報告会若さの利点

2008年01月19日

思案所

1月19日(土)

サシナブンガマティ村での治療を終えた後、往診のためドゥクチャップ村へ向かっていると、偶然、3年生のサシナと会った。牛の世話をしながら飼い葉を集めに来たのだという。毎日、2頭の牛の世話をすることがサシナの日課のようだ。

サシナは知的障害を持った児童だ。こちらの話を理解することも出来、授業中も教わった内容をクラスの中で一番早く理解できるのだが、いざ、それをノートに書こうとすると全く書くことが出来ない。時々、意味不明の言動もあるが、感情がとても豊かで心優しい性格の持ち主だ。学校が大好きで、毎日、楽しそうに登校してくるサシナを見ると、こちらも嬉しくなってくる。

サシナの保護者は一向に障害が良くならない事に苛立ってか、以前はサシナに対してずいぶん酷い仕打ちをしていた。よく“蹴っ飛ばされた”とか“靴で叩かれた“と、学校に来ては泣いていたサシナだが、ヤッギャ校長や先生達が何度も家に足を運び保護者と話を続けた事で、最近ではそうした問題も起こっていないようだ。母親もサシナの様子を見に学校へ来るようになったので、少しずつだが保護者のサシナや障害に対する理解が深まってきたのかもしれない。

今年は最終学年となる5学年を開校し、来年には初めての卒業生を送り出すという僕達の思案所でもあるためか、最近、子ども達一人ひとりの将来について考える事が多い。3階校舎が完成した後の卒業生への職業訓練には全力を挙げるつもりだが、やはり一人ひとりの持つ能力や個性をしっかり理解しなければ、本末を誤る結果となってしまう。

サシナと別れた後、暫くして後ろを振り返ると、サシナが遠くから一生懸命、手を振っていた。サシナの人一倍豊かな感情と優しさを、一体どのような方向へ導けば良いのだろうか。暫くは思案に暮れる日々が続きそうだ。



hsf at 19:34│
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