2006年09月
2006年09月21日
写真展
9月21日(木)
今日からネパール・ロータリークラブ中央の30歳以下の若いメンバーで構成されたロートラクト主催で『戦争と平和』と題した写真展が開催された。写真展の中では広島・長崎の原爆の資料も展示され、見学者の大きな評判となっていた。今回の写真展には今年からヒマラヤ青少年育英会とケナフ活動をお手伝い頂いているフォトグラファー・門谷優さんの写真も出展されている。
優さんの写真は、反政府ゲリラの仕掛けた爆弾で失明し、ヒマラヤ青少年育英会の『こども医療基金』から体内に残る爆弾破片の摘出手術を行ったスニールの日常を追ったもの。スニールがもがき苦しみながらも、未来に向って一歩ずつ努力する姿に、見学者から大きな評価の声が聞こえてきた。ぜひ展示会を通して、一人でも多くの人にスニール達の存在を知って欲しいと願っている。
『戦争と平和』展はNepal Art Council にて9月23日午後5時まで。
今日からネパール・ロータリークラブ中央の30歳以下の若いメンバーで構成されたロートラクト主催で『戦争と平和』と題した写真展が開催された。写真展の中では広島・長崎の原爆の資料も展示され、見学者の大きな評判となっていた。今回の写真展には今年からヒマラヤ青少年育英会とケナフ活動をお手伝い頂いているフォトグラファー・門谷優さんの写真も出展されている。
優さんの写真は、反政府ゲリラの仕掛けた爆弾で失明し、ヒマラヤ青少年育英会の『こども医療基金』から体内に残る爆弾破片の摘出手術を行ったスニールの日常を追ったもの。スニールがもがき苦しみながらも、未来に向って一歩ずつ努力する姿に、見学者から大きな評価の声が聞こえてきた。ぜひ展示会を通して、一人でも多くの人にスニール達の存在を知って欲しいと願っている。
『戦争と平和』展はNepal Art Council にて9月23日午後5時まで。
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2006年09月20日
会議3日目。『自立』とは?
9月20日(水)
今日はカトマンズ会議の最終日。本当に実り多い3日間だった。宣言書も満場一致で採決され、今後の更なるネットワーク化が期待される。
今回の会議で一番大きなテーマとなったのは『自立』だった。正直、『自立とは何か?』との質問には、思わず言葉に詰まってしまった。僕たちが今、目指しているものも『自立』だ。子ども達の経済的な自立と、その先にある卒業生によるヒマラヤ小学校の自主運営。開校以来、『自立』という言葉を使い続けているが、実際、何がどうなれば『自立』といえるのか、今まで考えたことがなかった。
人それぞれ異なった意見があると思うが、ネパール、特にヒマラヤ小学校を見る限り『自立』とは、『貧困によって生じる様々な問題を、自助努力によって解決できた状態』ではないかと思う。貧困による様々な問題、例えば児童労働、就学、識字、人身売買、また保健・衛生の問題。これらの問題をネパールの人々の自助努力によって乗り越える事が自立であり、実現できるように必要最低限の支援と協力をすることが自立支援活動だと思う。
自助努力によって自立を目指す上で基礎となるのは、やはり『教育』ではないだろうか。まだまだ自分自身の中で正確な答えを出せずにいるが、今後もしっかりとこの問いに向き合っていかなければならないと思う。いろいろと考えさせられる3日間だった。
今日はカトマンズ会議の最終日。本当に実り多い3日間だった。宣言書も満場一致で採決され、今後の更なるネットワーク化が期待される。
今回の会議で一番大きなテーマとなったのは『自立』だった。正直、『自立とは何か?』との質問には、思わず言葉に詰まってしまった。僕たちが今、目指しているものも『自立』だ。子ども達の経済的な自立と、その先にある卒業生によるヒマラヤ小学校の自主運営。開校以来、『自立』という言葉を使い続けているが、実際、何がどうなれば『自立』といえるのか、今まで考えたことがなかった。
人それぞれ異なった意見があると思うが、ネパール、特にヒマラヤ小学校を見る限り『自立』とは、『貧困によって生じる様々な問題を、自助努力によって解決できた状態』ではないかと思う。貧困による様々な問題、例えば児童労働、就学、識字、人身売買、また保健・衛生の問題。これらの問題をネパールの人々の自助努力によって乗り越える事が自立であり、実現できるように必要最低限の支援と協力をすることが自立支援活動だと思う。
自助努力によって自立を目指す上で基礎となるのは、やはり『教育』ではないだろうか。まだまだ自分自身の中で正確な答えを出せずにいるが、今後もしっかりとこの問いに向き合っていかなければならないと思う。いろいろと考えさせられる3日間だった。
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2006年09月19日
カトマンズ会議2日目。ケナフ蜂蜜の完成
9月19日(火)
今日は環境・教育・医療などの分野に分かれ、地元NGOの活動の視察が行われた。僕たちはカトマンズを中心に環境活動に取り組んでいるNEPSEMACという団体を訪ねる事になった。NEPSEMACはカトマンズ盆地内の各家庭から出るゴミを集め、そのゴミから肥料作りを行っている団体だ。またパタン市内にある動物園でも動物の糞から肥料を作るなど、とてもユニークで積極的な活動を行っている。メンバーの熱意や努力には感心し頷ける点も非常に多かったのだが、意見交換中に出た釜野先生の質問から、彼らが肥料つくりのためにEM菌を大量に使用している事が分かった。
メンバーの誰一人としてEM菌についての正確な知識を持っておらず、メンバーからは『ネパールを訪れた日本人がEM菌は便利で良いといったから』などと、言い訳のような発言が目立ったのは少し残念だった。EM菌は日本でも一時、流行のように使われていたが、今では以前ほど使われていないように思う。EM菌が悪いというわけではないが、しっかりとした知識を持たず、闇雲に使用する事に問題があると思う。
ネパールでEM菌の使用を推奨した団体(個人)が、きちんとした情報を使用者に提供せず説明責任を果たさなかった事にも大きな非があると思うが、先進国の人間が言った事を鵜呑みにして、EM菌を適切に使用するための勉強を怠ったNEPSEMAC側にも問題があると思う。
幸いにもNEPSEMACのメンバーはEM菌に対する釜野先生のご指摘を非常に前向きに捉え、使用を最小限に止めることや、今後は専門家の意見を聞きながら活動を進めることなどで話は纏まった。どんな団体、個人でも間違いや失敗はある。大事な事は決して自分たちが正しいと思わず、常に改善の余地があると考え、勉強を重ねることだと思う。今回、大勢の人たちに活動を見て貰う事で、NEPSEMACの人達にとっても大きな収穫になった事と思う。他の団体を見ること、そして見て貰う事、このした取り組みが必ずNGO活動の発展に繋がると思う。僕達もぜひスターディツアーやモニタリングを開催して、大勢の方の意見を積極的に取り入れていきたいと思う。
NGO団体の視察を終えた後、先日ヒマラヤ小学校に設置した養蜂箱を開け、蜂蜜を収穫することになった。会議のためにネパールをご訪問中の釜野先生に養蜂を見て頂くことや、蜂蜜を試食して頂くことで今後の活動に対するご指導を頂ければと思い、会議を抜け出してヒマラヤ小学校を訪ねた。
朝、モンゴル先生に連絡を入れ、一滴でも多く蜂蜜を収穫するようお願いしていたが、学校に到着すると、正に採れたばかりの蜂蜜が瓶の中に詰められていた。蜂蜜を濾す装置を購入していないため、今回はハンカチで蜂蜜を濾した事などから見た目こそ悪いものの、世界で初めてとなるケナフ蜂蜜が完成した。
念願の蜂蜜の収穫が実現できた事で、養蜂活動の大きな第一歩を踏み出すことが出来たと思う。もしかしたら将来、養蜂家を目指す卒業生も出てくるかもしれない。ケナフを栽培する子、パルプを作る子、紙漉きをする子、畑の傍で養蜂をする子、卒業生が協力して自立の道を歩んでくれれば、これ以上の話はない。そんな夢を描きつつ、ぜひこの活動広げていきたいと思う。
世界初!!ケナフ蜂蜜
今日は環境・教育・医療などの分野に分かれ、地元NGOの活動の視察が行われた。僕たちはカトマンズを中心に環境活動に取り組んでいるNEPSEMACという団体を訪ねる事になった。NEPSEMACはカトマンズ盆地内の各家庭から出るゴミを集め、そのゴミから肥料作りを行っている団体だ。またパタン市内にある動物園でも動物の糞から肥料を作るなど、とてもユニークで積極的な活動を行っている。メンバーの熱意や努力には感心し頷ける点も非常に多かったのだが、意見交換中に出た釜野先生の質問から、彼らが肥料つくりのためにEM菌を大量に使用している事が分かった。
メンバーの誰一人としてEM菌についての正確な知識を持っておらず、メンバーからは『ネパールを訪れた日本人がEM菌は便利で良いといったから』などと、言い訳のような発言が目立ったのは少し残念だった。EM菌は日本でも一時、流行のように使われていたが、今では以前ほど使われていないように思う。EM菌が悪いというわけではないが、しっかりとした知識を持たず、闇雲に使用する事に問題があると思う。
ネパールでEM菌の使用を推奨した団体(個人)が、きちんとした情報を使用者に提供せず説明責任を果たさなかった事にも大きな非があると思うが、先進国の人間が言った事を鵜呑みにして、EM菌を適切に使用するための勉強を怠ったNEPSEMAC側にも問題があると思う。
幸いにもNEPSEMACのメンバーはEM菌に対する釜野先生のご指摘を非常に前向きに捉え、使用を最小限に止めることや、今後は専門家の意見を聞きながら活動を進めることなどで話は纏まった。どんな団体、個人でも間違いや失敗はある。大事な事は決して自分たちが正しいと思わず、常に改善の余地があると考え、勉強を重ねることだと思う。今回、大勢の人たちに活動を見て貰う事で、NEPSEMACの人達にとっても大きな収穫になった事と思う。他の団体を見ること、そして見て貰う事、このした取り組みが必ずNGO活動の発展に繋がると思う。僕達もぜひスターディツアーやモニタリングを開催して、大勢の方の意見を積極的に取り入れていきたいと思う。
NGO団体の視察を終えた後、先日ヒマラヤ小学校に設置した養蜂箱を開け、蜂蜜を収穫することになった。会議のためにネパールをご訪問中の釜野先生に養蜂を見て頂くことや、蜂蜜を試食して頂くことで今後の活動に対するご指導を頂ければと思い、会議を抜け出してヒマラヤ小学校を訪ねた。
朝、モンゴル先生に連絡を入れ、一滴でも多く蜂蜜を収穫するようお願いしていたが、学校に到着すると、正に採れたばかりの蜂蜜が瓶の中に詰められていた。蜂蜜を濾す装置を購入していないため、今回はハンカチで蜂蜜を濾した事などから見た目こそ悪いものの、世界で初めてとなるケナフ蜂蜜が完成した。
念願の蜂蜜の収穫が実現できた事で、養蜂活動の大きな第一歩を踏み出すことが出来たと思う。もしかしたら将来、養蜂家を目指す卒業生も出てくるかもしれない。ケナフを栽培する子、パルプを作る子、紙漉きをする子、畑の傍で養蜂をする子、卒業生が協力して自立の道を歩んでくれれば、これ以上の話はない。そんな夢を描きつつ、ぜひこの活動広げていきたいと思う。
世界初!!ケナフ蜂蜜
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2006年09月18日
カトマンズ会議
9月18日(月)
今日から第4回NGOカトマンズ会議が始まった。(9月18日〜20日まで)カトマンズ会議はネパールで活動する日本のNGOグループ『日本NGOネットワーク(4N)』が主催して、2年に1度開催されている。今年は『相互理解、自立と共生を目指して』と題して、カトマンズ市内のホテルで開催された。
4Nの会議に参加するのは僕にとって今回が初めて。これまで目先の活動をこなす事で必死だった事や、また、ほんの一部のNGOではあるが、首を傾げたくなるような活動を見聞きした事もあったので、正直、他団体の活動にはほとんど関心を持つ事がなかった。
しかし今回、参加を決めたのは、僕たちの活動が丁度、過渡期を迎えていることや、ケナフを使った自立支援活動が今後、カトマンズ以外の地域にも広がっていく事が予想されるため、他のNGOとのネットワーク化の必要性を強く感じていること、そのためには他団体(特に日本の団体)の活動をしっかり理解する必要があり、また他のNGOの活動を知る事で、今後の自分たちの活動の方向性を見出したいとの思いからだ。
今回は大使館や国際開発機構はじめ、日本のNGOやネパールのカウンターパートのNGOが多数参加して、ケーススタディーなども行われるそうだ。ぜひ今回の会議から少しでも多くの事を学びたいと思う。
今日から第4回NGOカトマンズ会議が始まった。(9月18日〜20日まで)カトマンズ会議はネパールで活動する日本のNGOグループ『日本NGOネットワーク(4N)』が主催して、2年に1度開催されている。今年は『相互理解、自立と共生を目指して』と題して、カトマンズ市内のホテルで開催された。
4Nの会議に参加するのは僕にとって今回が初めて。これまで目先の活動をこなす事で必死だった事や、また、ほんの一部のNGOではあるが、首を傾げたくなるような活動を見聞きした事もあったので、正直、他団体の活動にはほとんど関心を持つ事がなかった。
しかし今回、参加を決めたのは、僕たちの活動が丁度、過渡期を迎えていることや、ケナフを使った自立支援活動が今後、カトマンズ以外の地域にも広がっていく事が予想されるため、他のNGOとのネットワーク化の必要性を強く感じていること、そのためには他団体(特に日本の団体)の活動をしっかり理解する必要があり、また他のNGOの活動を知る事で、今後の自分たちの活動の方向性を見出したいとの思いからだ。
今回は大使館や国際開発機構はじめ、日本のNGOやネパールのカウンターパートのNGOが多数参加して、ケーススタディーなども行われるそうだ。ぜひ今回の会議から少しでも多くの事を学びたいと思う。
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2006年09月17日
若い人達と共に。
9月17日(日)
今日はカトマンズ市内のプスパ・バール学校で、子ども達が栽培したケナフを使いパルプつくりと紙漉きを行った。
プスパ学校は第2回こども環境ケナフ会議の最優秀プレゼンテーション賞を受賞し、また『ケナフ・みどりの少年団』の拠点学校として位置づけている学校だ。子ども達だけでなく、学校としてのケナフ活動への取り組みも素晴らしく、今後のケナフ活動の発展には欠かせない学校の一つだ。
子ども達の栽培したケナフは未だ花が咲いていないため、一部だけを収穫してパルプつくりを行うことになった。先月は同校でベトナムのエコ工場で作られたパルプを使っての紙漉き教室を行ったが、今回は子ども達自らが育てたケナフを使ってのパルプつくり兼紙漉きとあって、子ども達の意識も随分異なっていた。子ども達の真剣な眼差しからもケナフへの関心が非常に高いことを実感した。
夕方からロータリークラブの30歳以下の若者で構成されるロートラクトのミーティングに参加した。今日はサダナが代表してケナフ活動の経過を報告した。ロートラクトのメンバーからは、地域を良くしたいと願う気持ちがひしひしと伝わり、とても好感を持つことが出来た。若いだけに行動力もあり、また形式に囚われない柔軟性もある。ロータラクトのメンバーからもケナフ活動を協力して進めようと有り難い提案も行われた。ぜひ今後、ロートラクトの若いメンバーと一緒に活動を進めていきたいと思う。心強い仲間が増えたことがとても嬉しい。
夜は新聞社2社による釜野先生へのインタビューが行われた。新聞記者の方の様々な質問に対し、理論を交えながら丁寧に答える釜野先生を見ていると、15年間の基礎研究を通じて積み重ねてこられた実績と自信、そして何よりもケナフに対する思いを強く感じた。ぜひネパール社会で釜野先生の基礎研究の成果が活かせるよう全力で頑張りたい。
今日はカトマンズ市内のプスパ・バール学校で、子ども達が栽培したケナフを使いパルプつくりと紙漉きを行った。
プスパ学校は第2回こども環境ケナフ会議の最優秀プレゼンテーション賞を受賞し、また『ケナフ・みどりの少年団』の拠点学校として位置づけている学校だ。子ども達だけでなく、学校としてのケナフ活動への取り組みも素晴らしく、今後のケナフ活動の発展には欠かせない学校の一つだ。
子ども達の栽培したケナフは未だ花が咲いていないため、一部だけを収穫してパルプつくりを行うことになった。先月は同校でベトナムのエコ工場で作られたパルプを使っての紙漉き教室を行ったが、今回は子ども達自らが育てたケナフを使ってのパルプつくり兼紙漉きとあって、子ども達の意識も随分異なっていた。子ども達の真剣な眼差しからもケナフへの関心が非常に高いことを実感した。
夕方からロータリークラブの30歳以下の若者で構成されるロートラクトのミーティングに参加した。今日はサダナが代表してケナフ活動の経過を報告した。ロートラクトのメンバーからは、地域を良くしたいと願う気持ちがひしひしと伝わり、とても好感を持つことが出来た。若いだけに行動力もあり、また形式に囚われない柔軟性もある。ロータラクトのメンバーからもケナフ活動を協力して進めようと有り難い提案も行われた。ぜひ今後、ロートラクトの若いメンバーと一緒に活動を進めていきたいと思う。心強い仲間が増えたことがとても嬉しい。
夜は新聞社2社による釜野先生へのインタビューが行われた。新聞記者の方の様々な質問に対し、理論を交えながら丁寧に答える釜野先生を見ていると、15年間の基礎研究を通じて積み重ねてこられた実績と自信、そして何よりもケナフに対する思いを強く感じた。ぜひネパール社会で釜野先生の基礎研究の成果が活かせるよう全力で頑張りたい。
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2006年09月16日
栄養摂取プログラム
9月16日
ヒマラヤ小学校では栄養摂取プログラムを続けているが、子ども達の喜びはもちろん、保護者や村の人々からもプログラムに対し高い評価を頂いている。一部ではあるが活動は他校にも広がっていて、実施する者として本当に嬉しく思っている。まだまだ改善の余地は多々あるが、今後ぜひ活動を定着させたいと考えている。
実はブンガマティ村にある寺子屋でも支援者の方から特別活動費として追加支援をいただいたことから、栄養摂取プログラムを始めることになった。この追加支援には、なんと日本の小学校1年生の女の子が大切なお小遣いを寄付してくれたのだ。それだけに、より意義ある活動を目指して頑張らなければという思いが強い。先月、第一回目の栄養摂取プログラムを実施したが子ども達は大喜び、中には4杯も御代わりする子までいて驚いた。
寺子屋の栄養摂取プログラムでは、障害者施設の子ども達も参加している。普段、なかなか交流のない障害児と寺子屋の子ども達。障害児と健常児という交流も大事だが、同じように苦しみを抱える者
同士の交流は、お互いに得るものが多いのではないかと思う。これは寺子屋の担当教師であるサンギャさんの提案だったが、若い人の斬新なアイデアからは学ぶべき点が非常に多い。
昨日は2回目の栄養摂取プログラムを実施した。みんな心待ちにしていただけに、本当に嬉しそうだった。今回は時間の都合で障害児施設の子ども達が参加できなかった事と、ダサイン前ということで、労働に従事している一部の子ども達がプログラムに参加できなかった事が残念だった。
これからこの活動をしっかりと根付かせるためには、勉強を重ねていかなければいけない。今は子ども達が、美味しいと喜ぶだけで満足しているところがあるが、限られた予算の中で出来る限り栄養価を高める努力をしていきたいと思う。
今日は18日から始まるNGOカトマンズ会議に参加されるため、日本ケナフ開発機構の釜野先生がネパールに到着された。今回の会議はネパールで活動する日本のNGOと日本と関わりがあるネパール側のNGOが集まって、『相互理解、自立と共生を目指して』と題して開催される。日本大使館やジャイカの参加や各NGOの現地視察なども予定されているので、非常に意義深いものになると期待している。
私たち日本ケナフ開発機構ネパール支部とKDNも、ささやかではあるが着実に目的に向って事業を進めることが出来ていると確信しているし、他の団体と協力できるだけの実力を少しずつ付けて来たようにも感じている。ぜひ他の団体の方にケナフ活動を知っていただき、今後、協力して様々な活動を進められたらと願っている。この会議を大きな学びの収穫にしたい。
ヒマラヤ小学校では栄養摂取プログラムを続けているが、子ども達の喜びはもちろん、保護者や村の人々からもプログラムに対し高い評価を頂いている。一部ではあるが活動は他校にも広がっていて、実施する者として本当に嬉しく思っている。まだまだ改善の余地は多々あるが、今後ぜひ活動を定着させたいと考えている。
実はブンガマティ村にある寺子屋でも支援者の方から特別活動費として追加支援をいただいたことから、栄養摂取プログラムを始めることになった。この追加支援には、なんと日本の小学校1年生の女の子が大切なお小遣いを寄付してくれたのだ。それだけに、より意義ある活動を目指して頑張らなければという思いが強い。先月、第一回目の栄養摂取プログラムを実施したが子ども達は大喜び、中には4杯も御代わりする子までいて驚いた。
寺子屋の栄養摂取プログラムでは、障害者施設の子ども達も参加している。普段、なかなか交流のない障害児と寺子屋の子ども達。障害児と健常児という交流も大事だが、同じように苦しみを抱える者
同士の交流は、お互いに得るものが多いのではないかと思う。これは寺子屋の担当教師であるサンギャさんの提案だったが、若い人の斬新なアイデアからは学ぶべき点が非常に多い。
昨日は2回目の栄養摂取プログラムを実施した。みんな心待ちにしていただけに、本当に嬉しそうだった。今回は時間の都合で障害児施設の子ども達が参加できなかった事と、ダサイン前ということで、労働に従事している一部の子ども達がプログラムに参加できなかった事が残念だった。
これからこの活動をしっかりと根付かせるためには、勉強を重ねていかなければいけない。今は子ども達が、美味しいと喜ぶだけで満足しているところがあるが、限られた予算の中で出来る限り栄養価を高める努力をしていきたいと思う。
今日は18日から始まるNGOカトマンズ会議に参加されるため、日本ケナフ開発機構の釜野先生がネパールに到着された。今回の会議はネパールで活動する日本のNGOと日本と関わりがあるネパール側のNGOが集まって、『相互理解、自立と共生を目指して』と題して開催される。日本大使館やジャイカの参加や各NGOの現地視察なども予定されているので、非常に意義深いものになると期待している。
私たち日本ケナフ開発機構ネパール支部とKDNも、ささやかではあるが着実に目的に向って事業を進めることが出来ていると確信しているし、他の団体と協力できるだけの実力を少しずつ付けて来たようにも感じている。ぜひ他の団体の方にケナフ活動を知っていただき、今後、協力して様々な活動を進められたらと願っている。この会議を大きな学びの収穫にしたい。
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2006年09月15日
孤児院
9月15日(金)
今日から『子どもの日』の行事の一環で、カトマンズ市内にあるスミさんやヒマラヤ小学校教員のムヌさんが育った孤児院でイベントが行われた。イベントの前、孤児院の中をスミさんの友人らと周った。依然として孤児の数は増え続けているようで、生まれたばかりの子ども達も沢山収容されている現状を目にするとやはり胸が痛む。
日本のNGOの支援事業で、施設の子ども達が編んだセーターを販売して、孤児の自立を支援する活動が行われているが、展示所の中にスミさんやムヌさん、其の他にも孤児院で知り合った多くの子ども達が一生懸命編んだセーターが展示・販売されていたので、僕もひとつ購入させてもらった。なかなか上手く出来たセーターなので、ぜひ大勢の人にスミさん達が一生懸命編んだセーターを買ってほしいと思う。
今日は支援者の方から暖かい善意を頂き、ヒマラヤ小学校の全児童にノートを配った。ヒマラヤ小学校の活動をを理解いただく方が、たとえ少しずつでも着実に増えていることが、僕達にとって一番嬉しいことだ。
今日から『子どもの日』の行事の一環で、カトマンズ市内にあるスミさんやヒマラヤ小学校教員のムヌさんが育った孤児院でイベントが行われた。イベントの前、孤児院の中をスミさんの友人らと周った。依然として孤児の数は増え続けているようで、生まれたばかりの子ども達も沢山収容されている現状を目にするとやはり胸が痛む。
日本のNGOの支援事業で、施設の子ども達が編んだセーターを販売して、孤児の自立を支援する活動が行われているが、展示所の中にスミさんやムヌさん、其の他にも孤児院で知り合った多くの子ども達が一生懸命編んだセーターが展示・販売されていたので、僕もひとつ購入させてもらった。なかなか上手く出来たセーターなので、ぜひ大勢の人にスミさん達が一生懸命編んだセーターを買ってほしいと思う。
今日は支援者の方から暖かい善意を頂き、ヒマラヤ小学校の全児童にノートを配った。ヒマラヤ小学校の活動をを理解いただく方が、たとえ少しずつでも着実に増えていることが、僕達にとって一番嬉しいことだ。
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2006年09月14日
人身売買
9月14日(木)
ネパールでは毎年1万人近くの少女が、隣国へ人身売買されていると報告されている。息子を学校へ行かせるために娘を売る親がいたり、家族の治療費を賄うため、または弟達に教育を受けさせるために売られていく少女がいる。中には自分の物欲を満たすためだけに娘や妹を売り飛ばす輩もいる。何れにしてもブローカーが、教育を受けていない文盲の親達を騙し、少女を人身売買する例が多いようだ。
ヒマラヤ小学校でも2年前、2人の児童が兄弟に人身売買される悲しい事件が起こった。突然の出来事に唖然としたが、知人から村では良くある話だと聞いて、なお驚いたことを鮮明に覚えている。いたいけな子ども達の未来を踏みにじる行為に強い憤りを感じるが、それがネパールの村で起きている現実である事、そしてそのような悲しい出来事をなくすためにこそ、『教育』があるのだと教えられた。ブンガマティのような首都に近い村でも起こるのだから、僻地ではもっと起こっているのだと思う。
ネパールの農村部では今も幼児結婚の習慣が残っている。12~13歳という年齢で娘を結婚させる例が多いようだ。ヒマラヤ小学校に通う児童の保護者には、20歳以下の若い母親が多い現状を見ればブンガマティ村も決してその例外ではない。
先日、ある児童の母親がインドの国境で、人身売買防止に取り組んでいるNGO団体に保護された。どうもブローカーに騙され、他の女性たち5名と共に村を出たようだ。ブローカーからはドバイで1年間、工場で仕事をすれば、ネパールの何十倍ものお金を稼ぐことが出来ると言われ、すっかりその気になったそうだ。ブローカーからは、インドを経由してドバイに行くと言われ、誰一人、疑っていなかった様子だ。
幸いにも国境付近で人身売買の防止に取り組んでいるNGOに保護され村に帰ることが出来たが、もしも保護されなかったらどんな結果になっていたか、考えただけでも恐ろしくなる。その児童の母親も未だ21歳と若く、教育を一度も受けたことがない文盲だ。夫も教育を受けていないためブローカーの巧みな言葉に簡単に騙され、ドバイ行きを大賛成したという。
今回の問題から子ども達だけでなく、教育を受けていない親も常に危険に晒されている事を痛感した。学校としてこの問題に対して何が出来るのだろうか。学校として子ども達だけでなく文盲の母親たちへも何か出来ないか、しっかり検討し実行しなければならないと思う。それが出来てこそ、『社会に貢献できる学校』と、胸を張れるのではないだろうか。
ネパールでは毎年1万人近くの少女が、隣国へ人身売買されていると報告されている。息子を学校へ行かせるために娘を売る親がいたり、家族の治療費を賄うため、または弟達に教育を受けさせるために売られていく少女がいる。中には自分の物欲を満たすためだけに娘や妹を売り飛ばす輩もいる。何れにしてもブローカーが、教育を受けていない文盲の親達を騙し、少女を人身売買する例が多いようだ。
ヒマラヤ小学校でも2年前、2人の児童が兄弟に人身売買される悲しい事件が起こった。突然の出来事に唖然としたが、知人から村では良くある話だと聞いて、なお驚いたことを鮮明に覚えている。いたいけな子ども達の未来を踏みにじる行為に強い憤りを感じるが、それがネパールの村で起きている現実である事、そしてそのような悲しい出来事をなくすためにこそ、『教育』があるのだと教えられた。ブンガマティのような首都に近い村でも起こるのだから、僻地ではもっと起こっているのだと思う。
ネパールの農村部では今も幼児結婚の習慣が残っている。12~13歳という年齢で娘を結婚させる例が多いようだ。ヒマラヤ小学校に通う児童の保護者には、20歳以下の若い母親が多い現状を見ればブンガマティ村も決してその例外ではない。
先日、ある児童の母親がインドの国境で、人身売買防止に取り組んでいるNGO団体に保護された。どうもブローカーに騙され、他の女性たち5名と共に村を出たようだ。ブローカーからはドバイで1年間、工場で仕事をすれば、ネパールの何十倍ものお金を稼ぐことが出来ると言われ、すっかりその気になったそうだ。ブローカーからは、インドを経由してドバイに行くと言われ、誰一人、疑っていなかった様子だ。
幸いにも国境付近で人身売買の防止に取り組んでいるNGOに保護され村に帰ることが出来たが、もしも保護されなかったらどんな結果になっていたか、考えただけでも恐ろしくなる。その児童の母親も未だ21歳と若く、教育を一度も受けたことがない文盲だ。夫も教育を受けていないためブローカーの巧みな言葉に簡単に騙され、ドバイ行きを大賛成したという。
今回の問題から子ども達だけでなく、教育を受けていない親も常に危険に晒されている事を痛感した。学校としてこの問題に対して何が出来るのだろうか。学校として子ども達だけでなく文盲の母親たちへも何か出来ないか、しっかり検討し実行しなければならないと思う。それが出来てこそ、『社会に貢献できる学校』と、胸を張れるのではないだろうか。
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2006年09月12日
ダサイン祭り
9月12日(火)
ネパールでは最大のお祭りダサインを目前に控え、町がざわついている。日本で言う年の瀬のような状態だ。ヒマラヤ小学校でも期末試験が終わったことに加え、子ども達が一年で一番楽しみにしているダサイン祭りの前という事で、何となく子ども達もそわそわしている。子ども達はどんな思いで今年のダサインを迎えるのだろうか?ぜひ楽しいダサインを迎えてほしい。
今日はフレンドシップネパールの皆さんから、新入生全員へセーターがプレゼントされた。今日の日を楽しみにしていた新入生は、新しいセーターをとても喜んでいた。これから朝夕の冷えが厳しくなる季節。冬が来る前にセーターを配る事が出来て、まずは一安心。
時々、支援者の方から制服支援は必要ないのではないか?との疑問の声を聞く事がある。確かに制服がなくても勉強をする事は出来るのだが、制服が果たす役割というのは実はとても大きい。貧しい子ども達にとって制服は憧れでもあり、制服を着ることで子供達は『学校で勉強している』という意識を強く持つことが出来る。時には『制服をくれるから』という理由で、子どもを学校へ行かせる親もいるし、学校が集団行動の場所である以上、協調性や子ども達の士気を高めるためにも制服は欠かせない。
日本とネパールの文化・習慣の違いはどうしても避けられない現実だが、支援者の方にしっかりとネパールの現状を説明し、理解していただく事がとても大事だと思う。制服ひとつにしても、それが果たす役割や必要性をきちんと理解していただく様、今後の活動の中で心がけていきたい。
今日は支援者の方からご寄贈いただいた教材を使って授業を行った。やはり教材があると授業も必然と楽しくなる。子ども達の反応が良いと先生達も何時も以上にやる気が出てくるはずだ。子ども達が新しい教材に驚き目を輝かせている姿を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
ネパールでは最大のお祭りダサインを目前に控え、町がざわついている。日本で言う年の瀬のような状態だ。ヒマラヤ小学校でも期末試験が終わったことに加え、子ども達が一年で一番楽しみにしているダサイン祭りの前という事で、何となく子ども達もそわそわしている。子ども達はどんな思いで今年のダサインを迎えるのだろうか?ぜひ楽しいダサインを迎えてほしい。
今日はフレンドシップネパールの皆さんから、新入生全員へセーターがプレゼントされた。今日の日を楽しみにしていた新入生は、新しいセーターをとても喜んでいた。これから朝夕の冷えが厳しくなる季節。冬が来る前にセーターを配る事が出来て、まずは一安心。
時々、支援者の方から制服支援は必要ないのではないか?との疑問の声を聞く事がある。確かに制服がなくても勉強をする事は出来るのだが、制服が果たす役割というのは実はとても大きい。貧しい子ども達にとって制服は憧れでもあり、制服を着ることで子供達は『学校で勉強している』という意識を強く持つことが出来る。時には『制服をくれるから』という理由で、子どもを学校へ行かせる親もいるし、学校が集団行動の場所である以上、協調性や子ども達の士気を高めるためにも制服は欠かせない。
日本とネパールの文化・習慣の違いはどうしても避けられない現実だが、支援者の方にしっかりとネパールの現状を説明し、理解していただく事がとても大事だと思う。制服ひとつにしても、それが果たす役割や必要性をきちんと理解していただく様、今後の活動の中で心がけていきたい。
今日は支援者の方からご寄贈いただいた教材を使って授業を行った。やはり教材があると授業も必然と楽しくなる。子ども達の反応が良いと先生達も何時も以上にやる気が出てくるはずだ。子ども達が新しい教材に驚き目を輝かせている姿を見ていると、こちらまで嬉しくなってくる。
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2006年09月10日
清掃活動
9月10日(日)
今日からヒマラヤ小学校で昼休みの後の清掃が始まった。先日(8月30日付『積極的な活動』)の記事でも書いたが、支援者の方から学校の清掃状況についてご指摘を受けた事が切欠となり、子ども達と教職員が一緒になって教室や校庭の清掃をする事になった。
日本では子ども達自身による学校の清掃は多分当たり前の事だと思うが、(少なくとも僕が高校生までは学校の掃除をしていた。)ネパールで学生自身による学校の清掃など今まで一度も聞いたことがない。良い意味でも悪い意味でも、伝統的なカースト制度が関係しているのだと思う。
今回、その伝統や習慣を越えての活動だけに心配もあったが、ヤッギャ校長の尽力により早期に活動を始めることが出来た。支援者の方のご指摘や気持ちをきちんと受け止め、常により良い学校つくりを目指して取り組むヤッギャ校長の誠実さと行動力には頭が下がる思いだ。今日は学校にある2本の箒を皆で使い廻して学校を清掃した。今後、各クラスに清掃道具を整備して、継続的な活動としてヒマラヤ小学校に定着させたいと思う。
『子ども達の顔や体が汚れているときには、先生達が子ども達を綺麗にすべきだ。』とのご指摘については、まだ水問題が大きなネックとなっている。ヒマラヤ小学校の裏にある井戸は既に枯渇している状態だ。子ども達の飲み水は毎日、子供達と用務員のハリさんがモンゴル先生の家からバケツに入れて運んでいる。児童数も増え、また水を飲む機会の増える夏には、一日何回もモンゴル先生の家から水を汲んでこなければならない。こんな状態なので子ども達の体を洗うシラミ退治や、栄養摂取プログラムにも大きな影響が出ている。
ヒマラヤ小学校に水道を引くには高額の費用が必要だ。今の学校の運営状況では、とてもこの費用を負担することは不可能だ。暫くは我慢の毎日が続くと思う。出来るだけ早い時期に郡の開発局やネパール国内のロータリークラブ等に水道整備の助成について申請をしてみたいと思う。
支援者の方をはじめ外部の意見にいつも耳を傾けながら、常に戒真の要有りと考えることが、良い活動を目指す上でとても重要な事だと思う。
今日からヒマラヤ小学校で昼休みの後の清掃が始まった。先日(8月30日付『積極的な活動』)の記事でも書いたが、支援者の方から学校の清掃状況についてご指摘を受けた事が切欠となり、子ども達と教職員が一緒になって教室や校庭の清掃をする事になった。
日本では子ども達自身による学校の清掃は多分当たり前の事だと思うが、(少なくとも僕が高校生までは学校の掃除をしていた。)ネパールで学生自身による学校の清掃など今まで一度も聞いたことがない。良い意味でも悪い意味でも、伝統的なカースト制度が関係しているのだと思う。
今回、その伝統や習慣を越えての活動だけに心配もあったが、ヤッギャ校長の尽力により早期に活動を始めることが出来た。支援者の方のご指摘や気持ちをきちんと受け止め、常により良い学校つくりを目指して取り組むヤッギャ校長の誠実さと行動力には頭が下がる思いだ。今日は学校にある2本の箒を皆で使い廻して学校を清掃した。今後、各クラスに清掃道具を整備して、継続的な活動としてヒマラヤ小学校に定着させたいと思う。
『子ども達の顔や体が汚れているときには、先生達が子ども達を綺麗にすべきだ。』とのご指摘については、まだ水問題が大きなネックとなっている。ヒマラヤ小学校の裏にある井戸は既に枯渇している状態だ。子ども達の飲み水は毎日、子供達と用務員のハリさんがモンゴル先生の家からバケツに入れて運んでいる。児童数も増え、また水を飲む機会の増える夏には、一日何回もモンゴル先生の家から水を汲んでこなければならない。こんな状態なので子ども達の体を洗うシラミ退治や、栄養摂取プログラムにも大きな影響が出ている。
ヒマラヤ小学校に水道を引くには高額の費用が必要だ。今の学校の運営状況では、とてもこの費用を負担することは不可能だ。暫くは我慢の毎日が続くと思う。出来るだけ早い時期に郡の開発局やネパール国内のロータリークラブ等に水道整備の助成について申請をしてみたいと思う。
支援者の方をはじめ外部の意見にいつも耳を傾けながら、常に戒真の要有りと考えることが、良い活動を目指す上でとても重要な事だと思う。
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2006年09月08日
西ネパール訪問
9月8日(金)
今月下旬、ディリチョール村という(ジュムラから歩いて数時間)西ネパールの小さな村を訪ね、ケナフ栽培の指導を行うことになっている。村の学校で使う紙の自給自足が今回の大きな目的だ。西ネパールの村を訪ねるのは初めてなので、現地の人々と触れあい、文化や習慣を直に見られる事をとても楽しみにしている。
8年ほど前、東ネパールのタプレジュン周辺を訪ねた時も、現地の人々の生活を直に見ることで大きな学びの収穫を得ることが出来た。8年経った今でも、現地の人々(リンブー族)との交流が続いていることは僕の大きな財産でもある。
今回の訪問では兎に角、現地調査に全力を注ぎたいと考えている。気候などの栽培条件はもちろん、現地の人々、とりわけ紙を使うであろう村の子ども達の希望(現在、どんな紙を使っているのか、将来どんな紙を使いたいのか等)をしっかり確認したい。現地をしっかり理解することが、成功の大きな鍵だと思う。
時々、現地を無視した支援活動を目にする事がある。支援する側の一方的な価値観の下に活動を進めてしまい、結局、多額の費用と労力を注いだ活動が現地に根付かず、人々の善意が無駄になってしまう例が多いようだ。
どんな支援活動でも一方的に押し付けるのではなく、現地の人々のニーズや気持ちをしっかり理解すること、その活動から生まれる効果や其の先の目標を明確に定めることが必要であると思う。支援する側の一方的な考えが、結局は『遣ってもらって当たり前』という、悲しく愚かな考えを現地の人々の心の中に作りあげているように思えてならない。
これまでのカトマンズ盆地でのケナフ活動同様、たとえ時間が掛かってもしっかり現地の人々との理解を深めながら、地域に根ざした活動へ発展させていきたいと願っている。
今日は村での活動に備え、頭を丸坊主にした。これでネズミやシラミなど感染症を起こす動物や虫が寄って来なくなるだろう。活動には自身の健康管理が何よりも重要だ。精一杯頑張りたい。
今月下旬、ディリチョール村という(ジュムラから歩いて数時間)西ネパールの小さな村を訪ね、ケナフ栽培の指導を行うことになっている。村の学校で使う紙の自給自足が今回の大きな目的だ。西ネパールの村を訪ねるのは初めてなので、現地の人々と触れあい、文化や習慣を直に見られる事をとても楽しみにしている。
8年ほど前、東ネパールのタプレジュン周辺を訪ねた時も、現地の人々の生活を直に見ることで大きな学びの収穫を得ることが出来た。8年経った今でも、現地の人々(リンブー族)との交流が続いていることは僕の大きな財産でもある。
今回の訪問では兎に角、現地調査に全力を注ぎたいと考えている。気候などの栽培条件はもちろん、現地の人々、とりわけ紙を使うであろう村の子ども達の希望(現在、どんな紙を使っているのか、将来どんな紙を使いたいのか等)をしっかり確認したい。現地をしっかり理解することが、成功の大きな鍵だと思う。
時々、現地を無視した支援活動を目にする事がある。支援する側の一方的な価値観の下に活動を進めてしまい、結局、多額の費用と労力を注いだ活動が現地に根付かず、人々の善意が無駄になってしまう例が多いようだ。
どんな支援活動でも一方的に押し付けるのではなく、現地の人々のニーズや気持ちをしっかり理解すること、その活動から生まれる効果や其の先の目標を明確に定めることが必要であると思う。支援する側の一方的な考えが、結局は『遣ってもらって当たり前』という、悲しく愚かな考えを現地の人々の心の中に作りあげているように思えてならない。
これまでのカトマンズ盆地でのケナフ活動同様、たとえ時間が掛かってもしっかり現地の人々との理解を深めながら、地域に根ざした活動へ発展させていきたいと願っている。
今日は村での活動に備え、頭を丸坊主にした。これでネズミやシラミなど感染症を起こす動物や虫が寄って来なくなるだろう。活動には自身の健康管理が何よりも重要だ。精一杯頑張りたい。
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2006年09月07日
翻訳作業
9月7日(木)
ヒマラヤ小学校のスポンサーシップ制度への参加者が増えている事もあり、ここのところ深夜まで子ども達から預かった手紙の翻訳作業に追われている。長年ネパールに住んでいるのだから翻訳なんて出来て当たり前、と思われる方も多いと思うが、翻訳はなかなか大変な作業で遣ればやるほどその難しさ、そして自分の無能さを痛感する。
大変な作業であるだけにもちろん遣り甲斐もある。翻訳を通して、学校への思いや支援者の方への感謝の気持ちなど、子ども達の内面や成長を垣間見ることが出来た時など、何ともいえない喜びを感じる。
今日は子ども達の手紙と共にビディヤ先生からも支援者の方宛の手紙を預かった。(ヒマラヤ小学校では子ども達だけでなく、ビディヤ先生も日本の支援者の方から暖かいご支援を頂いています。)早速、翻訳作業を行ったが、ビディヤ先生の子ども達への思いやりや優しさ、学校への思い、教育理念などががひしひしと伝わってきて、本当に嬉しかった。きっと支援者の方にもビディヤ先生の一生懸命な思いを理解していただけると思う。
他の団体では手紙の翻訳を専門の業者に外注しているところが多いそうだが、翻訳作業だけはどうしても自力で続けていきたいと思う。やはり子ども達の気持ちをしっかり理解することが活動の原点だであり、支援者の方と子ども達を繋ぐ役割こそが自分自身にとっての居場所だと思う。
ヒマラヤ小学校のスポンサーシップ制度への参加者が増えている事もあり、ここのところ深夜まで子ども達から預かった手紙の翻訳作業に追われている。長年ネパールに住んでいるのだから翻訳なんて出来て当たり前、と思われる方も多いと思うが、翻訳はなかなか大変な作業で遣ればやるほどその難しさ、そして自分の無能さを痛感する。
大変な作業であるだけにもちろん遣り甲斐もある。翻訳を通して、学校への思いや支援者の方への感謝の気持ちなど、子ども達の内面や成長を垣間見ることが出来た時など、何ともいえない喜びを感じる。
今日は子ども達の手紙と共にビディヤ先生からも支援者の方宛の手紙を預かった。(ヒマラヤ小学校では子ども達だけでなく、ビディヤ先生も日本の支援者の方から暖かいご支援を頂いています。)早速、翻訳作業を行ったが、ビディヤ先生の子ども達への思いやりや優しさ、学校への思い、教育理念などががひしひしと伝わってきて、本当に嬉しかった。きっと支援者の方にもビディヤ先生の一生懸命な思いを理解していただけると思う。
他の団体では手紙の翻訳を専門の業者に外注しているところが多いそうだが、翻訳作業だけはどうしても自力で続けていきたいと思う。やはり子ども達の気持ちをしっかり理解することが活動の原点だであり、支援者の方と子ども達を繋ぐ役割こそが自分自身にとっての居場所だと思う。
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2006年09月05日
養蜂はじまる。
9月5日(火)
。今日、ヒマラヤ小学校に養蜂箱が設置された。ケナフを使った自立支援活動の一環として養蜂を始めたもの。ケナフは種まきから2〜3ヶ月で鈴なりに大きな花を咲かせるが、開花と同時に蜜を求めて沢山の蜂も集まってくる。これまでケナフ活用はパルプ・紙作りを中心に検討してきたが、将来的な子ども達の自立を目指すためにはパルプや紙以外の活動もとても大切だと考えていた。丁度、日本ケナフ開発機構の釜野先生から養蜂のアドバイスを頂き、ぜひ実行してみようということになった。
もしこの活動がある程度の成果を収めれば、将来、卒業生が養蜂家として自立することも夢ではないと思う。まずは第一歩を踏みだしたケナフを使った養蜂活動。美味しい蜂蜜つくりを目指して勉強を重ねながら頑張りたい。
。今日、ヒマラヤ小学校に養蜂箱が設置された。ケナフを使った自立支援活動の一環として養蜂を始めたもの。ケナフは種まきから2〜3ヶ月で鈴なりに大きな花を咲かせるが、開花と同時に蜜を求めて沢山の蜂も集まってくる。これまでケナフ活用はパルプ・紙作りを中心に検討してきたが、将来的な子ども達の自立を目指すためにはパルプや紙以外の活動もとても大切だと考えていた。丁度、日本ケナフ開発機構の釜野先生から養蜂のアドバイスを頂き、ぜひ実行してみようということになった。
もしこの活動がある程度の成果を収めれば、将来、卒業生が養蜂家として自立することも夢ではないと思う。まずは第一歩を踏みだしたケナフを使った養蜂活動。美味しい蜂蜜つくりを目指して勉強を重ねながら頑張りたい。
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2006年09月04日
スポンサーシップ制度
9月4日(月)
週末、ヒマラヤ小学校のスポンサーシップ制度へ2件のお申し込みを頂いた。これで20名分の支援が決まったことになる。支援者50名の目標も、もしかすると決して夢ではないかもしれない。
支援者の方には失礼かもしれないが、応援してくださる方が増えるということは、子ども達の成長や学校運営の喜びや苦しみを共有して頂ける『仲間』が増えたようで、僕達にとっては何よりも嬉しいことだ。時には厳しいご指摘を受ける事もあると思うし、逆に暖かい激励を頂く事もあると思う。活動を常に観て頂ける方がいることは、僕達にとって一番の張り合いとなっているのだ。
インターネットを見て支援のお申し込みを頂いた方、他の支援者の紹介で支援を決められた方、切欠は様々だが、少しでも支援者の方のお気持ちに添えるよう、誠実に一生懸命頑張りたいと思う。
早速、支援を受ける児童も決まった。ぜひ金銭的な支援だけの関係ではなく、交流を通してお互いに学べる有意義な活動に発展させたいと願っている。
週末、ヒマラヤ小学校のスポンサーシップ制度へ2件のお申し込みを頂いた。これで20名分の支援が決まったことになる。支援者50名の目標も、もしかすると決して夢ではないかもしれない。
支援者の方には失礼かもしれないが、応援してくださる方が増えるということは、子ども達の成長や学校運営の喜びや苦しみを共有して頂ける『仲間』が増えたようで、僕達にとっては何よりも嬉しいことだ。時には厳しいご指摘を受ける事もあると思うし、逆に暖かい激励を頂く事もあると思う。活動を常に観て頂ける方がいることは、僕達にとって一番の張り合いとなっているのだ。
インターネットを見て支援のお申し込みを頂いた方、他の支援者の紹介で支援を決められた方、切欠は様々だが、少しでも支援者の方のお気持ちに添えるよう、誠実に一生懸命頑張りたいと思う。
早速、支援を受ける児童も決まった。ぜひ金銭的な支援だけの関係ではなく、交流を通してお互いに学べる有意義な活動に発展させたいと願っている。
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2006年09月03日
貧困問題
9月3日(日)
今日は2人の幼い兄妹がヒマラヤ小学校の片隅に座り込み、畑へ草刈に来ていた母親の仕事が終わるのをずっと待っていた。弟と思われる男の子の方は真っ裸で、足は何箇所も蛭に噛まれ血だらけになっていた。お腹が空いたようで途中、何度も泣き出していたが、其の度に姉が傍によって来て健気に弟の世話をしていた。
仕事を終えた母親に尋ねてみると、親子はブンガマティ村から2〜3時間ほどの処にある村から来たそうで、毎日、草刈などの日雇い労働のためにブンガマティ村へ通っているという。子ども達の教育について尋ねると、『学校へ送ってもお腹が満たされる訳ではない。』と言い、さらに『仕事についてくれば昼ご飯が出るので、家族3人で分けて食べている。』と話していた。
この村は、所謂カースト制度の中で差別階級に属している人々が暮す村だと云われている。公立学校が数年前に出来たようだが就学人口は極めて少ない。僕自身、これまで数回この村を訪ねたことがあるが、目を覆いたくなるような現状を何度もそこで目にした。
ネパールの教育問題は複雑で、決して一言では語ることが出来ない。どの問題も考えれば考えるほど様々なジレンマに突き当たってしまう。複雑すぎる問題に直面し、時に手を上げたくなることもある。
教育が根付くまでには一体どれくらいの時間が掛かるのだろうか。貧困と教育、強く繋がっている2つの問題を切り離して考えることは不可能だ。ネパールで支援活動に係わる一人として、貧困の影に万石の涙を飲む人々がいる事をしっかり受け止めなければならない。僕達に出来ることは一体、何だろうか、もう一度、問い直したい。
今日は2人の幼い兄妹がヒマラヤ小学校の片隅に座り込み、畑へ草刈に来ていた母親の仕事が終わるのをずっと待っていた。弟と思われる男の子の方は真っ裸で、足は何箇所も蛭に噛まれ血だらけになっていた。お腹が空いたようで途中、何度も泣き出していたが、其の度に姉が傍によって来て健気に弟の世話をしていた。
仕事を終えた母親に尋ねてみると、親子はブンガマティ村から2〜3時間ほどの処にある村から来たそうで、毎日、草刈などの日雇い労働のためにブンガマティ村へ通っているという。子ども達の教育について尋ねると、『学校へ送ってもお腹が満たされる訳ではない。』と言い、さらに『仕事についてくれば昼ご飯が出るので、家族3人で分けて食べている。』と話していた。
この村は、所謂カースト制度の中で差別階級に属している人々が暮す村だと云われている。公立学校が数年前に出来たようだが就学人口は極めて少ない。僕自身、これまで数回この村を訪ねたことがあるが、目を覆いたくなるような現状を何度もそこで目にした。
ネパールの教育問題は複雑で、決して一言では語ることが出来ない。どの問題も考えれば考えるほど様々なジレンマに突き当たってしまう。複雑すぎる問題に直面し、時に手を上げたくなることもある。
教育が根付くまでには一体どれくらいの時間が掛かるのだろうか。貧困と教育、強く繋がっている2つの問題を切り離して考えることは不可能だ。ネパールで支援活動に係わる一人として、貧困の影に万石の涙を飲む人々がいる事をしっかり受け止めなければならない。僕達に出来ることは一体、何だろうか、もう一度、問い直したい。
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2006年09月01日
理想の学校つくり
9月1日(金)
先日、開催された第2回こども環境ケナフ会議では、ヒマラヤ小学校の観察班が見事『観察部門』第3位の美果を収めた。参加22校から選ばれた価値ある賞だ。子供達にとって努力を認めてもらった喜びというのは計り知れないものがあるだろう。子ども達の日頃の努力を心から称えたい。会議の主催者側であるため手放しで喜ぶことは避けなければならないが、この賞の選考は環境NGOのメンバーや教育関係者5名で構成された委員会が選んだ公正なもであることを、きちんと付け加えたい。
子ども達も受賞がよほど嬉しかったようで、職員室に飾られてある盾を持ち出しては頭上に掲げ、毎日、会心の笑みを浮かべている。
学校は単に読み書きを覚えるだけの場所ではなく、生きていくための自信、夢や希望、そしてチャンスを子ども達に与えられる場所にしたいと願っている。そのためには人との交流や様々な体験が欠かせない。
人との交流、特に外国の人々との交流は子ども達が外に目を向ける切欠となり、夢や希望が大きく育つと思う。また会議やダンス大会などへの参加は、子ども達が自信を持ったり、将来のチャンスを掴む切欠になると思う。
貧しくてもヒマラヤ小学校の子ども達の心が豊かなのは、きっと未来への夢や希望を何時も描いているからだと思う。楽しく、夢のある学校つくり。そんな夢を掲げて5年、心豊かな子ども達の笑顔を見る度に一歩ずつではあるが、理想の学校へ近づいていることを実感する。
先日、開催された第2回こども環境ケナフ会議では、ヒマラヤ小学校の観察班が見事『観察部門』第3位の美果を収めた。参加22校から選ばれた価値ある賞だ。子供達にとって努力を認めてもらった喜びというのは計り知れないものがあるだろう。子ども達の日頃の努力を心から称えたい。会議の主催者側であるため手放しで喜ぶことは避けなければならないが、この賞の選考は環境NGOのメンバーや教育関係者5名で構成された委員会が選んだ公正なもであることを、きちんと付け加えたい。
子ども達も受賞がよほど嬉しかったようで、職員室に飾られてある盾を持ち出しては頭上に掲げ、毎日、会心の笑みを浮かべている。
学校は単に読み書きを覚えるだけの場所ではなく、生きていくための自信、夢や希望、そしてチャンスを子ども達に与えられる場所にしたいと願っている。そのためには人との交流や様々な体験が欠かせない。
人との交流、特に外国の人々との交流は子ども達が外に目を向ける切欠となり、夢や希望が大きく育つと思う。また会議やダンス大会などへの参加は、子ども達が自信を持ったり、将来のチャンスを掴む切欠になると思う。
貧しくてもヒマラヤ小学校の子ども達の心が豊かなのは、きっと未来への夢や希望を何時も描いているからだと思う。楽しく、夢のある学校つくり。そんな夢を掲げて5年、心豊かな子ども達の笑顔を見る度に一歩ずつではあるが、理想の学校へ近づいていることを実感する。
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