ハンセン病療養所訪問クリスマスケーキ、シッディプール村

2006年12月23日

12月23日(土)

ダヌワール約1ヶ月ぶりに某村を訪ねた。この村は被差別階級の人々が暮らす貧困の村。辺鄙な山郷に肩を寄せ合うように家が集まり、小さな集落を作っている。伝統的なカースト制度の問題から、他のネパール人があまり近づかない村だけに、むしろ僕のような外国人が積極的に活動を行うべきだと考えている。村までは一番近くのバス停から山道を歩いて3時間近くかかるため、頻繁に訪ねることはなかなか難しい場所だが、何とか治療活動の拠点つくりを進めていきたいと考えている。

ネパール社会の問題点を凝縮したような村の様子には、何時も胸が痛くなってしまう。村の抱える問題の深さに直面すると、果たして自分に出来ることはあるのか時々、懐疑的にもなってしまう。幸いにもヤッギャ校長やモンゴル先生のような理解ある人達の協力の下、少しずつだが村の人々との理解も深まりつつある。

この村には数年前、政府の学校が開校した。学校といっても現時点ではその役割をしっかり果たしていないのが現状だ。村の人々の多くは子供達を労働者として扱い、学校へほとんど送っていないようだ。衛生状態をひとつ見ても、この村に教育が根付いていないことがよく分かる。


村老人治療を続けている老人が村の窮状を涙ながらに語っていたが、なかなか僕達だけの活動では解決できない複雑な問題ばかりだ。

未だまったく見えてこない活動の先にある村の将来像を必死に探りながら、今は目先の治療活動に専念するしかないのだろうと思う。




hsf at 16:34│
ハンセン病療養所訪問クリスマスケーキ、シッディプール村