2007年08月

2007年08月24日

4年生のラクシミが歌唱コンテストで1位に輝く!!

8月24日(金)

ラクシミ今日、UPSBEN(私立学校教育向上協会)主催の歌唱コンテストが開催され、4年生のラクシミ・ナピットが、ソロ部門で見事1位に輝いたラクシミ本人はもちろん、応援に駆けつけた先生たち、そして子ども達と皆で、ヒマラヤ小学校開校以来の快挙を喜んだ。1位入賞を“先生や友達、応援してくれた皆のお陰”と謙虚に語りながらも、副賞の盾を嬉しそうに抱きしめるラクシミの姿が印象的だった。

貧しい家庭の長女として育ち、幼い頃から苦労を重ねてきたラクシミにとって、歌は心の大きな支えだ。苦しいときや悲しいとき、何時もラクシミを支えてきたのは、正に“歌”だったのだと思う。今回の歌唱コンテストの出場者はヒマラヤ小学校を除いて全て私立学校の児童であり、普段、学校で音楽の教育を受けている子ども達だ。学校で音楽を学んでいる子ども達に比べ基本的な音楽知識もないラクシミだが、歌への人一倍強い思いが優勝へと導いたのかもしれない。

ラクシミ2今回の快挙はラクシミの努力と共に応援して頂いた皆さんのお陰であることは言うまでもないが、ラクシミの歌への思いを的確に判断し、歓迎会など事ある毎に人前で歌を歌わせラクシミに自信をつけさせたヤッギャ校長の陰の貢献も大きかったと思う。

入学当初のラクシミは、授業中に黒板の前に立つことも出来ないほどの恥ずかしがり屋だったが、ヤッギャ校長の熱心な説得によって歓迎会などで歌を披露することになり、その後はゲストの皆さんから拍手や称賛を浴びる中で、少しずつ歌への自信を掴んだようだ。

今回の受賞はヒマラヤ小学校の教職員や子ども達にとっても大きな希望となった。開校から3年半、これまで学校として積み重ねてきた事が少しずつ実を結び始めたようで本当に嬉しい。今回の結果を皆で謙虚に受け止め、今後も子ども達一人ひとりの個性をしっかり伸ばしながら、社会に貢献できる学校つくりを進めていきたい。


ラクシミへ温かいご声援をいただきました皆様へ、心からお礼申し上げます。

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2007年08月23日

交流活動

8月23日(木)

ダニエルヒマラヤ小学校に2名のボランティア教員が加わった。ネパール人のギャニさんと英国人のダニエルさんの2人だ。ギャニさんは過去にも何度か学校を手伝ってくれた経験があるので、子ども達にも顔馴染みだ。ダニエルさんは大学の学士論文の調査でネパールを訪れ、知人からヒマラヤ小学校の子ども達の現状を知り、ヒマラヤ小学校で英語を教えてくれる事になった2人の協力に心から感謝したい。

ダニエルさんは教員経験こそないものの、絵を使った授業で子ども達を楽しませている。他の先生達にとってもダニエルさんの授業はとても新鮮な様で、みんな良い刺激を受けているようだ。

ヒマラヤ小学校が開校した2004年から2005年に掛け、米国、フランス、アイスランド、ノルウェーなど、欧米の人たちが大勢ボランティアとして手伝ってくれた。その後、日本からのボランティア参加者が増えたため、現地でボランティアの募集を行なわなくなっていたが、今年のように政情によって日本人ボランティアの募集を中止した時など、ネパール在住の各国の人たちへボランティアをお願いする事も、今後、考えていく必要があるかもしれない。

交流活動はヒマラヤ小学校の特徴の一つでもある。日本をはじめ外国の人々との交流は、子供達が世界に目を向ける切欠になるだろう。これからも益々、交流活動に力を入れたい。



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2007年08月21日

ラクシミの挑戦

8月21日(火)

児童期末試験が終わり、ヒマラヤ小学校は何時どおりの賑やかさを取り戻した。子ども達の表情からも試験を終えた喜びのようなものが感じられる。先週は試験の採点に追われた先生たちもようやく落ち着いたようで、29日の成績発表に向けた最終的な調整が行なわれている。


今週の金曜日(8月24日)にUPSBEN(私立学校教育向上協力会)主催の歌唱コンクールが予定されている。ヒマラヤ小学校からは4年生のラクシミ・ナピットが個人部門に出場することとなった。コンテストには個人部門以外に合唱部門もあるが、今回は個人部門にラクシミが1人で参加することとなった。ヒマラヤ小学校一の歌姫ラクシミに寄せる期待も子ども達の間で高まっている。

ラクシミは歌を歌っている時が一番幸せ、と言い切るほど歌が大好きな児童だ。毎日、幼い弟たちの世話を一生懸命しながら勉強を続けている苦労人でもあるため、何とか今回の歌唱コンテストを通して、ラクシミには大きな自信を掴んで欲しいと願っている。

ラクシミラクシミが今回のコンテストで披露するのは、作詞・作曲ともに自身で手がけたオリジナル曲『パドゥナタ・モンティヨ・マライ』だ。自身の実体験に基づき“少女の悲しみと権利”を歌った曲だ。曲名を訳せば、『勉強したかったけど、、、、』と、なるだろうか。歌詞の翻訳は過去に何度か試みた事があるが、文化、習慣の違いもあってなかなか適当な訳をつけることが出来ず、未完成のままだ。いつか完成した時には、このブログでも紹介したいと思う。

哀愁のこもったラクシミの歌声を聴いていると、ネパールの少女達が抱える窮状が目に浮かび、胸にじいんと響くものがある。恐らく日本の同じ14歳の少女では想像すらつかないだろう。ヤッギャ校長がしきりにラクシミの歌声をレコーディングしたいと言っていたが、もし可能なら、なんとか実現したいと思う。14歳の今のラクシミの気持ちと歌声を記録する事は、とても意義あることだと思う。

24日、ラクシミの素晴らしい歌声が大勢の聴衆の心に伝わる事を確信している。

練習の様子はヒマラヤ青少年育英会HP内、『ヒマラヤ小学校通信』8月のニュースでご紹介しています。


2007年08月19日

5年前の思い出。

8月19日(日)

ダンス練習今日から新しいダンスの練習が始まった今回の新しいダンスでは、これまでダンスに参加したことのない児童3名が、初めて参加することとなった。メンバーを見たときは正直、驚いたが、新しい顔ぶれはとても新鮮だ。しばらく練習風景を見ていたが、3人とも慣れないステップに手こずりながらも、初めてのダンスを心底楽しんでいる様だった。今回のダンスはUPSBEN主催のダンス大会で披露される予定になっているので、子ども達にはぜひ、大会での入賞を目指して頑張って欲しいと願っている。


歓迎会今日は日本からゲストをお迎えし、ヒマラヤ小学校でささやかな歓迎会を開催した。今日のゲストの1人は、5年前にヒマラヤ小学校建設の募金活動を手伝ってくれたMさんだった。5年前のちょうど今頃、当時まだ小学生だったMさんが真夏の日差しが照りつける中、募金箱を担いで一生懸命、募金を呼びかけてくれた事を今も鮮明に覚えている。Mさん以外にも車椅子の高校生をはじめ多くの若者が学校建設の実現を目指して、熱心に募金活動を手伝ってくれた。Mさん達の一生懸命な呼びかけに大勢の人が立ち止まり、募金に協力してくれた。僕自身、あの時の感動は決して忘れることが出来ない。当時、ネパールでの学校建設に反対するNGO関係者の人たちと扞格し、かなり参っていた時期でもあったので、Mさん達の一生懸命な行動は、僕自身の学校建設への気持ちを強烈に奮い立たせ、学校建設実現の端緒が開かれた思いだった。

あれから5年の月日が流れ、今日、はじめてMさんをヒマラヤ小学校にお迎えし子ども達の様子を見て頂いた。Mさんには、子供達が元気に楽しい学校生活を過ごしている様子や、人懐こい子ども達の笑顔を喜んで頂けたようで嬉しかった。当時の話をするとMさんは照れくさそうにしていたが、あの時のMさんたちの努力が現在のヒマラヤ小学校に繋がり、100名を超える貧しい子供達が就学の夢を果たしたのだから、本当に素晴らしい事だと思う。

こうして学校建設に関わってくれた人たちに、実際に学校を見ていただく事は本当に大きな意義があると思う。Mさんをはじめ学校建設に協力してくれた人達の気持ちを決して忘れることなく、今後の活動を頑張りたいと思う。今日は初心に戻る良いきっかけとなった。



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2007年08月16日

12学年卒業試験に全員が合格!!

8月16日(木)

昨日、12学年の卒業認定試験の結果が発表された。ヒマラヤ青少年育英会から里親教育基金の奨学生6名が受験したが全員、見事に合格を果たすことが出来た。予想以上の良い結果に皆で歓喜した。奨学生が支援者や関係者の気持ちにしっかり応えてくれたことが、何よりも嬉しい。本当に良かった。全員合格という大きな成果を残すことが出来たのは、奨学生の努力はもちろん、支援者の皆さんの温かい励ましによるものと、感謝の気持ちでいっぱいだ。

今回、合格を果たした奨学生の内1人は、”1st division”という高得点で合格を果たし、僕たち関係者を驚かせた。奨学生がコツコツと積み重ねてきた努力が身を結んだことは、僕たちとしても本当に嬉しい。奨学生は法学部への進学を希望しているので、なんとかその夢を実現できるよう皆で協力して応援していきたいと思う。

合格を果たした奨学生には今後もしっかり自身を高めながら、後輩達の目標となるよう頑張って欲しいと思う。


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2007年08月15日

支援活動のあり方

8月15日(水)

先日から“支援のあり方”について関係者と話し合っている。ある支援者の方から、免税措置などの制度を利用してもっと支援を増やす努力を行なうべきではないか、という切言を頂いた事がきっかけだった。制度を利用して支援を増やすということは、組織を大きくして活動を広げるという意味でもある。支援のあり方については支援者や現地の関係者の間でもいろんな意見があるのは事実だが、今回いただいた切言から、僕達の”考え”が支援者の皆さんへしっかり伝わっていない事を痛感した。努力不足を猛省したい。

免税措置などの制度がないために支援者の皆さんへ大きなご負担をお掛けしている事は事実であり、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。ただ僕達はむやみに多くの寄付金を集たり、今よりも活動を大きく広げたいとは一切思っていない。

自分達の信念に従い、ささやかながらも誠実に活動を続ける中で、ご賛同頂いた方々の善意のご支援とお気持ちを、大きな組織の手が届かない地域、そして子ども達へしっかり届け、有効に役立てることが何よりも大切だと考えている。たとえ活動の規模は小さくても、一人ひとりの子ども達をしっかり支え、励ましながら、人間としての優しさをもった子ども達を育成していく事が僕達の必死の願いだ。

大きな組織になれば、より多くの子ども達を支援することが可能であり、実際に著名な国際機関によって万人の子供達が救われている。また、大きな組織になれば政府等の援助を受けることで、より専門的で広い視野に立った活動が行なわれ、大きな社会貢献を果たしている事は周知の通りだ。

ただ組織が大きくなれば支援者、支援を受ける側の人間関係が希薄になりがちになり、ともすればお金と物だけの関係になってしまい支援が当たり前になってしまう現状も一方で抱えている。また政府の援助を受ける中で、NGOスタッフの間でも援助が当たり前になるケースや、結果として政府の委託事業が中心となってしまった団体も残念ながら見かける。1人でも多くの子供達が教育の機会を得ることは僕たちの願いでもあるが、僕達は一人ひとりの子ども達としっかり人間関係を築くことが、大切であると考えている。

今、ようやく長年の活動が身を結びはじめ、支援をした奨学生の中から学校を卒業し、社会で活躍する子が出るようになった。そうした卒業生達が“自分達も何かしたい”と、ヒマラヤ小学校や寺子屋、医療キャンプの活動を自主的に手伝ってくれる。ささやかながら続けてきた活動だが、自分たちの気持ちが奨学生たちに伝わったことは本当に嬉しく思うし、彼らを誇りに思っている。人間としての優しさや大きな志をもった若者が社会で1人でも多く活躍することが、窮状を抱える小さな子ども達の目標となり、将来、ネパールが貧困から抜け出す大きな力になると信じている。


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2007年08月13日

試験終了

8月13日(月)

試験終了今日で期末試験の全日程が終了した。子ども達は皆、本当によく頑張ったと思う。1名の児童が腸チフスを患ったため受験できず、日を改めて試験を行なうことになったが、それ以外は問題なく試験を終える事が出来た。先生達や関係者の努力に感謝したい。


試験が終わると試験中の真剣な表情とは打って変わり、子ども達は満面に笑みを湛えていた。特にやんちゃな子ども達は、試験が終わった途端に遊ぶ気力を充溢させ、所構わずボールを追いかけていた。汗まみれになりながら、夢中になってボール追いかける表情はなんとも爽やかで、子ども達には一番似合っている。そう感じるのはきっと僕だけではないと思う。

試験中、子ども達へ温かい応援メッセージをお贈りいただいた皆様へお礼申し上げます。

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2007年08月10日

幼稚園クラスの試験

8月10日(金)

幼稚園クラスにも試験があると聞いて、驚かれる方も多いかもしれない。僕自身、初めて幼稚園に試験が有る事を知った時は驚き、一体どんな試験なのか想像すらつかなかった。ヒマラヤ小学校の幼稚園クラスでも、もちろん試験が行なわれているが、毎年、1〜2名の不合格者も出るのだから結構、厳しい試験といえる。

幼稚園クラス試験一体どんな試験かといえば、幼稚園年長クラスでは1〜100までの数字を書いたり、動物などの単語とそれに合う絵を線で結んだり、その他に塗り絵などが行なわれる。年少クラスは黒板に書かれたアルファベットを読んだり、簡単な単語を読んだりすることが中心のようだ。先生が指差す黒板の文字を一つひとつ一生懸命読み上げる姿は、なかなか愛くるしいものがあるが、本人達が試験をどれだけ意識しているのかは、ちょっと分からない。


試験も後半に入った。日曜、月曜の2日間で試験も終わりだ。子ども達には悔いの残らぬよう最後まで頑張って欲しい。

ヒマラヤ小学校通信8月のニュース更新中


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2007年08月08日

くららさんからのお便り

8月8日(水)

鍼灸の治療方法を変えて1ヶ月が過ぎようとしている。これまで9年以上も続けてきた遣り方を変えるのは、殊のほか難しく勇気がいる事を痛感している。新しく試みている治療法は患部やその周辺部を刺激するものでなく、体のある一部を中心と捉え、そこを局部的に刺激する治療法であるため、(患部とはまったく関係ない部分への刺針に)戸惑う患者も多いようだ。

治療法に納得して貰える様、十分な説明を行っているつもりだが、やはり結果を出すことで理解を深めていかなければと思う。結果を簡単に出すことが出来れば問題ないのだが、僕の未熟な知識と技術ではなかなか結果を出すことが難しい現状だ。心配になって元の治療法に戻ってしまう事もあり、まだまだ新しい治療法に自信を掴むことが出来ていない。焦る気持ちを抑えながらも、なんとか新しい治療法を定着させてみたいと思う。

ロジコカナ村での往診治療の途中、ロジを訪ねた。先日、ロジが弟のアジャイと学校へ遊びに来てくれた時、ロジから映美くららさん宛の手紙を預かったが、その手紙のお返事がくららさんから届いたので、早速、翻訳してロジへ届けることにした。家の外から『ロジ〜』と大声で呼ぶと、 小さな窓からロジがいつもの笑顔を覗かせ、家の中へ招いてくれた。

丁度、農作業から戻って来たクリシュナさんとロジの母親のパルバティさんも一緒になって、くららさんの手紙を読んだ。くららさんの優しい手紙にはロジや家族への温かいメッセージが書かれてあり、皆とても感激していた。特にロジは憧れのくららお姉さんの手紙を喜び、また手紙の中でいろいろと誉められていた事がとても嬉しそうだった。ロジや子ども達を何時も温かく励まして下さるくららさんには本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

ロジ家族クリシュナさんはその後も順調のようで、雨の日以外は殆ど痛みがないようだ。お酒の量も以前より減ったと家族は喜んでいたが、今日はくららさんの手紙がよほど嬉しかったのか、”一緒に一杯やらないか”と誘って貰った。残念ながら今日は後に用事があったためご一緒できなかったが、こうして治療が終わった後も交流が続いていることは本当に嬉しいことだ。くららさん、ロジの家族、ネパールで与えられた素晴らしい“縁”をこれからも大切にしていきたい。

映美くららさんの魅力が詰ったファンサイト




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2007年08月07日

長い道のり

8月7日(火)

登下校ヒマラヤ小学校の児童の中には、山道を歩いて2時間以上かけ学校へ通って来る児童が15名ほどいる。幼い弟や妹たちの手を引いて、山道を一歩ずつ歩いて来る子ども達の健気な姿を見ると、いつも胸が張り裂けそうになり、彼らの努力に報いるためにも良い学校をつくらなければ、と思いを新たにする。

それにしても長い登下校の道中、子ども達はどんな事を考えながら歩いているのだろう。友達の事、サッカーの事、月に一度の給食の事、宿題や試験の事、いろんな事を考えながら歩く道中は殊のほか楽しいものかもしれない。


ヒマラヤ小学校の期末試験も中盤に入った。これまで大きな問題なく順調に進んでいる。毎日、大変だと思うが子ども達には最後まで精一杯がんばって欲しいと思う。


ヒマラヤ小学校通信更新中。




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