公園建設環境省訪問

2005年08月24日

支援活動の難しさ

8月24日(水)

朝からクリニックで治療。今日は一番古い患者さんが久しぶりにクリニックにやって来た。担ぎ人夫をしている貧しい男性で、5年前に坐骨神経痛を患ってクリニックへ来院した。その後、治療を続けている内に坐骨神経痛が軽減した時には『担ぐ物があったら何でも担いであげます』と言って、とても喜んでくれたことを覚えている。今年の初めに来院した時には骨結核らしい症状があったため、結核病院を受診するよう勧めた。

今日は久しぶりの来院だったが、筋肉の萎縮がひと目で分るほどやつれてしまい、自力では歩けない状態になっていた。どうも先日、道端で転倒して以来、痛みで歩けなくなったとの事だった。更に詳しい話を聞いていると、どうも大腿骨頭に問題がある事が分り、直ぐにでも人工骨頭の置換手術が必要な状態だった。

急いで知り合いの先生に連絡を取り手術の費用について尋ねると、少なくとも14,000ルピーの費用が掛かることが分った。どう考えても患者さんが支払える金額ではない。しかし、このまま放置していると筋肉は萎縮し、歩行が更に困難になってしまう。どうすれば良いのか困ってしまった。

医療保険制度が整備されていないネパールでは、貧しい人々が十分な医療を受ける機会が少ない。この患者さんのように手術をすれば症状の回復が見込まれる疾病でも、諦めて放置しているのが現状だと思う。

数年前、一時帰国した折に長期入院を経験したが、伝染性の感染症という事で治療費が全額無料になり、日本の医療制度の素晴らしさを実感した。ヒマラヤ青少年育英会でも多くの皆さんにご支援いただき『ヒマラヤ・こども医療基金』を通して子供達への医療支援を行っている。しかしこの基金も子ども達を対象にしているため、仮に保護者が病気に罹った時は何も支援することが出来ない。母子家庭で母親が病気になった時、一番困るのは幼い子供達だ。病で苦しんでいる母親の前で泣いている子供達を何度も見ているだけに、一体どうすれば良いのか悩んでしまう。

支援は当たり前になってしまえば意味がない。いかに支援を受ける側の自助努力を応援するかがとても大事だと思う。しかし目の前で苦しみ支援を必要としている人を無視することにも強い疑問を感じる。支援活動はとっても難しい。

今日の患者さんの件は、癌協会の会長さんや会長の知人に協力をお願いして見た。患者さんも友人や知人を頼り、出来るだけ手術費用を集める努力をすることで纏まった。何とか良い方向で進むことを祈っている。


hsf at 02:10│
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