2011年02月

2011年02月22日

ビンドゥ

2月22日

ビンドゥ今年もあっという間に2月になった。2月になると2009年に天国へ旅立ったビンドゥのこを必ず思い出す。ビンドゥが旅立ってから早くも2年の月日が流れた。果たして僕達はビンドゥの死から学んだことをきちんと活かせているのだろうか・・・・立ち止まって確認してみる必要がありそうだ。

もしビンドゥが生きていたら今年、ヒマラヤ小学校卒業する筈だった。ビンドゥは一体どんな顔で卒業の日を迎えていただろうか。大好きなムヌ先生との別れを惜しんで泣いていただろうか、それとも何時もの屈託のない明るい笑顔を見せてくれていただろうか。いや、泣いていても、笑っていても、きっと野花を摘んで来て、「ミス、ミス(先生、先生)」と言いながら、先生達一人ひとりにプレゼントしていたに違いない・・・・・・。ビンドゥは本当に心優しい女の子だった。

ビンドゥのことを考えると今でも胸が張り裂けそうになるが、これからもビンドゥは僕達の心の中で生き続けていくだろう。ビンドゥが天国でも明るく元気でいて欲しい、僕達はただそれだけを願っている。合掌。



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2011年02月17日

小学校での講演活動

2月17日

先日のブログでふるさと愛媛に後援組織「えひめ・ネパールフレンドシップ」が設立され、地元の小学校で講演をした事について書いたが、今後も出来る限り、小、中学校での講演を続けて行けたらと思っている。出来ればこれから県内の小、中学校を全部周ってネパールの話をしたい、そんな夢も描いている。

戦後、日本は先人達の血がにじむような努力によって焼け野原から復興し、世界2位の豊かな国となった。僕はその豊かさを当たり前のように享受した時代に生まれ育った人間の一人だ。「豊かな時代」というのは、裏返せば「ワガママな時代」ともいえるだろう。何もかもがあって当たり前だった少年時代、僕が貧しさについて考えた事がなかったように、おそらく今の日本の子ども達も貧しさについて考えることは殆ど無いのではないだろうか。

ネパールで活動を続けていると子ども達の何気ない言動から学ぶことがとても多い。特に子ども達が貧しさの中で持つ優しさや「足るを知る」という心の豊かさからは学ぶことばかりだ。ぜひ、日本の子ども達にネパールや貧しい中で精いっぱい生きている子ども達の現状について、僕なりに伝えていきたい。自分よりも弱い立場の人たちの事を知ることで、思いやりについて考えるきっかけになればと思っている。結果として、子ども達の思いやりを育てる情操教育に繋がれば、これほど嬉しいことはない。まだ始まったばかりの活動だが、夢に向かって一歩ずつ頑張りたい。

児童









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2011年02月15日

河成小学校

2月15日

河成小昨年11月、高校時代の恩師の先生を中心に有志の皆さんのご協力を受け、ふるさと愛媛でヒマラヤ小学校の後援組織「えひめ・ネパール・フレンドシップ」が設立された。ふるさとの皆さんの温かい応援は本当にありがたく、筆舌には尽くせないほど感謝の気持ちでいっぱいだ。思えば2年前には「テレビ愛媛」からテレビ愛媛賞をいただき、また2009年には松山青年会議所の皆さんの推薦で人間力大賞を頂くなど、ふるさと愛媛の皆さんには様々な形で温かい応援をいただいている。今回の後援組織設立によって、これまで繋がりの薄かった県内の支援者をネットワーク化する事が出来、より意義ある活動を展開することができるようになると期待している。ぜひ、活動理念でもある”お互いの顔が見える活動”を目指していきたい。

昨年11月に「えひめネパールフレンドシップ」の設立総会を開催して以降、メンバーの皆さんと共に今後の活動について話し合いを進めてきた。絵画展や写真展の開催などやりたい事は山ほどあるのだが、出来れば県内の小、中学校でネパールについて話がしたいと考えていたところ、設立総会の様子について書かれた読売新聞を読まれた西予市立河成小学校の先生から問い合わせをいただき、早速、河成小学校でお話をさせていただくことになったご縁というのは本当に不思議なものだ。

河成小学校は愛媛県西予市野村町(旧東宇和郡)にある全校児童25人の小さな小学校。今回の講演のお話を頂いてからというもの、僕は全校児童25人の小さな学校というところに大きな魅力を感じ、一体どんな学校で、どんな子ども達が学んでだろうと、毎日が心浮き立つ思いだった。

今日の講演には1年生から6年生まで全校児童が参加してくれたのだが、小さな1年生までしっかりと話に耳を傾けてくれて本当に嬉しかった。特に最前列に座った2年生の女の子が話の途中、何度も頷いてくれたり、悲しい話の時には悲しい顔をして、嬉しい話には嬉しそうな顔をして、話を最後までしっかり聞いてくれた事が忘れられない。夕方のNHKのニュースで今日の講演の様子が放送された時にも、その子が頷いている様子が映っていてとても愛らしかった。子ども達がいつか大人になった時、今日の話をちょっぴりでも憶えていてくれたら嬉しい。

河成小講演の後には子ども達が作った学校紹介のパンフレットや学用品をヒマラヤ小学校に寄贈してただき、また「えひめ・ネパールフレンドシップ」へは寄付金が贈られた。ネパールに戻ったら、ヒマラヤ小学校の子ども達にじっくり河成小学校の話をしたいと思う。





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2011年02月08日

東京・銀座ロータアクトクラブ

2月8日

コートヤード・マリオット銀座東武ホテルで6日に開催された東京・銀座ロータアクトクラブの50周年記念式典に出席し、「明日を信じて」 と題してお話をさせていただいた。

東京・銀座ロータアクトクラブの皆さんは創立50周年記念事業として、ヒマラヤ小学校の卒業訓練校で製作した品物を様々なイベントでチャリティ販売し、その収益を元にヒマラヤ小学校で卒業生の自立のために整備を進めている果樹園に井戸を建設する「ヒマラヤ小学校・井戸掘りプロジェクト」を立ち上げてくれた。この井戸掘りプロジェクトが第2750地区の年次大会で最もすばらしい企画賞」で1位に選ばれるなど企画段階から注目を浴びたプロジェクトだ。

今回の井戸掘りプロジェクトの素晴らしいところは単にお金や物を送るだけではなく、銀座・ロータアクトの皆さんが実際に学校へ来て子ども達と共に井戸掘りをするところにある。支援には何よりもお互いの顔が見える事が大事だ。お互いの顔が見えれば受益者の頑張ろうという気持ちや自立意識を確実に高揚させることが出来る。もし顔が見えずお金や物だけの関係になってしまえば、それこそ支援が当たり前になり、現地の人々の支援への依存を深めてしまう結果になりかねない。実際、支援への依存が高いことはネパールの社会問題の一つとなっている。

今回、銀座ロータアクトの皆さんが実際に学校を訪れ、子ども達と一緒になって土やレンガを運んで汗を流してくれたことが、子ども達にどれだけ勇気と感動を与えたか計り知れないこうした顔が見える交流こそが子ども達の夢を育てるきっかけにもなるのだと思う。

ロータアクト

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2011年02月05日

サムジャナがバドミントンで3位入賞!!

2月5日

サムジャナアプスベンの合同運動会の2日目は国立競技場体育館でバドミントンが行われ4年生のサムジャナとシーマガ出場。サムジャナが前日のプシュパに続いて3位入賞を果たした2日連続の嬉しいニュースに皆で歓喜の声を上げた。

アプスベンの合同運動会には陸上競技やバドミントンの他にも様々な種目が行われているが、「チェス」まで競技種目に入っているのがなんともネパール的で面白い。これも子ども達の気持ちを大事にするアプスベンの姿勢の現れだろう。ということで午前中、ルールすらよくわからないチェスを観戦し、その後、バドミントン会場へ駆けつけたためバドミントン予選の様子を見逃してしまったのだが、話によるとサムジャナは圧倒的な強さで予選を通過したという。(いつの間に上達していたのだろう???昼休みに雑草に覆われた校庭でバドミントンをしていたのが良かったのだろうか。。。。。)

何はともあれ予選を好成績で通過したサムジャナには、“もしかしたら”という期待も高まったのだが、決勝リーグ戦では善戦むなしく惜しくも3位という結果に終わった。それでも並み居る強豪を抑えての3位入賞は立派な成績だ。サムジャナは昨年の空手大会での3位入賞クイズコンテストでの2位入賞などを通して、確実に大きな自信をつけている。今年4月からは最上級の5年生として学校を引っ張っていく立場になるが、サムジャナなら大丈夫だろう。そんな確信を持った。



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2011年02月04日

裸足

2月4日

児童アプスベン合同運動会の初日に行われた陸上競技では1年生のプシュパが大活躍したほか、入賞こそ逃したものの他の出場選手達もそれぞれの競技で大健闘した。子ども達の精一杯の頑張りを心から称えたい。

UPSBENはラリットプール郡の小規模な私立小学校による教育ネットワークだ。小規模とはいえ私立小学校ということで、一部を除いて児童の中に貧困家庭の子はいないと言っても良いかもしれない。何をもって貧困というのか定義も無く難しいが、UPSBEN加盟校の子ども達は、裕福でなくても一応、住む持ち家があり、一定の収入を得ている家庭の子だと思う。もちろん必死の生活の中で子どもを私立学校へ送っている親もいるだろうから一絡げには出来ないが、、、、、ただヒマラヤ小学校の児童の家庭の現状と異なる事だけは確かだ。

UPSBEN現状の違いは運動会に出場した児童の服装からも一目瞭然だった。子ども達は誰もがスポーツウェアーを着て、スポーツシューズを履いていた。ヒマラヤ小学校の児童は制服を着たまま、足は底が抜けてなければ革靴、そうでなければ裸足といった現状だった。もちろんそんな現状を妬むつもりも恥じる気持ちも毛頭なく、ありのままの姿でいればいいと思うが、子ども達は現状を目にしてどんな事を考えているのか少し気になった。

実は初日の陸上競技の中で、裸足で走ろうとしたヒマラヤ小学校の児童に対し今回の運動会の協力団体である陸上連盟からクレームがつき、危険である事を理由に出場禁止という判断が下るという出来事があった。そんな陸上連盟の判断に対し、ヤッギャ校長が猛烈に抗議。陸上連盟、UPSBEN関係者と長い話し合いの結果、怪我をした場合のすべての責任をヤッギャ校長が取ることで、子ども達の出場を許可される事になった。

足「怪我をしたら自分が全責任を持つ」と言って、子ども達の出場を哀訴嘆願したヤッギャ校長。そんなヤッギャ校長の気持ちが伝わったからこそ、子ども達はいつも以上に頑張れたのだろう。そう考えるとヒマラヤ小学校は運動会で勝利よりも大切なものを沢山得たような気がする。


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2011年02月02日

プシュパが大活躍

2月2日

プシュパホームページでもお伝えしたとおり、アプスベンの合同運動会ではヒマラヤ小学校の子ども達が大活躍した。子ども達はもう何処へ行っても物怖じしない、そんな逞しい精神力を身につけているようだ。本当に立派だ。

ヒマラヤ小学校が開校してから3年くらいの間、どんなコンテストに出ても負けるばかりだったが、2007年にラクシミが歌唱コンテストで優勝して以来、工作コンテストや空手、更にはクイズコンテストまで、子ども達は入賞できるだけの実力と精神力を持つようになった。もちろん当時の在学生達(第一期卒業生)は悔しい思いも沢山したとは思うが、その悔しさをバネに“なにくそ”という思いで頑張ってくれたことが、後の力に繋がったのだ。“負けて強くなる“ 当時、子ども達の傍でそんな事を感じていたのを鮮明に覚えている。

さてUPSBENの合同運動会だが初日は陸上競技が行われた。男女100M、200M、男子2000メートル、女子1000メートルが行われ、ヒマラヤ小学校からは女子100Mに1年生のプシュパ、男子200Mには5年生のラジーブ、長距離には5年生の男子5人が出場した。みんな自ら手を挙げて出場した子ども達だ。女子100Mに出場した1年生のプシュパは、どんな活動にも積極的に参加する好奇心旺盛で成長著しい女の子だ。実はプスパは100M走が何かも分からないままの出場だった。もちろん事前に100M走について説明はしたのだが、いくら説明しても見た事がないから分からないのだ。よく勇気を持って出場したなぁと思うが、 “自分も何かに参加したい”そんなプシュパの前向きな気持ちが陸上競技出場に駆り立てたのだろう。

いよいよ100M走がはじまった。スタートラインに立ったプシュパの傍に4年生のサムジャナが走り寄って、「前だけを向いて真っ直ぐ走るのよ。あんたはよそ見をする癖があるから気をつけて」と、周りの大人よりも遥かに的確なアドバイスを出してプシュパを励ましていたのが微笑ましかった。

スタートの合図が鳴り、スタートラインを飛び出したプシュパ。手を大きく振り、予想以上?に綺麗なフォームで走り、途中50M付近では1位を争うまで善戦した。“前だけを向いて真っ直ぐ走れ”というサムジャナのアドバイスが功を奏したのか、プシュパは見事、予選を3位という好成績で通過。その後の決勝戦でも並み居る強豪を抑え、なんと初出場にして3位入賞という素晴らしい結果を残してくれた。プシュパここにあり!そんな姿を見せ付けてくれた大会初日だった。

ちなみにプシュパは、他の選手がスポーツシューズで走る中、一人だけ革靴で走ったことを追記したい。もしスポーツシューズだったら。。。。。次は優勝を目指して頑張れプシュパ!!

プシュパ 3位入賞後、皆に祝福されはにかむプシュパ



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2011年02月01日

アプスベン 合同運動会

2月1日

upsbenヒマラヤ小学校をはじめラリットプール郡内の13の小規模小学校の教育ネットワーク、アプスベン」による合同運動会が開催され、ヒマラヤ小学校の児童が大活躍した。

アプスベン合同運動会は今回が3度目。競技数が増えた事や学校対抗ということもあって年々、大きな盛り上がりを見せている。特に今回はカトマンズの国立競技場を借りての大規模な大会を開催したことで、ネパール国内にアプスベンの存在感を示す大事な一歩となった。設立から5年あまり、アプスベンが着実に実力をつけている事が実感できる。これもヤッギャ校長をはじめアプスベン創設メンバーの若い学校長達の弛みない努力の成果だろう。本当に嬉しい限りだ。

upsben

小さな学校単独では出来ないことを他校との連携によって実現し、支援に頼らず皆で知恵を出し合って活動を進めるところにアプスベンのすばらしさがあると思う。こうしたアプスベンの経営理念はこれからじわじわとネパール社会にも浸透していくのではないだろうか。僕はアプスベンに期待している。

運動会に出場したヒマラヤ小学校の子ども達の様子については、次のブログで報告したい。


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