2006年05月
2006年05月31日
社会の変化
5月31日(水)
今日は各新聞の紙面を女性の地位や権利に関する法案の話が賑わせていた。今回の法案の中で特に注目されているのは、母親によって子供たちの国民証取得が可能になる事だ。
これまでの法律では子供が国民証を取得する場合(16歳で取得できる)、必ず父親が必要だったため、母子家庭の子供たちは国民証の取得が大変困難だった。国民証を取得できないという事は、“ネパール人として認められない”事と同じで、母子家庭の子供たちの多くは国民証がない事で、様々な問題に直面している。
昨年、里親教育基金の奨学生が日本への短期留学の機会を得たときも、母子家庭ということでなかなか国民証が発行されず、大変な思いをした。役所を訪ねては断られ、毎日のように悔し涙を流していた奨学生が本当に痛々しかった。その後、周囲の理解で奨学生は国民証を取得する事ができたが、ヒマラヤ青少年育英会の奨学生のほとんどが母子家庭という事もあり、国民証の問題は他人事ではなかった。
今回、下院が法案を承認しただけで実施までには時間が掛かると思うが、本当に喜ばしいニュースだと思う。こうして少しずつでも女性の権利が向上すれば、女子が教育を受ける機会も増えると思う。そうなれば直面している様々な問題も少しずつ改善に向うのではないだろうか。人々の価値観や意識が猛烈な勢いで変化しているネパール。そんな社会の大きな変化をしっかりと見つめていきたいと思う。
今日は各新聞の紙面を女性の地位や権利に関する法案の話が賑わせていた。今回の法案の中で特に注目されているのは、母親によって子供たちの国民証取得が可能になる事だ。
これまでの法律では子供が国民証を取得する場合(16歳で取得できる)、必ず父親が必要だったため、母子家庭の子供たちは国民証の取得が大変困難だった。国民証を取得できないという事は、“ネパール人として認められない”事と同じで、母子家庭の子供たちの多くは国民証がない事で、様々な問題に直面している。
昨年、里親教育基金の奨学生が日本への短期留学の機会を得たときも、母子家庭ということでなかなか国民証が発行されず、大変な思いをした。役所を訪ねては断られ、毎日のように悔し涙を流していた奨学生が本当に痛々しかった。その後、周囲の理解で奨学生は国民証を取得する事ができたが、ヒマラヤ青少年育英会の奨学生のほとんどが母子家庭という事もあり、国民証の問題は他人事ではなかった。
今回、下院が法案を承認しただけで実施までには時間が掛かると思うが、本当に喜ばしいニュースだと思う。こうして少しずつでも女性の権利が向上すれば、女子が教育を受ける機会も増えると思う。そうなれば直面している様々な問題も少しずつ改善に向うのではないだろうか。人々の価値観や意識が猛烈な勢いで変化しているネパール。そんな社会の大きな変化をしっかりと見つめていきたいと思う。
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2006年05月30日
新しい試み
5月30日(火)
ヒマラヤ小学校では今年度から指導体制を『教科担任制』に変更した。(幼稚園年少クラスを除く)これまでのクラス担任制で特に大きな問題があった訳ではないが、第一期卒業生が出る3年後までに、学校としての『形』を構築したいとの考えから、どちらの制度がヒマラヤ小学校の子供達にとって良いかを検討する事になった。
教科担任制を導入して1ヶ月余りが経った。それぞれの先生からは、子ども達の理解力や集中力が上がったなど、教科担任制に対する評価の声が上がっている。どちらの制度にも一長一短があると思うが、教科担任制度の短所、とりわけ子供たち一人ひとりに目が行き届きにくいという問題をどう補っていくか、これから先生達とじっくり検討したいと思う。(写真:教科担任制になるまで、あまり交流のなかったビディヤ先生と幼稚園年長クラスの子供が交流しているところ。新しい指導体制による長所も見られる。)
夕方からディビ・ジョティ学校でケナフの種まきを行った。今年は昨年の倍以上に当たる20校での活動を予定しているが、各校を周り種蒔きやその他の指導を行う事はなかなか簡単な事ではない
昨年参加した学校を除いて、ほとんどの学校ではこれまで植物観察授業が行われていない事や、サダナをはじめスタッフがそれぞれ仕事を持っていて時間を調整しながらの活動であるため、思うように活動を進める事が難しい。もちろんそれを承知の上で活動を広げているのだが、実際は猫の手も借りたい現状だ。
会議までにはいろいろと困難もあると思うが、ケナフを求める子ども達の声に何とか応えていきたいと思う。暫くは多忙な日々が続きそう。
嬉しいニュース:ケナフ繊維を使った携帯電話がNECから発売中です。
ヒマラヤ小学校では今年度から指導体制を『教科担任制』に変更した。(幼稚園年少クラスを除く)これまでのクラス担任制で特に大きな問題があった訳ではないが、第一期卒業生が出る3年後までに、学校としての『形』を構築したいとの考えから、どちらの制度がヒマラヤ小学校の子供達にとって良いかを検討する事になった。
教科担任制を導入して1ヶ月余りが経った。それぞれの先生からは、子ども達の理解力や集中力が上がったなど、教科担任制に対する評価の声が上がっている。どちらの制度にも一長一短があると思うが、教科担任制度の短所、とりわけ子供たち一人ひとりに目が行き届きにくいという問題をどう補っていくか、これから先生達とじっくり検討したいと思う。(写真:教科担任制になるまで、あまり交流のなかったビディヤ先生と幼稚園年長クラスの子供が交流しているところ。新しい指導体制による長所も見られる。)
夕方からディビ・ジョティ学校でケナフの種まきを行った。今年は昨年の倍以上に当たる20校での活動を予定しているが、各校を周り種蒔きやその他の指導を行う事はなかなか簡単な事ではない
昨年参加した学校を除いて、ほとんどの学校ではこれまで植物観察授業が行われていない事や、サダナをはじめスタッフがそれぞれ仕事を持っていて時間を調整しながらの活動であるため、思うように活動を進める事が難しい。もちろんそれを承知の上で活動を広げているのだが、実際は猫の手も借りたい現状だ。
会議までにはいろいろと困難もあると思うが、ケナフを求める子ども達の声に何とか応えていきたいと思う。暫くは多忙な日々が続きそう。
嬉しいニュース:ケナフ繊維を使った携帯電話がNECから発売中です。
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2006年05月29日
子ども達の熱意
5月29日(月)
午前中、昨日に引き続き銀行と郵便局で雑用を済ませた。
昼からサダナと共にヒマラヤ小学校を訪問。久しぶりのサダナの訪問を子供たちがとても喜んでいた。
その後ブンガマティ村にある学校を訪ねケナフの種まきをする予定だったが、学校側の勘違いか種蒔きの準備がまったく出来ていなかったためその学校をお預けにして、他校で種まきをすることにした。ネパールでは打ち合わせをしっかり行っていても、こういう結果になる事が多い。何事も慌てないネパールの国民性だと思うが、こればかりは何年暮らしてもなかなか慣れない。特に日本から戻ってきたばかりの今のような時期は、文化・習慣の違いを強く感じる事が多い。
その後、アダルシヤ学校とルドラヤ二学校を訪ね、ケナフの種まきを行った。アダルシヤ学校では併設されている障害児クラスの聾唖の子供達が、一生懸命土起こしを手伝ってくれた。また、種蒔きに参加した他の障害児もケナフの種を蒔けた事をとても喜んでくれた。
ルドラヤ二学校の子供たちもケナフの種まきを心待ちにしていた様子だった。今年は観察参加児童を総入れ替えし、新しい子供達が観察に参加する事になっているが、昨年、観察に参加した上級生が細かい点などを下級生に伝えている姿を見ると、少しずつケナフの観察活動が根付いている事を実感する。
その後、夕方からブンガマティ村の小川武明寺子屋を訪ねた。大勢の子供達が集まった教室は子ども達の熱気で蒸し風呂の様な状態になる。其の辺りを担当のサンギャさんが考慮して、夏季の間、青空教室を開催する事になった。夕方、涼しい風が吹く中での勉強は、子ども達にとっても良いことだと思う。
それにして筵の上で、直向に字を覚えようと頑張る子ども達の姿には、何時も感動を覚える。この勉強への熱意はどこから出てくるのだろう。子ども達の一生懸命な姿から勉強になる事が本当に多い。
午前中、昨日に引き続き銀行と郵便局で雑用を済ませた。
昼からサダナと共にヒマラヤ小学校を訪問。久しぶりのサダナの訪問を子供たちがとても喜んでいた。
その後ブンガマティ村にある学校を訪ねケナフの種まきをする予定だったが、学校側の勘違いか種蒔きの準備がまったく出来ていなかったためその学校をお預けにして、他校で種まきをすることにした。ネパールでは打ち合わせをしっかり行っていても、こういう結果になる事が多い。何事も慌てないネパールの国民性だと思うが、こればかりは何年暮らしてもなかなか慣れない。特に日本から戻ってきたばかりの今のような時期は、文化・習慣の違いを強く感じる事が多い。
その後、アダルシヤ学校とルドラヤ二学校を訪ね、ケナフの種まきを行った。アダルシヤ学校では併設されている障害児クラスの聾唖の子供達が、一生懸命土起こしを手伝ってくれた。また、種蒔きに参加した他の障害児もケナフの種を蒔けた事をとても喜んでくれた。
ルドラヤ二学校の子供たちもケナフの種まきを心待ちにしていた様子だった。今年は観察参加児童を総入れ替えし、新しい子供達が観察に参加する事になっているが、昨年、観察に参加した上級生が細かい点などを下級生に伝えている姿を見ると、少しずつケナフの観察活動が根付いている事を実感する。
その後、夕方からブンガマティ村の小川武明寺子屋を訪ねた。大勢の子供達が集まった教室は子ども達の熱気で蒸し風呂の様な状態になる。其の辺りを担当のサンギャさんが考慮して、夏季の間、青空教室を開催する事になった。夕方、涼しい風が吹く中での勉強は、子ども達にとっても良いことだと思う。
それにして筵の上で、直向に字を覚えようと頑張る子ども達の姿には、何時も感動を覚える。この勉強への熱意はどこから出てくるのだろう。子ども達の一生懸命な姿から勉強になる事が本当に多い。
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2006年05月28日
ジャカランダの開花
5月28日(日)
朝、先日からネパール滞在中の優さんと銀行や郵便局へ行き、雑用を済ませた。ネパールでの各種手続きには無駄が多い。銀行口座開設ひとつでもウンザリするほど様々な書類を揃える必要がある。今日は手続きの最中、銀行のマネージャー自ら『ネパールの手続きは書類が多くて大変ですね〜。』などと言ってきた。この辺の暢気さがネパールの良さだと何時も思う。
昼からヒマラヤ小学校を訪問。子供達と2週間ぶりの再会だったが、皆、元気そうで何より。新入生もすっかり学校生活に慣れた様子、授業にも一生懸命参加していた。ローマ字を書ける様になった子を1人誉めると他の子供たちも一生懸命『僕も書けるよ』と、ノートを見せてきた。どの子供たちにも言える事だが、やはり誉めて貰う事、認めて貰う事が子供達にとって一番嬉しい事なのだろう。これも『誉める教育』を実践している先生達の日頃の努力の成果だと思う。
ヒマラヤ小学校にいて一番嬉しい事は、子ども達の成長を見ることが出来ることだと思う。2週間前、入学したばかりで未だ不安げな表情をしていた子供達が、すっかり学校生活に慣れ、楽しそうな笑顔を浮かべている事や、字が書ける様になった、1〜100まで言えるようになった等、日々、子ども達の成長に直面できる事は、とても幸せな事だと思う。
今日は昨年、ボランティア活動に参加した理香さんから子供達にプレゼントが届いた。早速、子供達にチョコレートを配ったが、子供たちからは『理香ミスはいつ学校へ来てくれますか?』という質問が飛んできた。今年もぜひ、交流活動を充実させたい。
今年度からビディヤ先生が特別教員としてヒマラヤ小学校の職員に加わる事となった。先生の授業は子供たちからも人気がある。今日はビディヤ先生が教育勉強会で提案した『体で表現して覚える』授業を参観した。子供たち一人ひとりが前に出て発表する形で授業が進められたが、どの子供たちも積極的に参加して、とても素晴らしい授業だった。こうしてビディヤ先生の経験や知識が活かされる事で、ヒマラヤ小学校の教育は必ず充実してくると思う。
今日は嬉しい発見があった。2年前の開校式典の時に校庭に植樹したジャカランダが、ついに花を咲かせた。開校2周年を祝っている様で本当に嬉しい。ジャカランダの生長と子ども達の成長が重なり、感慨深いものがある。
夕方からサダナ、ヤッギャ校長と集まりケナフ会議のミーティングを行った。今回の会議は規模も倍以上に大きくなるため、念入りな細かい計画が必要とされる。8月12,13日の会議まで後2ヶ月余り、成功に向け全力で頑張りたい。
朝、先日からネパール滞在中の優さんと銀行や郵便局へ行き、雑用を済ませた。ネパールでの各種手続きには無駄が多い。銀行口座開設ひとつでもウンザリするほど様々な書類を揃える必要がある。今日は手続きの最中、銀行のマネージャー自ら『ネパールの手続きは書類が多くて大変ですね〜。』などと言ってきた。この辺の暢気さがネパールの良さだと何時も思う。
昼からヒマラヤ小学校を訪問。子供達と2週間ぶりの再会だったが、皆、元気そうで何より。新入生もすっかり学校生活に慣れた様子、授業にも一生懸命参加していた。ローマ字を書ける様になった子を1人誉めると他の子供たちも一生懸命『僕も書けるよ』と、ノートを見せてきた。どの子供たちにも言える事だが、やはり誉めて貰う事、認めて貰う事が子供達にとって一番嬉しい事なのだろう。これも『誉める教育』を実践している先生達の日頃の努力の成果だと思う。
ヒマラヤ小学校にいて一番嬉しい事は、子ども達の成長を見ることが出来ることだと思う。2週間前、入学したばかりで未だ不安げな表情をしていた子供達が、すっかり学校生活に慣れ、楽しそうな笑顔を浮かべている事や、字が書ける様になった、1〜100まで言えるようになった等、日々、子ども達の成長に直面できる事は、とても幸せな事だと思う。
今日は昨年、ボランティア活動に参加した理香さんから子供達にプレゼントが届いた。早速、子供達にチョコレートを配ったが、子供たちからは『理香ミスはいつ学校へ来てくれますか?』という質問が飛んできた。今年もぜひ、交流活動を充実させたい。
今年度からビディヤ先生が特別教員としてヒマラヤ小学校の職員に加わる事となった。先生の授業は子供たちからも人気がある。今日はビディヤ先生が教育勉強会で提案した『体で表現して覚える』授業を参観した。子供たち一人ひとりが前に出て発表する形で授業が進められたが、どの子供たちも積極的に参加して、とても素晴らしい授業だった。こうしてビディヤ先生の経験や知識が活かされる事で、ヒマラヤ小学校の教育は必ず充実してくると思う。
今日は嬉しい発見があった。2年前の開校式典の時に校庭に植樹したジャカランダが、ついに花を咲かせた。開校2周年を祝っている様で本当に嬉しい。ジャカランダの生長と子ども達の成長が重なり、感慨深いものがある。
夕方からサダナ、ヤッギャ校長と集まりケナフ会議のミーティングを行った。今回の会議は規模も倍以上に大きくなるため、念入りな細かい計画が必要とされる。8月12,13日の会議まで後2ヶ月余り、成功に向け全力で頑張りたい。
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2006年05月26日
ネパールへ戻りました。
5月26日
2週間の一時帰国日程を終え、本日、無事ネパールへ到着いたしました。今回、日本善行会・国際貢献表彰を受賞させて頂きました事、ひとえに暖かいご理解とご支援をいただきます皆様のお陰と改めて感謝申し上げます。本当に有難う御座いました。今回、皆様お一人お一人にご挨拶申し上げる機会に恵まれず本当に残念でした。心からお詫び申し上げます。
今後とも子供たち一人ひとりの大きな夢が育つ活動を目指して頑張る決意です。どうか今後とも変わらぬご指導とご鞭撻をいただきます事、よろしくお願い申し上げます。
昼過ぎに予定通りカトマンズへ到着。2週間ぶりのカトマンズは、すっかり夏の日差しが照りつけていた。一時帰国の間、ずっと天候不順だったせいか、カトマンズの青空を見ると心が落ち着いた。
今回の一時帰国は2週間という短い時間だったが、本当に実り多い貴重な時間となった。5月20日には日本善行会の表彰式に出席し、国際貢献表彰を受賞する事ができた。丁度、ヒマラヤ小学校が開校2周年という事もあり、今回の表彰はこれまで一生懸命がんばってきた子供達が誉められた様で、本当に嬉しい。新聞などでもヒマラヤ小学校の様子をお伝えする機会にも恵まれ、本当に充実した時間を過ごす事が出来た。
これから3年目の学校運営、そして将来の自立に向けたケナフ活動など、一つひとつの事を全力で頑張りたいと思う。
2週間の一時帰国日程を終え、本日、無事ネパールへ到着いたしました。今回、日本善行会・国際貢献表彰を受賞させて頂きました事、ひとえに暖かいご理解とご支援をいただきます皆様のお陰と改めて感謝申し上げます。本当に有難う御座いました。今回、皆様お一人お一人にご挨拶申し上げる機会に恵まれず本当に残念でした。心からお詫び申し上げます。
今後とも子供たち一人ひとりの大きな夢が育つ活動を目指して頑張る決意です。どうか今後とも変わらぬご指導とご鞭撻をいただきます事、よろしくお願い申し上げます。
昼過ぎに予定通りカトマンズへ到着。2週間ぶりのカトマンズは、すっかり夏の日差しが照りつけていた。一時帰国の間、ずっと天候不順だったせいか、カトマンズの青空を見ると心が落ち着いた。
今回の一時帰国は2週間という短い時間だったが、本当に実り多い貴重な時間となった。5月20日には日本善行会の表彰式に出席し、国際貢献表彰を受賞する事ができた。丁度、ヒマラヤ小学校が開校2周年という事もあり、今回の表彰はこれまで一生懸命がんばってきた子供達が誉められた様で、本当に嬉しい。新聞などでもヒマラヤ小学校の様子をお伝えする機会にも恵まれ、本当に充実した時間を過ごす事が出来た。
これから3年目の学校運営、そして将来の自立に向けたケナフ活動など、一つひとつの事を全力で頑張りたいと思う。
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