2017年06月
2017年06月30日
鈴を張ったような目
子どもたちの魅力は無数にありますが、中でも鈴を張ったような目には誰もが魅了されるのではないでしょうか。知らない世界を知った時の驚きの目、何かに夢中になった時の真剣な目、屈託なく高揚した時の弾けるような笑顔目・・・・どれも心を捉えて放しません。
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2017年06月28日
原点回帰その2
学校が目指す、もうひとつの原点回帰は、学校を「子どもたち(在校生、卒業生)がいつでも帰って来られる場所」にすることです。
人は誰でも自分の味方がいると思えば、どんな困難にも耐えられるのではないでしょうか。「学校に行けば味方になってくれる先生や仲間がいる。自分はひとりではない」。そんな思いを子どもたちが持てる「母港」にならなければと思います。
外洋からの波も、山が吹き下ろす風も遮り、ただ「おかえり」と書かれた旗が掲げられている静かな港・・・そんな青写真を描いています。
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2017年06月27日
出会いを紡ぐスタート
学校が目指す原点回帰のひとつは、どんなことにも「まず、やってみよう」と子どもたちが思える環境です。それがたくさんの出会いを紡いでいくスタートになるはずです!!
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2017年06月26日
進化を伴った原点回帰
ヒマラヤ小学校は今、2度目の登板となるヤッギャ校長のリーダーシップの元、進化を伴った原点回帰を目指しています。
ヤッギャ校長は2012年にヒマラヤ小学校を退任した後、卒業生や村人の職業訓練に尽力すると共に、小規模小学校の連携組織キッズマリー財団(元UPSBEN)の仲間と共に設立した学校(二ハリカ学校)で理事を務めていました。今般、学校長復帰にあたり、二ハリカ学校で学んだことを積極的に取り入れ生かしています。さまざまな取り組みについて話を聞く度に、子どもたちが自らの力で生きる学校という原点に戻りつつ、着実に進化していることを実感します。「自きょう息まず」 を地で行くヤッギャ校長の姿には本当に頭の下がる思いです。
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2017年06月25日
前を向いているということ???
スポンサーシップやヒマラヤ小学校基金の立て直し、絵画展の準備、依頼を受けた機関誌の原稿、その他にもあれやこれやと仕事が山積していますが、そんな雑事の中にいると、いつの間にか不安(学校のことや身体のこと)は埋もれて消えてしまいます。決して不安がなくなるというわけではなく、くよくよ考える時間がなくなくなるということなのでしょう。
「やるべきことがある」というのは、幸せなことだと最近、思うようになりました。困難な課題を一つずつこなす中で、生きていることを実感できます。そう思えるということは、今の自分は前を向いているということかもしれません。
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2017年06月23日
のんびり気質
夏の終わりに開催予定の絵画・写真展に向け、準備を始めました。鈍重な人間が、らしからぬことをすると大雨や日照りが起こるのではないかと心配ですが、せっかく”その気”になりましたので、このまま勢いに任せて準備完了!といきたいところです。
おびただしい数の写真から選ぶのも一苦労ですが、懐かしい写真が出て来る度に思わず見入ってしまい、なかなか先に進めなません。結局、こんな感じでだらだらしてしまい、開催日ギリギリになってようやく準備が完了するという、いつも通りのパターンになりそうな予感です。ネパールで徹底的に鍛えられた「のんびり気質」は簡単に抜けません・・・・。
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2017年06月22日
退学した子どもたち
先日、ヒマラヤ小学校を訪れたことのある友人と会い、子どもたちの話で盛り上がりました。はじけるような笑顔、胸をときめかせて授業を受ける姿、さまざまな体験を取り込みながら自らをどんどん高めていく姿・・・どれも心を捉えて放さないものばかりです。
すっかり幸せな気分に浸り、帰途につきましたが、電車の中でふと学校を辞めて行った子どもたちの事を思いだしました。「学校へ行ったらお父さんに叩かれる」と言って泣きながら学校を辞めた子、債鬼に責められ、紙切れに「Thank you」という手紙だけを残して夜逃げをしていった子・・・・。詮無いことと分かっていながらも、退学を阻止できなかった自分の無力さにため息がこぼれました。
みんな、今頃、どんな人生を歩んでいるのだろう・・・・。
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2017年06月21日
美しい花嫁
楽しみにしていたアシュミタの結婚式の写真が届きました。これまで2度、普通郵便で送って貰いましたが、いずれも行方知れずのまま。相変わらずの郵便事情ですが、これもネパール流の結果オーライ、届いてしまえば御破算です。
アシュミタの美しい花嫁写真を見ていると親身に喜びを感じます。路上でミカンを売っていた少女がアヒルの水かきのような努力を重ね、こうして慎ましくも幸せな人生を掴んだのですから、本当に素晴らしいことです。アシュミタがここまで頑張ってこられたのは、ひとえに母親のメヌカさんの苦労を傍で見て来たからだと思います。同封されていた写真にあったメヌカさんの表情も晴れ晴れとしていました。
アシュミタは現在、各学校で幼児教育の指導を行いながら、大学院での勉強を続けています。理解あるベターハーフと共に、幸せな人生を一歩ずつ歩んでほしいと心から思います。アシュミタ、本当におめでとう!!
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2017年06月20日
募金へのご協力、ありがとうございます!!
築地のコミュニケーションギャラリーふげん社で募金箱に集まった支援金とポストカードの売り上げを頂きました。募金にご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!!
既報の通り、ポストカードはふげん社の皆さんのご協力を受け完成したものです。現在、ふげん社の他、恵比寿の「写真集食堂めぐたま」で店頭販売(10枚1組:800円)をしています。ぜひ、子どもたちのはじける様な笑顔をお楽しみください。
昨年に続き、夏の終わりには再びふげん社で子どもたちの絵画展を計画しています。展示スペースが拡大したギャラリーに、(前回、展示できなかった)過去の名、珍作を展示できればと考えています。子どもたちの学校生活の様子が分かる写真も新たにプリントして展示できればと思います。その他、イベントも計画していますので、どうぞご期待ください。夢ばかり膨らみますが、いつものようにギリギリになって大慌てしないよう、早め早めの準備をするつもりです!今のところ。
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2017年06月19日
子どもの気持ちを裏切ってはいけない
中丸小学校での講演の日、控室から中休みの校庭を覗くと、汗だくになりながら子どもたちと遊んでいる先生の姿を見かけました。バスケットコートでは見事なステップインシュートを決める先生に、羨望のまなざしを送る子ども達の姿もありました。本気で遊んでくれる先生がいる。この事実が子どもたちにとってどれだけ大きな意味を持つか、言葉には尽くせません。教育の原点を見た思いがして、心に爽やかな風が吹きました。
賑やかな校庭を眺めていると、ふと卒業生のナレシュのことを思い出しました。
ナレシュは15才の時に2年生に中途入学した児童で、それまで複数の支援団体から就学援助を受けたものの、さまざまな理由で中途退学を繰り返していました。ヒマラヤ小学校に入学が決まった時には、他の団体から「気を付けた方がいい」と助言を受けたこともありました。
そんなナレシュでしたが、ヒマラヤ小学校に入学してからというもの高熱が出ても登校するほど学校好きになりました。それまでの不足を補って余りある程、先生や支援者がナレシュに愛情を注ぎ、”存在を認められた”ことがナレシュを変えた事は間違いありませんが、もうひとつ、ナレシュを変えたのはドッヂボールでした。
ナレシュはドッヂボールが上手で、みんなから一目を置かれるようになったのです。「ナレシュがチームにいたら勝てる」。そんな声を聞く度にナレシュがどんどん自信をつけていることがよくわかりました。ナレシュの成長を間近で見ることが出来、僕たちも本当に嬉しく思いました。
ある日のこと。ナレシュが「明日もドッヂボールしようよ」と言ってきました。断る理由はありません。僕は深く考えることなく「もちろん、いいぞ」と即答しました。その時、翌日が休みであることを僕はすっかり忘れていました。後で気づいた時も、「休みだからナレシュも分かるだろう」と気にしませんでした。
翌日、夕暮れになって学校の前を通ると、寂しそうな顔をしたナレシュが、ひとり階段に腰かけている姿がありました。ドッヂボールをするため朝からずっと僕を待っていたのです。
ナレシュの気持ちを裏切ってしまった…。鋭利なナイフで突かれたような痛みが胸の奥まで響きました。どんなときも子どもの気持ちを裏切ってはいけない。そんな当たり前のことを教えてくれたのは、ナレシュでした。
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2017年06月18日
中丸小学校で講演
世田谷区立中丸小学校で2年生と5年生を対象に講演を行いました。中丸小学校を訪ねたのは約1年ぶりのこと。昨年は全校朝会で話をして、その後、3年生と6年生に話をしました。1年前のことだから、すっかり忘れてしまっているだろうと思っていたら、2年生も5年生も話をしっかり覚えていました。子どもたちは驚くほど敏感に話を吸収するのだと感心しました。凄い!!
学校で子どもたちに話をする時、全てを分かって貰おうと思うのではなく、たくさんの「分からないこと」を提供しようと考えるようにしています。たくさんの分からないことの中から、子どもたちが自らの好奇心や探求心で「わかること」を増やしてくれることが一番、力になるはずです。ひいては子どもたち一人ひとりが世界に目を向けてくれたら、これ以上、嬉しい事はありません。
昨日は参観授業ということで、保護者の皆さんにも話を聞いていただきました。夕食を囲みながら、あるいは団らんのひと時に親子でネパールの話をして貰えたら・・・。それこそ最高の授業ではないでしょうか。
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2017年06月17日
ふたたび・・夢
スポンサーシップとヒマラヤ小学校基金の立て直しについてヤッギャ校長と話しを進めていますが、何気ない会話の中からヤッギャ校長の学校や子どもたちに対する熱い思いが伝わってきます。そんな思いを知る度に、彼が学校長に復帰してくれて本当に良かった、とつくづく感じる今日この頃です。
すっかり沙汰やみとなっていた同窓会の設立についても、ぜひとも実現させたいとやる気満々のようです。近い将来、卒業生が一堂に会する日もあるかもしれません。初めての卒業生を送り出してからもう直ぐ10年。薄紙をはぐように生活の自立が出来る子も出てきました。卒業生の力を結集して、彼らとともに学校づくりを進めていけたら、どんなに素晴らしいことでしょう。
ヤッギャ先生が学校長に復帰したことで、こうして再び、学校の未来に夢を描けるようになったことが、僕にとっては一番の喜びです。
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2017年06月15日
振り返ると赤面
普段、投稿したブログ記事を読みかえす事はほとんどありません。あるとすれば誤字や脱字の指摘を受け、修正をする時くらいでしょうか(それ自体、結構多いという話もありますが・・・)。読み返した瞬間に感じる、あの身体がかあっと燃えるような恥ずかしさが何とも辛いのです。
今年に入り、必要に迫られて投稿した記事をすべて読み返しました。猩猩のごとく顔を何度も真っ赤に染めながらでしたが、読み返す内に学校や社会、そして自分自身の心の変化を垣間見る事が出来、貴重な機会となりました。僕のような呑気な人間でも、明日の自分を想像できない程、悩んでいた時期があったのですから滑稽ですが、当時はそれだけ必死だったということでしょう。悩めるくらいの課題に直面していたことは、今思えば幸せなことだったのかもしれません。
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2017年06月10日
持参金制度
今年3月にインドで起きた事件の記事です。21世紀の今も尚、インドやネパールではダウリ―(持参金制度)によって女子を望まない人がたくさんいます。嫁ぎ先の家族から要求された高額なダウリー(牛やバイク、電化製品など)に応えられず、自殺したり、殺害されたりするケースもあります。
ダウリ―が高額化した背景には、アヌマール婚(高いカーストの男と低いカーストの女の結婚を認めるもの)の慣行があります。低いカーストに属する親が、高額なダウリ―を贈ってでも娘を高いカーストの家に嫁がせせようとした結果、嫁ぎ先の範囲が狭まり、ダウリ―の額も高騰したと言われています。
ここ数年、元奨学生達の結婚が続いていることもあって、ダウリ―について考えせられる機会が増えました。ダウリ―の縮小化のために教育が果たす役割は大きいのではないでしょうか・・・。
ダウリ―が高額化した背景には、アヌマール婚(高いカーストの男と低いカーストの女の結婚を認めるもの)の慣行があります。低いカーストに属する親が、高額なダウリ―を贈ってでも娘を高いカーストの家に嫁がせせようとした結果、嫁ぎ先の範囲が狭まり、ダウリ―の額も高騰したと言われています。
ここ数年、元奨学生達の結婚が続いていることもあって、ダウリ―について考えせられる機会が増えました。ダウリ―の縮小化のために教育が果たす役割は大きいのではないでしょうか・・・。
インド東部オディシャ(Odisha)州の村で、生まれたばかりの女の赤ちゃんが砂の中に生き埋めにされているのが見つかり保護された事件で、警察当局は29日、殺人未遂の疑いで父親(35)を逮捕したと発表した。父親は男の子を望み、犯行に及んだとみられている。
保護された女児は25日、同州ジャジプル(Jajpur)の村で砂の中から足が出ているところを通行人に発見され、救出された。逮捕された父親はパートタイムで働くタクシー運転手で、同日に女児が誕生するとすぐに母親の元から連れ去った疑いが持たれている。
出産を控える女性らを調べていた地元当局によると、逮捕された父親と母親は赤ちゃんの居場所について説明を求められた際、回答できなかったという。また父親は取り調べで女児を埋めたことを認め、貧しいために育てられないと語ったという。
インドでは、男の子は親が高齢になると生活を支援してくれると期待される反面、女の子は結婚時に高額な持参金が必要になることが多いため、多くの親は女児を負担だと考えている。逮捕された父親と母親との間にはすでに娘2人と息子1人がおり、母親はこれまでに2度、人工妊娠中絶をしたという。【翻訳編集】 AFPBB News
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2017年06月01日
待つこと
2012年の3月にヤッギャ先生が学校長を退任してから、学校は尾翼を失った飛行機の様に乱飛行を続けていました。さまざまな問題に直面する度に、いかに僕たちがヤッギャ先生に頼り切っていたのかを痛感する日々でした。
先生たちや保護者から学校長や運営委員の交代の要望を聞く度に、何とかせねば、という思いが募りましたが、現地の人たちの自主的な動きがでることを望んでいたこともあり、静観を続けていました。そのことに対し不満の声も聞こえましたが、結果的に現地の人たちが自ら行動を起こしたのですから、今後の学校にとって大きな一歩だと思います。学校は誰のためにあるのか?みんながその原点に立ち返ることこそ、今は一番重要なことです。
この数年の間に学校が直面していた様々な問題も、すべては今に繋がるために必要なことだったと、いつか意味づけられたらと思います。失ったものもたくさんありますが、失ったからこそ得られるものもあると信じています。なにより今回の交代劇を通して「信じて待つ」ことの大切さに気づけたことは僕にとって大きな収穫でした。
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