2010年10月17日
メヌカ メヌカ メヌカ
17日
今月9日、ダサイン祭りを記念した空手プログラムがラリットプール郡のパカチョーク村で開かれ、ヒマラヤ小学校から空手部員が出場した。今回のプログラムは試合形式ではなく、ヒマラヤ小学校空手部とネパール和道会空手パカチョーク道場の少年カラテカ達が、形や分解、壷割りなど日頃の稽古の成果を披露するものだった。ヒマラヤ小学校の卒業生で空手部OBのスニールやプロビンらも参加して賑やかだったが、最近、試合で入賞する機会が増えたヒマラヤ小学校空手部員達には、試合のない今日のプログラムは少々、拍子抜けの感があったかもしれない。それにしても村の中心にある小高い丘に設けられた会場からは「押忍!、押忍!」という少年空手家達の威勢の良い掛け声がこだまして耳に心地よかった。
プログラムではヒマラヤ小学校空手部の5人が型分解を披露したり、3年生のサチンがチューブライト割を披露したりして大活躍した。一生懸命、稽古を頑張った成果だろう。すっかり上達した子ども達の姿に思わず胸がいっぱいになった。
プログラムの合間にはパカチョーク村の学生達による歌や踊りが披露され、プログラムに花を添える形で会場を盛り上げたのだが、実はヒマラヤ小学校から応援に駆けつけた3年生の(自他共に認める)踊り姫・メヌカが、村の学生達の踊りを見てライバル心に火がついてしまい、突然、私も躍らせて欲しい、と主催者に直訴するというハプニングが起こった。
この日、メヌカは風邪で体調が悪く、口にはマスクを着けていたのだが、主催者がメヌカの踊りを認めると、それまで着けていたマスクを脱ぎ捨て、本気モードでステージに立った。メヌカの小さな体から感じる気概は相当な物で、当初は笑っていた観衆も静まり返り、会場には不思議な緊張感が走った。曲が流れ始めると、朝の体調不良が嘘のように生気溌剌とステージいっぱいに駆け回りながら踊ったメヌカ。決めのポーズではニヤリとする余裕まで見せ、空手大会の主役の座は完全にメヌカが奪うことになった。少年空手家たちもメヌカの逞しさにはかなわかったようだ。
子ども達にはどんなことでも良いからメヌカのように好きなことや、”これだけは”というものを卒業までに一つ、見つけて欲しいと何時も願っている。将来、子ども達が社会に出た時、きっとその自信が貧しさに負けない逞しい精神を育て、未来を切り開く力になるのだと思う。
そんな事を思いながら帰路につくと、川沿いのススキの群れがやさしく揺れ、空を包むうろこ雲は茜色に染まりながらゆっくり流れていた。今年はどんなダサインになるのだろう。



プログラムの合間にはパカチョーク村の学生達による歌や踊りが披露され、プログラムに花を添える形で会場を盛り上げたのだが、実はヒマラヤ小学校から応援に駆けつけた3年生の(自他共に認める)踊り姫・メヌカが、村の学生達の踊りを見てライバル心に火がついてしまい、突然、私も躍らせて欲しい、と主催者に直訴するというハプニングが起こった。

子ども達にはどんなことでも良いからメヌカのように好きなことや、”これだけは”というものを卒業までに一つ、見つけて欲しいと何時も願っている。将来、子ども達が社会に出た時、きっとその自信が貧しさに負けない逞しい精神を育て、未来を切り開く力になるのだと思う。
そんな事を思いながら帰路につくと、川沿いのススキの群れがやさしく揺れ、空を包むうろこ雲は茜色に染まりながらゆっくり流れていた。今年はどんなダサインになるのだろう。

hsf at 04:23│