ダサイン祭り孤児院

2006年09月14日

人身売買

9月14日(木)

ネパールでは毎年1万人近くの少女が、隣国へ人身売買されていると報告されている。息子を学校へ行かせるために娘を売る親がいたり、家族の治療費を賄うため、または弟達に教育を受けさせるために売られていく少女がいる。中には自分の物欲を満たすためだけに娘や妹を売り飛ばす輩もいる。何れにしてもブローカーが、教育を受けていない文盲の親達を騙し、少女を人身売買する例が多いようだ。

ヒマラヤ小学校でも2年前、2人の児童が兄弟に人身売買される悲しい事件が起こった。突然の出来事に唖然としたが、知人から村では良くある話だと聞いて、なお驚いたことを鮮明に覚えている。いたいけな子ども達の未来を踏みにじる行為に強い憤りを感じるが、それがネパールの村で起きている現実である事、そしてそのような悲しい出来事をなくすためにこそ、『教育』があるのだと教えられた。ブンガマティのような首都に近い村でも起こるのだから、僻地ではもっと起こっているのだと思う。

ネパールの農村部では今も幼児結婚の習慣が残っている。12~13歳という年齢で娘を結婚させる例が多いようだ。ヒマラヤ小学校に通う児童の保護者には、20歳以下の若い母親が多い現状を見ればブンガマティ村も決してその例外ではない。

先日、ある児童の母親がインドの国境で、人身売買防止に取り組んでいるNGO団体に保護された。どうもブローカーに騙され、他の女性たち5名と共に村を出たようだ。ブローカーからはドバイで1年間、工場で仕事をすれば、ネパールの何十倍ものお金を稼ぐことが出来ると言われ、すっかりその気になったそうだ。ブローカーからは、インドを経由してドバイに行くと言われ、誰一人、疑っていなかった様子だ。

幸いにも国境付近で人身売買の防止に取り組んでいるNGOに保護され村に帰ることが出来たが、もしも保護されなかったらどんな結果になっていたか、考えただけでも恐ろしくなる。その児童の母親も未だ21歳と若く、教育を一度も受けたことがない文盲だ。夫も教育を受けていないためブローカーの巧みな言葉に簡単に騙され、ドバイ行きを大賛成したという。

今回の問題から子ども達だけでなく、教育を受けていない親も常に危険に晒されている事を痛感した。学校としてこの問題に対して何が出来るのだろうか。学校として子ども達だけでなく文盲の母親たちへも何か出来ないか、しっかり検討し実行しなければならないと思う。それが出来てこそ、『社会に貢献できる学校』と、胸を張れるのではないだろうか。


hsf at 01:43│
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