2010年04月14日
偉大な母の存在
4月14日
僕達の活動は、12名の母子家庭の女子に対する就学支援から始まった。当時、9歳前後だった12名の子ども達は皆、二十歳を超え、現在は臨床検査技師として医療機関で働く者、教師として教育現場で頑張っている者、大きな志を持って大学で勉強を続けている者、国際協力機関で働いている者など、それぞれの道で活躍している。第一期生達の頑張りがあったからこそ、後の奨学生たちが続き、そして僕達は活動を続けることが出来たのだと思う。
このブログでも何人かの第一期生を紹介したことがあるが、どの奨学生も人間としての優しさに溢れているのは、きっと母親の存在が大きいのではないかと思う。女性の地位が低いネパールにあって母子家庭という立場は、僕達の想像を超えるほど厳しいものだ。そんな厳しい環境の中で必死に生きる母親の苦労や努力を間近で見てきたからこそ、奨学生達は人間として大きく成長できたのではないだろうか。
特に第一期生のアシュミタの母親であるメヌカさんは、“偉大な母親”とういう言葉が最も似合う人ではないかと思う。メヌカさんの言動に接していると、僕自身いつも心が洗われ、本当に多くの事を教えられる。
メヌカさんはエベレスト街道の入り口、ジリで生まれ育ち、14歳の時に結婚。いわゆる幼児結婚だ。生まれてきた子が女の子(アシュミタ)だったため、家族から「アラチニ(呪われた女)」と言われ、ひどい仕打ちを受けたという。ヒンドゥ教の社会で女は「結婚し、男子を産み、祖霊を守る男子を育てる事」が義務とされているのだ。もちろんダウリ―(持参金制度)の問題もあるのだろう。家族から灯油を掛けられた事もあるというから血も涙もない。メヌカさんの目から流れた涙からも当時の苦労が容易に想像できる。
アシュミタを連れてカトマンズへ逃げて来たメヌカさんは、建設現場や砕石場、ショール工場などで働きながら、これまで女手一つでアシュミタを育ててきた。貧困にも負けず、また途中、何度かの大病を乗り越えたのは、アシュミタを守ろうとするメヌカさんの強い精神力があったからだろう。
先日、アシュミタに授業参観をした後、メヌカさんを訪ね、アシュミタがとても頑張っている旨を伝えると、メヌカさんは優しい笑顔を浮かべながら「私は字の読み書きも出来ないからアシュミタがどれだけ上手に教えてられているのか分かりませんが、アシュミタが教師になる時、子供たちを決して大きな声で叱ったり、叩いたりする事だけはしないでおくれ、と話しました。時々、学校の子ども達が『アシュミタ先生のお母さん!』と声を掛けてくれますが、アシュミタがきちんと約束を守っているのだと思うと嬉しくなります」と話していた。
メヌカさんという偉大な母の存在が、アシュミタを人間として大きく成長させたのだと、改めて確信したひと時だった。
僕達の活動は、12名の母子家庭の女子に対する就学支援から始まった。当時、9歳前後だった12名の子ども達は皆、二十歳を超え、現在は臨床検査技師として医療機関で働く者、教師として教育現場で頑張っている者、大きな志を持って大学で勉強を続けている者、国際協力機関で働いている者など、それぞれの道で活躍している。第一期生達の頑張りがあったからこそ、後の奨学生たちが続き、そして僕達は活動を続けることが出来たのだと思う。このブログでも何人かの第一期生を紹介したことがあるが、どの奨学生も人間としての優しさに溢れているのは、きっと母親の存在が大きいのではないかと思う。女性の地位が低いネパールにあって母子家庭という立場は、僕達の想像を超えるほど厳しいものだ。そんな厳しい環境の中で必死に生きる母親の苦労や努力を間近で見てきたからこそ、奨学生達は人間として大きく成長できたのではないだろうか。
特に第一期生のアシュミタの母親であるメヌカさんは、“偉大な母親”とういう言葉が最も似合う人ではないかと思う。メヌカさんの言動に接していると、僕自身いつも心が洗われ、本当に多くの事を教えられる。
メヌカさんはエベレスト街道の入り口、ジリで生まれ育ち、14歳の時に結婚。いわゆる幼児結婚だ。生まれてきた子が女の子(アシュミタ)だったため、家族から「アラチニ(呪われた女)」と言われ、ひどい仕打ちを受けたという。ヒンドゥ教の社会で女は「結婚し、男子を産み、祖霊を守る男子を育てる事」が義務とされているのだ。もちろんダウリ―(持参金制度)の問題もあるのだろう。家族から灯油を掛けられた事もあるというから血も涙もない。メヌカさんの目から流れた涙からも当時の苦労が容易に想像できる。
アシュミタを連れてカトマンズへ逃げて来たメヌカさんは、建設現場や砕石場、ショール工場などで働きながら、これまで女手一つでアシュミタを育ててきた。貧困にも負けず、また途中、何度かの大病を乗り越えたのは、アシュミタを守ろうとするメヌカさんの強い精神力があったからだろう。
先日、アシュミタに授業参観をした後、メヌカさんを訪ね、アシュミタがとても頑張っている旨を伝えると、メヌカさんは優しい笑顔を浮かべながら「私は字の読み書きも出来ないからアシュミタがどれだけ上手に教えてられているのか分かりませんが、アシュミタが教師になる時、子供たちを決して大きな声で叱ったり、叩いたりする事だけはしないでおくれ、と話しました。時々、学校の子ども達が『アシュミタ先生のお母さん!』と声を掛けてくれますが、アシュミタがきちんと約束を守っているのだと思うと嬉しくなります」と話していた。
メヌカさんという偉大な母の存在が、アシュミタを人間として大きく成長させたのだと、改めて確信したひと時だった。
hsf at 05:33│