2014年02月

2014年02月08日

「言葉」えらび

2月8日

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昨年11月に野村小学校の6年生からプレゼントして貰った、「全国かまぼこ板の絵展覧会」の感想文の翻訳作業がようやく終わった。思いがけず時間が掛かってしまったのは、忙しさに感けてしまった事と共に、どう訳せば気持ちが伝わるのか、という点に悩んだことが大きい。以前なら、こんなことで悩むことはなかったと思うが、気持ちを理解する事の重要性を痛感するようになってからは、どの「言葉」が伝わるのかあれこれ悩んでしまい、手が止まりがちだ。

今回は野村小学校の子ども達のメッセージの上に、付箋に書いた翻訳文を貼ってみたが、残念ながら絵が少し見えにくくなってしまう。やはり先に絵だけを見せて、子ども達の中で、「何が書いてあるのだろう」という興味や関心が高まったところで、改めて訳文を貼ってみる方がいいのかなぁと思ってみたり・・・・・。交流活動はシンプルだけど難しい。まぁ、でも今回は「ドラえもん」という強い味方がついているから大丈夫かな。

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2014年02月07日

「生きる力」

2月7日

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学校へ向かう満員バスに乗ると、車掌らしき人が背中を叩いてきた。バス代の徴収だと思い、いつもの様にポケットからお金を取り出して振り向くと・・・・・車掌がこちらを見ながらニヤニヤ。どこかで見た顔だなぁ、でも誰だ?、と考えた瞬間、思い出した。ラムだ!

ラムはヒマラヤ小学校の開校時に入学した元児童で、2008年の末頃に突如、学校へ来なくなった子だ。その後、復学の説得のため何度か家に通ったが何時も留守で、結局、会えずじまで終わった。

今回、実に6年ぶりの再会となったが、本人の話によると学校を辞めてからはカトマンズの食堂等で働き、昨年からバスの車掌として働いているそうだ。それにしても大きくなったなぁ。

残念ながら卒業するまでお世話する事は叶わなかったが、こうしてラムは生きる力をしっかり身につけ、社会の一員として頑張っているのだから立派だ。

別れ際、バス代を払おうとすると、「ダイスケサンからは受け取れないよ」と気の利いたひと言まで言ってくれたラム。バス代をポケットに突っこんで別れたが、なんだかとても嬉しい再会となった。

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2014年02月06日

知恵がつきますように

2月6日

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一昨日は「サラスワーティプジャ」の日。カトマンズ周辺の寺院や学校では子ども達が熱心に学業成就のお祈りをする姿が見られた。

サラスワーティは学問や芸術、知恵を司る至高の女神で、「水を持つ者」という意味があるそうだ。日本では「弁財天」として知られ、弁財天の社が水辺に建っているのも、境内で湧く水でお金を洗うのも、「水を持つ者」というところから来ていると、一度、何かで読んだことがある。

そんな訳で、僕も訪問先の郊外にある小学校で子ども達と共にサラスワーティプジャを祝い、学校が上手く周る「知恵」がつくようにお願いしてみた。さて、さて。

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2014年02月05日

順応力

2月5日

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西ネパールの治療からカトマンズへ一時帰京。1週間ほどカトマンズで用事を済ませて、再び西ネパールに出かける予定だが、いつもながら山の上から降りてくると、カトマンズの何もかもが異常に感じてしまう。

乾季で殆ど雨が降らないせいで、この時期は町中がかなり埃っぽく、大気汚染も酷い。よくこれで生活できるなぁ、なんて思いつつ、自分も含めてみんなそれなりに生活しているのだから、人間は順応力のある強い生き物だとつくづく思う。たぶん2、3日もすればこの環境にすっかり慣れ、思いっきり深呼吸なんかもしているんだろうなぁ・・・・。

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2014年02月04日

熱意はあるか!

2月4日

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10年前の今頃、自分がいったいどんな事を考えていたのか気になって、机の奥にしまってある古い日記を取り出して読み返してみた。文章も内容も目を覆いたくなるほど幼稚で、直ぐに顔が真っ赤に染まってしまった。周りが見えていない上に、全て「出来る」としか思っていないのだから、どれだけ周りの人達に迷惑を掛けたか計り知れない。

それでも学校開校への熱意が猛烈に強かったことだけは間違いない。日記にはあれやこれやと、やりたい事をたくさん書き綴り、更に達成日まで自分の都合に合わせて書いているのだから世話はない。当時、描いていた青写真が全て実現していたら・・・・・今頃はたいそう凄い学校になっていたはず。それどころか山の上の村々にも付属の学校が建っていたはず。

でも、それだけたくさんの夢を描ける熱意があったからこそ、これまで何とか続けられたのだ、ともいえなくはない。果たして今の自分に当時と同じような熱意を持って、10年後の青写真が描けているのか・・・・・。もう一度、原点に立ち戻る必要がありそうだ。



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2014年02月03日

終わらない苦難はない

2月3日

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少し前の話だが、訳あって「子ども達の笑顔のカード」を送っている人達の名簿の打ち直しをする事になった。早い話がデータが飛んでしまったのだ。バックアップデータは日本に置いてきたまま。復旧ソフトも役に立たず・・・・・。打ち込みをするかどうか散々悩んだ結果・・・・・、「押忍!」と雄叫び声をあげ、作業を始める事にした。(それにしても忙しい時に限って、こういう時間のかかる作業をやろうと決心するのはなぜだろう・・・・・・・??)

ある著名人のエッセイの中で、料理好きの父親(作家)が毎日のように客を招いては料理を作って持て成したが、片づけをするのは全て娘たちの仕事で、油でべとべとになったレンジ周りや数えきれない鍋、山のような皿を見てはため息をつきつつも、その果てしない皿洗いを通して、「終わらない苦難はない」という人生哲学を学んだ、と面白おかしく書いてあったが、その人生哲学に僕も大いに励まされながら作業を続けた。

1日100人ずつ、という目標を恣意的に設定し、停電でどうしようもない日や電気のない村で過ごした日以外はひたすら打ち込みに励んだ結果、なんとか1200人分の名簿の打ち込みが完了した。終わってみれば、すっきり整理も出来、また名簿に載っている人たちの事をあれこれ考えていると自然と楽しい気分になるなど、良い事もたくさんあった。世の中、本当に無駄はないとつくづく思う。なにはともあれ無事に完了出来てよかった、よかった。


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2014年02月02日

出会い

2月2日

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ありがたい事に小さい頃から本当に良い先生に恵まれたお蔭で、---落ちこぼれではあったが----小、中、高校と、とても充実した学校生活、青春時代を送る事が出来た。

特に高校時代の先生から教わった事や掛けて貰った言葉は、今でも自分自身の貴重な人生の財産になっている。そんな高校時代にお世話になった先生の一人、社会科の三好先生は授業がとても面白いだけでなく、授業の度に本を紹介してくれる先生だった。

先生から紹介して貰った本は必ずその日の内に買って読み、読み終わった後、先生に本の感想を伝える、というのが何時の間にか出来た高校時代の習慣だった。紹介して貰った本の中には、興味がまったく湧かない本もちらほらあったのだが、先生にその旨を伝えると、「本は出会いだから、買った本は大事にしまって10年くらい後に読んでみなさい」といわれた事が印象に残っている。

実は前回の日本帰国中、なにげなく立ち寄った古本屋で、高校時代に三好先生から紹介された本が数冊、目に留まったので、買って読んで見る事にした。高校生の頃は全く興味が湧かず、あくびをしながら読んだ本だったのに、今読んでみると、どの本も心にぐいぐい心に迫って来て、あっという間に読了した。ちょうど今の自分の置かれている立場や、これまで体験したことが本に書かれてある事と重なったからだろう。貴重な本との出会いを与えてくれた先生に改めて感謝したい。

自分自身も子ども達と接する中で、本や映画、人・・・・・・・何でもいいから子ども達が沢山の「出会い」を紡いでいけるような環境を創れたら、と心から思う。もしかしたら、「出会い」の機会を創る事こそ最も意義のある活動なのかもしれない。ふと、そんなことを思った。



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2014年02月01日

ビンドゥの笑顔

2月1日

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今日はビンドゥの命日。ビンドゥが亡くなってから、早いもので5年が過ぎた。この間、学校も社会も、何もかも大きく変わったけれど、ビンドゥの人懐っこい笑顔だけは今もずっと変わらないままだ。

あれから5年。学校はもう直ぐ開校10周年を迎える。こうして何とか10年という区切りを迎えられるのも、きっとビンドゥが天国から応援してくれているおかげだ。ビンドゥ、いつも本当にありがとう。叶うなら、大好きなチョコレートをたくさん届けてあげたい。


サヨナラ」(2009年2月1日)

自由をください」(2009年2月2日)

ビンドゥ(2011年2月22日)

ビンドゥ先生(2012年3月9日)

ビンドゥ、ありがとう(2013年2月1日)

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