クマールハンセン病療養所訪問

2006年12月21日

教育の大切さ

12月21日(木)

朝からクリニックの治療で忙殺された。クリニックでは一応、人数制限を設けているが、遠い山の上の村からわざわざ来てくれた患者さんを断ることは、どうしても出来ないため、毎回、予定よりも忙しくなってしまう。クリニックに来る患者さんは貧しく、教育を受けていない人がほとんどだ。今日など、ある患者さんに、患者さんの暮らす村に唯一ある東屋の電話番号を尋ねると、クリニックにある電話の所まで連れて行かれ、『このボタンを1回、このボタンを2回、これを1回押すんだ』といった感じで、電話番号を教えてもらった。そんな事もあってクリニックの正式なルール(人数制限、時間、新規患者の登録等)など、ほとんど知られていないのが現状だ。村で医療キャンプを開催した時など、村人に保健衛生について書かれたパンフレットを配っても、村人の多くが文盲のため、そうしたパンフレットがほとんど役に立たない場合がある。この辺りがネパールでの活動の難しい点の一つだ。こうした経験からも、遠回りしてでも教育を根付かせることが一番大切ではないかと思う。

先日、7年近くクリニックに通っていたお年寄り(女性)が亡くなった。クリニックへ来る度に、村で採れた大根や人参、時には村の祭りで使われる聖水まで、差し入れしてくれる心の優しい人だった。治療が終わると必ず、『あなたに神様のご加護がありますように』と、手を合わせて祈ってくれた。僕にとっては決して忘れることの出来ない患者の1人だ。

その患者さんが毎回、口癖のように『次ぎ生まれたら学校へ行って、字の読み書きと時計の見方を覚えたい。』と言っていた。今振り返ると、とても重い言葉のように思える。ネパールの識字率が先進国並みになるまで、一体、どれくらいの時間が掛かるのだろう?決して簡単ではない問題だが、一歩ずつの歩みがなくては解決には向かわない。ヒマラヤ小学校の一歩ずつの歩みが、将来、国の大きな力になる事を願いつつ、今は一生懸命頑張るしかない。


hsf at 13:25│
クマールハンセン病療養所訪問