家庭訪問

2005年06月19日

学校見学会

6月19日(日)

SLCを合格した『里親教育基金』の奨学生を集めカレッヂ見学会を開催した。ヤッギャ校長と愛娘のサンギャちゃん(SLC合格)も同行。

SLC(10年生終了時に受ける全国統一卒業認定試験)の後、学生達は『Intermediate』や『プラス2』と呼ばれる2年間の後期高等教育を受けるが、ここで学生達はそれぞれ専門科目を選択しなければならない。科学、商業、人文、教育の4つが主な選択肢だが、少なすぎる選択肢から選ぶことは16歳の子ども達にとって容易なことではないと思う。将来の道を決める大事な時期だけに、夢と学力などを総合的に見て冷静な判断が求められる。

まずは看護師を目指している奨学生のためにナショナル・マルティプルキャンパスを訪問した。学長から直接、学校についての説明を受けた後、進学に関する様々なアドバイスを頂いた。近年、看護師を目指す学生が増えているため看護学校入学は競争が厳しいそうだ。仮に看護師になっても看護師過剰気味の昨今、就職できるかどうか分からないとのこと。現実を知ることはとても大事なことだと思う。今まで憧れだけだった看護師という仕事の厳しい現状を知ることで、奨学生の表情に大きな変化があった。

ナショナル・マルティプルキャンパスの学長は、元々検査技師で博士号を取得した方だ。学校でも18ヶ月間の検査技師の基礎を学ぶコースが用意されている。自身の専門ということもあり、検査技師という仕事に遣り甲斐があることや、何でもコースを終えた学生には100%の就職を保障してくれるとのことで、随分お勧めの様子だった。また仕事を続けながら更に3年間、学ぶことが出来るとのことだった。

ヒマラヤ青少年育英会の里親教育基金では、子ども達の夢を応援することを一番の目的にしている。出来る限り子ども達の一人ひとりの描く夢を叶えたいと考えている。しかし貧困の国ネパールでは、夢よりも経済的な自立をすることの方がとても大事だ。たとえ看護師になる夢が叶っても、経済的に自立できなければ意味がない。複雑な思いだが、将来の経済的な自立をどうしても優先的に考えてしまう。

今日、学校見学に参加した奨学生の一人スリスティは、とても穏やかで素直な性格の女の子だ。今回SLCに合格はしたものの、成績が思っていたよりも振るわず少し落ち込んでいた。スリスティも看護師になりたいと希望していた1人だが、彼女のSLCの成績と性格を僕なりに判断して、検査技師の道を勧めて見た。スリスティ自身も学長の話を聞いて検査技師に興味を持ったようで、ぜひ勉強したいとの返事だった。

その後、数校を訪問。将来、客室乗務員を目指し進学先では英語を学びたいと言っている奨学生も訪問した学校が気に入った様子で、早速、来週にも入学試験を受けることが決まった。

こうして子ども達の進路に係わっていると、就職や進学指導を担当する日本の先生達の日頃の苦労がとても良く分かった気がした。まだまだ進学先が決まっていない子供たちは多いが、何とか子ども達の希望を叶えられるよう頑張りたい。今週は3回ほど見学会を開催する予定。



hsf at 04:11│
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