から目的地のサクーまで道が繋がっているのか不安だったので、念のため少年に尋ねてみると、「まだサリ川の橋が出来ていないから、行かない方がいいよ」との返事。少し前に訊いた村の人達の話では「立派な橋が出来て渡れる」との事だったので、首を傾げながらサリ川まで下って見ると・・・・・・・・・川辺に着いてみると少年の言った通り、橋は出来ていなかった。

結局、靴を脱ぎ、ズボンを捲って、急流に体を揺す振られながら必死で川を渡る破目になってしまった。これも少年の報徳精神に基づいた助言を聞かなかった罰だ。いつか少年にまた会ったら、ちゃんとお礼を言わなくては。その時は展示台の下ではなく、教室で勉強している姿が見られることを望んでいる。

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展示台の下で勉強に励む少年



お知らせ

You Project作品展示のご案内

福島現代美術ビエンナーレ2012ーSORA−にYOU PROJECTの全作品が展示されます
福島現代美術ビエンナーレ 2012 - SORA -

2012年 8月11日(土)〜9月23日(日) 9:00〜19:00
福島空港ビル(福島県須賀川市)
http://www.fks-ab.co.jp/
入場無料 全日開催




hsf at 00:00│

この記事へのコメント

1. Posted by たま   2012年08月25日 12:33
あたまが上がりません。
努力の仕方を教わりました!
ありがとう‼
2. Posted by 吉岡大祐   2012年08月27日 12:18
たま様
本当に子ども達からは教わる事ばかりですね。
虫、虫、虫ビーチボール大作戦