選ばれた人松山で再び絵画展の開催を!

2010年07月08日

じゅん今年も子ども達の描いた絵が可愛らしいポストカードになった。今回のポストカード(5枚)は2008年の秋と2009年の春に展示した作品の中から選んだものだが、どれも秀作ばかりで選考はかなり難しかった。選んだ5枚は結果的に卒業した子ども達の絵が殆どだったが、どれも素晴らしい作品ばかりで、何度、見返しても飽きが来ない。

5枚のポストカードの内、特に印象深いのは、何といっても今春、ヒマラヤ小学校を卒業したジュンケリ・プルクティ(18歳)の描いた絵ではないだろうか。「母」と名づけられた作品からは、ジュンケリの亡き母に対する想いと共に、母親の持つ優しさや無償の愛がひしひしと伝わってくる。

ジュンケリは2004年のヒマラヤ小学校開校と同時に幼稚園クラスに入学した女の子で、当時、12歳。ヒマラヤ小学校へ入学するまで一度も学校で勉強した事がなかった子だった。まだ入学して間もない頃、「学校を作ってくれて有難う」と言いながら、道端で積んで来た野花をプレゼントしてくれた事を鮮明に覚えている。

ヒマラヤ小学校にはジュンケリの他、22歳で卒業した同級生のリナもいたが、リナには持病があり、非常に物静かな性格だったため、活発で面倒見のいいジュンケリが常にヒマラヤ小学校のお姉さん役であり、オッカサン役だった。

ジュンジュンケリは幼い頃に両親と死別して以来、兄夫婦と一緒に暮らしているが、意地悪な義理の姉に随分ひどい仕打ちを受け、何度も涙片手に登校して来たことがあった。飼い葉集め等の牛の世話から、薪拾い、工事現場での労働など、幼い頃から家計を支える一役をかっていただけに、ジュンケリが学校で学ぶことを義理の姉は快く思っていなかったようだ。そんな現状だけにジュンケリが無事、卒業の日を迎えられた時は本当に嬉しくて、皆で安堵の胸をなでおろした。

ジュンケリは卒業後、自立を目指して洋裁の勉強をしている。元々は進学を希望していたジュンケリだが、「力をつけて、新しい道を切り開きなさい」というヤッギャ校長の言葉に奮い立ち、自立心の萌芽が職業訓練を受ける決断に繋がったようだ。

これからジュンケリは自立に向かって一歩ずつ歩んでいくだろう。いつか結婚し、母親となった時、絵と同じような温かい優しさで子どもを抱擁しているジュンケリの姿が目に浮かぶ。ジュンケリの新しい旅立ちに心からの弥栄を贈りたい。


hsf at 08:01│

この記事へのコメント

1. Posted by チーパッパ   2010年08月26日 19:24
5 ジュンケリさんのお母さんを描いた葉書は何とも言えない温かさがあって、絵から彼女の気持ちが伝わってきました。素敵な女性に成長した彼女を写真から知ることができて嬉しかったです。ジュンケリさんの未来が明るく希望に満ちたものであるよう、彼女の幸せを応援したいと思いました。
2. Posted by チーパッパ   2010年08月26日 19:25
5 ジュンケリさんのお母さんを描いた葉書は何とも言えない温かさがあって、絵から彼女の気持ちが伝わってきました。素敵な女性に成長した彼女を写真から知ることができて嬉しかったです。ジュンケリさんの未来が明るく希望に満ちたものであるよう、彼女の幸せを応援したいと思いました。
3. Posted by 吉岡大祐   2010年08月28日 01:41
チーパッパ様
この度はコメントをお寄せ頂き、ありがとうございました。またジュンケリへの温かいお言葉、重ねて御礼申し上げます。ジュンケリはお陰さまで力強く人生を歩んでいます。

チーパッパ様、車の傷の具合はいかがでしょうか。


> ジュンケリさんのお母さんを描いた葉書は何とも言えない温かさがあって、絵から彼女の気持ちが伝わってきました。素敵な女性に成長した彼女を写真から知ることができて嬉しかったです。ジュンケリさんの未来が明るく希望に満ちたものであるよう、彼女の幸せを応援したいと思いました。
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