がんばれネパール人若い先生たちの熱意

2008年02月09日

2月9日(土)

デウラリデウラリ村へ往診に出かけた。先週に引き続き、今回が3度目の訪問。今回は将来の医療キャンプ開催に向けた実態調査も兼ねているため、週末を利用して泊りがけでの訪問となった。


デウラリ村は標高約2300メートル、山のほぼ頂にある静かな村。村には約40世帯が暮らし、電気もない原始的で静かな生活が営まれている。この村へ往診に出かけるようになったのは、ちょうど半年ほど前のこと。デウラリ村の隣村からクリニックへ通っていた患者から、デウラリ村に80歳を超えるお年寄りが膝の痛みに苦しんでいるが、(道路もなく、交通手段がないため)、クリニックまで連れて来ることが出来ないので何とかならないか、と相談を受けたことが切欠だった。以前、デウラリ村の傍まで訪ねた事があったので、デウラリ村からクリニックのあるパタン市まで通うことが、どれだけ難しいのかは容易に想像する事が出来た。

その後、お年寄りの治療のため実際に村を訪ねてみると、荒涼とした風景の中にある素朴な人々の暮らしに何とも言えない感動を覚え、すっかり村の虜になってしまった。特にカトマンズ盆地にありながら、雑音の全くない静かな世界は、普段、カトマンズの喧騒の中で生活している身には何とも新鮮で、今ではこの村を訪ねる事が僕の楽しみの一つにもなっている。

ディーゼルの不足で、途中の集落まで行く乗り合いのダンプカーが運行を休止していたため、結局、家から全行程を歩いて行くことになった。のどかな菜の花畑を横目にしながら歩くあぜ道はなかなか心地良かった。まだ厳しい寒さは残るものの、着実に春が近づいていることを実感する。

道中デウラリ村までは途中の集落まで砂利道ながらも一応道路があり、通常、朝夕の2回、小型ダンプカーを使った乗合バス?が運行されている。集落の人々はこのダンプカーを使い、朝、搾った牛乳をパタンやカトマンズで売っているそうだ。東屋で一緒になったお年寄りは、道路が出来た事で暮らしがずいぶん便利になったと喜んでいた。

時々、僕を含めた外国人は、ネパールの農村が開発されていく姿を身勝手に嘆いてしまう事がある。道路が出来、電気が通れば村の暮らしは一変する。村人の生活が楽になる一方で、素朴な営みや文化といった貴重なものが失われていく姿を目の当たりにするのは、本当に胸が痛くなる現実だ。

堆肥道路が通っている場所と、通ってない場所では生活に大きな差が出ている現状を考えると、村人が道路に夢や希望を抱く気持ちは良くわかる。個人的には村が無秩序に開発されていく姿は慨嘆にたえない気持ちもあるが、やはりこれも社会の流れと思って受け入れるしかないのだと思う。これからデウラリ村もきっと大きく変わっていくのだろう。僕として変わりゆく村の景色をしっかり見つめていきたいと思う。


hsf at 15:20│
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