G.Pコイララ元首相全てを含めて教育

2010年04月01日

卒業後の就学支援


試験ヒマラヤ小学校は現在、3学期期末試験の真っ只中。毎年、進級審査の行われるネパールでは3学期期末試験は進級に関わる重要な試験だ。特に1,2学期の試験結果が思わしくなかった子ども達にとっては、3学期の期末試験は最後のチャンスでもある。それだけに子ども達にとっては憂鬱な時間だろう。試験中の子ども達の苦しむ姿を見るのは忍びないので、僕は試験中、なるべく別の用事をすることにしているが、何人か気になる児童がいるので、なんとなく落ち着かない毎日だ。

現在、ネパール国内の学校ではヒマラヤ小学校と同じように期末試験が行われていたり、既に期末試験が終了して春休みに入っているところも多いようだ。今年は春休みを利用して、昨年ヒマラヤ小学校を卒業した子ども達の中で、中学校へ進学したためなかなか職業訓練を受けられない子ども達のために特別プログラムを開催することにした。プログラムを受けた人々が講師役になって指導するので不十分な点もあるかと思うが、卒業生たちには職業訓練プログラムの楽しさを感じて貰えたらと思っている。

先日、特別プログラムに参加している卒業生の一人、ラクシミ・シェルパが教室の前で憂鬱な表情を浮かべて立っている姿を見かけた。傍に寄って尋ねてみてもなかなか言い出せない様なので、ラクシミの親友である同じ卒業生のスニタを呼んで少し落ち着いてからゆっくり話を聞くことにした。

ラクシミラクシミはヒマラヤ小学校卒業後、教育に熱心な母親の勧めもあってパタン市内の私立学校に進学した。窮状を知った学校側の配慮で一部、授業料の免除などを受けながら勉強を続け来たようだ。しかし学費の免除があるとはいえ、砕石場で日雇いの仕事をしている母親の力だけでは学校で勉強を続けるのが難しくなったそうだ。“もしかしたら学校を辞めなければならないかもしれない”、そんな不安がラクシミの表情を暗くしていたのだ。母親は元々、病気がちであるため、ラクシミが母親の代わりに砕石場で仕事をすることも良くあるという。ラクシミの右手に出来た複数のタコが痛々しかった。

僕達は現時点で卒業生への積極的な就学支援は行っていない。卒業生の進路として早朝のオープンスクールや職業訓練プログラムを用意している事もあるが、卒業後も支援を続けることは僕達の団体の規模では難しいのが現状だ。もちろん保護者が教育の大切さに気づき自力で就学させている状況を邪魔してはいけないという思いもあってのことだが、これから少しずつ対応策を考えていかなければと思う。まだまだ課題は多い。



hsf at 12:52│
G.Pコイララ元首相全てを含めて教育