理事会次世代エース サジャン

2010年03月05日

問題を抱えたオープンスクール

5日

昨年5月にネパール政府のパイロット事業として始まったオープンスクール(日本の定時制学校に近い)は、ネパール各地の公立学校やユネスコ・アジア太平洋文化センターとネパール学校外リソースセンターが主宰するCLC(コミュニティ学習センター/公民館)で開校され、人々に大きな希望を与えている。

オープンスクールは様々な理由で教育を受けられなかった15歳〜45歳までの人々を対象に、通常10年間の教育課程を終えた者に与えられるSLC(全国統一卒業認定試験)の受験資格を、8年生まで終了した者には1年間、初等教育5年生まで終了した者には3年間、初等教育を終了していないものには7年間と、通常の教育課程よりも短期間で与える新しい制度だ。

オープンヒマラヤ小学校のあるブンガマティ村でもオープンスクール事業の開始と共に、村内のCLC(アマラプールCLC)にオープンスクールが開校し、学校名も『ヒマラヤ・オープンスクール』と決まった。現在、ヒマラヤ小学校の卒業生を含め、20人の生徒が毎朝6時から9時までの3時間、SLC(全国統一卒業認定試験)合格を目指して頑張っている。ヒマラヤ小学校から初めて卒業生を送り出すのと同じ年にオープンスクールの制度が始まったのは、アマラプールCLCの代表も務めるヤッギャ校長の努力もさることながら、勉強を続けたいという卒業生達の強い思いが届いたからだと思う。

何もかも順調に進んでいるよう思えたオープンスクールだが、実はここにきて運営面で大きな問題に直面している事が分かった。ヒマラヤ・オープンスクールは開校以来、月曜日から金曜日まで週5日間開校し、アマラプールCLCは現状に応じて週5日開校で教育省に予算請求(約10万円)を行ったそうだが、ネパール政府はオープンスクールの開校日数を年間53日間と定め、その分の予算しか出さないとのこと。後は自習によって合格を目指すか、オープンスクールを運営する公立学校やCLCが自ら資金を捻出して運営せよとの事だった。年間53日開校ということは、週に1日から2日だけ開校ということだ。ただでさえ日々の生活に追われ学校で勉強できなかった人々の中に、自習だけでSLC合格を目指す精神力や幸運を持ち合わせた人がどれだけいるだろうか。これではきっと多くの人が途中で挫折してしまうのではないだろうか。やはりお互いに励まし合い、助け合ってこそ、“鉄の門”とも呼ばれるSLC合格を目指すことが出来るのではないかと思う。

オープン先日、アマラプールCLCのメンバーをはじめ、ヒマラヤ・オープンスクールの教師、生徒が集まり、今後の運営についての話し合いが行われた。生徒達は何とか現状のまま週5日間、開校してほしい、と涙ながらに訴えてきた。せっかく目標に向かって皆で頑張っている時に、突然の政策変更は大きなショックだったに違いない。

ヒマラヤ小学校卒業〜オープンスクール〜職業訓練〜という大きな流れを、ここで止めてはいけない。課題は多いが、なんとか週5日開校維持を目指して皆で知恵を絞りたい。


hsf at 03:31│
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