「ネパールNGOネットワーク」カトマンズ会議/活動視察夏の終わり

2009年08月29日

押忍!空手大会

8月29日

sunil昨日、今日の2日間に渡り、ラリットプール郡のゴダヴァリで空手大会が開催され、ヒマラヤ小学校空手部から男子5名、女子3名が出場した今回がヒマラヤ小学校空手部にとって3度目の空手大会出場。今年1月に初めて出場した大会では、一部、健闘した児童がいたものの結果は大惨敗。悔しい涙の初戦となった。2度目の東ネパール、ウダヤプール郡で行われた大会では、初回の悔しさをバネに頑張った結果、見事、出場した4名全員が入賞するという快挙を果たした。

さて、今回は強豪ひしめくカトマンズ盆地での大会。かなり厳しい試合になることは予想されたが、前回の大会で入賞して自信を掴んだ子ども達が“勢いに乗って”、ということも夢ではないし、顧問のビジャヤさんは「全員の入賞を目指す」と力強く語っていたので、一体、どんな結果となるのか楽しみだった。いずれにしても子ども達にとっては、日ごろの努力の成果を確かめる上で大切な試合だ。

sunilヒマラヤ小学校に空手部が出来てから1年と数カ月。正直、ここまで子ども達が空手に夢中になるとは想像もしていなかった。ヒマラヤ小学校を開校したばかりの頃、学校を訪問された支援者の方に、「いつか運動部を作って、勝てる学校にしたい」なんて夢話をしていたのだが、今ではその夢話が少し現実味を帯び、入賞を目指せるまでになったのだから、何事も諦めてはいけないものだとつくづく思う。

今回の大会、やはりカトマンズ盆地の大会だけあって、かなりレベルの高い試合が続いた。ヒマラヤ小学校から出場した子ども達の内、空手部キャプテンのプロビンを含む男子4名が次々と1回戦で負けてしまい、なんとなく今回は駄目かなぁと諦めかけていたのだが、なんと5年生のスニールが大健闘。小さい体から繰り出すトラ―スキックが気持ち良く決まり、あれよ、あれよという間に決勝戦まで勝ち進んだ。決勝戦では6ポイントリードを守り切れず、後半に追い抜かれて勝負あり、となったが、それでも2位は立派な成績だ。

続いて行われた女子の部では、3年生のサムジャナが2度の不戦勝という幸運にも恵まれ、たった1度の勝利で準決勝まで勝ち進んだ。残念ながら準決勝で敗れたものの、3位入賞という立派な成績を残した。運も実力の内だと思う。

しま
そして、何と言っても今回の大会で驚いたのは、スニールと同じく2位入賞を果たした3年生のシーマの大活躍だ。今年1月に行われた初めての大会では、声こそ出ていたものの、試合開始1分で2ポイントを取られ、その後は完全に動きが止まってしまい、全く手ができないまま1回戦で敗北となったシーマ。試合の後、シーマが「怖くて動けなかった」と言ったのを鮮明に覚えている。

その後、一生懸命、稽古に励んで来たとはいえ、正直、今回の大会でシーマがこれほど活躍するとは夢にも思っていなかった。それだけにシーマが勇猛果敢に攻める姿は新鮮な驚きだった。いつの間にか自信をつけたのだろう。特に決勝戦では、試合終了直前に相手の突きが決まり1ポイントを奪われて敗れたものの、試合は完全にシーマが押していた。実質、1位と言っても過言ではない。

seemaそれにしてもヒマラヤ小学校空手部の成長は目を見張るものがある。空手に限らず、これまで入賞した工作コンテストや絵画コンテストなどにも共通しているのは、子ども達が敗北を一つのバネにして、次に繋げている事だ。敗北を知っている分、少々の事では参らないのかも知れない。次はだれが化けるのだろう。




hsf at 05:54│
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