青空教室子ども達からの報告

2009年11月18日

アシュミタ

アシュミタ先日、久しぶりに里親教育基金の奨学生、アシュミタを訪ねた。アシュミタはヒマラヤ青少年育英会を立ち上げた時、最初に支援をした12名の中の一人で、現在は早朝の大学で学びながらパタン市内の私立小学校の教師として頑張っている子だ。生まれつき心臓病を患っているため今も治療を続けているのだが、底抜けに明るい性格で病気であることすら感じさせない。

実はアシュミタとの出会いは、僕がネパールで活動を続けようと決心した切っ掛けのひとつとなった。貧しく苦しい現状にも関わらず、前向きに明るく生きるアシュミタの姿に僕は大きな感銘を受け、なんとか力の続く限りアシュミタのように頑張っている子を応援したい、そんな思いを強く抱くようになった。

アシュミタアシュミタは12学年を終了した後、小学校の教師として働き始めたものの、自らの知識不足を痛感し、一念発起、昨年から早朝の大学で学び始めた。アシュミタへの支援は12学年卒業と同時に既に終了となっていたのだが、勉強したいというアシュミタの気持ちを少しでも応援できればと、支援者の方の善意の支援の下、現在は学費の一部援助を行っている。

アシュミタの母親は、長年務めていたパシュミナ工場が閉鎖となり、1年ほど前に失業。その後、アシュミタの勧めで家の軒先で野菜の販売を始めた。アシュミタは僕が出会ったばかりの頃、鉛筆を買うために道端でみかんを売っていた苦労人でもある。その時の経験が今、生かされているのかもしれない。

アシュ文盲のため、商売を始めたばかりの頃は計算も十分に出来なかった母親だったが、今ではすっかり慣れたようで「アシュミタに計算の仕方を教えて貰った」と、笑顔で話していた。母親の話ではアシュミタは店の手伝いから家事まで、とても良くこなしているそうで、「これまで苦労ばかりかけてきたのに、アシュミタがこんなにも優しい子に育ってくれたのが一番うれしい」と、母親が感慨深げに話していたのがとても印象的だった。

アシュミタのような素晴らしい奨学生との出会いがあったからこそ、今の自分の活動があるのだと思う。アシュミタとの出会いを振り返りつつ、本当に人に恵まれたんだなぁ、という思いを新たにした。

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hsf at 01:07│
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