現実問題期末試験

2007年03月11日

感慨を覚える。

3月11日(日)

クリニックで治療を終えた後、ブンガマティ村へ向かった。ヒマラヤ小学校を少し覗いた後、村の尼寺を借りて片麻痺患者を対象にした治療を行なった。

04寺子屋この尼寺はヒマラヤ小学校開校前の1年間、寺子屋としてヒマラヤ小学校へ入学予定の子ども達を集め識字教育を行なっていた、僕にとって思い出深い場所だ。今日は治療前に尼さんたちと当時の話しに花が咲き、深い感慨を覚えた。*写真は尼寺で寺子屋を開催していた頃。2年生のインドウ(中央)と妹の1年生ビンデゥ(左)


建設中当時、念願の学校建設が決まり、期待で胸を膨らませながら毎日を過ごしていた事を覚えている。そわそわした気持ちを抑えることが出来ないまま、毎日のように建設現場へ通い、ゆっくり進むネパールの建設作業をじっと眺めていた。その他にも、蛭に何度も噛まれながらヤッギャ校長やモンゴル先生と土地の測量をしたり、入学児童の選考のため家庭訪問を行ったり、教科書や制服を選んだりと、慌しくても毎日が楽しくて仕方ない、そんな感じだった。


04寺子屋建設地を選ぶときは、自分のわがままを通し、周囲の反対を押し切る形で今の場所に決めて貰った。日本から視察に来た人達からは、当時、棚田だった予定地を見て、こんな場所に学校が建つの?と、首を傾げられた事もあった。今、振り返ると、当時は本当に周りが見えていなかったのだと思う。あれから4年、ヒマラヤ小学校は2階建ての立派な校舎が建ち、少しずつだが小さな子ども達の間に教育の芽が育っている。一度、子ども達の成長について、先生達とゆっくり話してみたい。


尼寺治療尼寺での治療活動は予定していた7名を超え、最終的に15名の患者さんが集まった。慌しいままの治療だったが、なんとか全員の治療を終えることが出来た。今回、1人でも多くの患者さんを治療することと、部屋に篭りきりになりがちな患者さんに外出して貰う事で、筋肉の萎縮を防ぐこと、そして気分をリフレッシュして貰う事を目的に、尼寺での治療を試みた。

各家庭を回る往診よりも効率が良い事は確かだが、それ以上に患者さん同士が積極的に自身の闘病経験などを話し合い、積極的に意見が交わされていた事が良かったように思う。旧知の友人、知人と話をすることは、精神的にも良いことだと思う。その他、治療疾患を統一することで、僕自身も治療がとてもやり易かった。

尼寺まで来るには家族や友人の協力が必要であり、まだ課題も多いが、今後もできるだけこのような形で治療を進められたらと思う。


hsf at 03:32│

この記事へのコメント

1. Posted by まいぺーす   2007年03月18日 16:27
吉岡さんの治療で患者自身が病気を治そうという
強い気持ちを持ってくれるといいですね。

ヒマラヤ小学校の子供たちもきっとずいぶん成長
してくれていると思います。
ホームページに掲載されている写真の子供達はど
の子もとても明るい顔をしています。
2. Posted by hanamizuki   2007年03月19日 18:45
学校教育も治療も“今後に繋げていく”ことがとても重要なのですね。
教育の芽が大きな木に育っていく過程を大祐さんのブログで身近に感じることができ、とても光栄に思います。
3. Posted by 吉岡大祐   2007年03月20日 02:06
まいぺーす様
暖かいコメントをお寄せいただき有難うございます。麻痺を患っている患者さん達はどうしても俯きがちになってしまいます。そんな患者さんに少しでも希望を与えられる治療を目指したいと思っています。

写真を通して、子ども達の成長をお喜びいただければ幸いです。いつも有難うございます。
4. Posted by hanamizuki様   2007年03月20日 02:09
hanamizuki様

暖かいコメントを頂き、有難うございます。貧しさに負けない、逞しい子ども達、そして教育の木を育てる事が、僕達のささやかな夢です。どうか今後とも子ども達へのご声援を宜しくお願いいたします。
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