表敬訪問難しい局面での成功

2006年04月26日

調印式

4月26日(水)

今日はいよいよ念願の調印式。政党側が国王の声明を受け入れゼネストが解除になったとはいえ、何が起るかわからない。民衆が感情的になっている現状では、ささいな事でも問題が起ってしまう。今日一日、何事も無く静かに過ぎて欲しいと心の中で願いつつ、調印式予定時間(午後4時)が来るのを待った。

昼から釜野先生と今後のケナフ活動について、ゆっくりお話することが出来た。ネパールの経済規模や地理的条件などを考えると、将来的に大規模な産業を立ち上げるのは困難だ。それよりも小さくてもネパールならではの活動を展開したいと考えている。例えば、釜野先生が提唱されるユートピア構想のように全ての面で環境に配慮した完全循環型の工場など、世界でネパールにしかない形を構築していければ、将来、そこで働く人たちや地域社会に人々にとっても誇りとなり、発展が期待できるのではないだろうか。世界に誇るネパールの美しい自然とケナフ活動を必ず結び付けたい。

市長
午後4時、カトマンズ市役所で調印式が開催された。カトマンズ市側が十分な準備をしてくれたお蔭でスムーズに式を始める事が出来た。冒頭サダナさんが調印の趣旨を話したが、会場に集まった市長をはじめ区長達、メディア関係者の前でもまったく動じる事の無い、どっしり、しっかりとしたものだった。サダナさんは活動を通して、確実に実力と自信をつけている。


大臣市長との調印は順調に終わり、会場からは大きな拍手が沸き起こった。調印が終わった瞬間、何ともいえない感動を覚えた。市役所で市長自らケナフの苗を植えるなど、素晴らしい調印式となった。その後、急用で参加できなかったプロカシュ・コイララ大臣と自宅でお目にかかり、立会人の区長さんと共に何事も無くサインをして頂いた。これで環境・科学技術省、カトマンズ市、日本ケナフ開発機構、ネパール・ケナフ開発の4者による署名が完了、今後、共同でケナフ活動を進める事が正式に決まった。

2年前、2校の小学校と寺子屋の片隅での種蒔きから始まったケナフ活動は、大勢の人々の理解と協力、そして何よりも子ども達の熱意に推され、想像以上に大きな発展を見せた。これから政府と共により意義ある活動を目指し頑張っていきたい。

夕方からはシャングリラホテルでカトマンズ市主催の夕食パーティに参加。コイララ大臣も参加しての楽しい夕べの一時となった。

今回、一度は諦めていた調印式が開催できたのは、サダナの謙虚さと何事にも前向きな明るさ、そして知恵と個性、そして何よりも、あの混乱時に命がけでネパールへ乗り込んだ釜野先生のケナフに対する情熱と勇気、勝負根性、それに尽きると思う。

『一生懸命頑張れば、何だって出来るんだ〜』と謙虚に囁いたサダナさんから、今後のケナフ活動の発展を確信した。




hsf at 03:25│
表敬訪問難しい局面での成功