2013年04月

2013年04月30日

友達のチカラ

4月30日

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新4年生の男子3人組。どこへ行くのも、何をするのも、何時も一緒だ。もちろん悪戯をして先生に叱られる時も。何かにつまずいたり、失敗した時も、3人一緒だからくよくよせずに笑い飛ばす事が出来るのだろう。この3人の破顔を見ているとこちらの気持ちまで明るくなる。

子ども達が学校で勉強を続けるためには親の理解はもちろんだが、もうひとつ大事なのがなんといっても友達の存在だ。さまざまな事情で親が学校をやめさせようとした時など、友達の存在が最後の砦となる事が多い。以前、ある児童の家庭がかなりの窮状を抱え、仕事を求めて他の町へ移住を考えていたところ、「友達がいるから学校を辞めたくない」という児童一言で、親が考え直した事があった。子どものこうした声は僕たちの説得よりも遥かに大きな力を持っている。まさに友達のチカラということだろう。



お知らせ

昨年12月に都内で開催しましたヒマラヤ小学校絵画展「Our School life」の絵が、ボランティアサークル、チョラチョリの皆さんのご協力を頂き、伊勢原市で展示されます。ぜひお運びください。

ネパールからの便り・ヒマラヤ小学校絵画展2

【会 場】伊勢原市立図書館ミニギャラリー
【期 間】2013/5/14〜2013/5/26(月曜休館)
【主 催】ボランティアサークル チョラチョリ




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2013年04月29日

ロシュニのやさしさ

4月29日

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「はい、これ今日の分よ」。

幼稚園クラスの‘ロシュニがいつものように一握りのトウモロコシを分け与えてくれた。ロシュニがこうして昼休みにトウモロコシを分けてくれるようになったのは、いつの頃からだろう。もうずいぶん長い間、トウモロコシを貰っている気がするが、家でお母さんからこうやってトウモロコシを持たせてもらい、それを真似しているのだろうか。なんだかロシュニからは母親の無償の愛情のようなものを感じる。

先日、保護者会でロシュニの母親に、ロシュニがいつもトウモロコシを分けてくれることを伝えると、母親は「家でも同じように言ってニワトリにトウモロコシを上げている」と言っていた・・・・・。そういえば時々、バイクのヘルメットで僕の髪の毛が鶏冠のように逆立っている事があるが・・・・。

なにはともあれ、美味しいトウモロコシを分けてくれる優しいロシュニ、いるも本当にありがとう。cock-a-doole-do!

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昨年12月に都内で開催しましたヒマラヤ小学校絵画展「Our School life」の絵が、ボランティアサークル、チョラチョリの皆さんのご協力を頂き、伊勢原市で展示されます。ぜひお運びください。

ネパールからの便り・ヒマラヤ小学校絵画展2

【会 場】伊勢原市立図書館ミニギャラリー
【期 間】2013/5/14〜2013/5/26(月曜休館)
【主 催】ボランティアサークル チョラチョリ

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2013年04月28日

サシナはどんな答えを出すのだろうか。

4月28日

新学期に入ってからサシナの姿を未だ見かけていない。既に卒業済みなので登校の必要がないとはいえ、なんだかサシナがいないと胸にぽっかりと大きな穴が開いたような感じがする。それだけヒマラヤ小学校にとってサシナは大きな存在なのだ。

サシナはブログでも何度かご紹介した通り、知的障害を持つ女の子で、卒業後もヒマラヤ小学校に通いつづけていた。通常の5年生の授業にも出るのだが、昼休みなどには積極的に小さな子ども達の面倒を見てくれていて、なんとなくそれがサシナの居場所となり、僕たちも嬉しく思っていたところだった。

サシナは今のところ学校に姿を見せていない。もしサシナが例年通りヒマラヤ小学校に戻ってきたなら、心から歓迎したいと思うし、もし本当の意味でヒマラヤ小学校を「卒業」したのであれば、僕たちは心からその旅立ちを祝福したいと思う。サシナはどんな答えを出すのだろうか。

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【主 催】ボランティアサークル チョラチョリ

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2013年04月27日

ジーナ

4月27日

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ジュンケリの結婚式のプレゼントをどうしようか、あれこれ悩んでいたところ、先日、結婚したジェニシャの妹のジーナがサリの店で働いている事を思い出し、店を訪ねてみた。

ジーナは一時期、姉のジェニシャを追いかけるように学校(幼稚園クラス)の教師として働いていたが、元々、服装などに興味があったようで、昨年からパタン市内のスーパーマーケットの装飾品売り場で働き始め、今年は別の場所にあるサリの店を任されるようになったようだ。

店を訪ね、しばらく世間話をした後、ジーナに「結婚式のプレゼントに」と伝えると、直ぐに何枚か選んでくれて、更にその中から予算に合うものを選んでくれた。ディカウントというオマケまでつけてくれて、本当にジーナさまさまだった。サリ選びなど全くチンプンカンプン。もし一人で知らない店に買いにいったら、いつまでたっても選べなかったと思う。ジーナに感謝!!きっとジュンケリも僕の・・もといジーナのチョイスを喜んでくれるだろう。よかった。



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2013年04月26日

ネパールってどんな国?

4月26日

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岐阜県神戸町にある南平野小学校の「夢つくり講座」でネパールやヒマラヤ小学校についてお話をした後、4年生(当時)の女の子が「ネパールってどんな国?」と題した素晴らしい資料を纏めてくれた。資料には「ネパールの地形はウロコや尾びれをを付けると魚のように見える」や「私は将来、社会の役に立ちたいと思いました。歌でみんなを笑顔にしたいと思っているので、人が苦しむ国を減らしたいです」など、講演を通して学んでくれた事や感じてくれた事が素直に書かれていて、何度読んでも感涙がこぼれそうになる。ささやかながらも活動を続けてきて本当に良かったなぁ、とつくづく思う。

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資料をヒマラヤ小学校の子ども達に紹介したところ、みんなとても喜んでいた。ネパールの事を学んでくれた事や自分たちの事を考えてくれる事が嬉しかったようで、「わたしも日本の事を勉強する!」と言い出す子も大勢いた。

ちなみに1年生の女の子たちは資料に描かれた絵がお気に入りのようで、表紙に描かれた男の子の絵を指さして「かわいい〜」と言っていたが、実はその表紙の男の子の絵は、なにを隠そう「僕」なのだそうだ。もちろん子ども達には伝えなかったけど。なんだか自分が褒められたようで得した気分だった。(そういえばこれに似ているような。)

素晴らしい資料を纏めてくれたKさん、本当にありがとう!!

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2013年04月25日

新学期

4月25日

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新学期が始まってから1週間あまり。ようやく子ども達が揃い始めた。この時期は故郷へ帰省したり、ママ(母方の叔父。ネパールではママが甥や姪を大事にする習慣がある。以前、ブログに書いたのでこちらを参照ください)の家を訪ねたりして、しばらく学校へ来ない子が多い。長い時には1か月ほど姿を見せない事もあるが、これものんびりと慌てないネパールの人々の長所だろう。きっと。

そんな訳で、毎年、新学期が始まり、「今年こそは」と気合を入れても、いつも肩透かしを喰らってしまうので、最近では新学期が始まって1か月くらいしてから少しずつペースを上げればいいや、と考えるようになった。もしかすると子ども達はのんびり行動を通して、「長い人生、そう気張るなよ」と僕に教えてくれているのかもしれない。自分はまだまだ本当に未熟だなぁと思う。



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2013年04月24日

おっかさんの旅立ち

4月24日

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ヒマラヤ小学校のおっかさんこと第2期卒業生のジュンケリが結婚する事になった、と嬉しい知らせが届いた。本当に目出度い!!

ジュンケリがヒマラヤ小学校に入学したのは、学校が開校した2004年の事。当時、確か12,3歳だったと思うが、他の子ども達――当時は今よりも年齢の高い子が多かったが――よりも一回り大きく、同じ幼稚園年少クラスで学ぶ小さな子ども達、いや全校児童のおっかさん役として、子ども達の面倒をよく見てくれた子だ。ジュンケリが傍にいくと泣いた子は泣き止み、騒ぐ子は騒ぐのをやめた。ジュンケリには本当によく助けられた。

ジュンケリは小さな時に両親と死別し兄家族と一緒に暮らしていたが、義理の姉から冷遇され、学校の片隅で涙を流したり、顔に大きな痣をつけてくる事も何度もあった。今思えば、あんな環境の中でよく勉強を続けられたと思うが、仲の良かったラクシミやプジャたちの献身的な支えがあったからだと思う。

卒業後はヤッギャ前校長の勧めで職業訓練を受けたが、家庭の事情もあって長続きしなかった。時々、学校へ向かう途中、ジュンケリが家の窓から屈託のない笑顔を浮かべて手を振って来る事があったが、その都度、ジュンケリの事が気になっていたので、今回の結婚の話は自分の事のように嬉しい。

先日、ジュンケリが学校へ招待状を持ってやって来た。ジュンケリの話によると結婚相手はとても親切で家族も優しいそうだ。これまで苦しい人生を歩んできた分、ジュンケリには心から幸せになって欲しい。ジュンケリの旅立ちを皆で祝いたい。弥栄!!


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先生たちから祝福されるジュンケリ。「太ったんじゃないの?」との声に、「これからもっと太りそう」と笑顔で答えていた。



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2013年04月23日

My Dream is・・・・・・・・

4月23日

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今年、ヒマラヤ小学校を巣立っていった卒業生の進路がほぼ決まった。一部、故郷の村へ引き上げた卒業生を除き、全員が――他の団体や公立機関の奨学金を受け――地元の公立中学校へ進学する事となった。まずは全員の進路が決まって一安心。今後、早朝の職業訓練を受けながら学校へ通う子も出てくると思うが、なんとか全員、SLC(10年生終了時に受ける全国統一卒業認定試験)まで頑張ってほしいと思う。

そんな訳で現在、卒業した子ども達を支援された皆さんへ卒業生の進路に関する報告書をまとめているところだ。報告書には卒業生が将来の夢について描いた小さな絵を同封することが恒例となっているが、その絵がなかなか可愛らしくて何度見ても飽きが来ない。医者や警察、教員といったお馴染みの職業から、お姫様といった夢のような夢まで本当に様々だ。

上の写真は絵を描いている時の様子。皆それぞれ何を描こうかと四苦八苦していた。たくさんある夢の中から一つを選ぶのは結構、難しいようだ。それぞれの奨学生がどんな絵を描いたのかは、支援者のみぞ知る、といことで、秘密のままにしておこう。

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あれに決めたっ!!



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2013年04月22日

伝統のハリ技

4月22日

新年に往診先で治療をしていると、患者さんが「明日、バデガウン村で舌に針を刺す祭りがあるよ」、と教えてくれた。ついでに「あなたも出来るんじゃないの」と笑っていたが、実はこのお祭り、一度見てみたいと思いながら、これまでなかなか機会に恵まれなかった。鍼師の端くれとしては、やはり見ておかなければならないお祭りのひとつ。翌日、往診ついでにバデガウン村を訪ね、祭りを覗いてみる事にした。舌にも経穴(ツボ)はあるが、刺したこともなければ、もちろん刺された事もない。一体、どんな感じで行われるのか興味津々、鍼師の血が僅かながら騒いだ。

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村の老人が「もう直ぐ始まる」と言ってから3時間――。ようやく祭りが始まり、プジャリが高々と針を掲げる


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5寸釘のような針。太くて長い鍼を愛用する僕もさすがにこれほど長い針は使った事がない


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白いシャツを着たオジサンが針を刺す役のようだ。天に掲げた針に向かって呪文を唱える

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オジサン、すでに出来上がってしまっていたようで、呪文を唱えると突然ふらふらと倒れ、自分の足に少し針を刺してしまった。同じ鍼師として親近感を覚える

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その後、気合を入れ直し、いよいよ鍼を挿入。あっという間に針は舌を貫いた。オジサン、なかなかの達人と見た。

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針を刺される役の男性。地元の小学校の教師だそうだ。父親も長年、針を刺される役をやっていたと、おしくらまんじゅうで仲良くなった隣の新聞記者が教えてくれた。

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心配していた痛みはないようだ。針師の技術の高さなのか・・・・・。この後、針を刺したまま村中を闊歩したそうだ。


今回、念願かなってバデガウン村のビスケットジャトラ(バドガウンのビスケットジャトラとは異なる)を見る事が出来、満足の時間となった。残念ながらこのお祭りの由来については全く知識を持っていないのだが、機会があれば、ぜひ調べてみたいと思う。他人事とは思えないので。



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2013年04月21日

治療三昧

4月21日

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成績発表の翌日から、ヒマラヤ小学校は5日間の短い春休みに入った。といっても学校では希望者を対象に外国人ボランティアによる特別授業が行われていたので、完全に休校になったわけではない。長期休暇の間、こうして学校を開校するのは初めての試みだったが、いつでも学校が開いているというのは良い事だと思う。毎日、熱心に特別授業に参加した児童も大勢いたようだ。

春休みの間、僕自身は学校を離れ、治療活動に集中して時間を過ごした。しばらく往診が出来ていなかったパナウティなどへも出かけ、久しぶりの治療三昧の毎日だった。学校を開校する以前は、こうして一日中、治療に明け暮れていた訳だが、今思うと、よくあんな感じで続けられたなぁ、とヒヤッとする。あれはきっと、周りを一切考えずに動ける20代独特の強烈なエネルギーのお蔭だったのだと思う。思えば、よく鼻血も出ていた。

学校を開校した後は、治療活動と学校の両立という大きな課題に直面したのだが、治療に対する考え方が少しずつ変わり、不思議と良いバランスで2つの活動を続けることが出来ている。もし、どちらか一つの事だけを続けていたら、今頃、きっとパンクしていたはずだ。それだけ僕にとっては大事な活動で、2つの活動が僕の精神面を上手く補完してくれているのだと思う。



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2013年04月20日

諦めたくはない。

4月20日

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ある男子児童が退学するかどうかの岐路に立たされている。児童の父親は児童が生まれる前に蒸発(児童の母親は被差別階級出身。父親は高位カースト)。その後、母親も他の男性と一緒になるため村を去り、児童は母方の実家で祖母と叔母家族と共に暮らしていたのだが、昨年、祖母が亡くなってからというもの叔母の態度が一変し、「学校へ行く必要はない」と言い出したようだ。

叔母からすれば、学校へ行かせるよりも多少なりとも生活の足しになるよう児童を働かせたいという事なのだろうか。自身の2人の子どもは学校へきちんと行かせている現状を見ると教育の大切さは理解しているようだが、叔母の言動からは、自分の子ではない児童(甥)の面倒まで見たくないという心が垣間見える。複雑な家庭環境に翻弄される児童を思うと、本当に胸が痛い。

先日、児童を家の傍の空地へ呼び出して話を聞いてみた。児童の話によると朝は叔母の2人の子どもを学校へ送り届け、それから家の手伝いをしたり、時々、工事現場などでも働いているという。本人は学校で勉強を続けたいとの事だった。ある程度、児童を取り巻く実情がわかったので、今後は叔母と話し合いを持つ必要がある。どんな結果になるかわからないが、叔母が納得できる様々な選択肢を準備して話し合いに臨みたいと思う。今回ばかりはヤッギャ前校長にもひと肌脱いで貰う必要がありそうだ。どんな事があっても決して諦めたくはない。


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2013年04月19日

1年生

4月19日

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今、日本はピカピカの真新しいランドセルを背負った1年生がまぶしい頃ではないだろうか。自分も小学生になる前は、嬉しくてランドセルを毎日のように眺めたり、部屋の中で背負っていた事を鮮明に覚えている。

残念ながらランドセルのような習慣がなく、殆どの場合、幼稚園から小学校まで(長いところでは高校まで)、一貫教育のネパールでは、1年生になるという喜びは日本に比べると少ないようだ。クラスがひとつ上に上がった、というくらいの感じだろうか。この辺り、卒業式同様、学校生活の節目として1年生になった記念行事のようなものが出来ればいいなぁ、と密かに考えている。実現はいつになるかわからないが、夢の一つとしてしっかり温めておきたい。

さて今年度のヒマラヤ小学校の新1年生のクラスは女子だけのクラスだ。女子教育に力を入れているとはいえ共学である事を考えると、もう少し男子の数を増やす必要があると思うが、こればかりはこちらの希望だけではなんとも出来ないのが歯がゆいところ。今年の新1年生は何といっても元気で纏まりが強いことが特徴だ。このクラスに転入する男子がいるとすれば、かなりの覚悟が必要かもしれない。僕ならすぐ小間使い役を命じらそうだ。今のところ男子が転入する予定はないが、その時に備えて準備をしておいた方がよさそうだ。でも、どうやって?



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2013年04月18日

幼稚園クラスと1年生クラスが学級担任制へ移行

4月18日

今年1月に幼稚園クラスを学級担任制に移行したい、とブログで書いたばかりだが、実は新年度から幼稚園クラス(年少、年中、年長)と1年生を教科担任制から学級担任制へ移行する事になった。殆どの先生達が同じ考えを持っていたようで、議論を戦わす事もなくスムーズに移行する事が決まった。あるべき姿に落ち着いたという事だろうか。なにはともあれ、学級担任制へ移行できた事はとても良かった。移行を機に、これまで以上に子ども達一人ひとりに目を行き届かせ、先生と児童がしっかり心を通わす学校にしたい。

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2013年04月17日

妹思いの兄

4月17日

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鼻水を垂らしながら嬉しそうに成績表を見つめているのは2年生のアマン。時々、ニヤっと白い歯を見せて実に嬉しそうだ。

実はアマンが見ているのは自分の成績表ではなく、幼稚園クラスで学ぶ2人の妹のもの。妹たちの出来の良さが嬉しくて仕方ないようだ。幼稚園クラス(年少、年中クラス)は学期末試験こそないものの、それぞれの科目を先生たちが評価している。さして細かい評価をしている訳でなないのだが、一つひとつの項目を見逃さないよう、じっくりと成績表を見つめるアマン。その姿からは妹たちへの愛情がひしひしと伝わって来た。

僕が写真を撮っている事に気が付くと、恥ずかしそうにその場を後にしたが、しばらくして校舎に戻ると、やはりアマンは妹たちの成績表を嬉しそうに見ていた。こんなに優しくて妹思いのお兄さんに恵まれて、妹たちは本当に幸せだと思う。

ところでアマン本人の成績はどうだったのだろう・・・・・いや、これだけ妹思いのアマンなら成績も優秀に違いないから、聞かないでおこう。

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2013年04月16日

保護者会を開催

4月16日

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先週(11日)、期末試験の成績発表が行われた。今回の試験では、年度の途中に転入してきた児童1人を除いて全員が合格し進級することが出来た。まずは一安心。校内は子ども達の喜びの笑顔であふれかえっていた。みんな、本当におめでとう!

成績発表の後、2012年度初の保護者会を開催した。既報の通り、2012年度は学校長の交代という大きな変化があった年だった。学校長が変わることが分かった時から自分自身の心の中で決めた事があった。それは”比較をしない事”。新しく学校長になったマンガル先生は開校当初から教員として活動してきたので学校の事をよく知っているとはいえ、立場がかわって学校長として全体を指揮するのは初めての事。それなりに戸惑ったり、上手くいかない事だってあると思ったので、そんな時にヤッギャ前校長と比較することだけは絶対にやめようと思ったのだ。兎に角、全てマンガル新校長の下、一から出直しのつもりで挑んだ2012年度だった。

実際に学校長が変わって1年が経ったが、この1年、予想以上にさまざまな困難に直面したように思う。もちろん良かった点もあったのだが、何度かブログにも書いた通り、保護者や村の人達との信頼関係を十分に構築できなかったことが最も悔やまれる点で、すべての問題はそこに起因しているよう思うのは僕だけではないはずだ。保護者会を定期的に開催し、学校長の交代という大きな変化に不安を感じていた保護者と十分な話し合いの機会を持つべきだったと思う。僕がマンガル校長に注文をつけるとすれば、その一点に尽きる。

もしかすると「きちんと成果を出してから開催したい」というマンガル校長なりの思いもあったのかもしれないが、人は会わないと自然と心が離れていってしまうもの。学校が常に子どもや保護者の方を向いている、というサインを出し続ける事は、ヒマラヤ小学校のような学校ではとても大事なことではないだろうか。

今回、遅きに失した感があるとはいえ、今年度初の保護者会を開催することが出来、本当に良かったと思う。保護者も学校長から直に学校の取り組みや目標を聞けた事で安心できたのではないだろうか。新年度は少なくとも学期ごとに保護者会を開催し、保護者の声にしっかり耳を傾けながら、学校の考えや進むべき道をしっかり伝えて欲しいと思う。新年度は皆で一丸となって信頼関係再構築の年にしたい。

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2013年04月15日

笑顔のカード

4月15日

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支援者の皆さんをはじめ名刺交換をした方へ年に2〜3度、子ども達の笑顔のカードをお送りしている。カードを手にした時、ほんの一瞬でも皆さんの心が和み、子ども達が元気に頑張っている様子が伝わるなら、これほど嬉しい事はない。毎年、お送りするカードの数は増え続け、現在では1200枚を超えているが、少なくともそれだけの人が「ヒマラヤ小学校」という名前を一度は聞いた事があるわけだから、それだけでなんとも心強い気持ちになる。

昨年11月にお送りした時は、中央郵便局の料金別納印を付ける手動のフランキングマシンが故障していたため局員のオジサン達に協力してもらい、一枚ずつ切手を貼っていったのだが、(あの時のオジサン達の協力には今も感謝の気持ちでいっぱいだ。)実は現在もフランキングマシンは故障中とのこと。そんな訳で今回は家で地道に切手を貼る事になった。しかも郵便代金の35ルピーの切手が200枚しか手に入らず、残りは25ルピーに5ルピーか10ルピーの切手を貼りつける事になった。新年度が始まる前の慌ただしい時期に降りかかってきた試練・・・・一瞬アングリと口を開けてしまったが、これはこれで何か意味があるのだろう(はずだ!)、と前向きに考える事にし、早朝の1時間と寝る前の30分を使って、コツコツ切手を張り付ける事にした。

始めの内はどうしても「いつ終わるのか」という事ばかり考えていたが、だんだん要領よく貼り付けられるようになってくると鼻歌も交るようになり、最後には切手の貼り付け作業が楽しみにさえなっていたから不思議だ。そして、ついに9日の朝、貼り付け作業が完了。無事、中央郵便局から投函することが出来た。ちょうど祭日だったためか局員がほとんどおらず、自分で全ての切手に判を押すオマケつきだった。結局、封筒に入れる作業やホッチキスで止める作業も合わせると2週間ほど掛かった事になるが、一度、体験したことで次回は問題なくカードを送る事が出来るはずだ。慣れてしまえばこちらのもの。世の中、本当に無駄はない。

ちなみに今回の切手、一応、ほぼ真っ直ぐ貼れていると思う。一部、やや疑わしいものもあるが、流石にオジサン達のように逆さや横向きに貼った物はない!!!はず。





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2013年04月14日

ビクラム暦2070年元旦

4月14日

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今日はビクラム暦の元日。今日から2070年の始まりだ。新年といっても特にお祝いする訳でもなく(近年、都市部では祝う人たちも増えてきた)、普段通りの生活が営まれる。

ビクラム暦2070年はヒマラヤ小学校10年目の夢のスタートでもある。これまでの失敗から学んだことを少しでも役立て、素晴らしい10周年を迎えられるよう今日から押忍!!で頑張りたい!!

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2013年04月13日

運動会の立役者

4月13日

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運動会の立役者は、誰が何と言おうとヒマラヤ小学校のヤンチャ大将、アニシュ(アニール)だろう!元々、運動神経は抜群ですばしっこく、こと体を動かす事に関しては最も輝く児童だ。実際、運動会の開催を一番、喜んでいたのもアニシュだった。

アニシュの第一種目は「袋とびレース」。競技が始まる前から入念に練習を重ね、レースで一番になって自分がスターになった時のポーズまで準備していたのだが、いざ競技が始まると勢いに余って転倒。その後、折り返しでも必死にトップ集団に追いつこうとして転倒。結局、ゴール前など計4回も転倒して、観衆を大いに沸かしてくれた。

アニシュの素晴らしいところは、自らの失敗を大笑いして語れるユーモアを持っているところではないかと思う。競技の後の昼休みには、転倒したことを話してみんなを笑わせていた。きっとアニシュならどんな人生の困難にも持ち前のユーモアで打ち克つことが出来るだろう。

さて、そんなアニシュもいよいよ卒業だ。ヤンチャ大将のアニシュがいなくなるのは、やはりなんだかとても寂しい気分だ。9年間、周囲を困らせつつも、大いに楽しませてくれたアニシュ本当にありがとう!! 

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 失敗を笑い飛ばし、ユーモアに出来るところがアニシュの強さ。

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2013年04月12日

世のお父さん達の苦労

4月12日

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8日にスポーツ大会(運動会)を開催した。学校単独の運動会は2007年2月以来。前回の大会では日本人ボランティアの協力で1か月の練習を経て開催したが、今回は予行練習1日という、ネパールらしい形での開催となった。更に2日間の開催予定が1日へ、競技種目も11種目から9種目へと、その場で変更となった。これもすべてがその場の雰囲気で決まる(決められる)ネパールならではだろう。ある意味、予定通りの展開。

競技は二人三脚、ツボ割り、パン食い競争ならぬキャンディ食い競争など、学年ごとに分けて開催された。ちなみにメインイベントは椅子取りゲーム。もっとも盛り上がったのは、ツボ割りだったように思う。ツボ割りでは殆どの子ども達が競技である事を忘れ、「右だ、左だ」と相手チームに適切なアドバイスを送る姿が微笑ましかった。友達を成功させたい、役に立ちたい、子ども達のそんな思いがひしひしと伝わって来た。

さて自分はというと、子ども達の決定的瞬間を逃すまいと写真とビデオの撮影に追われフラフラになった。どこの学校の運動会でも見かけるカメラを手にしたお父さん、といえば分かり易いだろうか。そんな訳で体の変なところが筋肉痛で痛いのだが、世のお父さんたちの苦労が少しわかった気がした。

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2013年04月11日

ヒマラヤ産KOKEくん、東京進出!

4月11日

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この度、株式会社リプロモのご協力を受け、ヒマラヤ小学校の職業訓練所で制作したフェルトのKOKEくんが、ヴィレッジバンガート上野店で試験的に販売される事となった。(下の写真はヴィレッジバンガートの上野店で販売中の様子。)

今回、思いがけぬご縁から職業訓練所の製品が都内の店舗に並ぶこととなり、昨日は思わず歓喜の雄叫び声をあげてしまった。早速、フェルトを製作しているサンギタさん達に報告するつもりだ。きっと大喜びするはずだ。

フェルトのKOKEくん、人気も上々のようで昨日は追加注文も頂いた。今後、成績次第では上野店以外の店舗での販売の可能性もあるかもしれない。これから果たしてどんな展開になるか本当に楽しみだ。この機会にひとつでも多くの事を学べたらと思う。

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(写真(下)提供:、株式会社リプロモ斉藤翔さん)







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