2016年12月

2016年12月31日

大晦日に

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今年も間もなく暮れようとしています。立ち止まる暇もない程、あっという間に過ぎた1年でしたが、思えば体調の波に振り回される事も多く、そんな現実にかまけ心を塞ぎこんだこともありました。気持ちが空回りして、思うように活動できない少し苦しい1年だったようにも思います。ただその分、沢山の人に助けられ、例年以上に感謝の気持ちを持てた事は自分を幸せにしてくれました。人生には引き潮も差し潮もある、そんな当たり前の事を実感した年でした。

昨年の春に体調を崩して以来、ネパールでの活動復帰を目指して右往左往する日々が続きました。今年の5月、そんな自分を叱ってくれる人がいました。自分の立ち位置が見えていない事に気づかされた瞬間でした。自分が現場から離れる事が、学校の自立を推し進める千載一遇の好機だと気づかされ、目からウロコが落ちました。自分がいなければ学校が成り立たない・・・・・そんな焦りも、思えばおこがましい思い上がりでした。

学校は課題が山積していますが、すべては通過すべき道なのだと今は前向きに捉えています。実際、学校ではさまざまな創発が起こりつつあります。つまり自己浄化する力があるということです。今は一つ一つの事に慌てふためくことなく、静かに見守っていく事が自分の役割だと思っています。彼らなら大丈夫です。

支援者の薦めで、夏から新しい事に挑戦しています。長年の悲願を果たすべく、今はもがきながらそれを一歩ずつ進めているところです。来年は「本厄」を迎えますが、1年間、元気に過ごす事が出来ればと思います。

本年の拙ブログもこれにてお開きです。来たる年が皆様にとって幸多き年となりますよう心より祈念いたします。どうぞ良い年をお迎えください。1年間、お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

*ブログは今しばらくの間、更新が不定期となります。ご了承ください。


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2016年12月30日

チヤウパディ

ネパール社会に残る因習について考えさせられる記事がありました。

ネパール西部ヒマラヤ山脈の山奥にある小さな小屋に寝泊まりしていた15歳の少女が、暖を取ろうとしてつけたたき火の煙を就寝中に吸い込んで死亡した。少女は生理中だったことを理由に集落から引き離され、この小屋で1人きりで過ごしていた。

少女が住んでいたアチャム郡ガジャラ村などネパールの極西部には、生理中の女性をけがれた存在と見なして村から追放する「チャウパディ」の習慣がある。

アチャム郡警察によると、この1カ月で死亡したのはこれで2人目。同郡だけで過去9年の間に10人の少女が同じような小屋で死亡した。主な死因は煙の吸引のほか、ヘビにかまれたり基本的な医療を受けられなかったために死亡する少女もいたという。

チャウパディは何百年も前から続く習慣で、生理に関するヒンドゥー教のタブーに由来する。少女たちが隔離される「生理小屋」は小さな入り口が1つあるだけの粗末な造りで衛生状態は悪く、窓がないため通気も悪い。

2011年の国連報告書によれば、生理中の女性はほかの人や家畜、野菜、植物、果実に触れることを禁止される。牛乳や乳製品の摂取も許されず、水道や井戸の使用は制限される。「この習慣を破れば神が怒って寿命が縮んだり家畜や作物が死ぬと信じている地域が今もある」と報告書は指摘。「女性が触れた果実は熟す前に落ち、水に触れれば井戸は枯渇すると信じる人もいる」

地域によっては、教育の神を怒らせるという恐れから生理中の女性が本を読んだり触れたりすることさえ禁じることもあるという。

ネパールの最高裁判所は2005年にチャウパディを違法とする判断を示し、政府はその3年後、チャウパディ撲滅に向けたガイドラインを公表した。それでも西部の山間部などには今もその習慣が根強く残る。

ガジャラ村は2015年にチャウパディ撲滅を宣言したが、アチャム郡の当局者によると、同郡の女性13万8000人のうち70%以上が今もこの習慣に従っているという

政府の統計によるとガジャラ村の人口は約1500人。チャウパディ撲滅宣言は90%を超す世帯がこの習慣をやめた時点で宣言される。しかし「地元の霊能者が村に起きた不幸は少女や女性がチャウパディの伝統を破ったためだと言いふらし、家族が娘や妻を再びこの習慣に従わせている」(女性・児童・社会福祉省広報)。それでも今回のような悲惨な事例は極めて稀になったと同広報は話している。



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