5年後、10年後の青写真退学

2009年02月11日

クマールの作文

2月11日

クマール2ヒマラヤ小学校から初めての卒業生を送り出すにあたり、出来れば卒業アルバムか文集のような物を作りたいと考えている。決して立派なものではなくても、子ども達が一緒に夢を描き、追いかけた5年間の軌跡を記録として残す事は大きな意義があると思う。

先日、5年生に「ボクの、わたしの未来」という題で、文集に載せる作文を書いて貰うことにした。作文というのは普段なかなか口には出せない想いや気持ちを表現するためにとても良い手段だと思う。これまでにも何度か作文を書いてもらった事があったが、その度に子ども達の意外な一面を知る事が出来た。今回の5年生の作文も彼らの意外な心の一面がみられるのではないかと、とても楽しみだった。

悪戦苦闘しながらも18名全員が作文を書きあげた。作文を回収した後、毎日、時間を見付けては5年生が精いっぱい書いた作文に目を通しているが、どの作文もなかなか面白い秀作ぞろいだ。特に今日、読んだクマールの作文は、母親を思うクマールの素直な気持ちが書かれていてとても良かった。ヒマラヤ小学校開校以来のガキ大将、クマールの作文を一部、紹介したいと思う。



「ぼくの、わたしの未来」クマール・ミザール


僕は将来、お医者さんになりたいと思っている。お医者さんになって病気で苦しむ人や貧しくて病院へ行けない人、ヒマラヤ小学校の小さな子ども達、そして僕のお母さんを助けたいと思っている。

「将来、お医者さんになりたい」と僕が言うと、村の人達から笑われたことがあった。あの日以来、僕は人前では「将来は兵隊なになる」と言うことにした。兵隊なら僕のような貧しい家庭の子でもなれると思う人が多いので、それから笑われる事はなくなった。でも、僕はいつも心の中で「お医者さんになりたい」と思っている。

村の人達に笑われた日、お母さんにその事を話すと、お母さんは「クマールなら立派なお医者さんになれるよ」と言ってくれた。僕はとても嬉しかった。お母さんは苦労しているので、時々、風邪をひいたり、体が痛たそうにしていることがある。そんなお母さんを助けることが僕の夢だ。お母さんが病気になったら、絶対に治してあげたい。だから僕はお医者さんになりたいと思う。




hsf at 04:41│
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