学校を去る子ども達マテヤ

2009年08月03日

コツコツと努力を積み重ねる大切さ

8月2日

日本に帰る前日、元奨学生のジェニシャから「どうしても家に来てほしい」と電話があったので、家を訪ねることにした。

ジェニシャは里親教育基金から就学支援をしていた元奨学生で、ヒマラヤ青少年育英会を立ち上げた時、最初に支援をした12名の中の一人だ。支援を始めて数年後のある日、ジェニシャが、同じく就学支援を受けていた妹のジーナと共に、「私たちも何かしたい」と近所の学校へ通っていない子ども達を集め、字の読み書きを教えてくれたことが、後の寺子屋つくりのきっかけになった事はこのブログの中でもお伝えしていると思う。

じぇにしゃその後、2人とも一生懸命勉強に励み、一昨年、ジェニシャは無事12年生を卒業し、僕たちの支援も終了となった。卒業後は「学校の先生になりたい」という幼いころからの夢を叶えるべく、毎日のように学校を訪ね歩く就職活動の日々が続いていた。丁度、そんな頃、ヒマラヤ小学校が加盟しているUPSBENの学校のひとつが新人教員を募集しているという知らせを受け、ヤッギャ校長と一緒にジェニシャを熱烈推薦したところ、幼稚園クラスと小学校低学年の算数の仮教員という形で教鞭をとる事がきまった。

あれから約1年、コツコツと一生懸命頑張った事が評価され、今年度からはジェニシャは正式に教員として雇用される事が決まった。丁度、正規雇用が決まってから1ヶ月後の初給料日には、ジェニシャからコーラを御馳走して貰ったが、あの時は本当にうれしかった。ジェニシャが務める学校の校長によると、ジェニシャは他のどの先生よりも早く学校に来て、一番遅くまで仕事をしているそうだ。また、算数の以外にも率先して子ども達にダンスを指導するなど、学校として本当に助かっているとの事だった。ジェニシャの真面目な性格が評価され、うれしい限りだ。何事も一生懸命コツコツやっていれば、いつか必ず評価される時が来る、そんな事をジェニシャが身をもって教えてくれたような気がした。

ジェニシャさて、今回のジェニシャの呼び出し、正規雇用になった事で職服がクルタスルワールからサリに変わったそうで、そのサリを見てほしいとの事だった。隣にいた、やはり教師を目指している妹のジーナが憧れの眼差しで姉のジェニシャを見ていたのが微笑ましかった。活動を初めて10年、少しずつだが確実に成果が出ているようだ。



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