がんばれ!サシナ試験終了

2007年04月01日

小さな争い

4月1日(日)

先日から他校の児童(悪ガキ連中)が学校の傍をうろつき、何となく校内が騒がしくなっていた。外に出て彼らに声を掛けると、“何でもない”という答えが返ってくる。何が起こっているのかさっぱり分からずにいると、ある児童が健児たち(悪ガキ連中)は、3年生のクマールに文句があるのだと教えてくれた。文句だけではない、殴りに来たとか、叩きのめしに来たとか、いろいろな声が聞こえてきた。更にクマールだけではない、クマールの親友ジャナックも狙われている事が分かった。子ども同士の喧嘩とはいえ相手は10名近い。これは少し問題があるということで、ヤッギャ校長の出番となった。

クマールヤッギャ校長は悪ガキ連中、当事者のクマール、ジャナックを職員室へ呼び集め、お互いの意見を聞きはじめた。お互いに言い分があるようでなかなか譲らないが、傍で聞いた話では、事の発端は、まずヒマラヤ小学校1年生のS君が下校途中に(貰ったばかりの新しい)鉛筆を落とし、それを同じ1年生のD君が拾った。翌日、D君が自分の鉛筆を拾った事を知ったS君は、D君に鉛筆を返して貰いに行った。するとD君は使いかけの短い鉛筆を渡し、新品は自分の物にしてしまった。納得のいかないS君、早速、近所のお兄さん(悪ガキ連中)にその事を報告。悪ガキ連中はS君の鉛筆を取り返しに、D君の家へ大人数で押しかけた。

悪ガキ連中はD君に向かって、“Sに鉛筆を返すか、鉛筆代を払え”と恫喝。怖くなって泣いたD君。その様子を見た近所に暮らすクマールが、悪ガキ連中に暴言を吐いて噛み付いた。部外者のクマールが吐いた暴言に怒った悪ガキ連中は、仲間を増やしてクマール退治に乗り出したとの事だった。下校途中、何度も悪ガキ連中に追いかけられたクマール。終に1人で帰れなくなって、親友のジャナックに助けを求めジャナックも参戦した。その結果、問題は更に大きくなり、悪ガキ連中は仲間を増やし、学校でクマールを待ち伏せする戦術に出たようだ。この問題、D君が既にS君へ鉛筆を返したことで決着済みの筈だが、悪ガキ連中VSクマール、ジャナックという争いに大きく発展してしまった。

裁きクマールは小心者だが、優しく正義感は人一倍強い奴だ。幼い弟をとても大事にする姿からも彼の優しさがよく分かる。クマールにとっては近所の可愛い弟分であるD君が、悪ガキ達に一方的に攻められている様子は我慢ならなかったようだ。悪ガキ連中も小さな子が取られた鉛筆を取り返しに来たのだから、その点は理解できる。でも1年生を相手に大人数で押しかけるのは、やはりおかしい。

結局、この問題、ヤッギャ校長が上手く喧嘩両成敗で裁いて解決した。悪ガキ連中に対して、クマールやヒマラヤ小学校の児童の行動は学校長が全て責任を取る。今回、クマールが暴言を吐いた事は自分に責任があると、悪ガキ連中に謝罪した。もしクマール達が悪い事をした場合は自分に文章で報告すること。その上でちゃんと処分をする事を約束した。しかしクマールや他の児童を大人数で詰め寄ったり、殴ったり、蹴ったりすることは許されない。その場合は、学校間の問題として取り上げる!と、一喝した。またクマールには、Dを守ろうとした態度は立派だが、いかなる事があっても人に暴言を吐いてはいけない。いつも紳士でいなさい。もし紳士として振舞うことが出来ないなら、学校に来る必要はない!と、こちらも一喝。

結局、ヤッギャ校長の話にお互い納得した様で、その後は一緒にサッカーをして遊び始めた。子ども達の人間関係は壊れるのも早いが、修復もとても早い。さっきまでの争いが嘘のように、お互いに笑顔でボールを追いかける様子は、見ていて清清しいものがあった。

ヤッギャ校長子供に喧嘩はつきものだ。こうして喧嘩をしたり、仲直りをしたりしながら、子ども達はいろんな事を学んでいくのだろう。それにしてもヤッギャ校長が悪ガキたちを叱っている時の、クマールの嬉しそうな顔には思わず笑ってしまった。自分が叱られる番が来ると、急に反省した顔をする。クマールはなかなか賢い男だ。帰り際、クマールの肩を叩くと、『喧嘩したら、僕が勝っていたのに。。。。』と虚勢を張る姿もいかにもクマールらしかった。




hsf at 10:06│

この記事へのコメント

1. Posted by まいぺーす   2007年04月02日 21:48
ヤッギャ校長の判断で子供達が仲直りできてよかったですね。

子供達の教育に対していつも情熱を持ってあたられている
ヤッギャ校長はすばらしい人だと思います。
2. Posted by ぶちこ   2007年04月05日 21:43
日本でもネパールでも子どものけんかの内容って
似ているなあ、と感じました。
けんかの後の様子も似ています。
子どもに国境はないのですね。
3. Posted by hanamizuki   2007年04月05日 23:12
いい喧嘩ですね。いい仲直りですね。
子どもの頃は、一生懸命ケンカして
子どもだけで解決できないときは
そのケンカに一生懸命大人が向き合ってくれること。
大人になって、それが大切だと気付きました。
4. Posted by makomoko   2007年04月09日 22:48
読んでいて、なんだか心温まりました。
みんな正義感が強いのですね。
思いやりの心を持った、優しい子供達なんですね。

誰かを守る為に率先して戦おうとする姿勢は、
とても勇敢できれいです。

大人になった私も、そうでありたいな、と思います。
5. Posted by 吉岡大祐   2007年04月12日 01:52
まいぺーす様

ヤッギャ校長は誠実で、強い情熱を持った方です。僕は心から尊敬しています。
6. Posted by 吉岡大祐   2007年04月12日 01:58
ぶちこ様

子ども達はささいな事で喧嘩になったり、仲直りをしたり。見ていて微笑ましい事も、ハラハラすることもあります。でも、子ども達なりに一生懸命生きている証だと思います。世界中、どこでも同じでしょうね。

7. Posted by 吉岡大祐   2007年04月12日 02:06
hanamizuki様

hanamizuki様のコメントに共感いたします。どんな小さな争いでも、大人が真剣に向き合うことが大事ですね。今回、ヤッギャ校長が問題に対して、真剣に対応した事が大きかったと思います。
8. Posted by 吉岡大祐   2007年04月12日 02:10
makomoko様

コメントをお寄せいただき、ありがとうございました。クマールは人一倍、お調子者で、よく叱られますが、本当に気の良い人間です。彼の正義感、僕もとても嬉しく思いました。
9. Posted by 野村   2007年04月22日 23:01
クマールの写真を見た瞬間ドキッとしました。なにかやらかした表情だなぁってピンときましたよ!
文章を読んでいてクマールらしいく微笑ましく感じました(笑)喧嘩をしないで済む方法を考えることが出来るようになってくれるといいんだけどなぁ・・
日本から心配かけるなとお伝えください
ヤッギャ先生ご苦労様でした。
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