ヒマラヤ小学校絵画展休み明け

2007年10月26日

長期休みの不安

15日間に渡って賑やかに執り行われたダサイン祭りも、今日の満月で終わりとなった。地方に帰省していた人々もカトマンズへ戻り始め、町は元の喧騒が今年のダサイン期間中、10日目の『ビジャヤ・ダサミ』の日以外は音のない静かな環境の中で過ごしたため、集中して仕事に取り組む事が出来た。普段、騒がしい街中で仕事をしていると玩物喪志に終わる事も多いが、静かな環境に身を置くと不思議と集中力も出てくるようだ。

ヒマラヤ小学校の子ども達の中には、カトマンズ盆地以外からブンガマティ村へ移住して来た子が大勢いる。村の外から移住してきた子ども達の殆どはダサイン期間中、保護者の郷里へ帰省しているようだ。28日の始業に合わせ、そろそろブンガマティ村に戻ってくる頃だと思う。

ダサインのような長期休暇になると、どうしても心配になるのが退学問題だ。これまでにも毎年、長期休暇を境に学校を辞めてしまった子が数名出ている。休み中に親の仕事を手伝ったまま学校へ来なくなるケースや、帰省中、保護者がブンガマティ村以外の他の地域で仕事を見つけた場合など、そのまま退学してしまうケースが多い。他にも休み中、兄弟に人身売買された例もあった。ダサインのような大きな祭りは何かと物入りなため、退学に繋がる様々な問題が起こりやすいようだ。

各家庭の窮状を考えれば仕方ない面もあるが、果たして移り住んだ新天地で子ども達はきちんと教育を受けられるのだろうか。おそらく多くの場合は教育を受ける事も無く、働くことになるのだと思う。仮に新天地で学校へ入学する事になっても教科書や学用品を買うことが出来ず、結局、学校をやめるケースもあるかもしれない。ヒマラヤ小学校のように学用品まで無償という学校はネパール国内でもそうない筈だ。

休み明け、子供たちの元気な顔を見られることが今から楽しみな反面、きちんと皆、学校へ来てくれるのか不安な気持ちもある。なんとか全員の笑顔が見られる事を願いたい。



hsf at 00:52│
ヒマラヤ小学校絵画展休み明け