2009年06月

2009年06月30日

谷口卓也さんライブ

6月30日 

谷口卓也さん渋谷のPULUGで行われた和太鼓奏者・谷口卓也さんのライブに行ってきた。谷口卓也さんは4月に行われたラクシミのライブで演奏していただいた方。才能に加え、若さ溢れる爽やかな演奏でファンを魅了している。

谷口卓也さんの熱烈な追っかけをしている方が、卓也さんの魅力は何といっても楽しそうに演奏する姿だと仰っていたが、何度かライブにお邪魔する内に、その魅力が分かって来たような気がする。汗をまき散らしながら、夢中になって太鼓を打つ姿を見ていると、こちらも大きなエネルギーを貰ったような気分になるのだ。分野は違えど、ジャズドラマーの故・ジョージ川口さんと重なって見えるのは、僕だけだろうか。

今日のライブは、同じくラクシミのライブでお世話になった能管奏者の一噌さんも出演され、かなり贅沢な内容だった。ヒマラヤ小学校の支援者の方々とも会場でお目にかかり、一緒にお二人の演奏を楽しむ事が出来た。

4月のライブでは、ラクシミがこんなにも素晴らしいアーティストの方と競演できたことに対して、改めて感謝の気持ちでいっぱいだ。右も左も分からないラクシミを上手に引っ張って下さり、ラクシミが大好きな歌を思う存分歌いあげることが出来たのも、こうした周りの人々の支えがあったからだ。今日のライブの感想は、ネパールに戻ったらラクシミにしっかり伝えたいと思う。

一噌幸弘セッション!

日時:11月25日(水)20:00〜
場所:[新宿]PIT INN
出演:一噌幸弘(能管・篠笛他)
    瀬尾高志(ウッドベース)
    谷口卓也(和太鼓)

予約問合せは[新宿]PIT INN
03-3354-2024(10/1〜)



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2009年06月29日

外務省連携会議

6月29日

連携会議外務省連携会議に出席した。今回が僕にとって3度目の会議出席だったが、外務省の会議は流石、世界中の貴重な情報が集まる場所だけあって、毎回、勉強になることが多い。

NGOと外務省の連携は、近年、その重要性が更に増している割には、まだ十分でない点が多いようだ。現地で活動をしていると、確かに、もっと連携が出来ていれば、もっと良い効果があるのに、なんて思うことも多々ある。

今日の会議では議長役を務められた日本ケナフ開発機構の釜野博士が穏やかに会議を進行され、お互いがずいぶん歩み寄ったような印象を受けた。ただ、まだ建前の議論が多いことも事実なので、これから回を重ねる毎に、少しずつ本音の議論が交わされたらいいなぁと思う。

僕たちの活動は未だ道半ば。毎日、失敗を繰り返しながらの活動なので、決して偉そうな事を言えるような立場ではないが、活動は現場が全てだということだけは強く信じている。現場を訪ね、現地の声を聞けば、自ずと必要な事も分かってくるような気がする。そういう意味でも、現地により近い立場で活動を続けているNGOの声をODAなどに積極的に生かす事は大切な事だと思う。




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2009年06月20日

インフレ

6月20日

先日、ヒマラヤ小学校の卒業生の一人が口を尖らせながら学校へやって来た。普段は笑顔の絶えない子の異変。まずは水を飲ませ、落ち着かせてから話を訊くことにした。

卒業生の話によると、進学した中学校の教師から授業中に、どの学校から来たのか訊かれ、「ヒマラヤ小学校」と答えると、「あの雑草を食べる学校か」と言われ、同級生から笑われたのだという。5年間、勉強した学校の事を馬鹿にされたのだから、怒るのも無理はない。 

ネパール(カトマンズ盆地)は現在、強烈なインフレに直面している。いわゆるバブル経済のような状況だ。出稼ぎ労働者による外国送金が活発に行われた事で、銀行が金余りの状況になり、積極的に貸し出しを行っている事が投機目的での住宅建設に繋がり、インフレを更に助長しているようだ。

こうした急激なインフレが貧しい人々の生活を更に苦しめられているのは周知の事実で、ネパールの食事に欠かせないダール(豆)など、以前は80ルピーだったものが、現在では140ルピーまで値上がりしている。この現状だけでも、いかに異常なインフレかお分かり頂けると思う。

姉妹先日、ヤッギャ校長の自宅を訪ねた時、家の裏の畑でヒマラヤ小学校に通う姉妹が、せっせと何かを摘んでいるのを見かけたので傍に寄ってみると、袋の中には雑草が入っていた。姉妹は「野菜を買えないから、お母さんから雑草を摘んでくるように言われた」と話していた。ヤッギャ校長によると、姉妹が摘んでいた雑草は食用にもなるとの事だったので全く気にならなかったが、村の中にはこうして雑草を食べる事を笑う人もいるようだ。

卒業生の進学先の教師が言ったのも、恐らくヒマラヤ小学校の児童のこうした様子を見かけたからだろう。「そんな事で腹を立てる必要はないよ」と卒業生を宥めつつ、弱者を蔑む人間の愚かさに、小さなため息がこぼれた。


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2009年06月18日

車座

6月18日

新入生5月下旬にネパールに着いたばかりだったので、こんなにも早く日本に戻ってくるとは夢にも思っていなかった。でも、せっかく日本に帰国したからには、一人でも多くの人と会い、ヒマラヤ小学校の活動についてお話しできればと考えている。

今日は昼と夜の2回に分けて、支援者の方のお宅に友人や知人の皆さんにお集まりいただき、車座になってヒマラヤ小学校に関するお話をさせていただいた。僕はどちらかというと、一方的に話す講演のようなスタイルよりも、こうした車座の話がとても好きだ。

車座になって、参加された皆さんのさまざまな意見を聞いたり、質問に答えたりする事はとても勉強になる。こうして車座の話し合いをしていると、まだまだ多くの人にとって外国支援というのが身近なものではない事にも気付かされる。もっと活動を身近に感じて貰うためにも、こうした車座での話を定期的に開催できればと思う。


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2009年06月16日

オープンスクールがヒマラヤ小学校内に開校!

6月16日

オープンスクールブンガマティ村のアムラプールCLC(コミュニティ学習センター)をベースに開校したオープンスクールが、6月10日からヒマラヤ小学校内に移転、開校した

オープンスクールの招致を決めてから1年半あまり、大勢の方の協力を受け、念願を叶えることが出来た。心から感謝したい。オープンスクールで学ぶ卒業生達も、長年過ごした学び舎に戻ることが出来、とても嬉しそうだった。

これからアムラプールCLCと一丸となって、ヒマラヤ小学校の在校生をはじめ、教育機会に恵まれなかった村の人々が夢や希望を描けるようなオープンスクールを築いていきたい。まずは3年後のSLC(全国統一卒業認定試験)全員合格を目指して頑張りたいと思う。

kumar

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2009年06月15日

がんばれ!新5年生

6月15日

新5年生先日、支援者の方をお迎えして歓迎会を開催した。学校が新体制になってから初めての歓迎会。主役の新5年生がどれだけ頑張れるのか、とても興味があった。

歓迎会は子ども達にとって、普段から精いっぱい練習を続けてきた歌や踊りなどを披露できる大切な場だ。大好きな歌や踊りを披露して、大きな拍手を浴び、誉めてもらえるのだから、これほど嬉しいことはないだろう。また、拍手を浴びるお兄さん、お姉さんを見て、小さな子ども達が憧れを抱き、目標が出来るのだから、歓迎会はヒマラヤ小学校にとって欠かせない活動のひとつだ。

新5年生は児童数が多いせいか、なんとなく目立つ子が少なく、際だった悪たれ小僧もいない、どちらかというと大人しいクラスだ。先月、卒業生を送り出した時、実は嬉しさよりも、新5年生への不安が先立った。

しかし、先日、久しぶりにネパールに戻り5年生の教室を訪ねた時、そんな不安は一気に払拭された。新5年生達はいつの間にかしっかりしたお兄さん、お姉さんとなり、最上級生らしくなっていたのだ。授業中の態度や新入生をお世話する姿など、卒業生と少しも遜色がない。子ども達というのはこちらがいちいち心配しなくても、いつの間にか出来るようになるものなんだなぁと改めて思った。

5年生といことで、成長著しい新5年生が初めて仕切った歓迎会だが、想像していたよりもずっと上出来だったように思う。司会はマンガル先生が務め、100%、5年生だけの力ではなかったが、45分という制限時間の中でめいっぱい歓迎の気持ちを披露できたと思う。途中、卒業生を登場させるなど、新5年生の不安を少し垣間見ることが出来て、なかなか面白かった。

これから1年間、新5年生がゲストの歓迎会を引っ張ることになる。ゲストの皆さんに喜んでもらえる歓迎会として、伝統をしっかりと築いてほしい。がんばれ新5年生!!




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2009年06月13日

人間力大賞・最終選考会

6月13日

logo故郷、松山の青年会議所から日本青年会議所(JCI)が主催する人間力大賞にご推薦を頂き、運良く一時審査を通過して最終選考に残ったとの知らせを受けた。突然の朗報に驚きつつ、日本青年会議所会館で行われる最終選考会に参加するため、急きょ日本へ一時帰国することとなった。

最終選考に残ったのは僕を含めて40名。20代の若い人から僕より少し目上の人まで、さまざまな分野で活動を続けている人たちだ。最終選考会では活動や活動に対する思いを自由にプレゼンテーションするものだったが、はたして制限時間内にどこまでお伝えできたのか正直、よく分からなかった。後は天運に任せるのみ。

今回、推薦して下さった松山青年会議所の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいだ。発表は7月5日の表彰式典の中で行われるとのこと。なんとなく落ち着かない毎日が続きそうだ。


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2009年06月11日

共通点

6月11日

サ最近、ネパールに限らず様々な国で活躍する方と知り合う機会が増え、僕にとってとても貴重な学びの収穫となっている。文化や習慣など環境の違いはあるものの、やはり途上国といわれている国々で行う活動の根本的な難しさや問題は共通する点が多いようだ。結局、どんな活動であろうと、最終的には”人”というところにたどり着くのも面白い共通点かもしれない。

途上国の支援活動で一定の成果を上げた人達と接していると、活動に対する姿勢など学ぶ点が多く、何かと感化される事が多い。成果を上げた人達は性別に関わらず、それぞれに精悍な顔つきをしていて圧倒的な存在感があり、なんとも不思議な魅力にあふれた仁者だ。しっかりとした不動の信念を持っているからこそ、言葉にも重みがあるのだろう。その他、常に現場を大事にしている点や、人とのかかわりを大切にしている点、いかなる困難に直面しても諦めない性根や些細な事にも体を張ってやる気概など、成果を上げた人たちには共通している点がたくさんあるようだ。

時々、僕たちも立ち止まって、自らの活動や意識をしっかり点検することが必要だと思う。さて、現在の自分はどこまで出来ているだろうか、、、、、、一歩でも近づけるよう頑張りたい。


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2009年06月10日

あこがれ

今日も空手の話題をひとつ。

スニールこのブログでも度々、登場している空手部のスニール先日の大会でメダルを取得した児童の一人でもあり、空手への想いをますます強めている少年カラテカだ。彼は師範のビジャヤ先生に大きな憧れを抱いていて、昨年、ビジャヤ先生がインドで開催された国際大会で3位に入賞したことは、スニールにとっての大きな自慢のひとつだ。村のあちこちでビジャヤさんの活躍の話が聞こえてくるのは、どうもスニールが伝鳩のように広めているらしい。

国旗先日、ネパールに戻ってからはじめて空手の稽古を見たときの事だった。なんとスニールの胴着にはビジャヤ先生と同じようにネパールの国旗がついていたのだ。もちろん本物ではなく、自らマジックペンで描いたもの。おまけに国旗の配色を間違うというおまけ付きだ。

組み体操それでも気分はすでにネパールの代表選手だ。いつかビジャヤ先生のように強い空手家なりたい、そんなスニールの熱い思いがひしひしと伝わってきた。将来、スニールの胸に本物の国旗が付くこともあるかもしれない。そんな時は、きっとスニールが小さな少年カラテカ達の憧れの存在になっているのだろう。

放課後の校庭にこだまする“押忍”の掛け声を聞きながら、10年後のスニールの雄姿を僕なりに想像してみた。



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2009年06月09日

空手熱

空手熱

ヒマラヤ小学校に空手部が出来てから1年が経過した。子供達の空手熱は冷めるどころか、ますます熱くなっているようだ。

空手入賞
1月の空手大会では見るも無惨に敗退した子供達だったが、よほど負けたことが悔しかったのだろう、その後、こちらも驚くほど稽古に励むようになった。指導しているビジャヤ先生も子ども達の気持ちに応えようと、休みを返上して稽古をつけてくれるなど、本当によい形で稽古が行われている。

既にHPでもお伝えしている通り、4月に東ネパールで開催された公式空手大会にヒマラヤ小学校から4人の児童が出場し、全員が入賞するという快挙を果たした。残念ながら僕は一時帰国中だったので、試合を見る事は出来なかったが、ビジャヤ先生が撮影した動画を見て、参加した子供達が全力で試合に挑み、見事にメダルを手にしたことが分かった。

ビジャヤ蹴り当人たちの喜びは、毎日、メダルをぶら下げて登校する姿を見ても良く分かるが、それ以上に彼らの活躍は周囲の子ども達に良い影響を与えているようだ。4人の活躍の後は空手部への入部希望者が増え、ビジャヤ先生はうれしい悲鳴を上げている。

子ども達が夢中になって汗を流す姿は、見ていて本当にすがすがしい。これからも少年カラテカ達の活躍に注目したい。押忍!





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2009年06月08日

教育への関心

新5年生卒業生の進路について、これまで大勢の方から質問や心配の声をいただいた。なかなかはっきりとした答えが出来なかったのは、日本と違いネパールでは最後の最後、実際に蓋を開けて見るまでは正確な事は何も分からないというのが理由だった。昨日の話と今日の話が180度異なる事など当たり前の事で、文化、習慣の違いとはいえ、かえって支援者の方にご心配をおかけすると思い、できるだけ明言は避けることにしたのだ。オープンスクールについても実際に始めてみるまでは、正直、僕たちでさえ確実な事は分らない状況だった。

結果からすると18名の卒業生全員の進学が決まったわけだが、15歳以上という年齢制限によってヒマラヤ小学校内に開校したオープンスクールへ入学できなかった子ども達や、オープンスクール以外の中学校を希望して進学した卒業生に対する支援についても未定のままだし、現時点では特に積極的な支援は考えていない。

特にオープンスクール以外の学校へ進学した子の中には、親が教育の大切さを理解し、親類などの助けを受け進学させたケースも多い。親類の協力があるとはいえ、保護者が教育に関心を持ち、自力で頑張ろうしているのだから、これは本当に大きな成果であり、すばらしい事だと思うもちろん必要ならば出来るだけ卒業生達を支援したいと考えているが、はじめから支援ありきではなく、暫くは子ども達や保護者の自助努力を影から見守りたいと思っている。



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2009年06月07日

NHKーBS1「地球アゴラ」

NHKーBS1「地球アゴラ」

アゴラご覧頂いた方もいらっしゃると思うが、今日はNHK−BS1の20周年特集「地球アゴラで世界一周10HOURSという番組の2部で、ネパールでの活動を紹介していただいた。インターネットを使っての生放送という事で、一時はどうなることかと思ったが、ネットも落ちることなく、番組用に準備したインバーターもなんとか放映中は持ってくれたのでよかった。

ヒマラヤ小学校の活動はホームページの中のヒマラヤ小学校通信や更新の遅いこのブログの中でもお伝えしたり、僕が日本へ帰国した折りには報告会を開催していただき、活動の報告などをさせていただいているのだが、どうしてもコンピューターは苦手という人や、また報告会の日程が合わなかったり、会場が遠くて参加できない方も多いので
、こうして誰でも見られるテレビを通して子ども達が元気に頑張っているな姿をご紹介できるのは、本当にありがたい事だ。また、これまでヒマラヤ小学校を知らなかった人たちにも、番組を通して活動について知って頂く貴重な機会になったのではないだろうか。



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2009年06月05日

自立を目指せる学校

自立を志せる学校

またわりヒマラヤ小学校では子ども達を褒めて伸ばすことを基本姿勢としている。学校の目標に卒業生の将来の自立を掲げていることもあり、子ども達には学校生活を通して、何でもいいから自分たちを支えるものを見つけてほしいと考えている。自分を支えるもの見つけることが出来れば、将来、どんな障壁に突き当たっても乗り越えることが出来るのではないだろうか。そのためにも子どもの小さな努力を見逃さず、しっかり声を掛け、誉める事が大切だと思う。

僕自身、子供の頃から何の特技もなく、褒められた経験は殆どないのだが、それでも小学生の時、担任の先生から作文を褒められた事を今でも鮮明に覚えている。何十年、経った今でも鮮明に覚えているくらいだから、当時は天にも昇るような思いだったに違いない。

字を書くような仕事にこそ関わっていないが、先生の一言のおかげで、今でも文章を書く事はとても好きだ。駄文でもこうして気負わずブログに公表出来るのは、先生のおかげだと今も感謝している。

喜び2先日、いつものように校内を歩いていると、新5年生の児童が支援者宛の手紙に描いた絵を自慢げに見せてきた。これまであまり絵を描くことのない児童だったのだが、色をたくさん使って精一杯、絵を描いた事がわかったので、本人を褒めた後、ヤッギャ校長に話して、翌日の全校朝礼の時、全児童の前で褒めてもらうことにした。

みんなの前で褒められて照れくさそうにしていた児童だが、よほどその事が嬉しかったようで、今日はそのお礼?に紙切れに描かれた可愛らしい絵を僕にプレゼントしてくれた。

こうした子ども達の変化をみることは、僕にとっての何よりの楽しみだ。一見、ささいな事かもしれないが、こうした小さな事の積み重ねこそが、“自立を目指せる学校つくり”には欠かせないのだと思う。


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2009年06月04日

楽しい学校

こそこそヒマラヤ小学校の子ども達を見ていると、本当に学校が楽しんだなぁと思う事が良くある。大好きな友達がいて、優しいお兄さんや憧れのお姉さんがいて、何でも話せる先生がいるから、子ども達にとって学校はとても楽しい場所で、ひそひそ話ひとつでも笑えたり、鉛筆が転がり落ちただけでも皆で笑えるのだろう。


喜びこうして子ども達の笑顔が絶えない環境を作れただけでも、この5年間の活動は決して無駄ではなかったんだなぁと思う。


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2009年06月03日

その後

今春、ヒマラヤ小学校のヤッギャ校長と5年生(当時)のラクシミが日本を訪問し、大きな学びの収穫を得て帰国したことは、既にこのブログの中でも何度かお伝えしている。

二人の日本滞在中の活動に関わった方はもちろん、ヒマラヤ小学校を応援してくださっている方々にとって、二人が日本で何を学び、そして現在の活動にどう生かしているのか、おそらく最も関心が高い点ではないだろうか。斯く言う僕もその点に大きな関心を持っている一人だ。

1ヶ月の滞在中は多種多様なプログラムに参加させていただき、どれも忘れる事が出来ない素晴らしい経験となったが、2人にとっては各地の学校(目黒区立向原小学校、千葉市立高浜第2小学校、荒川区立第4中学校、香蘭女子中学校、北海道の深川市立一やん小学校、同市にあるクラーク記念国際高等学校)を訪問し、児童・生徒との交流のほか施設見学や学校運営について学ばせて頂いた事が、一番、充実した時間だったように思う。

向原ヤッギャ校長は特に学校の運営面(システムなど)に大きな関心を持っていたようで、毎回、熱心に運営に関する質問をしては、担当者の答えをメモしていた。目黒区立の向原小学校を訪問した折には、子ども達が一生懸命、自分達の学校を清掃する姿にとても驚き、帰国後はヒマラヤ小学校の掃除方法を見直し、全員参加型の日本式清掃を実現しようと頑張っている。また千葉市立高浜第二小学校では、掲げられた学校目標に対して、子ども達がきちんと目標を達成するための具体的な努力の仕方を教える指導方法に大きな感銘を受け、今、ヒマラヤ小学校に合った形での指導方法構築に試行錯誤している。実際、今のネパールに最も必要なのは、努力の仕方を教える事のような気がする。

そうじその他にも同校で実行されている「こんにちは、ありがとう、ごめんなさい」が言える子になろう!という目標を、早速、ヒマラヤ小学校の校内に掲げ、「何としても卒業までに身につけさせたい」と意気込んでいる。特に「ごめんなさい」は、神様にしか使わない、という話を耳にするほどネパールでは日常的に使われない言葉なので、子ども達がしっかり身につける事は、とても大事な事だと思う。

ラクシミは日本での経験を”伝える事”に精いっぱい取り組んでいるようだ。自分の目線で見て、聞いた事、そして感じた事を昼休みや放課後などを使い、小さな子ども達に一生懸命、話している。

これまで僕自身も支援者の気持ちを活動に関わる教職員、また受益者である子ども達や保護者に伝える活動を自分なりに頑張ってきたつもりだが、やはりどうしても押しつけのような感じがして、なかなか難しかった。今回、より身近な存在のラクシミが伝える事で、これまで伝わらなかった事も伝わるのではないかと期待している。

まだ1ヶ月あまりしか経っていないので、もちろん目に見える大きな成果は出ていないが、二人がそれぞれ日本で学んだことを一つ一つ着実に生かそうと努力しているのだから、近い将来、必ず成果として現れるだろう。これからのヒマラヤ小学校の発展が楽しみだ。


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2009年06月02日

新しい夢に向かって

卒業生ヒマラヤ小学校が開校してから5年が経過し、5月には念願かない初めての卒業生を送り出すことが出来た。これまで5年間、卒業生を送り出す事を一番の目標にやってきたので、こうして無事、卒業生を送り出せたことは筆舌に尽くせないほど嬉しい。改めて、支援者の皆さん、そして教職員に感謝の気持ちでいっぱいだ。


幸いというべきか、ゆっくり充実感に浸る間もほとんどないまま、卒業生の進路やオープンスクールの開校、職業訓練の準備などに追われているので、18名の子ども達がいなくなったことへの寂しさはあまり感じない。でも、こうして忙しく動いていると、僕たちの活動はまだまだ道半ばで、やるべき事は山積している事を実感する。これからが本当の意味での正念場なのだろう。

オープン3卒業生の進路については、ずいぶん大勢の方から心配の声をいただいたが、なんとか全員の進路が決まった。既にHPでも紹介している通り、ユネスコ・アジア太平洋文化センターが設立したLRC(女性のための識字教育センター)がネパール各地で開設しているCLC(コミュニティ学習センター)をベースに、ネパール教育・スポーツ省のNon Formal Education Centerが、様々な理由で教育を受けられなかった人々のために開校を進めているオープンスクールヒマラヤ小学校内に開校させる話がまとまった。

オープンこれによって15歳以上という年齢制限はあるものの、ヒマラヤ小学校を卒業した子供たちの多くが、早朝の時間を利用して、継続的にヒマラヤ小学校内で勉強を続けることが出来るようになった。初年度の今年は卒業生の内、7名がオープンスクールで学んでいる。オープンスクールの授業は、ヒマラヤ小学校が始まる前の午前6時から9時半まで行われ、”勉強したい”という強い意欲を持った村の人々が卒業生と一緒に学んでいる

オープンスクールで学んだ後は、同じくヒマラヤ小学校内で開催することが決まっているコミュニティ学習センター(CLC)主催(一部、ヒマラヤ小学校主催)の様々な職業訓練を受ける予定だ。既に一部の職業訓練は始まり、こちらも村の人たち共に学んでいる。こうして卒業生が村の人たちと一緒に学ぶ事は、将来的に大きな力になると思う。

オープン2それにしても、これほどタイミングよくオープンスクールを開校できた事には正直、驚いている。オープンスクールについて知ったのは、丁度、1年半ほど前の事。卒業生を対象にした職業訓練のプログラム作りのために様々な団体をみて歩いている時の事だった。当初は出来たらいいなぁ程度で、夢のような話だったのだが、思いがけずトントン拍子に話が纏まることとなった。何事も諦めてはいけないなぁと、つくづく感じた次第だ。

もちろんオープンスクールの開校には、ヤッギャ校長や大勢の方の尽力があっての事だが、やはり勉強したいという子ども達の強い想いが伝わったからだと思う。子ども達の願いが叶って本当によかった。これからオープンスクール、そしてコミュニティ学習センターと共に、ヒマラヤ小学校は新しい夢に向かって歩んでいく。気を引きしめて新しい夢を追いかけたい。


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