栄養改善プログラムあたらしい職業訓練

2010年09月16日

夢を追いかけて

9月16日

ビナ今日は、将来の自立を目指し洋裁を学んでいるヒマラヤ小学校の卒業生、ビナ(17)ジュンケリ(18)の2人に、支援者から頂いたミシンを贈呈した。2人ともミシンを手にして、益々、学習意欲に燃えているようだ。

ビナ(16)はヒマラヤ小学校を主席で卒業した聡明な女の子で、将来はヒマラヤ小学校の先生になりたい、という夢を描き、卒業後は一旦、パタン市内の中学校へ進学したのだが、世俗的な問題も含め新しい環境に馴染むことが出来ず中退。その後は1年余り、根無し草のように落ち着かない毎日を過していた。時々、村の中をとぼとぼ歩くビナの姿を見かけては、僕自身、言い知れぬもどかしさを感じていた。

丁度、半年ほど前になるが、入学当時からビナを温かく励ましてくださっているヒマラヤ小学校の支援者の方と再会した時、ビナの将来を心配された支援者の方から今後の進路について訊かれ、ビナは暫く考えた末に「洋裁の勉強がしたい」と言い切った。

ビナビナなりに1年余り悩んだ末に描いた新しい夢だ。途中でまた折れるのではないか、という不安もあったが、とにかくビナが新しい夢を見つけられた事が僕達は嬉しかった。残念ながらヒマラヤ小学校とユネスコのCLCが共同で開催している職業訓練所では、洋裁コースを開くことが出来なかったため、同じく洋裁の勉強を希望していた1学年下で、今年の春にヒマラヤ小学校を卒業したジュンケリの2人をそれぞれの希望する洋裁学校へ送ることになった。

洋裁学校へ通い始めて二ヶ月あまりが過ぎ、2人とも順調に技術を習得しているようだ。「あれが出来るようになった、これが出来る様になった」と、2人ではしゃぐ姿からも充実した学校生活を過している事が伺えた。ビナの話によると、洋裁学校の中に仲の良い友達が出来たそうで、毎日、学校へ行くのが楽しみだ、と喜んでいた。

洋裁学校は後半年ほどつづく。一つの事を達成する事で、きっとビナは一回り大きく成長するのではないだろうか。きっとその頃には、これまでの柔根が嘘の様にビナが逞しい表情を見せてくれると信じている。夢を追いかけて、一歩ずつ頑張れビナ!!



hsf at 08:47│
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