北海道十勝地方訪問ヒマラヤ小学校絵画展が終了。

2007年11月22日

アートコレクション福原記念館訪問

11月22日(木)

記念館鹿追町2日目。朝から雪が降る寒い天候。昨日に引き続き、凍てつくような寒さに驚く。冬の北海道の厳しさを改めて実感した。

朝10時の開館と同時にアートコレクション福原記念館を訪ねた。関係者の皆さんに温かいおもてなしを受け、展示された絵画作品をゆっくりと時間を掛けて鑑賞することが出来た。どの作品も素晴らしいものだが、特に洋画家・斉藤斎(さいとういつき)の描いた100号の絵の迫力には一驚した。またそれ以上に『貧困を恐れず』という氏の文章には深く心を打たれた。苦しいときに助けてくれた友人や知人への感謝の気持ち、貧しい日々が貧困に打ち克つ心を作ったこと等が、淡々と書かれている。特に“どんなに苦しくても自分の進む道を変えてはいけない”という最後の一行を読んだときは驚嘆した。


ダヌワール貧困は辛く苦しいものだが、時として人間を逞しくするエネルギーを生み出したり、僕達に人間としての優しさを教えてくれることがある。奨学生たちが我武者羅に勉強する姿は正に噴火直前の火山のようなエネルギーだし、貧しい子供たちが、貰ったチョコレートを小さな弟や妹にあげたいと、ポケットに入れる健気な姿からは人間としての優しさを感じずにはいられない。貧困を嘆くのではなく、貧困を大きな力に変える。きっと斉藤斎の作文は子ども達に大きな力を与えてくれると思う。ぜひネパールに戻ったら紹介したい。

『貧困を恐れず』斉藤斎

貧しい家に生まれ、中学に時はしばしば月謝を滞納したが、両親が親類や知人に頼んで借金をして歩いたのを覚えている。美術学校に合格したが、さて学費がないと当惑した時、先輩の方々が心配してくださり、肥後奨学金が出るようになった。ある先輩は、月謝は俺に任せろといってくださった。

中略

貧しさに負けなかったのは、幼い頃から食事にも事欠く日々の連続であったためだ。どんなに苦しくても自分の進む道を変えてはいけない。


*美術館に展示されてあるものを模写しましたので、内容は完全ではありません。

館内ではヒマラヤ小学校の子供達が描いた絵とも再会することが出来た。半年前、生まれて初めて水彩画に挑戦した子ども達。乱れた色にも子どもたち一人ひとりの一生懸命さが伝わってくる。こうして本格的な美術館で子ども達の絵を展示していただき本当に嬉しい。いつか子ども達を連れて美術館を訪ねる事が出来れば、どんなに素晴らしいだろう。北海道の壮大な大地を見て、美術館で本物の芸術に触れる事が出来れば、子ども達の夢は限りなく大きく育つのではないだろうか。僕の中でひとつ大きな夢が出来た。

その後、2階校舎建設のご支援を頂いた『アートコレクション福原記念館』のオーナー福原氏ご夫妻とお目にかかりお話した。福原氏ご夫妻から温かい励ましのお言葉を頂き、胸が張り裂けるような思いがした。支援者一人ひとりの気持ちをしっかり汲み、子ども達の未来のために全力で頑張ることが僕達に出来る唯一の恩返しだと思う。しっかり頑張りたい。

アートコレクション福原記念館
北海道河東郡鹿追町泉町1−21
電話0156-66-1010
●開館時間/午前10:00〜午後5:00
●休館日/毎週月曜日・年末年始
●入館料/一般600円(500円)/高校300円(250円)/小・中生200円(150円)身障者300円




hsf at 23:39│
北海道十勝地方訪問ヒマラヤ小学校絵画展が終了。