お知らせどれだけ心を込めたか

2011年10月13日

タルー族

10月13日

resize2469ドルパへ向かう飛行機がキャンセルとなり、急遽、西部、南ネパール(タライ)で治療をすることになった今回の(単身)医療キャンプだったが、直ぐに考えを切り替えられたのは、何時飛ぶか分からない飛行機を待つだけの時間的な余裕がなかった事もあるが(ドルパの空港から目的地の村までは歩いて2日かかる。)、僕自身が南ネパールに暮らすタルー族に強い関心を抱いていたからだと思う。

これまでも何度か旅人としてタルー族の暮らしに触れる機会があった。その度に普段、僕が接しているカトマンズ盆地の人々との生活の違いに驚き、またタルー族の様々な生活の知恵には感心させられることばかりだった。もちろん、ネパールの食料庫と呼ばれるほど果てしなく続くタライ平野が、四方を山に囲まれた盆地生活の閉塞感を解放してくれる事も、僕にとっては大きな魅力のひとつだ。

タルー族の生活で最も感心させられるのは、彼らがとても清潔な民族であることだ。高温多湿の環境もあってか、タルー族は毎日、体を洗い、家屋も格子に編んだ竹の両面に泥と牛糞を混ぜて塗り上げた壁に草で屋根を葺いた平屋建てで、驚くほど清潔にして暮らしている。山の上の村々で見かけるような感染症をタルー族の集落であまり見た事がないのは、生活の知恵としての保健・衛生管理が行き届いているからだと思う。

resize2471タルー族の子ども達は川で泳いだり、魚を捕まえたり、樹に登ったりと自然児エミールを彷彿させるほど野生的で逞しい。彼らを見ていると学校教育の果たす役割が、自然から学ぶことに比べていかに小さいものかを痛感するばかりだ。ただ、傍目で見ているといかにも自由に逞しく生きているように見える子ども達だが、川で泳いだり、魚を捕まえたりすることは決して遊びではなく、生きるために必要な事なのだ。だからこそ魚を捕まえる子ども達の目はあれだけ真剣だったのだろう。生きることは本当に厳しい現実なのだと思う。

夕刻、カルナリ川の岸辺からジャングルに沈む巨大な夕日を見た。これまで僕が見た中で一番、大きくて真っ赤な夕日だった。夕日が照らす川面には子ども達の泳ぐ姿があった。ネパール国内に怒涛のごとく押し寄せる近代化の波。いつか近代化の波は全てを呑みこんでしまい、こうした美しい情景は見られなくなってしまうのかもしれない、そんな不安が胸をよぎった。


hsf at 07:16│

この記事へのコメント

1. Posted by 見田勝美   2011年10月14日 14:43
4 吉岡さん
画面をスクロールしていったらコメントできるようになっていました。
いつのまに・・・(今頃気づいてすみません。)

今回も有意義な治療の旅だったようですね。
またお話聞かせてください。

日本でのイベントのお手紙はちゃんと届いています。
ご案内ありがとうございました。
2. Posted by 吉岡 大祐   2011年10月15日 01:24
見田 勝美 先生

こんばんは。いつもお世話になっています。
この度はコメントを頂き、ありがとうございます。コメント、いつでも大歓迎です。更新が止まらぬよう叱咤激励をお願いいたします。
子ども達は皆、元気に頑張っています。校庭の木々もしっかり育っています。

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