2006年11月

2006年11月05日

クマールの挑戦。〜国際児童画展に参加〜

11月5日(日)

クマール
ヒマラヤ小学校の3年生で学ぶクマール君が、第14回神奈川ビエンナーレ国際児童画展(主催:神奈川県、神奈川国際交流協会)のネパール予選に参加することが決まった。

教職員の中にはクマール君の現時点での能力や費用などの点から、参加を見送った方が良いという意見も少なからずあったが、まずは何でも挑戦することが大事との思いから、僕としてクマール君の参加を後押しすることにした。

クマール画伯当の本人は参加できる事をとても喜び、毎日、一生懸命練習を重ねている。元々、勉強も良く出来、人一倍、負けず嫌いな性格のクマール君だけに、思わぬ良い結果を出してくれるのではと、内心、期待をしている。普段、学校一ヤンチャなクマール君が真剣な表情で絵を練習する姿や、色塗り大丈夫かなぁ〜と、心配する姿を見ていると、参加を通して彼なりに成長していることを実感する。

10日(金)に開催される予選会には、ぜひ応援に駆けつけたい。クマール君の絵が選ばれ、日本の皆さんに見ていただける日が来ることを願っている。がんばれ、クマール君!!






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2006年11月03日

環境教育

11月3日(金)

ネイチャークラブ今日はラリットプール市が子供たちの環境教育のために行っているネイチャー・クラブのミーティングに招待され、サダナさん達と共にケナフ活動について話をした。

ネイチャー・クラブは主としてラリットプール市の公立学校の子供たちへの環境教育を目的に設立され、現在まで市内の5校で正式な活動が始まっているようだが、実はこれまで20校ちかくの公立校でオリエンテーションを行ったものの、活動に興味を示した学校は5校しかなかったという。

ネパールでは10年生を卒業するとSLCと呼ばれる全国統一卒業認定試験を受けることになっている。SLCの結果はそのまま学校の評価にも繋がるため、学校側が環境教育などの課外活動よりも勉強に力を注ぐことや、公立学校特有の『怠け』も学校側が環境活動に興味を示さない理由のようだ。『子供たちの勉強の邪魔になる』と言われたり、学校長に面会を拒絶されたり、散々な思いをしたとスタッフの一人が嘆いていた。まだまだネパールでは環境に対する意識は低く、環境教育は社会に受け入れられていないのが現状だと思う。ネイチャークラブの皆さんのせっかくの熱意も、これでは台無しだ。

僕たちが進めているケナフ活動も、3年前にはやはり同じような状況だった。活動を勧めるため学校を訪ねても相手にされず、なんでそんな活動をしているのかと、首を傾げられた事も何度かあった。それでも地道な活動を続ける中で、子供たちからケナフを求める声が高まり、学校側も自然と活動に協力してくれるようになった。

今思えば、あれをするな、これをするな、というような環境教育に有り勝ちな、押し付けがましい話を一切せず、子供たちにケナフの魅力を話し続けたことが、子供たちの夢を膨らませ、現在の良い結果に繋がったように思う。ケケナフ活動にかかわる中で、子供たち自らが環境問題について真剣に考えはじめ、環境を守ろうと様々な活動を起こすようになった事は、本当に大きな収穫だった。

これからネイチャー・クラブの活動の中でもケナフを取り入れることになった。まずは出来ることから始め、協力して有意義な活動へと発展させたい。


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2006年11月02日

寺子屋

11月2日(木)

寺子屋先日、久しぶりに隻手薬師寺子屋を訪ねた。隻手薬師寺子屋も開校から2年を迎えようとしている。この2年間、子供たちの様々な成長を見ることが出来たが、一番の変化はやはり子供たちの表情ではないかと思う。底抜けに明るい笑顔から子供たちの充実感が伝わってくる。

子供たちに一人ひとりに寺子屋の感想を尋ねたが、どの子からも『楽しい』という答えが返ってきた。子供たちが『楽しい』と思える環境を作れたことは、開設に携わった者として本当に嬉しい。これもシャム先生や妹のサミタさん、そしてヤッギャ先生の努力の成果だ。

伝言寺子屋では子供たちと『伝言ゲーム』をして、楽しい時間を過ごすことが出来た。単純な遊びも子供たちの手にかかれば、時間を忘れるほど楽しくなるのは何故だろう。すっかり童心に戻り、子供たちと有意義な時間を過ごすことが出来た。

これからも子供たちの成長をしっかり見つめていきたい。




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2006年11月01日

自立への道

11月1日(水)

雛先日からヒマラヤ小学校にニワトリとヤギが仲間入りした昨年から続けている栄養摂取プログラムをより意義ある活動として定着させるため、子供たち自らが飼育・収穫を行なうことで、子供たちの自立意識の高揚を図ることにした。ヤギやニワトリは普段から生活の一部として慣れ親しんでいる子供たちだが、学校のヤギやニワトリは特別なのか、毎日、草を集めてくれたり、餌を探して来てくれたりと、新しい仲間をとても可愛がってくれている。まずは抵抗なく始まって一安心。

家畜子供たちと学校の自立は、ヒマラヤ小学校の開校以来、掲げてきた一番大きな目標であり、何としても実現して、支援のモデルケースを構築することが僕たちの夢でもある。一つひとつの活動に意義を持たせ、はっきりとした努力目標を定めていけば、一歩ずつでも実現に近づくことが出来ると信じている。

ネパールでは残念ながら、支援が『当たり前』となってしまっているケースをよく目にする。僕自身、訪ねた村々で現地の人々から異常な期待を受け、困惑した経験が何度かある。いろんな理由があると思うが、僕たち支援する側の責任も大きいと認識している。親ネ的な発想だけでの支援活動は、どうしても現地の人々の『当たり前』意識を生み、自立意識の低下を招いてしまうのだと思う。

意義ある活動を目指すには、現地をしっかり理解すること、そして人々の意識を変えることが不可欠だ。現地の人々、とりわけ未来を担う子供たちへ自助努力の意識を根付かせるためには何が必要なのか、様々な活動を実行するなかでしっかり学んでいきたい。



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