2008年10月

2008年10月03日

空手大会

9月3日(金)

朝、雑用のためカトマンズへ出かけた。来週の「フルパティ」の日から本格的に始まるダサイン祭りの買い物客で、カトマンズ市内はどこもごった返していた。窒息しそうな程の人の数と物売りの掛け声で、すっかり目が回りそうになった。

形中央郵便局などで雑用を済ませた後、大急ぎでカトマンズ盆地南部のゴダワリへ向かった。今日はゴダワリのクレセントアカデミー内にある和道会空手ゴダワリ道場で開催される空手大会に、ヒマラヤ小学校の少年カラテカ達が初出場する日だ

少年カラテカ達から「絶対、見に来るように」と念を押された事はもちろんだが、こうした学校外の行事に参加し社会と接することで、子ども達が大きく成長する姿をこれまで何度も見ているので、今日の空手大会出場によって少年カラテカ達も何らかの成長を見せてくれるのではとの密かな期待もあって、何が何でも大会に参加しようと心に決めていた。

交通渋滞などですっかり大会開始予定時間遅れてしまったものの、ネパール独特の“のんびり”が幸いして、1時間遅れでも未だ大会は始まっていなかった。こんな時、ネパールの習慣は非常にありがたい。

瓦割り真似今日の大会、男子の部、女子の部に分かれ、年齢別の試合が行なわれたが、男子の部以上に女子の部の試合で熱戦が繰り広げられた。その他にも黒帯選手による2対1の変則マッチも行なわれ、クマールをはじめとするヒマラヤ小学校のカラテカ達は、強靭な黒帯選手達の激戦にすっかり目を奪われていた。続いて行われた板割や瓦割も、少年達の空手に対する意欲をかき立てるのに十分すぎるくらい刺激的だったようだ。帰り際に黒帯選手の真似をする子ども達の姿を見ていると、やはり実際に目で見たり、触れたりする事が、子ども達が目標を持つきっかけになるのだと実感した。

今日は4年生のスニールが“形”、同じ4年生のプロビンと5年生のクマールがチューブライト割りで大会に出場する予定だったが、チューブライト割りについては「環境に良くない」との総師範の正しい一言で中止となった。結果的に4年生のスニールがヒマラヤ小学校の代表として“形”で出場することになったのだが、流石は他のカラテカ達よりも空手に対する熱意が一段上なだけあって、スニールの形は見事に決まっていた。今後が本当に楽しみなカラテカだ。

次回はブンガマティ村で空手大会を、という声も上がっている。まだ実現の可能性は見えてこないが、なんとかカラテカ達が活躍できる場を作れたらと思う。押忍!



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2008年10月01日

ダサイン大祭はじまる

10月1日(日)

昨日、アスワン月の第6日は「ガタスタパナ」の日。いよいよダサイン大祭の始まりだ。ダサインは子ども達が一番楽しみにしているネパール最大の祭り。学校も昨日から長期休みとなった。ダサイン祭りは「ガタスタパナ」から始まり、15日後の満月の日に終わりとなる。特に7日目の「フルパティ」から10日目の「ビジャヤ・ダサミ」までの4日間に重要な祭事が行なわれ、町はダサイン一色となる。

ガタスタパナ初日の「ガタスタパナ」の日、各家庭では屋内の聖所に苗床を設けて大麦(一部、トウモロコシも)の種をまく。発芽して伸びた大麦の苗は10日目の「ビジャヤ・ダサミ」の日に引き抜き、束にして髪飾りや献花として用いる。昨日は往診先の各家庭でも苗床が設けられていたが、この苗床を見るとダサインが始まった事を実感する。ダサインは“日本の正月に似ている”といえば、その気忙しさや町の賑わいがお解かりいただけるのではないだろうか。

慌しい9月を何とか乗り切ることが出来、ようやく人心地が付いた。今年も無事ダサインを迎える事が出来た事を、支援者の皆さんはじめ教職員や周りの人達に心から感謝したい。

前回の帰国が2ヶ月間と長期であったため、ネパールに戻ってからも留守中に溜まった仕事をこなすことに追われ、あっという間にダサインを迎えた感じだ。ダサインを迎えるまで正味、3ヶ月余りしかなかったため、正直、この3ヶ月はこれまでに経験した事のない程の忙しさだった。途中、ヤッギャ校長の体調不良などもあり、一時は本当にどうなることかと思ったが、大勢の人の暖かい励ましや協力を頂きながら、なんとか乗り切ることができた。忙しいなりにも、全力で活動に取り組む事が出来た事が嬉しい。

帰国の頻度が年二度に増え、いろんな形でヒマラヤ小学校について知っていただく機会も増えた。帰国中は各方面で活躍している人たちとお会いする機会も増え、活動に役立つ貴重な情報を得ることが出来るようになった。ただ日本滞在が長くなれば、どうしても現地の活動が疎かになってしまいがちだ。だからといってネパールでの活動ばかりに追われていては、先に進むことは出来ない。日本での活動とネパール現地での活動のバランスが、現在の僕にとって一番のジレンマだといえる。

ジレンマの克服のためにも、先生達との役割分担を更に進める必要があるだろう。将来、現地の人達の力で学校を運営し、活動を進めていく事が目標である以上、今の内から皆でしっかり訓練を重ねていくことが重要だと思う。

さて毎年、雲隠れしているダサイン大祭だが、今年は積極的に行事に参加してみようと思う。ネパールをもっと知ることが、つまりは子ども達を知り、より意義ある活動を行なう上での大きなヒントになるのではないかと思う。




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