2008年03月24日

2008年03月24日

ナニタの成長

3月24日(月)

ナニタラクシミ昨日、試験の監視を終えて往診に向かうとしていると、4年生のラクシミとナニタが近寄ってきて、話があるから学校の裏まで来て欲しいと言われた。言われるまま2人について行くと、ラクシミが恥ずかしそうに、何時も歌を書き溜めているノートを見せてきた。ノートには新曲と思われる歌詞が書かれてあったが、よく話を聞いてみると新曲は4年生のナニタが書いた歌詞にラクシミが手を加えた、2人の共作だという。

ナニタは真面目で優しい女の子だが、普段はとても物静で大人しい性格の児童だ。そんな大人しい性格のナニタが詩を書いたというのだから驚いてしまったが、その歌詞が「ラブソング」だったので尚更、驚いた。

余談になるが、ナニタが属している「ネワール族」の女性は、恥ずかしがり屋で引っ込み思案が多いと言われている。もちろん、それ自体は長所でもあるのだが、例えば病気に罹った時など、その長所が仇となってしまう事があるようだ。特にネパール女性に多い「子宮下垂」の例では、人に相談できないまま放置してしまい、感染症を起こしてしまうケースが多いようだ。それほどネワール族の女性は外に向かって声を発する事や、気持ちを表現することが苦手なのだ。

そんな典型的なネワール族のナニタが、突然、「ラブソング」を書いたのだから、僕だけでなく、先生達もナニタの変化に驚いたようだ。学校の職員会議では毎回、各児童の長所や興味を持っている事を元に、どうすれば児童が自信を持つことが出来るか、そのためにはどのような機会を作るべきか、という事が話し合われているが、ナニタについては、正直、どのような事に興味や関心を持っているのか分からず、方向性を見つける事が出来ていなかった。その分、今回のナニタの変化は僕達にとって、とても嬉しい出来事だ。スポンサーとの交流や学校生活の中での様々な経験、特に親友であるラクシミの活躍が大きな刺激となって、ナニタを一気に成長させたのかもしれない。

今日は早速、2人に新曲「突然」を歌ってもらったが、アップテンポのなかなか良い曲だった。ぜひ新曲を録音することで、ナニタを更に勇気付けられたらと思う。

ナニタそれにしても歌を歌った後、顔を真っ赤にしながら恥ずかしがる様子など、やはりナニタはネワール族の女の子だと思う。その後、2人の歌を影から聴いていた男の子達に「ラブソング」を冷やかされると更に顔を赤らめていたが、子ども達は少しずつ多感な思春期を迎えているようだ。





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