2021年02月

2021年02月28日

卒業生


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所用のため学校に電話をすると、ちょうど卒業生の女の子が来校していました。なんでも先生たちに結婚の報告をするために来たのだとか。感慨に浸りつつ電話を代わってもらうと、在校当時と変わらぬ愛らしい声。こちらの体調を気遣ってくれる優しさも当時のままでした。

次々と降りかかってきた貧困の苦しみ。やるせない気持ちをぐっと抑えながら一歩ずつ歩んで来た子です。だからこそ幸せになって欲しいと心から思います。卒業生の新しい旅立ちに弥栄!!


それにしても卒業生が結婚の報告に来るなんて...しみじみと時の流れを感じます。



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ヒマラヤに学校をつくる」上梓のお知らせ


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株式会社旬報社より拙著ヒマラヤに学校をつくる 〜カネなしコネなしの僕と、見捨てられた子どもたちの挑戦を上梓しました。子どもたちが精いっぱい駆け抜けた20年の軌跡をぜひお楽しみください。全国主要書店およびネットにて発売中です。




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2021年02月21日

計画破綻

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緊急事態宣言によってイベントが延期になったことで生まれた時間を有意義なものにしようと、計画表を作成しましたが、思った以上に脇目をふってしまい計画は完全に破綻しています。

成り行きまかせのネパール生活が深く身に染み付いた、と言いたいところですが、正確には元の性格が更に深化、パワーアップしたということです。ふぅうう。





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「ヒマラヤに学校をつくる」が第65回青少年読書感想文全国コンクール(主催:全国図書館協議会・毎日新聞社 後援:内閣府・文部科学省 協賛:サントリーホールディングス)」の課題図書(高等学校部門)に選ばれました。



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2021年02月20日

スラムの人びと

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昨年、4年半ぶりにカトマンズを訪ねたとき、街の景色が一変していることに吃驚しました。震災もありましたし、近代化の波が押し寄せていることは肌で感じていましたので、ある程度は想像していたのですが、現実は想像の域をはるかに超えていました。

治療に通った川沿いのスラムは跡形もなく消え、新しい道路ができていました。忙しく走る車を見ながら、スラムで出会った人たちのことを思い出しました。

行き場のない貧困に閉じ込められながらも、その日その日を必死に生きていた人たち。そして、あの底抜けに明るい子どもたちは何処へ行ったのか、もう知る由もありません。今も何処かで、社会から見捨てられたまま暮らしているのでしょうか...。





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2021年02月19日

アッチー・アダートキャンペーン

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JICAインド事務所主導で行われている衛生習慣向上啓発活動「アッチー・アダートキャンペーン」に日本企業やNGOが参画し、さまざまな取り組みが行われているというニュースが目に止まりました。

衛生習慣の向上にとって大切なことは、一気に変えようとせず小さなことを積み上げていくことだと自分自身の経験からも実感します。ニュースに取り上げられていた貝印のピック付き爪切りの配布など、習慣化の入口としてとても良いアイデアではないでしょうか。

このキャンペーン、インド1億人を対象に行われるそうですが、いつかインド全土、そしてネパールにも広がってくることを願っています。

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ちなみにネパールに住んでいた頃は月に一度、爪切り屋さんが来て、刃物を使って足の爪(なぜか手の爪は切りません)を綺麗に切ってくれていました。見事な刃物さばきは見ているだけで楽しい時間でした。

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切り終わった後、指の先を赤い塗料でマニキュアのように真っ赤に塗ってくれるのですが、あれはなんの意味があるのか未だによく分からないままです。

写真は1998年、22歳の頃の自分の足。ネパールに住んでいた頃、足の指先は常に赤色でした。




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2021年02月18日

期末試験

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期末試験が実施されるとの連絡がありました。昨年9月に政府が今年度の教育カリキュラムを30パーセント減らす方針を明らかにしましたが、学校が再開したのは1月17日。その前は寺子屋などで授業を継続していましたが、なんとかカリキュラムを消化したということでしょうか。

あいにく電波の状態が悪く電話の声がうまく聞き取れなかったため詳細は分かりませが(大事な要件のときに限って電波の状態が悪いのです)、試験実施に漕ぎ着けたことはひと安心。先生たちの努力の成果だと思います。

いずれにしても大事な期末試験。子どもたちの奮闘を祈ります。




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2021年02月17日

シャクナゲ兄妹

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6年ほど前、山の上の村々へ往診に向かう道中で、見上げるほど大きなシャクナゲの木に登って花を採る兄妹と出会いました。採った花は町のバザールで売るのだと言って、はにかむような笑顔を見せました。

最近、山の上の村々のことが度々、夢に出て来ます。先日はシャクナゲ兄妹もにこやかに登場してくれました。きっと今頃、逞しい青年になっているに違いありません。

いつも親切にしてくれた村の人たちはどうしているだろう...。ふと、そんなことを考えます。次はかならず村を訪ねよう。そんな気持ちが高まるにつれ、パンデミックの収束を願わずにはいられません。シャクナゲ兄妹との再会もかならず!!!




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2021年02月16日

小学生の素直な感想

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急な代役講演や打ち合わせがつづき、大わらわでした。なんとかこなすことが出来、人心地がついたところです。

講演を行った小さな勉強会では、主催者が過去のテレビ番組を流してくれました。患者の家族が治療のお礼にと出してくれた料理を食べるシーンがでたとき、会場にいた小学生が料理を見て、思わず「少なっ!!」と言いました。

となりのお母さんが慌てて「そんなこと言っちゃダメよ」と諭していましたが、ぼく自身は小学生の素直な感想を聞くことができて、学びの機会となりました。

捉え方も考えも十人十色。人間も社会もすべて多面体です。言っちゃダメと諭すよりも、なぜ少ないのかを小学生が考えることが大事だと思います。食べ物がないから?もったいないから?お腹がいっぱいだったから?文化、習慣? いろんな考えが浮かび、そこからさらに興味関心の芽が萌芽するのではないでしょうか。知らない世界を知ることは、自分で考える大きなきっかけになるはずです。




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2021年02月08日

空気質指数

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カトマンズを中心に大気汚染が深刻化しているネパール。大気汚染の改善に向け、汚染レベルを数値化して示す指標であるAQI(空気質指数)を導入し、AQIが300を超えたら「災害」と見なすことを決めたそうですが、計測したら既に488あったとか...。

まさにネパールを感じるニュースです。





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2021年02月07日

何かをあきらめ、何かに集中

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支援活動には必ず副作用が伴います。同時に、どんなにザルの目を細かくしても支援からこぼれ落ちてしまう人も出てきます。

だからこそ、あれもこれもではなく、何かをあきらめて何かに集中する、ということが必要なんだと思います。

ただ、なかなかあきらめられないのが難しいところです...。




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2021年02月06日

またまた

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立春を機にいろいろなことが好転するのでは、なんて希望的観測を書いたら、立春を機に失敗をしました。手紙の中身を間違えて送ってしまったのです。今さらながら自分の愚かさに失望します。

ぼくの場合、失敗は成功のもとではなく、成功が失敗のもとです。上手くことが進むと気持ちがゆるむようです。

もし会社に勤めていたら、同僚から総スカンを喰らって孤立していたと思いますが、幸い受け取った方が「わたしもミスが多いので、嬉しくなりました」と温かく受け止めてくださり、救われました。人に恵まれたことを再確認します。

でも、それに甘えちゃいけないのです!!自分に延髄蹴り!!





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2021年02月05日

子どもの将来を過度に案ずる必要なし

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はじめて卒業生を送り出したとき、卒業生の行く末の心配ばかりしていました。進学した子に対しては、授業料は払えるのか?進学しない子には職業訓練所で何か手に職をつけなくては、などと右往左往するばかりでした。

今思えば、自分の中で卒業生はこうあるべきだ、という鋳型や物差しをつくり、勝手にその中に押し込めようとしていたわけです。

今、卒業生たちのたくましく成長した姿を見ると、案ずる必要はなかったのだと思います。彼らを信じすべてを任せる。迷ったときにはそっと背中を押す。そんな姿勢でのぞむこと、そして「ついつい」の手出し、口出しをなくすことが大事だと今更ながら実感します。子どもは自ら育つのです!!




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2021年02月04日

「学校図書館」の特集「子どもにおくるメッセージ」に登載されました

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小、中、高等学校の図書館向けの機関誌、「学校図書館」(2021年2月号)の特集「子どもにおくるメッセージ」に「世界へ飛び出して、「違い」をたくさん学ぼう」と題して寄稿しました。

全国の小中高校の図書館に置いてあるそうですので、興味のある方はぜひご一読ください。支援活動のことが2分25秒くらいで読了できます!!




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2021年02月03日

大いなるものに委ねる

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ネパールの国際郵便は現在も停止状態がつづいているようです。当然ですが日本からもネパール宛の郵便物は差し出し不可の状態です。代替として、日本宛の郵便物をスキャンしてデータで送るようお願いしたものの、それも今のところ動かぬままです。ふぅう。

ある日突然、なんの前触れもなく郵便が再開したり、スキャンデータが送られてくることは分かっているつもりですが、どうにも落ち着かない気分です。現場にいれば、そんなもんだと収められるものが、現場を離れるといつの間にか収められなくなってしまうようです。

自分の手に負えないことは、すべて大いなるものに委ねる!!ネパールであれだけ教わったのに...。まだまだ勉強が足りません。ふぅぅぅぅ。




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2021年02月02日

立春を機に

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日本は明日2月3日が立春です。今冬はジェット気流の蛇行によって北極付近の強い寒気が周期的に南下し、記録的な大雪となりました。ぼくの暮らす山里も大雪に見舞われ、雪かきに追われましたので、立春というだけで気持ちが晴れます。

ネパールではマーグ月の明けの5日(今年は西暦の2月16日)のバサントパンチャミ(サラスワティプジャ)が立春にあたります。この日(正確にはこの日から1ヶ月半)は学芸の神であるサラスワティ(弁財天)を祀る寺院に詣でて礼拝する日でもあります。

学生たちは学業成就を願い、寺院の壁にチョークで自分の名前を落書きしますが、ヒマラヤ小学校でも校舎の壁という壁が子どもたちの落書きの嵐となります。名前じゃない落書きが多いのはご愛嬌です。

何となく立春を機に世の中が好転するのでは、と淡い期待を抱くのはぼくだけでしょうか。本当にそうなって欲しいものです。




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2021年02月01日

今年も

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今年もビンドゥの祥月命日を迎えました。今日で12回目烏兎匆匆、時の流れを実感します。

悲しかった出来事を忘れることは、きっと人間が生きていくために必要な「知恵」なのだと思います。でも、そこから得た教訓は決して忘れてはいけないと思っています。

今日は一日、ビンドゥが残してくれた教訓をかみしめながら、チョコレートをお供えして心静かに彼女を偲ぶつもりです。合唱。




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