2011年11月

2011年11月30日

広報活動

11月30日

午前中、都内にある大手企業を訪問。広報部の方々にヒマラヤ小学校と主な活動についてお話をした。よくヒマラヤ小学校の支援者を増やすためにどのような広報活動を行っているのか、と尋ねられる事があるが、これまでのところ支援者の殆どは知人の紹介など口コミによる参加で、特に広報活動は行っていないのが現状だ。強いて言うならば絵画展やHPくらいだろうか。

口コミによって支援者が増えたことで、支援者とさまざまな点を共有する事が出来、またお互いの顔も見えやすく、支援活動に参加している事を実感しやすいというメリットがあるが、その反面、支援拡大については限界がある。もちろん、闇雲に支援拡大だけを図る事に大きな抵抗があったり、常に自分達の身の丈にあった活動を心がけたい、という思いがあったので、それはそれでよかったのだが、学校も開校して8年近くが経ち、今では資金面での援助以外にも技術や知識、情報といった面での援助がとても重要になっている。特に学校として力を入れている職業訓練や運営面の強化を目指した取り組みでは、技術や知識による支援が不可欠であり、そのためには、より大勢の方にヒマラヤ小学校の事を知ってもらう事が大切だ。人が集まれば、知識も技術も情報もおのずと集まってくるはずだ。

今日はヒマラヤ小学校についてお話しするに止まり、未だ今後の事は全くの白紙状態ではあるが、ぜひ何らかの形で企業とタイアップして、ヒマラヤ小学校をより大勢の方に知っていただくような活動が展開できればと思う。頑張りたい。

昼間はあちこちを訪ね周り、慌しく時間が過ぎていった。多忙なほど何かの役に立っているのだ、と自分自身に言い聞かせながら毎日の活動を続けているが、忙しいというのは本当に幸せな事だと最近、つくづく思う。活動を始めたばかりの頃は帰国しても訪ねる場所すらなかったのだから、こんなにも大勢の方が活動に関心を持ち、話を聞いてくれる事は本当に幸せなのだと思う。

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夕方からは、とらトピア(港区立虎ノ門いききプラザ)で明日から始まるヒマラヤ小学校絵画展・写真展の搬入作業を行った。とらトピアでの開催は約1年ぶりとなる。今日は搬入作業を手伝ってくださったスタッフの皆さんと話が弾んだが、皆さん、思いのほかヒマラヤ小学校の絵画展、写真展を心待ちにして下さっていた事を知り驚いた。とらトピアで初めてイベントを開催したのが2008年の5月だったから、あれからもう3年半が経っているのだ。継続することで、主役であるスタッフの皆さんにも喜んで貰える活動になったのだ。だからこそ施設の利用者の皆さんにも喜んでいただけるのではないだろうか。そんな訳で今回の絵画展も大勢の皆さんにお楽しみいただければと思う。

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〜お知らせ〜

12月16日に開催予定の「とらトピア・クリスマスコンサート」で、ヒマラヤ小学校についてお話をします。主に施設利用者の皆さんと子ども達の交流の話が中心ですが、お時間のある方はぜひお立ち寄りください。会場のカフェは安くて美味しいと評判です。

ヒマラヤ小学校報告会@とらトピア・クリスマスコンサート

期日:2012/12/16  14:30~ 【入場無料】
場所:港区立虎ノ門いきいきプラザ とらトピア・マーブルカフェ



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2011年11月29日

子ども達の笑顔に囲まれて・・・

11月

resize2664支援者のお誘いを受け、ヒマラヤ小学校写真展が大好評開催中の赤坂「旬菜楽トキ」で、子ども達の美しい笑顔に囲まれながら美味しいお食事を頂いた。手前味噌になるが、子ども達の笑顔に囲まれて食べる食事は本当に格別だ。いつ食べても美味しい「旬菜楽トキ」の食事が、今日は何時にも増して美味しく感じられた。

11月1日から始まった旬菜楽トキの写真展もあっという間に最終日を迎えようとしている。明日はいよいよ搬出日だ。旬菜楽トキでの写真展は今回が3度目。僕が写した写真としては2度目の写真展だったが、開催期間中は大勢の方に子ども達の笑顔の写真をお楽しみ頂き、お陰様で大満足の写真展となった。今日は店主の土岐泰子さんから店内に設置されてある募金箱に集められた(ポストカードの売り上げも含めた)支援金3万円をご寄贈いただいた。ご協力いただいた皆さんのお気持ちにしっかり応えたい。

今日は食事中、ポストカードを買ってくださるお客さんがいた。やはり目の前で子ども達の事を褒められると嬉しいものだ。こうして子ども達を褒めていただけるのも「旬菜楽トキ」や「美味一服めぐり」など、子ども達の頑張りを紹介する場を提供いただけるからだ。改めて感謝の気持ちでいっぱいだ。

来年もぜひ機会があれば子ども達の美しい笑顔の写真をご紹介できればと思う。来年は子ども達のどんな笑顔を写真に収めようか。これまでよりも、もう半歩くらい近づいて、より近い世界から子ども達の素顔に迫ってみたら面白いかもしれない。乞ご期待。

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2011年11月28日

12歳の自分探し

11月28日

先日、福井県の小学校の先生から12才の子どもを対象にしたアンケートの依頼を受け、ヒマラヤ小学校の各学年で学ぶ12歳の男女、6人にアンケートを実施した。

アンケートの依頼書によると、小学校の学級活動の中で「12歳の自分探し」というテーマに取り組むそうで、「数十年前の6年生」「海外の6年生」の多様な考え方に触れる事で、児童に生きていること、食事ができること、学校で勉強ができることなど、当たり前ととらえている自分の身の回りにあるたくさんの幸せに気づかせる事を目的としているそうだ。ヒマラヤ小学校としてこのような素晴らしい活動に関われた事を本当に嬉しく思う。

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実は僕達の回りには小さな幸せが沢山あるはずなのだが、普段の生活の中でそれをなかなか実感出来ないのは、きっと全ての事が当たり前になりすぎているからではなだろうか。小さな幸せに気づくためには、まず自分自身を客観的に見つめなおし、自分を知る事が大事だと思う。自分を知ることが、ひいては”足るを知る事”に繋がれば、たくさん小さな幸せに気づき、実感できるはずだ。「12歳の自分探し」を通して、子ども達には沢山の幸せに気づいて欲しいと思う。

さて、ヒマラヤ小学校のアンケート結果が、なかなか特徴的だったので一部を紹介したい。

Q自分と同じ12歳の子どもたちはどんな夢を持っているのか、考えたことはありますか。

ない、または、あまりない、という答えが殆どだった。日本と異なり年齢を殆ど意識しないからだろうか。もし12才という記載がなく、単に“学校で学ぶ子ども達”となっていたら答えは変わっていたかもしれない。あまり他人の夢にまで興味を抱く余裕がないのも事実だろう。

どんな大人になりたいですか?

圧倒的に多かったのが、学校長を含め先生のような優しい大人という回答だった。社会的な現状から教師が親代わりを務める事が多く、子ども達が教師に対し憧れや尊敬の念を持っている事がわかる。また教師と児童と距離が近いヒマラヤ小学校の特徴が現れている気がする。

目標としている大人や尊敬している人はいますか?

多くが校長先生と答えていた。ヤッギャ校長が何事にも本気で向かい合っている事を子ども達が実感しているからだろう。

目に見えるもので大切だと思うもの(こと)はどんなもの(こと)ですか?

学校という回答が殆どだった。学校が子ども達の心の居場所となっているのだろう。正直、嬉しいことだ。

目に見えないもので大切だと思うもの(こと)はどんなもの(こと)ですか?

全員が未回答だった。これは子ども達だけでなく説明をした先生達にも理解できなかったかもしれない。

この他にも興味深い回答がたくさんあった。いつか日本の子ども達のアンケート結果も含め、「12歳の自分探し」の纏めを手にする機会があれば、ブログの中で紹介したいと思う。



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2011年11月27日

アサバアートスクエア最終日

11月27日

横浜・金沢文庫にある「アサバアートスクエア」で25日から始まった絵画展の最終日。3日間に渡りアサバデザイン教室で学ぶ子ども達とヒマラヤ小学校の子ども達の作品が会場いっぱいに飾られ、来場者の目を楽しませた。

日・尼ともに、どの子の作品も大胆な色使いや構図で力強く描かれ、何度観ても全く飽きが来ない。子ども達の描いた絵は本当に魅力的だ。アサバアートデザイン教室の子ども達の絵を沢山写真に収めたので、ネパールに戻ったら子ども達に紹介しようと思う。きっと良い刺激を受けるはずだ。

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今日はアサバアートスクエアで午後2時から、「〜同じ地球で生きる世界の子供達はどんな生活をしているの?〜」というテーマで、ヒマラヤ小学校についてお話をさせていただいた。予想を上回る大勢の方にお集まり頂き、熱心にネパールのやヒマラヤ小学校について耳を傾けて頂いたのは、とても嬉しかった。僕達の活動というのは、何と言ってもまず知って貰うことが第一歩だ。はじめから支援ありきではなく、まず知ってもらい、考えてもらい、共有してもらう事がとても重要だと思う。

今日は話の後、参加者から貴重な意見や提案をいただき、僕自身、とても大きな学びの収穫となった。今後もこうした形で学校について話す機会が持てたらと思う。今日の講演会では入場料の代わりにドネーション(募金)が行われ、なんと5350円という寄付金を頂いた。本当にありがたい。その他、会場では卒業生や保護者が職業訓練で製作したフェルトや編み物がチャリティ販売され、大勢の方の生の感想を聞けた事も大きな学びの機会となった。

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〜お知らせ〜

アサバアートスクエアで12月18日、O:gの春日泰宣さんによるワークショップ「ネパールの手漉き紙で紙のバッグをつくろう!」が開催予定です。

2011年12月18日(日) Aクラス 午前11:00-12:30 Bクラス 午後14:00-15:30
会場:アサバアートスクエア
講師:春日泰宣
参加費:3000円/中学生以下2000円
*要予約。希望クラス、氏名・連絡先・年齢をお知らせください。
*基本のサイズ以外をご希望の場合は別途材料費をいただく場合がございます。当日ご相談ください。

会場・ご予約・お問い合わせ:アサバアートスクエア
〒236-0015 横浜市金沢区金沢町205
E-mail:asabaartsquare@gmail.com
TEL:045-783-9705 Fax: 045-788-9119





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2011年11月26日

万人を幸せにする子ども達の笑顔

11月26日

年に数回、支援者や知人の方に子ども達の笑顔の写真をお送りしている。受け取った方から「子ども達はなぜ、こんなにも笑顔が美しいの?」と、訊かれることが結構多い。ある人からは、「夜、疲れて家に帰って来た時、ポストに入っていた子ども達の写真を見て涙が出て来た」、と言われた事もあった。僕も机の傍に子ども達の写真を何枚か飾っているが、雑務に追われ忙しい時など、ふと子ども達の写真を見ると心が和み、仕事を頑張ろうという気持ちになる。そう、子ども達の笑顔は万人を幸せにする不思議な力があるのだ。

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ヒマラヤ小学校で学ぶ子ども達は大変貧しく、それぞれ大変厳しい環境の中で暮らしている。特に社会から虐げられたカーストに属している家庭の子ども達など、筆舌にはとても尽くせない苦しみの中で生きているのだが、それでも尚、子ども達がこれだけ美しい笑顔を見せてくれるのは、学校で学ぶことで世界が大きく広がり、友達や先生達の存在、そして支援者との交流によって“自分を見ている人がいる”“自分は愛されているのだ”という確信を持ち、更には、“自分はこうなりたい”、“こうなるんだ”、という目標が出来た事で、より良い明日を信じられるようになったからでないだろうか。

そう考えると学校が果たす役割は本当に大きい事に気づかされる。だからこそ僕達は、自立を目指せる学校づくりに全力で頑張らなければいけないのだと思う。

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日干し煉瓦を積んだだけの児童の家。厳しい生活の中でも笑顔は美しい。

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2011年11月25日

プロから褒められたリーナ

11月25日

いつも大変お世話になっている画家の田鎖幹夫さんが、上野・美味一服めぐりで絶賛開催中のヒマラヤ小学校絵画展「ボクの、ワタシの未来」を見に来て下さった。

田鎖さん
は毎回、ヒマラヤ小学校絵画展に足を運んでくださり、いつも貴重な感想を頂いている。いつかは23歳でヒマラヤ小学校を卒業したリーナの描いた絵を高く評価してくださり、その事を映像と共にリーナに知らせると、リーナーがとても喜び、それ以来、何かにとりつかれた様に絵を描き始めたことがあった。プロから褒められた事がリーナにとってどれほど励みになったか計り知れない。褒めていただいたリーナの作品はその後ポストカードとなり、今でも大勢の方に愛され続けている。

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リーナ・マハルジャン作「ティハール祭り」

今回の絵画展でも田鎖さんには、子ども達の作品を一つひとつ丁寧に評価いただいた他、同時開催中の子ども達が描いた奇妙なキノコの絵をかなり高く評価していただいた。できればこの奇妙なキノコたちも絵葉書にして残してみたいものだ。というわけで、ネパールに戻ったら田鎖さんから頂いたお褒めの言葉を子ども達にたっぷり伝えようと思う。

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さて今日は、目黒区立向原小学校を訪ね、12月中旬に向原小学校で開催される展覧会の打ち合わせを行った。前回に引き続き、今回の展覧会でもヒマラヤ小学校の子ども達の絵を展示していただく事になった。校長先生はじめ関係者の皆さんの協力には本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

今回は今年7月に上野・めぐりギャラリーで開催したヒマラヤ小学校絵画展「ともだち」の絵を展示する予定だ。向原小学校は何と言っても図工が素晴らしい学校だ。前回の展覧会では驚くほどの実力を見せてくれた向原小の子ども達。今回は一体どんな作品が展示されるのだろう。今から本当に楽しみだ。



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2011年11月24日

アサバアートスクエアで絵画展

11月24日

横浜・金沢文庫のアサバアートスクエアで明日から始まるヒマラヤ小学校絵画展の搬入作業を行った。アサバアートスクエアはいつ訪ねても心が洗われる心地良い空間だ。デザイン教室に通う子ども達が無心で描いた素晴らしい絵画作品が沢山飾られてあることや、アートディレクター、浅葉和子さんのアートに対する強い思いが空間に溢れているからだろう。アートが持つ無限の可能性を感じずにはいられない。

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明日から始まる絵画展では、デザイン教室で学ぶ子ども達の作品もヒマラヤ小学校の子ども達の絵と共に展示される事になっている。ぜひ、ぜひ大勢の方にお越し頂き、日・尼、両国の子ども達の描いた夢に溢れた作品をたっぷりお楽しみ頂ければと思う。

〜お知らせ〜

ヒマラヤ小学校絵画展@ASABAアートスクエア

子ども達の描いた美しい絵がASABAアートスクエアに初登場!過去に紹介した珠玉の名作を展示いたします。

日程:2011/11/25(金)〜27(日)
会場:ASABAアートスクエア 236-0015横浜市金沢区金沢町205
電話:045-783-9705 

吉岡大祐講演会 

「〜同じ地球で生きる世界の子供達は
  どんな生活をしているの?〜」

2011年11月27(日)14:00-
@ASABAARTSQUARE
参加費:ドーネーション

詳しくはこちら


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2011年11月23日

もう一つの柱

11月24日

resize2645ヒマラヤ小学校のスポンサーシップの制度改正を行う事が決まり、支援者の皆さんへお送りする書類の作成を進めている。ネパールのインフレによる物価高騰が止まらず、心ならずも基金の値上げに踏み切る事になったのだが、今回の制度改正を機に、制度そのものの見直しをしっかり行い、修正点をきちんと改善することで、支援者の皆さんに、「参加してよかった」と思っていただける支援プログラムにしたい。

それにしても今更ではあるが、スポンサーシップ以外にもう一つ柱となる基金を設けておくべきだったと悔やむばかりだ。ヒマラヤ小学校にはスポンサーシップ以外にヒマラヤ小学校基金という支援制度があるが、これは定期的に頂ける支援ではなく-----------もちろん継続的に支援してくださっている方もいるが――――図書室を作るとか、制服を支援するといった基本的には単発型の支援なので、実質的にスポンサーシップの不足分を補うことは難しい。

実はヒマラヤ小学校の活動を知った方の中には、「何かしたい」と言ってくださる方が結構多いのだが、「スポンサーシップは荷が重い」とか「忙しいので影からなら応援したい」と仰る方が多く、残念ながら現状の支援制度だけでは、そういった人たちのせっかくの善意を無駄にしてしまっている状況だ。

例えば賛助会員のような仕組みはどうだろうか。会員という事で参加者の精神的な負担も少なくて済み、会費という定期収入は学校運営の安定化の大きな力となるはずだ。例えばスポンサーシップ支援者が10人、一気に辞退したなんていう―――絶対、起してはいけないが――――万が一の事が起こってもそれを補う事が出来、結果的にはスポンサーシップ支援者の金銭的な負担だけでなく、精神的な負担を軽減する事も出来るだろう。

言い方は悪いが、運営資金は多いほどいいに決まっている。資金に余裕があり学校を安定的に運営できれば、職業訓練など他の重要な活動に力を注ぐ事だって出来るし、学校の主役である先生達も大いに本領を発揮することが出来るだろう。何事もギリギリの状況では、本当にいい物は生まれないのだ。

これまで僕達は自立を目指す余り、自力という事に拘りすぎていたのかもしれない。もちろん支援者の負担を少しでも軽くし、出来る限り自分達の力でやっていく事は決して間違っているわけではないが、今回のように学校運営が傾いてしまっては全く意味がない。安定運営できるだけの力を持つことが出来てこそ、本当に自立を目指すことが出来るのだと思う。近い将来、もう一つの運営の柱となる基金を構築することで体制をしっかり整え、本気で自立を目指せる学校づくりに取り組みたい。

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2011年11月22日

きっかけは1杯のオレンジジュース

resize2520支援者の方の家に、周囲の友人や知人に集まって貰い、車座になって学校についてお話しする活動を数年前から続けている。支援者や活動に関心を持った方と意見交換をすることで新たな目標が出来たり、時には学校が抱える問題の解決の糸口を見つける事も出来る。異なる分野で活躍される人の話には、いつも考えさせられる事が多いので、僕にとって大切な活動の一つだ。

先日の集会は、僕よりも少し上の世代の主婦の方が中心だった。皆さん、それぞれ子育てに奮闘中の様で母親の立場から貴重な意見を頂いたのだが、参加した女性から「自分の子どもが内向的なので、なんとか外国へ行くくらい活発になってほしい」とか「子どもに夢や目標がなくて困っている」という話が話題に上り、興味深かった。

若者が夢を持たなくなったと言われて久しい。少なくとも僕が知っている若者はそんな風ではないのだが、それでも常に話題に出るくらいだからやはり昔に比べて夢や目標が持ちにくいのだろう。でも、無理に夢や目的を持つ必要は全くないと思うし、若者に“夢や目標を持て”と言い聞かせてたことろで、あまり意味がないと思う。

僕がネパールへ渡ったのは、父の友人のネパール人に声をかけてもらった事がきっかけだったが、当時の僕は少年の頃からの夢だった“外国で暮らしたい”という事しか頭の中になく、ただただ一刻も早く日本を飛び出して外国、特にアメリカへ行きたいという思いばかりだった。

では、なぜ僕が”外国で暮らしたい”という夢を描くようになったかというと、小学校3年生の頃に家族で訪ねたアメリカで飲んだ1杯のオレンジジュースが切欠だった。宿泊先のホテルの傍にあった小さな店で、生まれて初めて英語で注文して飲んだカリフォルニアのオレンジジュース。そのオレンジジュースは、氷ばかり入っている日本のものとは違い、氷が一切入っていない上にアメリカンサイズの大きなコップに入っていて、当時9歳だった僕の心を圧倒的に打ちのめしたのだった。ジュースを飲み干した瞬間、将来は絶対、この国に住もう、と子どもながらにと決心した事を鮮明に覚えている。よほど嬉しかったのだろう、ホテルに戻った後、僕は両親に「アメリカ人は人がいい。大きくなったらここに住む。」と報告したそうだ。つまり感激するほど良い思いをした事が、僕が外国への憧れを抱くきっかけになったのだ。

夢や目標なんて、生まれてくるとしたら、常に思いがけないところからではないだろうか。ともすれば若者は夢を持つべきだ、と思い込んでしまいがちだが、そんな必要なんて全くないと思う。人はそれぞれ生まれてきた役割があり、それに気づくことが出来れば、きっと幸せな人生を送ることが出来ると僕は信じている。

それでも、やはり夢を持つ事に拘る人は今の自分と全く異なるところへ身をおけばいいと思う。特に知らない国へ出かけることはお勧めだ。言葉も通じない中で意思の疎通を図ろうと精いっぱい努力していると、ふと大事な何かに気づくこともあるはずだ。ということで悩める若者よ、ネパールへ来たれ。


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2011年11月21日

茶髪・・・・・

11月21日

resize2626日本の子ども達にネパールの子ども達の写真を見せると、「あ、茶髪だ」と驚かれることがある。日本の子ども達からすると”茶髪”は流行もので、現地の子ども達が好んで髪を染めているだと勘違いしたようだ。しかし、実は茶髪の原因が栄養失調である事は、きっと飽食の日本で暮らしていると分からないだろう。

栄養失調によってメラニンの生産が不足すると濃い色の髪が赤毛や金髪になるのだ。もちろん適切な栄養摂取によって回復するのだが、今でも山の上の村など貧しく栄養状態の悪い地域では茶髪の子どもを見かける事が多い。

ヒマラヤ小学校の児童の中にも茶髪だった子が数年前までけっこういたが、今では直ぐに分かる茶髪の子は殆どいなくなった。きっと学校で続けている栄養改善プログラム(給食と保護者への栄養指導)が少しずつ成果を上げているのだろう。栄養改善プログラムも始まって6年、継続の力を実感できるようになって来た。

日本に帰ると、茶髪にしている人を頻繁に見かける。個人の嗜好とはいえ、なぜわざわざ色を変える必要があるのか、と不思議に思ってしまうが、よく考えれば僕もいつの間にか中年と呼ばれる年齢になったのだ。若者のやることに文句を言ってはいけない。"時代は変わる"のだから。

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〜お知らせ〜

ヒマラヤ小学校絵画展@ASABAアートスクエア

子ども達の描いた美しい絵がASABAアートスクエアに初登場!過去に紹介した珠玉の名作を展示いたします。

日程:2011/11/25(金)〜27(日)
会場:ASABAアートスクエア 236-0015横浜市金沢区金沢町205
電話:045-783-9705 

吉岡大祐講演会 

「〜同じ地球で生きる世界の子供達は
  どんな生活をしているの?〜」

2011年11月27(日)14:00-
@ASABAARTSQUARE
参加費:ドーネーション

詳しくはこちら

PPM「時代は変わる」↓









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2011年11月20日

ヒマラヤ小学校報告会

11月20日

resize2627今日はヒマラヤ小学校絵画展「ボクの、ワタシの未来」が大好評開催中の美味一服めぐりで、ヒマラヤ小学校報告会を開催した。休日にも関わらず30人を越える方にお集まり頂き、感謝、感激のひと時となった。風邪気味のため途中、ぼーっとなってしまい、話したかったことを全て話すことが出来ず少し心残りだが、それでも来場の皆さんには熱心に耳を傾けてくださり、皆さんのヒマラヤ小学校への思いがひしひしと伝わってきた。いつもながら、こんなにも大勢の方が学校と子ども達を応援してくれているのだと思うと、胸がいっぱいになる。感謝の気持ちは言葉に尽くせない分、活動でお返しできればと思う。

最近、報告会に若い人たちの参加が増えた事が何よりも嬉しい事だ。今日も初参加の方も含め、ずいぶん若い人達が集まってくれたのはとても嬉しかった。この活動は社会経験豊な方はもちろんだが、ぜひ若い人達にこそ積極的に参加して欲しいと願っている。外に目を向け、異文化の人々と関わることは、きっと学校だけでは得られない大きな学びの収穫があるはずだ。これから若い人達がどんどん活動に参加できる環境を作っていく事も、僕のささやかな夢のひとつだ。

報告会では今年9月にヒマラヤ小学校を実際に訪問されたスポンサーシップ支援者の方にもお話いただいた。やはり生の交流を体験された方の言葉は心に響くものがある。報告会の後、別のスポンサーシップ支援者の方から「これからは、もっと手紙を書くわ」とか「一度、私も奨学生に会いにいくわ」という声が聞こて来た。本当に嬉しいことだ。スポンサーシップの醍醐味は何といっても人と人との交流に尽きる。特に子ども達は“自分を見てくれている人がいる”という実感を持つことで大きく成長する。ぜひ、これまで以上に活発な交流が実現できればと思う。

rina今日は「サンゴの森」の栗原里奈ちゃんも報告会に来てくれた。これから里奈ちゃんが、ヒマラヤ小学校5年生のシーマと文通で交流してくれることになった。遠い国に暮らす2人が、友人として互いに切磋琢磨しながら成長し、いつ日か本当に会える日が来たら、どんなに素晴らしいだろうか。いや、本当に実現して欲しい。

報告会の後は夜遅くまで若い人達と楽しいおしゃべりに華が咲いた。今日は運営の不安をしばし忘れ、学校を作ることが出来て本当によかったなぁと、しみじみ思う幸せな一日だった。次の報告会を楽しみに、今後の活動を精いっぱい頑張りたい!!

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2011年11月19日

励ましの言葉

11月19日

resize2524日本に一時帰国中は兎に角、ヒマラヤ小学校の支援者を一人でも多く訪ね、お話するように心がけている。もちろん限られた時間の中で全支援者とお目にかかるのはなかなか難しいのだが、支援者の声を直接聞くことは、より意義ある活動を展開する上で欠かせない。また、自分達がどんな思いを持ち、未来にどのような青写真を描いて、どのような取り組みを行っているのか、しっかりお伝えすることは支援活動を行う上で最も重要なことだ。夢を具現化させるためには多くの人の協力が不可欠で、支援者の皆さんと共有できる夢を持ち、それを公言することで夢を一歩前へ進めることが出来るのではないだろうか。

既にお伝えしている通り、ネパールはインフレによる物価高騰が止まらず学校運営は厳しい現状に直面している。そのため来年度から心ならずもスポンサーシップの値上げに踏み切る事になった。そんな事もあって今回はお詫び行脚のような形になってしまったのだが、お目にかかった支援者の方から「今まで良くがんばったね」という温かい励ましの言葉をかけてもらい、涙が出るほど嬉しかった。たとえ1人でも、こうして応援してくださる方がいることが今の自分や学校にとっての励みであり、どんな事があっても夢を実現させたい、という思いが高まってくる。本当にありがたい。海よりも深く、山よりも高いご恩は一生かけても返せるものではないが、いつか自分が同じような立場になった時、若い人に必ず同じ言葉をかけてあげたいと思う。

今、学校運営は厳しい現状だが、いざ子ども達に目を向けてみると、ミンバードルの工作コンテスト優勝や第一期卒業生、プロビンの空手大会優勝など嬉しいことは沢山ある。卒業生、在校生ともに、子ども達は一生懸命がんばり、着実に成長しているのだ。僕たちもそんな子ども達に負けてはいけない。今こそ教職員が主役となって学校を引っ張っていかなくては!そんな思いを新たにした。


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2011年11月18日

ボクの知っている現実

11月18日

resize2624ネパールについて話をする時、“ネパールでは”とか“ネパールは”という言い方をして良いのか、悩む時がある。ネパールは北海道の約1.8倍程度という小さな国土に40を超える民族が暮らす他民族国家で、地勢的にも海抜100メートルの亜熱帯から5000メートルを越える高山地帯まであり、全ての面で多様性に富んだ国だ。僕が活動している、あるいは知っている“ネパール”というのは、その中のほんの一部でしかないから、ネパールは、という言い方はどうしても躊躇ってしまう。あくまでも”自分だけのネパール”なのだ。

これだけ多様性に富んだネパールだから、もちろん統計を出すのは非常に難しく、仮に出したとしても殆ど役に立たないのではないだろうか。それでも時々、統計だけが一人歩きしている事がある。最近、よく耳にするネパールの小学校就学率が91.9%という統計もその一つで、どうしても首を傾げてしまう。もちろん以前に比べ就学率がかなり改善された事は実感できるのだが、限られた地域とはいえ自分が実際に村を歩いた経験からしても、91.9%というのはどうしてもおかしいのではないかと思う。もし子どもの数が人口の半分を占めるというデータを信じれば、2700万人の半分で1350万人が子どもという事になる。現在、約260万人が児童労働者として働いているデータがあるが、それだけ考えても既に子どもの20%近くが働いているという計算になり、就学率91.9%という数字は矛盾してしまう。

伝統的なカースト制度(男性優位社会)によって今尚、女子が教育を受ける機会が少なく、基本的な知識を身につけないまま母親となり、多くの子ども達が感染症で亡くなっているというのは紛れもない事実で、91.9%の子どもが就学するのなら決して起こらない問題ではないだろうか。写真は煉瓦工場で働く女性。この写真を撮る1ヶ月ほど前に煉瓦工場で出産したそうだが、出産の時、臍のおを「鎌で切った」と話していた。これがボクの知っている現実だ。



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2011年11月17日

「第一回 世界なかよしフェア」にヒマラヤ小の絵が展示されます!

11月17日

resize2584「世界の国に、東日本大震災への支援ありがとう」をテーマに20日(日)、静岡県清水町の清水町地域交流センターで開催される「第1回 世界なかよしフェア」に、ヒマラヤ小学校の子ども達の絵が展示されます!!

イベントでは英語で遊んだり、様々なパフォーマンスを体験するコーナー、世界の写真展、雑貨の販売など、面白い催しがいっぱいです。ヒマラヤ小学校からは子ども達が「ともだち」をテーマに描いた、珠玉の名作が展示されます。(2011年夏の絵画展作品)

またヒマラヤ小学校の子ども達も参加しているYOUプロジェクトの作品やこれまでの活動のスライドショーの上映と、誰でも参加できるワークショップコーナーも設置される予定です。入場は無料。ぜひ皆さん、お誘いあわせの上、世界なかよしフェアへお出かけください。(絵:アシュマ・シュレスタ 3年生 2011年夏)


第一回 世界なかよしフェア
2011年11月20日(日) ・ 10:00 – 15:00

清水町地域交流センター
静岡県駿東郡清水町道庭6−1


詳しくは「第1回 世界なかよしフェア

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you project
 YOUプロジェクト


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2011年11月16日

ITキャンパスで特別授業

11月16日

resize2574この写真、決してヤラセではありません。

今日はクラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパスを訪ね、生徒さんがヒマラヤ小学校の子ども達のために作ってくれた折り紙や日本を紹介する品々を受け取った。生徒代表から寄贈品を受け取った後、急遽、ヒマラヤ小学校やネパールに関する“特別授業”を行うことになった(11/16記事)のだが、ITキャンパスの生徒さん達の関心が驚くほど高く、矢継ぎ早に質問を受けた。写真はその時の様子を写したものだ。(写真:クラーク記念国際高校・秋葉原ITキャンパス)

こうして若者が外国に目を向け、ヒマラヤ小学校の子ども達の事を真剣に考えてくれているのだと思うと、なんだか胸が熱くなった。お互いに学べることは沢山あると思う。これから一歩でもお互いの距離が近づくような意義ある交流が出来ればと思う。




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2011年11月15日

決して1人じゃない

11月15日

resize2582松山での全日程を終えて上京。松山では慌しくも本当に充実した時間を過ごす事が出来た。今回は松山市長、愛媛県知事表敬訪問宇和町小学校での講演、さらに「えひめ・ネパールフレンドシップ」の総会と、たっぷりの1週間だったが、活動を応援してくださる大勢の方々と直接、お話する機会に恵まれた事が何よりも嬉しかった。学校運営はたいへん厳しい状況が続いているが、こうして応援してくださる方々とお目にかかると、自分は決して一人じゃないんだ、という事を実感でき、本当に心強い。同時に、応援して下さる皆さんの気持ちに応えるために、なんとしても頑張らねば、という気持ちがわいてくる。

今日はヒマラヤ小学校絵画展「ボクたち、ワタシたちの未来」が大好評開催中の美味一服めぐりを訪ね、チャリティ販売の搬入作業を行った。今回はフェルトの他、冬が近いという事で久しぶりにニット帽を用意した。ニット帽は以前、販売した折に頂いた意見を元に改良を加えているので、満足していただけるのではないかと思う。(20個の限定販売です。)その他、フェルトは新作の可愛い人形(写真)も展示・販売中。宜しくお願いします。

その後、Where is Alice?の宮城春菜さんが、今年7月に参加させて貰った伊勢丹・新宿本店の「A style of Bohemians」(2011/7/20〜8/1)の売り上げ(ヒマラヤ小学校分)を届けてくれた。伊勢丹・新宿店のイベントでは大勢の方のご協力をいただき、予想よりも沢山の品が売れるという、うれしい結果となった。職業訓練所の品が人の目に触れるだけでも嬉しいのに、本当にありがたい事だ。来年1月にも再度、伊勢丹・新宿店のイベントに参加させてもらう予定となっている。ぜひWhere is Alice?の素敵な製品と一緒に、大勢の方に喜んで貰えたらと思う。

夜はマレーシアで障害者の施設を運営されているアジア地域福祉と交流の会の中澤健さんご夫妻とお目にかかり、貴重なお話を伺うことが出来た。障害者の目線にたった素晴らしい活動に感化を受けた。ぜひ、いつか施設を訪ねてみたい。



★吉岡大祐によるネパールヒマラヤ小学校報告会「2011年を振り返って」&交流会

11月20日(日)17時〜 参加費 3,000円(食事付き)
会場:美味一服めぐり 東京都上野1-20-11 
電話:03-3834-5154


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2011年11月14日

見返りを求めない

11月14日

resize2554活動に取り組むにあたり最も大事な事は、“見返りを求めない”という姿勢ではないだろうか。いくら誠心誠意相手に尽くしても、その努力が報われるとは限らないのが支援活動で、それは損得勘定や社会的バランス感覚ではとうてい予想がつかない“生の現実”なのだと思う。だからこそ机の上で計算されたように動くものではないという事をしっかり認識し、見返りを求めない姿勢で取り組むべきだと思う。

斯く言う僕もネパールで活動を始めたばかりの頃は、――今よりも――上手くいかないことばかりで、それを相手のせいにしたり、社会のせいにばかりしていた。自分が努力した分、成果を得なければ満足できない、今、思えば常に大きな見返りを求めていたように思う。ある時、苦虫を噛み潰したような顔をしている自分を見て、自分の考えの浅はかさに気がついた。失敗を他人のせいにしていては経験が経験にならない。そんな当たり前の事に気づくまでにかなりの時間が掛かったのだから自分の無能ぶりを笑うしかない。その後、“見返りを求めない”という考えを持つようになってからは、以前に比べ物事を受け入れられるようになり、上手くいった時の喜びも大きくなった。

考えてみれば文化も習慣も違う国での活動だから、こちらの考えや思いが簡単に伝わるはずもなく、時間を掛けて段々に、という事が活動の基本なのだ。どうも僕たち日本人は結果を早く求め過ぎるように思う。見返りを求めない、というのは相手のペースに合わせるという事だから、何事も辛抱づよくやることが大事だろう。はたして今の自分は本当に見返りを求めず活動に取り組めているだろうか、一度、チェックしてみる必要がありそうだ。

〜お知らせ〜

★吉岡大祐によるネパールヒマラヤ小学校報告会「2011年を振り返って」&交流会

11月20日(日)17時〜 参加費 3,000円(食事付き)
会場:美味一服めぐり 東京都上野1-20-11 
電話:03-3834-5154



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2011年11月13日

えひめ・ネパールフレンドシップ総会

11月13日

resize2569今日はえひめ・ネパールフレンドシップ第2回総会が松山市民会館を会場に行われ、午後3時と午後7時の2度にわたりヒマラヤ小学校現状報告会という形で、学校や子ども達の様子をお話させていただいた。

えひめ・ネパールフレンドシップは昨年11月、高校時代の恩師をはじめ県内有志の皆さんの協力によって設立された後援団体で、当初は10人だった会員も、1年が経過した今では会員数120人を越えるまでに発展した。これも偏にメンバーの皆さんのご尽力と、周囲の皆さんのご協力のお陰だ。心から感謝したい。

総会ではえひめ・ネパールフレンドシップの皆さんから、支援金としてヒマラヤ小学校に20万円、吉岡大祐の活動費として10万円、合計30万円という大きなご支援をいただいた。ふるさとの皆さんの温かい応援に、胸が締め付けられる思いがした。僕は本当に幸せ者だ。学校に頂いた20万円は上水道の整備のために、僕の活動費として頂いた10万円は僻地医療のために、それぞれ役立てたいと考えている。

さて総会の会場では県内の小学生とヒマラヤ小学校の子ども達が「夢」について描いた絵が展示され、絵を通した素晴らしい交流が実現した。日本の小学生、ネパールの小学生、それぞれ国はちがっても描く夢はどれも素晴らしいものばかり。観ていて本当に心が和む。展示した絵の内、宇和町小学校の子ども達の作品はネパールへ持ち帰り、後日、展示する予定だ。日本の子ども達の絵を見て、ネパールの子ども達はどんな感想を持つだろうか。今から本当に楽しみだ。

総会の後には「あ♪こーるぱるふぇ」の皆さんの演奏会が行われ、会場に響き渡る優しい音色に心酔した。ヒマラヤ小学校の子ども達がいたらどれだけ喜んだだろう、、、、、そんな事を思いつつ、第2回総会は無事、幕を閉じた。来年の総会ではこれまで以上に良い報告が出来るよう、これからの活動を頑張りたい。




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2011年11月11日

宇和町小学校で講演

11月11日

resize2553えひめ・ネパールフレンドシップの活動で、西予市宇和町にある宇和町小学校の5,6年生を対象に「世界の子ども達」というテーマで講演を行った。宇和町はシーボルトの弟子で医聖として慕われていた二宮敬作が開業していた町で、二宮敬作がシーボルトの娘イネを育てたのもこの宇和町だ。その他に高野長英が隠れていた事も含め、幕末の歴史の舞台となった宇和町。それぞれ吉村昭さんの小説で詳しく描かれている。

宇和町小学校へ行く前に、今年2月に同じく「えひめ・ネパールフレンドシップ(ENF)」の活動で講演した河成小学校へ立ち寄った。丁度、子ども達が運動場で遊んでいたので声をかけてみると、みんな2月の講演の事を思い出してくれたようで、「ナマステ〜」と元気な声で返事をしてくれた。山間の小さな小学校の子ども達の記憶に「ナマステ」という言葉が残っているなんて、本当に嬉しいことだ。

その後、「かまぼこ板の絵」で有名な「ギャラリーしろかわ」を訪ね、館長の浅野幸江さんにご案内いただき、現在、大好評開催中の「かまぼこ板の絵の展覧会」を観覧した。小さなかまぼこ板に描かれた素晴らしい作品の数々に心打たれ、”絵は心の手紙です”という言葉の意味が伝わってきた。館長の浅野さんからは大変貴重なお話を伺う事が出来、本当に実り多い訪問となった。ギャラリー城川については、ぜひ別の機会でブログに紹介したいと思う。

さて午後2時からは今日のメインイベントである宇和町小学校での講演。宇和町小学校は開明学校の流れを汲む学校で、もう直ぐ開校170周年を迎えるという歴史ある学校だ。開校7年あまりのヒマラヤ小学校からすると大大大先輩。しっかり挨拶が出来、人前でも臆することなく発表できる子ども達を見ると、校長先生はじめ先生達の努力はもちろんだが、170年という歴史、伝統に裏打ちされた学校の深さを感じた。やはり教育は継続が大事だ。

resize2551今日の講演は「世界のこどもたち」をテーマに、ネパールの児童労働の現状などについて話をしたが、同じような年頃の子ども達が学校へ行かず働いている現状を知った事は、子ども達にとっ新鮮な驚きだったようで、講演の後の質問と感想の時間には長蛇の列が出来た。

感想の中で「いかに自分が恵まれ、幸せに暮らしているのか気がついた」という話をしてくれた子が何人かいたが、こうした活動が、子ども達が世界に目を向ける切欠になる事はもちろん、自分自身を見つめる切欠となり、ひいては知足につながれば、これほど嬉しいことはない。

感想の際、大勢の子ども達から“頑張ってください”と力強いエールを贈ってもらった。子ども達のエールをしっかり受け止め、明日からの活動を頑張りたい!




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2011年11月10日

南海放送ラジオ

11月10日

=お知らせ=

本日11月10日(木)、南海放送ラジオ(1116kHz)のザ・INAZO(12:00~12:59)でヒマラヤ小学校についてお話します。愛媛県周辺にお住まいの皆さん、ぜひご視聴ください。

resize2540正午から南海放送ラジオの人気番組「ザ・INAZO」で、ヒマラヤ小学校についてお話させていただいた。アナウンサーの江刺伯洋さんにとても丁寧に話を聞いていただいた他、番組プロデューサーのお心遣いで「ピーター・ポールアンドマリー」の歌(天使のハンマー)を流していただいたお陰で緊張も一気に解れ、気持ちよくお話しすることが出来た。昨年、同じ南海放送ラジオでお話させていただいた時も、やはりプレゼンターのらくさぶろうさんに、職業訓練所(刺繍付け作業)で製作したショールをご購入いただいたが、同郷の人間を応援しよう、という皆さんの温かい気持ちが本当にありがたい。

その後、母校へ挨拶に行った後、支援者の方に紹介して貰ったえほんのみせコッコ・サン」松山店を訪ねた。予想通りの素晴らしいお店で、時間が経つのを忘れるほど、素敵な絵本に見入ってしまった。ちょうどヒマラヤ小学校の将来的な図書室の青写真を描いていたところだったので、コッコ・サンのお店の雰囲気はとても参考になった。こうして実際に素晴らしいもの触れると、実現に向けて一歩を踏み出す勇気と意欲が沸いてくる。不思議なことだが、人間はその一歩踏み出しだす事で人生が変わってくるのだ。学校が変化の時期を迎えた今だからこそ図書室の整備にかぎらず、全ての事に対して勇気を持って一歩を踏み出していかなくてはならないと思う。

その後、支援者の皆さんとお世話になっているNico Cafeへ。松山市街を望みながら、美味しいコーヒーをいただき、支援者の皆さんとの話に華が咲いた。明日は宇和町小学校で講演だ。どんな出会いがあるのだろうか。






 



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