スニール1心の交流

2005年06月03日

スニール2とダンス教室

6月3日(金)

朝8時、昨日に引き続きスニールを連れカンティ子供病院へ行った。今日は手術の日。スニール以上に同行した僕達の方が緊張していたように思う。朝、9時に担当の先生に案内していただき、手術の待合室へ移動した。

スニール10時半過ぎ、スニールが手術室の中へ運ばれた。不安もあったのだろう、スニールの目からは涙が流れていた。人々の熱気ですっかり暑くなった待合室で待つこと1時間あまり、手術を終えたスニールが出てきた。まだ静脈麻酔が効いているせいか、スニールは優しい表情で眠っていた。間もなくして担当の先生が出てこられ、手術の経過について説明して頂いた。

先生によると、昨日のレントゲンで見つかった右の胸部第2、3肋間の大きな金属片は、切開してみると肺近くまで達しているため、今回の手術では摘出は出来なかったが、周囲にあった石を2つを摘出できたとの事だった。また、この先、金属片による問題は特に起きないだろうとのことだった。まずは手術が成功したことを喜び、手術を乗り越えたスニールの頑張りを称えたい。また今回の手術に全面的に協力してくださったサンタ先生のご好意に対し、心から感謝の気持ちを伝えたい。

麻酔の影響でぐっすり眠っているスニール。途中、何度も『お母さん、お母さん』と寝言を言っていた。きっと母親の夢を見ていたのだろう。事件の後、母親の元を離れ施設で暮らしているため、母親への想いが募っているのかもしれない。スニールの無邪気な寝顔を見ていると、なぜ罪の無い子供がこんな被害に遭わなければならないのか?一体、何が原因でこのような結果になってしまったのか?いろんな疑問が脳裡をよぎった。

覚醒したスニールを連れてブンガマティ村へ戻った後、寺子屋を訪ねた。今日から隻手薬師寺子屋で里親教育基金の奨学生、ジェニシャによるダンス教室が始まった。子供達はダンスが大好きだが、基礎を勉強していないため、どうしても踊りにバラつきが出てしまう。

今回、子ども達からもっとダンスを習いたいという要望を受け、ダンスの上手なジェニシャにお願いしたところ快く引き受けてくれた。ジェニシャは2000年から2003年までの間、ヒマラヤ青少年育英会が開催していた週末ダンス教室で、みっちり基礎を勉強しているので、きっと上手く教えてくれると期待している。何時もは笑い声が絶えない寺子屋の子ども達も、今日はジェニシャの熱心な指導の下、真剣な表情でダンスの練習に打ち込んでいた。こうした里親教育基金の奨学生と寺子屋の子供たちとの交流はとても有意義なことだと思う。これからもこうした交流をどんどん深めていきたい。




hsf at 04:01│
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