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2010年09月06日

制服

9月6日

児童「ダサイン祭りにね、お母さんが制服を買ってくれるの」
1年生のサンジュ(9)が、照れ笑いを浮かべながら僕にこっそり伝えてきた。日頃から保護者に制服の自己調達を呼びかけている事もあって、なんとも嬉しい報告だった。

制服は支援者の善意の支援の下、開校以来、原則として2年に一度、子ども達へ支給している。もちろん制服が無くても勉強は出来るのだが、制服は入学する子ども達にとっては憧れであり、また子ども達が学校の一員としての連帯感や自覚を持つ切欠になる。その他、制服には登下校の際に子ども達が犯罪に巻き込まれることを防ぐ狙いもある。今でも人身売買等が起こっているネパールでは、登下校時の子ども達の安全を守る事は何よりも大事だ。“必ず誰かが見ている”という村の利点を生かすためには、どこからでも一目で分かる制服の着用が必要不可欠だと考えている。

ただ、成長著しい子ども達に2年に一度の制服支給では間に合わないのが実情だ。中には遊びが過ぎ、半ズボンになったり、スリーブレスになったりして制服の原型を留めないような子もいる。衛生面の事を考えても、出来れば毎年1セットずつ支給して、常時2セット持てるような状態になればいいと思うのだが、100人を超える子ども達に毎年、制服を支給することは困難だ。

そんな事もあって、数年前から保護者会など折を見て学校に頼るだけでなく、出来るだけ制服を自己調達して欲しいと保護者に呼びかけている。特に毎年、秋に開催されるダサイン祭りでは、親が子どもに新しい服を買い与える習慣があるので、その時には、ぜひ制服を買って欲しいと呼びかけを続けている。

虱退治当初は保護者からの反発もあったのだが、2年ほど前からポツリ、ポツリと自ら制服を購入する保護者が現れ、今では4分の一程度の児童が学校で支給した制服と保護者に買ってもらった制服の2セットを持つようになった。(2セットあれば水曜日と土曜日に洗濯することが出来、常時、清潔な制服を着てくる事が出来る。)詳しく調べてみると、子ども達からダサイン祭りの時、洋服の代わりに制服を買って欲しいと保護者にお願いするケースが多いようだ。これまで続けてきた洗濯や虱退治、その他、さまざまな保健・衛生の活動が身を結んだと結果と言えるのかもしれない。*写真は体の洗い方を学んだ上級生が下級生の体を洗っているところ

制服ところどころ制服が破れているが子もいるが、開校当時に比べれば全体的にかなり綺麗になった印象だ。今回、サンジュの保護者が制服購入を決めてくれたことも、ささやかではあるが、一つの前進と捉えていいのではないだろうか。たかが制服、されど制服、目立たないところで着実に教育の成果は現れているのだと信じたい。(写真は2006年の児童)






hsf at 08:58│

この記事へのコメント

1. Posted by ガッツ   2010年09月08日 22:30
何時も楽しく拝見しています。吉岡さんの誠実な活動に感心しています。これからも頑張ってください。支援の報告書、送ってくださりありがとうございました。
2. Posted by 吉岡大祐   2010年09月13日 06:35
ガッツ様
温かいコメントをお寄せいただき、ありがとうございました。ささやかな活動ですが、みんなで喜びを分かち合えるような活動が出来ればと何時も願っています。これからもどうかよろしくお願いいたします。
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