2007年09月

2007年09月29日

クラフトコンテスト優勝!!

9月29日(土)

優勝私立学校教育向上協力会(UPSBEN)主催による「クラフトコンテスト」が開催され、ヒマラヤ小学校チームが見事、総合優勝に輝いた


8月下旬に4年生のラクシミ・ナピットが「歌唱コンテスト」で優勝して以来、複数のコンテストで入賞を果たした事で、ヒマラヤ小学校はとても活気づいている。子ども達はもちろん、先生達にとっても子ども達の活躍は大きな励みとなっているようだ。それにしても全てのコンテストで負け続けた子供達が、ラクシミの優勝を機に一気に勝ち始めたのだから本当に驚きだ。社会との接点を積極的に持つことで子ども達は自信を持ち始めたのではないだろうか。近頃、子ども達の顔つきからも“逞しさ”を感じるのは、僕だけではないと思う。

今日は生憎、朝から大雨の降る悪天候だったが、大勢の子供達が参加してコンテストは大いに盛り上がった。竹細工や麦わら細工、そのほかヒマラヤ小学校と同じ折り紙で作品つくりに取り組むグループ、土や稲を使って未来のネパールをイメージしたコンテンポラリー系のグループもいた。子どもながらに面白いグループが集まりレベルの高いコンテストとなった。

ゆり今日のコンテストではヒマラヤ小学校の子ども達が折った「ユリの花」が、関係者から望外に高い評価を受けた。「ユリの花」は北海道深川市役所の皆さんから寄贈された「折り紙の本」を元に、ムヌ先生が子ども達に指導したものだ。飛行機や鶴などと違い「ユリの花」が馴染みの少ない作品だったこともあり、関係者から大きな注目を浴びたようだ。


その後、審査結果の発表が始まった。控え室でヒマラヤ小学校の子ども達の作品を誉める声を何度も耳にしたので、“もしかしたら”という期待が僕の胸の中にはあった。ただヒマラヤ小学校の子ども達は、横のテーブルで上手にヌイグルミを作る児童を目の当たりにし、「絶対、勝てない」と思っていたようで、3位、2位が発表された時は皆、「もう駄目だ」と思ったらしい。思いがけず1位でヒマラヤ小学校が呼ばれた時は、みんな本当に驚いたようだ。

2時間の制限時間内にヌイグルミを作れることは評価できるが、小規模学校の連携であるUPSBENの主催である事を考えると、プログラムでは出来るだけ他校にも広がる技術や知識で競うことが良いと思う。そういう意味でも、誰もが簡単に学べる「折り紙」で優勝した意義は大きい。

折り紙帰り際、子ども達や引率の先生達から「ゆりの花」の折り方について訊ねられたので、「折り紙の本」のコピーを渡した。こうして各学校が持つそれぞれの知識や技術を他校と分かち合う事こそ「連携」の意義だと思う。ともすれば「勝敗」ばかりがクローズアップされがちのコンテストだが、今日のような交流を続けていけば加盟する学校全体の活性化に繋がるのではないだろうか。

それにしても今回、優勝することが出来たのはムヌ先生の一生懸命な指導によるところが本当に大きかったと思う。先生の熱心な指導があってこそ、子ども達の活躍があることを強く実感した。


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2007年09月28日

ケナフの紙漉き・デザインコンテスト

9月28日(金)

紙漉き1私立学校教育協力会(UPSBEN)の協力を受け、「ケナフ紙漉き・デザインコンテスト」を開催した。今日のコンテストは来年予定している「こどもケナフ祭り」のテストケースでもあり、「ケナフの紙漉き」が競技として成り立つかを見極める上でも、大事なイベントだった。

ヒマラヤ小学校から参加したクマール君以外、「紙漉き」をした経験がなかったため、全員が一通り「紙漉き」を体験した上で競技が行なわれた。全員に「紙漉き」を体験させるために予想以上に時間が掛かってしまったことは、今後の大きな課題だ。

紙漉き2競技が始まる前には各学校が作戦会議を開いてデザインを練るなど、コンテスト自体は大きく盛り上がった。作戦会議の甲斐もあって、各校ともに面白い作品が出来上がった。ヒマラヤ小学校から出場したクマール君は、絵の具をつけた歯ブラシを弾き、霧吹きのようなデザインを目指したようだが、残念ながら再度、紙をタオルに押し付ける作業が残っていたため、色が混ざってしまい失敗に終わってしまったが、釜野先生からアイデアを評価され喜んでいた。

まだまだ課題点は多いものの、なんとか「紙漉きコンテスト」は実現可能だと感じた。これから今回のコンテストで学んだ課題点をしっかり見つめ直し、楽しくてフェアーなコンテストを主催したいと思う。


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2007年09月27日

ケナフ博物館開館式

9月27日(木)

将来の「ケナフ工房」や「ケナフ・トレーニングセンター」の参考にしようと、午前中、Environmental Camp for Conservation Awareness (ECCA)が運営するバクタプール郊外の「エンバイロメント・リソースセンター(ERC)」を訪ねた。

ERCは20年前に開設され、子ども達へ滞在型(数日)の様々な「環境プログラム」を行っているようだ。小規模ながらも自然の間近にあることから、子ども達の環境学習には最適の場所だと感じた。他団体への施設の貸し出しも行なっているそうなので、今後、ぜひ活用したいと思う。

みどりの少年団午後からバクタプールのエベレスト学校で「ケナフ博物館」の開館式典が行なわれた。エベレスト学校「ケナフ・みどりの少年団」の大歓迎と、立派なマーチによる先導を受けながら釜野先生が博物館へ足を踏み入れ、開会式は始まった。冒頭、KDNのサダナさんがケナフ博物館開館の経緯について報告が行なわれた。その後、日本ケナフ開発機構の釜野先生、KDNのサダナさん、エベレスト学校のラージバンダリ校長、みどりの少年代代表の4者による調印が行われ、釜野先生から学校長へケナフ製品の寄贈が行なわれた。

今回の博物館開館にあたっては、日本ケナフ開発機構の釜野先生から紙や織物をはじめ帆立貝の殻と混ぜて作った漆喰など様々なケナフ製品をご寄贈いただいた。ここに改めて感謝申し上げたい。

博物館その後は「みどりの少年団」との話し合いが行なわれ、ケナフ・トレーニングセンターについて、「大きな紙を作れる施設にして欲しい」や「他の国の友達も集まれる場所にして欲しい」といった要望が出された。子ども達の気持ちをしっかり汲むことが、トレーニングセンター成功の絶対条件だと思う。

それにしても「みどりの少年団」の子ども達にとって釜野先生は、どんな疑問にも答えてくれる優しい先生として、彼らが大きな親しみを感じている事がひしひしと伝わってくる。



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2007年09月26日

ラリットプール市と紙漉き教室を共催。

9月26日(水)

午前中、リソースヒマラヤ財団のデ二シュ理事長を訪ねた。リソースヒマラヤ財団はネパールでも数少ない専門性が非常に高い自然保護NGOのひとつだ。理事長のデニシュ博士は文部省奨学生として日本への留学経験のあるネパール屈指の学者の1人だ。

デニシュ博士のお話は非常に興味深く、“なるほど”と感じる点が非常に多かった。デニシュ博士によると、これまで日本が行なったODA(政府開発援助)だけで、ネパール国内に7〜8つの大学を開校することができるそうで、デニシュ博士はそれらの大学で若者が専門性の高い知識を得られたなら、今頃どれだけネパールが力を持っていたか、、、と嘆いていた。デニシュ博士が繰り返し「我々は知識を求めている。知識があれば国は必ず繁栄できる」と話していたのがとても印象的だった。

午後2時からはパタン(ラリットプール)市内の公立学校でケナフの紙漉き教室を開催した。今回の紙漉き教室はラリットプール市環境課との共同開催で、ラリットプール市内にある5つの公立学校から子供達が集まりケナフの紙漉きを体験した。

ラリットプール市では環境教育の遅れている公立学校で様々な環境プログラムを行なっているが、公立学校の教職員独特の折助根性などもあり、思ったように活動が進んでいない状況だという。数年前からは日本の青年海外協力隊員が参加して活動を行なっているが、先任の方からも公立学校での活動の難しさについて何度か話を聞いた事がある。

昨年開催した「第2回こども環境ケナフ会議」のパネルディスカッションに、ラリットプール市の環境課の方が参加した事がきっかけで、ラリットプール市が公立学校で行う環境活動にケナフ活動が参加することで話を進めてきた。

ラリットプール市今回、ラリットプール市と初めての共同活動だったが、子ども達の反応はとても良かったように思う。ただし、これから種まき~栽培〜観察活動を進めていくためには、子ども達をしっかり指導してくれる先生の存在が不可欠だ。まだまだ始まったばかりの試みだが、僕達が培ってきた3年半の経験を活かして頑張りたい。



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2007年09月25日

これからのケナフ活動

9月25日(火)

昨日、ネパールに到着されたNPO法人日本ケナフ開発機構の釜野徳明先生を交え、今後のケナフ活動の方針について話し合いを行なった。

これまでのケナフ活動では子供達が栽培したケナフを、子どもたち自らの手でパルプつくりを行い、紙漉きを行なってきた。その他、一部はカトマンズ盆地内の和紙工場でパルプを作り、完成したカレンダーや学習ノート等を子ども達へ配布した。また昨年は初めてケナフのパルプに楮(こうぞ)や三椏のパルプを混ぜることで、減少が著しい楮や三椏の代替資源としての活用法を示すことが出来た。

ただ残念ながらネパール国内にある現状の和紙工場の設備では、ケナフからパルプを作る事が難しい。ケナフは繊維が硬いため、ネパールにある設備では楮や三椏のように繊維を砕くことが出来ないのだ。ケナフの有用性をどんなに訴えても、ネパール国内で質の良い製品を生み出さなくては、社会には受け入れてもらえないだろう。そのためにもケナフのパルプつくりに合うビーターやマスコロイダーをネパール国内に設置する必要がある。もちろん大規模な物ではなく活動規模に合う小型の物。また出来るだけ苛性ソーダーや漂白剤などの薬品を使用せず、煮作業もしない形でパルプを作りたいと考えているため、どうしても機械が必要となる。

ケナフ活動を自立支援活動として社会に根付かせるためには、人々が「物つくり」をしっかり学べる工房の整備が不可欠だ。今日は釜野先生を交えた話し合いで、ある程度、ケナフ工房や技術指導センター建設の骨格を纏めることが出来た。これから場所選びや資金面の問題など超えなければならない問題は山済みだが、一歩ずつ乗り越えていきたい。


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2007年09月23日

WWF表彰式

9月23日(日)

wwf今日は昼からマヘンドラ国際会議場でWWF(世界自然保護基金)の表彰式が行なわれた。各国の大使やWWFの各国代表者など、国際会議場は1500人の観衆で埋め尽くされ授賞式は盛大に執り行われた。


サダナさんの今回の受賞と今後の更なる活躍を心から祝福したい。弥栄!!


表彰式

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2007年09月22日

WWF「ヤング・コンザベーション・リーダー賞」

9月22日(土)

受賞者治療活動を早めに切り上げ、夕方からカトマンズ市内のシャングリラホテルを訪ねた。今日は同ホテルでWWF(世界自然保護基金)「ヤング・コンザベーション・リーダー賞」の受賞が決まったサダナ・タパさんの記者会見が行なわれた。今年はサダナさんの他に自然保護に尽力した7人がWWFの賞を受賞することになった。(ヤング・コンザベーション・リーダー賞はサダナさんを含め若者2人が受賞。)

サダナさんは現在19歳。サダナさんと同じ19歳の頃の自分を振り返ると、その違いに溜息すら出てきそうだ。当時の僕は鍼灸学校に通っていたものの、先の目標も見つからず鬱屈した毎日を過ごしていた様に思う。社会のためになる事など出来るはずもなく、なれると考える余裕すらなかったように思う。

サダナ決して豊かではない環境に育ちながらも、いつも目標を見失わず夢を追いかけているサダナさん姿は、僕たち周囲の心を何時も奮い立たせてくれる。19歳の若さであれだけ肝が据わっていること自体、本当に驚きだ。これからサダナさんはどのような人生を歩み、社会で活躍するのだろう。サダナさんの更なる成長が本当に楽しみだ。明日の表彰式には必ず出席したいと思う。


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2007年09月20日

ケナフ博物館

9月20日(木)

子ども達の将来の自立を目指して続けている「天然資源ケナフを使った環境・教育・自立支援活動」。2004年に活動を始めてから、これまで環境と教育分野でのケナフの活用を中心に活動を進めてきた。「種まき〜栽培〜観察〜収穫〜物つくり」というケナフの特性を最大限生かした活動は子ども達の間で急速に広がり、3年半経った今では当初の予想以上の成果を上げることが出来た。「栽培〜観察活動」を通して子ども達の情操を養うことや、「ケナフを使った物つくり活動」によって子ども達の自立意識を高揚する事は、活動のゴールでもある自立支援活動には欠かせない。

この度、ケナフ活動の拠点校のひとつであるエベレスト学校内に「ケナフ博物館」を設置することが決まり、その準備を進めている。丁度、WWF(世界自然保護基金)とネイチャードットコムが地域の人々に自然保護への理解を深めるために、ネパール国内の3校で「ミニ自然博物館」を開設するプロジェクトでエベレスト学校が選ばれた事もあり、ケナフ博物館の設置が一気に実現する運びとなった。

ケナフはネパールでも「ナルー」または「ポトゥワ」と呼ばれ、ロープの原料として古くから栽培が行なわれて来た植物だ。石油製品の普及と共に栽培は減っている現状だが、博物館をきっかけにケナフへの理解が高まる事を願っている。博物館にはパルプや紙の他、織物など、ケナフから作られた様々な品物を展示する予定だ。またロープやパルプが作られる過程なども展示できればと考えている。ぜひ博物館を訪れた子供達がケナフに夢を描けるような博物館つくりを進めたいと思う。

寺子屋今日は朝から博物館の打合せで慌しい一日となった。混雑の激しいバクタプールまでの道中を何度も往復していると流石に疲労困憊した。夕方からはブンガマティ村の寺子屋を訪問。子ども達が一生懸命勉強を頑張っている姿を見ると、疲れも一気に吹っ飛んだ。将来、この子ども達の中からも「天然資源ケナフを使った物つくり」で経済的な自立を果たす子が出てくるかもしれない。そのためにも活動を必ず軌道に乗せたい。


寺子屋2

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2007年09月19日

何のため

9月19日(水)

昨日はカトマンズ北部から大急ぎでコカナ村のポエムコンテスト会場に入り、表彰式が終わると直ぐにカトマンズへ引き返す慌しさだったため、ゆっくりクマールとラクシミの感想を聞くことが出来なかった。

今日は早めに学校へ入り、2人に感想を訊くことにした。暫く校舎で待っていると、クマールが弟のモノージュと一緒に学校へやって来た。クマールは(昨日の活躍を知っている)僕に気付くとニヤッと白い歯を見せながら駆け寄って来て、不自然に挨拶をしてきた。普段のクマールなら会うや否や『授業を止めて、ドッジボールが出来る様にヤッギャ先生に頼んで欲しい』と言ってくるのだが、、、、、昨日の活躍を皆に伝えて欲しいクマールの気持ちがひしひしと伝わってきた。クマールは本当に憎めない男だ。よほど昨日、1位になったことが嬉しかったのだろう。特に先の絵画コンテストは、クマールにとって不本意?な“3位”という成績だったので、今回の1位入賞はなおさら嬉しいのかもしれない。

昨日のクマールの創作した詩『何のため』を読み返してみたが、シンプルな内容だったので翻訳してみた。ネパール社会が抱える問題点を嘆いた内容。何となくボブ・ディランの『風に吹かれて』ぽいところが僕は気に入っている。子供ながらにネパール社会の閉塞感を感じているのかもしれない


『何のため』  詩/クマール・ミザール

鉛筆を持つ手に、銃を持つのは何のため?
仏陀生誕の国で、人が殺しあうのは何のため?

炎に包まれた社会で、革命は何のため?
大勢の人が死んでいるのに、平和を叫ぶのは何のため?

伝統衣装があるのに、洋服は何のため?
田畑があるのに、支援を求めるのは何のため?

勉強したのに、外国へ働きに行くのは何のため?
平和を構築できないリーダーは何のため?
人はいつか死んでいくのに、賄賂は何のため?

勉強と遊びは子供の権利。
僕達のため、僕達のため、僕達のため。


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2007年09月18日

クマールがポエムコンテストで優勝!!

9月18日(火)

クマール今日、またまた嬉しい事が起きた。今日、開催された『ポエム(詩の創作と朗読)コンテスト』で、ヒマラヤ小学校から参加した4年生のクマールが見事、1位になった先日の絵画コンテスト入賞に続くクマールの快挙には、驚きのあまり声が出ない。学校全体としても歌唱コンテストでのラクシミの優勝以来、立て続けに3度のコンテストで入賞した事になる。一体、どのように歯車が上手く回り始めたのだろう。嬉しい悲鳴とは、このような事を言うのかもしれない。

今回のポエムコンテストはラリットプール郡南部地区の8校から17名が参加した小規模なコンテストだったが、それでも1位になる事は決して簡単なことではない。最初からコンテストを見ていたが、ヒマラヤ小学校から参加した2人の朗読は非常に堂々として素晴らしいものだった。特に1位になったクマールは創作した詩の内容も然ることながら、自分の感情をしっかり込めた朗読は、本当に文句のない出来だった。クマールが人前でこんなにも堂々と詩を朗読できるなんて正直、驚いた。 

子ども達の予想外の活躍はとても嬉しいことだが、僕自身は入賞云々よりもコンテストに参加することに大きな意義があると考えている。特にヒマラヤ小学校の子ども達は貧しいだけでなく、ダリットと呼ばれる不可触民に属している子が多い。通常、ダリットは社会との接点の場が少なく、社会性を身に付けることが難しい。そんな子供達が人前で歌や踊りを披露したり発言したりすることは、社会性を身に付ける何よりの訓練の場となる。訓練を続ける中で一歩ずつ社会環境に慣れ、子ども達は自信を掴んで行くのではないだろうか。社会性を身につける事は、学校の勉強以上に大事なことだと思う。

今、子供達は着実に自信を掴みつつある。貧しさに負けない逞しい子ども達を育成するためにも、子ども達1人ひとりがしっかりと社会性を身に付けられるよう、社会との接点の場を積極的に作っていきたい。



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2007年09月12日

サダナさんがWWFから『ヤング・コンザベーション・リーダー賞』を受賞!!

9月12日(水)

サダナ若さ溢れる行動力でネパールの環境問題に取り組んでいるサダナ・タパさんが、WWF(世界自然保護基金)から『ヤング・コンザベーション・リーダー賞』を受賞する事になった。これまでの地道な環境保全活動が認められての受賞。慶事を心から喜びたい。サダナさんは子ども達の将来の自立を目指して続けている『ケナフ活動』でも、中心的な役割を果たしている。

僕自身、サダナさんと知り合ってから5年以上経つが、サダナさんの若さ溢れる行動力と能力、そして何事にも決して挫けない芯の強さには感心するばかりだ。昨年、社会貢献支援財団から『21世紀若者賞』を受賞してからサダナさんは活躍の場を更に広げ、リーダー的な存在としてネパールの若者を引っ張っている。今、ネパールで最も注目されている若者の1人だ。

授賞式は23日に国際会議場で開催予定。サダナさんには今回の受賞を機に更に自らを高め、若者のリーダーとして活躍の場を広げて欲しいと思う。弥栄!!

写真は門谷優さん提供

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2007年09月11日

ダニエルさんの送別会

9月11日(火)

ダニエル先月からヒマラヤ小学校で英語のボランティア教員を務めてくれたダニエル・ジョンソンさんの送別会が行なわれたダニエルさんの授業が始まって3週間。ダニエルさんを慕う子も多かっただけに、ダニエルさんとのお別れは子ども達にとって辛かったようだ。


先日、親しい友人達とダニエルさんを囲んで食事をする機会があったが、ダニエルさんは『子ども達との交流がとても楽しい』と何度も笑顔で話していた。『ナマステ』以外、全くネパール語が分からないダニエルさんだが、子ども達と素晴らしい交流が実現できたのは、きっとダニエルさんの優しさと誠実さが子ども達に伝わったからだろう。

送別会では涙を流す児童も大勢いた。3週間、短くも充実した時間を共有しただけに、お互いなかなかお別れができなかったが、将来の再会を約束し、最後は子ども達みんなでダニエルさんの姿が見えなくなるまで手を振ってお別れをした。

ヒマラヤ小学校通信『9月のニュース



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2007年09月09日

入賞報告会

9月9日(日)

『小学生絵画コンテスト』で見事、入賞を果たしたラクシミ・シェルパ(2位)とクマール・ミザール(3位)の入賞報告が今日の朝礼で行なわれた。前回の歌唱コンテスト“優勝”に続く嬉しいニュースに子ども達は歓喜していた。

クマール『2位に入賞できて嬉しいです。次も頑張りたいです。』と話したラクシミ・シェルパに対し、ヒマラヤ小学校の元祖ヤンチャ坊主のクマールは『1位になれると思ったんだけどなぁ、、、、、、1位じゃなくて悔しい。あの時はお腹も減ってたし、、、』と、クマールなりの言葉で喜びを表現して報告会の場を沸かせていた。本当は嬉しくて仕方ないくせに、素直に表現できないのがクマールの良いところだ。


2つのコンテスト入賞がきっかけとなり、コンテストへの参加希望者が増えている。きっと身近な友達の活躍が子ども達の感興をそそるのだろう。UPSBENの活動を盛り上げるためにも、今後も子供たちには積極的に参加して欲しいと思う。




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2007年09月08日

絵画コンテストで入賞!!

9月8日(土)

クマールとラクシミ今日は私立学校教育向上協力会(UPSBEN)主催の小学生絵画コンテストが開催されたヒマラヤ小学校から4年生のクマール君とラクシミ・シェルパちゃんの2人が出場し、2人とも見事に入賞を果たした。

医療キャンプの関係で、15分程度しか絵画コンテストの様子を見ることが出来なかったが、2人とも声を掛けても反応しないほど絵を描くことに集中していたので、“もしかすると”という期待はあったが、まさか2人とも入賞を果たすとは本当に嬉しい誤算だ。再び戻った医療キャンプ地で、ヤッギャ校長から2人の入賞について電話で報告を受けたときは、思わず歓喜の声を上げてしまった。

今回の入賞は支援者の皆さんの温かい声援はもちろん、出場した2人の努力、ビベック君の絵画指導の成果だと思う。前回の歌唱コンテストに続き、2大会連続の入賞には、正直、驚きの感に打たれているが、もしかすると、これまで先生と子ども達が一緒になって、こけつ転びつ続けて来た様々な経験が、少しずつ子ども達の“力”となって発揮されているのかもしれない。本当にそうであったら嬉しい。

今月は『弁論コンテスト』や『紙漉き・デザインコンテスト』、その他、『ダンスコンテスト』の開催が予定されている。子ども達にはコンテスト出場を通して、逞しく生きるための自信を得て欲しいと願っている。







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2007年09月07日

寺子屋

9月7日(金)

寺子屋1全体朝から往診で慌しく過ごした後、夕方からコカナ村の寺子屋を訪問した。最近、往診でコカナ村を訪ねると、寺子屋に寄って子ども達の様子を見るのが日課になっている。教室に近づくにつれ子ども達の賑やかな声が聞こえてくると、なんだか楽しい気分になる。子ども達の学びの熱意や日々の成長を間近で見ることは、僕にとって貴重な心の洗濯の時間だ。


寺子屋2今日も先生が黒板に書いた字を復唱したり、ノートに覚えたての字を書いたりしながら、小さな部屋で夢中になって勉強している子ども達。中には小さな妹を片腕に抱えながら、勉強している少女もいた。皆、勉強できる喜びをひしひしと伝えてきながら学んでいる。学校へ行くことが当たり前で、勉強が大嫌いだった自分自身の子供の頃を考えると、自責の念を覚えてしまう。

コカナ村で寺子屋を開設して4ヶ月あまり、教育の芽は着実に育っている。

寺子屋3



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2007年09月06日

アートコレクション福原記念館とビベック君の絵画指導

9月6日(木)

既にHP上でご紹介させて頂いたが、北海道鹿追町に新しく完成した美術館『アートコレクション福原記念館』にて、ヒマラヤ小学校の子ども達の描いた絵が展示されている今回の展示はボランティアサークル『チョラ・チョリ』の皆さんにご尽力をいただき実現の運びとなった。また快く展示を承諾いただいた福原治平氏と美術館スタッフの皆さんの温かいご協力に感謝申し上げたい。美術館には東山魁夷さんの作品など有名作家の作品が150点ちかく展示されているとのこと。ぜひ、『アートコレクション福原記念館』をご訪問の上、素晴らしい美術作品と共に子ども達の描いた絵をご覧頂ければと思う。

美術館紹介先日、絵が美術館で展示された事を子ども達へ報告したら、子ども達はみんなとても喜んでいた。中には支援者宛の手紙に描いた絵が展示されたものと勘違いして、『僕の絵も展示されたのか?』と訊いてくる児童も何名かいた。『もう少し上手に描けたら、展示されるかもしれないよ』と返事すると、早速、絵を描き始める子までいた。子ども達の素直さに思わず笑ってしまったが、今回のような機会は子ども達の夢を大きく育てる事を実感する。他人から認められたり、誉められたりすることは、子供達の夢を育てるだけでなく、未来に向け一歩ずつ歩む原動力になるのだと思う。

絵の話が続くが、先日からモンゴル先生の長男のビベック君による絵の指導が始まった元々、絵を描く事が抱き好きで、絵に自信を持っていたビベック君だが、昨年11月に参加した絵画コンテストで、他の参加者のレベルの高さに驚き、辛い思いをしたようだ。

その後、ビベック君から”本格的に絵を勉強したい”と相談を受けた事が切欠となり、絵画教室で学んだ知識や技術をヒマラヤ小学校や村の子ども達へ指導することを条件に絵画教室へ送ることにした。絵画教室に通ってから8ヶ月、ビベック君はメキメキと実力をつけ、今では周囲を驚かすほどの腕前となっている。

ビベック今秋、東京都内で子ども達の絵の展覧会のお話を頂いているので、展覧会に合わせてビベック君による子ども達への絵画指導が始まった。下絵の描き方や色の塗り方など、基本的な技術指導が行なわれているようだ。特に色塗りが苦手な子ども達には小さな画用紙に何本か線を引き、出来た枠の中に一色ずつ丁寧に色を塗る作業を繰り返しやらせているが、こうした基本をしっかり身につけさせる事が何よりも大切なんだと思う。

ビベック君の授業でしっかり基本を学んだ子ども達が、一体どんな絵を描くのか、作品の出来が今からとても楽しみだ。



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2007年09月04日

教育の原点

9月4日(火)

赤字の膨らんだネパール石油公社の問題でガソリンの不足が続いている。規制の下、何とか配給を続けている公営のガソリンスタンドには、毎日、ガソリンを求める人々の長蛇の列が出来ている。こんな光景は外国人旅行者にとっては異様に映ると思うが、現地で暮らしているとすっかり慣れてしまい、平気になるのだから不思議だ。停電問題、水不足、その他の諸問題もすっかりお馴染みになってしまった感がある。

寺子屋今日はヒマラヤ青少年育英会の主催する『寺子屋』のモデルとなった“寺子屋”を訪ねた。里親教育基金の奨学生ジェニシャとジーナの姉妹が、“自分達も何かしたい”と近所の子ども達へ字を教え始めたのは、もう5年以上も前の事。当時、ヒマラヤ小学校建設の募金活動を続けていた僕達に対し、社会は常に懐疑的であったため、僕自身、かなりうろたえていた時期でもあった。そんな時、姉妹の自主的な行動には本当に大きな勇気を与えられた。そして、その事が切欠となり、“まず何か遣ってみよう“と、村のお寺の片隅を借りて、寺子屋を始めることになった。

あれから5年以上が過ぎたが、今も変わらず小さな部屋で姉妹による“寺子屋”は続いている。優しいお姉さん達を慕い、寺子屋へ集まってくる小さな子ども達。姉妹の直向な努力や、一生懸命、勉強する子ども達の学びの熱気から、教育の原点を垣間見た気がした。




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2007年09月03日

やれば出来る

9月3日(月)

ラクシミ報告先日の歌唱コンテストでのラクシミ・ナピットの活躍は、他の子供たちに大きな勇気と希望を与えたようだ。先日、ラクシミが全児童の前で歌唱コンテストでの優勝を報告したが、其の時のラクシミはじめ子ども達の冴え冴えとした表情はとても印象的だった。ラクシミの快挙はヒマラヤ小学校の児童に、”何事もやれば出来る”という大切なメッセージとして伝わったのではないだろうか。

今月は同じくUPSBENの主催で『ダンスコンテスト』が開催される予定だ。ラクシミの快挙を受け、コンテストに出場する子ども達の練習にも俄然、力が入っているようだ。夢や希望が子ども達の大きな力となることを実感する。


ダンス練習中ダンスはどの学校でも力を入れている上に、ダンスが大好きな児童ばかりが参加するため、激戦が予想される。子ども達には入賞云々よりも、普段どおり“一生懸命なダンス”を披露して欲しいと思う。



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2007年09月02日

揺れ動く社会

9月2日(日)

今日、カトマンズの中心部で同時多発の爆弾テロが起こり、多くの死傷者が出た。ネパールは11月22日の制憲議会選挙を控えている事もあり、選挙を前に各勢力が活動を活発化させている。

ネパールは今、歴史の大きな転換期を迎え、社会が大きく動こうとしている。これまでの常識や価値観が、堰を切ったように大きく崩れ始めているのが分かる。今後、社会の激動に伴い、目や耳を覆いたくなる様な出来事も起こると思うが、一つひとつの出来事に慌てふためく事無く、しっかりネパール社会の変化を見つめたいと思う。



事件後、ご心配のメイルを多数頂きましたが、子ども達の安全は既に確保しております。また関係機関の協力の下、子ども達への十分な安全対策を講じておりますので、どうかご休心ください。

またネパール国内の治安情報や個々の奨学生の安全に関する問い合わせには、応じる事が出来ませんので予めご了承ください。(万が一、奨学生に問題が発生した場合は理事会の指導の下、事務局から支援者の皆様へ直接、ご連絡いたします。)皆様のご理解をよろしくお願い申し上げます。



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2007年09月01日

活動の両立

9月1日(土)

今日から9月に入った。8月は何時もより多くの時間をヒマラヤ小学校の活動に割いたため、ホームページのヒマラヤ小学校通信8月のニュースも少し賑やかに出来た。ヒマラヤ小学校では毎日、様々な活動が行なわれているので本来なら月に15以上はニュースを更新できると思うが、他の活動も掛け持ちでやっている現状では、なかなか全ての活動をお伝えできない事が残念だ。

ホームページのニュースの数を追いかけるわけではないが、支援者の皆さんはじめ活動に関心をお持ち頂いた皆さんへ、子ども達が元気に頑張っている様子をお伝えするためにも、出来るだけ多くのニュースをお届けしたいと考えている。

8月はヒマラヤ小学校の活動に時間を割いた分、残念ながら治療活動が少し疎かになった感がある。ただ治療活動については、丁度、治療法であれこれ悩んでいる時期なので、ヒマラヤ小学校の子ども達と長時間過ごした事で、自分自身の良い気分転換となった。“心気冴え渡る”とまではいかないものの、何とか先が開けた感じがする。活動の両立は僕自身の長年の課題だが、どちらも疎かにならないよう気を引き締めて頑張りたい。


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