2005年09月

2005年09月14日

2階校舎

9月14日(水)

朝からクリニックで治療。今日も大勢の患者さんで慌しかった。鍼不足の影響で、鍼の使用量を調整しながらの治療が続いているせいか、何となく不完全燃焼気味に終わった。片付けをしていると、突然、新聞記者の方が来て、鍼治療についての取材を受けた。必死になって記者の質問に答えている間、改めて自分の知識不足を痛感した。

実は数年前にクリニックの取材を受け、各新聞者で取り上げていただいた事があった。反響も大きく、新聞を読んだ大勢の患者さんがクリニックを訪ねて来た。しかし記事を読んで、鍼治療で何でも治ると誤解して来た方も多く、何度もお詫びする結果となってしまった。せっかく鍼治療を続けているのだから、1人でも多くの人に正確な鍼治療の情報をお伝えできればと思う。もっと勉強しなければ。

ヒマラヤ小学校の2階校舎建設が終に完成した子供達、教職員、村の人々、みんなの念願だった2階校舎。とにかく、嬉しい気持ちでいっぱいだ。暖かいご支援をいただいた福原様、またチョラ・チョリサークルの皆様に改めて感謝の気持ちをお伝えしたい。

2階校舎の完成を誰よりも楽しみにしていたのは2年生のビナだった。ビナは14歳でヒマラヤ小学校へ入学した女の子。向学心がとても強く、とても利発な女の子だ。ヒマラヤ小学校では予算の不足から開校当時、2階校舎を建設することが出来ず、教室不足という問題に直面していた。ビナは2階が出来ないと学校へ通えなくなると思っていたようで、何度も心配そうな表情を浮かべながら『2階は何時出来ますか?本当に出来ますか?』などと質問をしてきた。

bina2階校舎の建設が決まったとき、飛び上がって喜んだのはビナだった。あの日から数ヶ月、念願の2階校舎が完成した。今日、ビナの顔を覗いてみると、自覚に溢れるしっかりした表情をしていた。ビナをはじめ子供達の大きな夢を乗せて完成した2階校舎。これから新しい校舎で、子供達の夢がどんどん育つことを楽しみにしている。



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2005年09月13日

知らない世界を学ぶ

9月13日(火)

renu今日はレヌー・マハルジャンさんがヒマラヤ小学校を訪れ、南ネパールでの生活について話してくれた実はレヌーさんは患者さんの友達。先日、南ネパールでの活動を終えた事を報告するため、わざわざクリニックへ来てくれたので、ヒマラヤ小学校の子供達にも南ネパールの生活の様子を話して欲しいとお願いしたところ、快く引き受けてくれた。

普段、村から出ることのないヒマラヤ小学校の子供達にとって、南ネパールは正に異国のような感じだと思う。レヌーさんから聞く南ネパールの生活に子供達は驚き、様々な質問が飛び出した。特に好奇心旺盛なクマールからは事細かい質問が飛び出し、時々、レヌーさんを困らせていた。今まで何度か各分野で活躍する人達による特別授業を開催してきたが、子供達の反応はとても良い。知らない世界について学ぶことは、とても楽しいことだと思う。

学校の授業だけでなく、こうして直接、実体験を聞く事はとても大きな意義があると思う。今後もこうした特別授業を積極的に取り入れていきたい。


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2005年09月12日

授業の様子

9月12日(月)

pen朝からヒマラヤ小学校を訪問。どのクラスの子供達も楽しそうに授業を受けている様子を見て、とても嬉しくなった。入学当時、やんちゃで手のつけようのなかった子が、今ではきちんと机に座って授業を受けている様子など見ていると、子供達が日々の学校生活の中で成長している事に気付く。やはり教育というのは大きな力を持っているのだと思う。

授業中の様子を観察していると面白い光景を目にする事が多い。今日は1年生のクラスで並んで座った3人の男の子達が、同じように鉛筆を加えて授業に耳を傾けていた。目は先生の方を見つめながら、口は鉛筆をかじる事で一生懸命、どの国の子供達もやる事は同じだ。

sleep昼過ぎには睡魔が襲い、目が虚ろになる児童も何名か見かけた。一生懸命起きようと目を何度も擦りながらも、やはり睡魔には勝てず、終には眠ってしまった。きっと昼休みに遊び疲れたのだろう。こんな和やかな風景が子供達には良く似合う。ヒマラヤ小学校に通っている子供達の中には、児童労働者として幼い頃から労働活動に従事していた子が多い。特に今年入学した子供達の多くは、ブンガマティ村周辺の煉瓦工場で働いていた経験を持っている。幼い子供達が体よりも大きな籠に重い煉瓦を入れて担ぐ姿は、胸が痛くなる現状だ。

ネパール国内には約260万人の児童労働者がいるといわれているが、なかなか現実として児童労働者の数を減らすのは難しいと思う。いつか子供達みんなが学校へ通える日が来ることを夢見て、僕達に出来ることから頑張りたいと思う。




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2005年09月11日

アシュミタの朗読

9月11日(日)

ashmi朝、2件の往診を済ませた後、里親教育基金の奨学生アシュミタを連れてヒマラヤ小学校を訪ねた実は先日、アシュミタへ素敵な2冊の本が届いた。1冊はヘレンケラー、もう1冊はナイチンゲールの本。アシュミタは幼い頃から心臓病を患い、現在も闘病生活を続けている。3週間に1度の注射が欠かせない日々だが、何時も人懐っこい笑顔で周りを楽しませてくれる、明るい女の子だ。

今年4月にヒマラヤ小学校を訪問したゲストの方が、心臓病を患いながらも一生懸命頑張っているアシュミタの姿を見て、ぜひアシュミタに読んで欲しいと、2冊の本を贈っていただいた。将来、看護婦さんになりたいという夢を描いているアシュミタにとって、とても意義のある本だ。

こうして暖かい心遣いをいただく事は奨学生にとって何よりの励みとなる。本を通して得た知識を、ヒマラヤ小学校の子供達に伝えたいというアシュミタの優しさも、きっとこうした交流から育ったのだと思う。活き活きした目で子供達に本を読み聞かせていたアシュミタ、きっとこれからも大きく成長してくれると思う。

fm夕方から第1回こども環境ケナフ会議の司会をお願いしているFM局のアナウンサーと会い、会議の打ち合わせをした。今日は会議の細かな打ち合わせというよりも、ケナフについての説明が中心となった。今まで各学校や役所などで多くの人達にケナフの説明をしてきたので、今日は問題なくケナフの特性について説明をする事が出来た。アナウンサーもケナフの特徴に驚きの様子だった。何とか会議の件も纏まりつつある。最後まで全力で頑張りたい。




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2005年09月10日

ミス・ネパール

9月10日(土)

朝、数名の子供達から電話があり、今日開催される『ミス・ネパールコンテスト』のライブ中継を一緒に観ようとの誘いがあった。自宅にテレビのない子供達は近所のお姉さんの家やら、親類の家などテレビのある場所を確保している様子だった。残念ながら今日は一日中、予定が詰まっていたので子供達の誘いを断った。何となく世界から一周遅れの感があるコンテストも、子供達にとっては毎年の楽しみであり、また、なかなか女性が活躍しにくいネパール社会にあって、大勢の観衆の前で堂々と自分の意見を述べる女性は、子供達の大きな憧れなのかもしれない。

今日は朝から雑用に追われ、ほぼ身動きの出来ない状態だった。それでも何とかニュースレターが仕上がり、来週からは支援者の皆さんへ発送出来る予定。今回は郵便料金の値上げに伴い、ページ数が4ページも減ってしまった。ヒマラヤ青少年育英会のニュースレターは、出来上がった原稿をコピーして作成しているため、一般のプリントよりも随分高くついてしまう。何とか日本語のプリントが出来る店を探しているが、なかなか見つからない現状。(ご存知の方は、ぜひご連絡ください。

ニュースレターの内容はホームページの内容とほぼ重なっているが、支援者の皆さんに子供達が元気に頑張っている様子が少しでも伝わればと思う。



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2005年09月09日

ケナフ観察・査証下りる!!

9月9日(金)

everest今日は7月8日に種を蒔いたエベレスト学校でのケナフ観察の現状を見るため、サダナと共にバクタプールのエベレスト学校を訪ねた。エベレスト学校では環境活動行っているエコ・クラブのメンバーが観察活動を続けているだけあって、とても質の高い観察が行われていて驚いた。ケナフ観察活動はネパールで(おそらく)始めての取り組みなので、正直なところ細かい観察までは期待していなかった。それよりも子供達に自然の不思議さや観察の楽しさを知って貰い今後の活動に繋がればと考えていた。

エベレスト学校の子供達の観察帳には、観察の度にケナフの葉を採取している物や、痛んだケナフの葉について独自の意見を細かく書き込んだものなど、とても初めてとは思えない個性あるものばかり。担当の先生が熱心に観察活動に参加していることも、子供達の意欲を掻き立てているように思う。ここにきて第1回こども環境ケナフ会議が面白くなってきた。今からエベレスト学校の子供達による発表が楽しみだ。

エベレスト学校を後にして、先日、査証申請を行った奨学生と共に日本大使館を訪ねた。今日は査証の審査結果が出る日だったのでとても緊張した。大使館の前で待っていると、奨学生がとても嬉しそうな顔で駆け寄ってきて、『査証が下りました。ありがとう。』と興奮した様子で結果を報告してきた。何とか無事に査証が下り、とにかく一安心。面接も無くスムーズに査証を発行していただき、大使館関係者の皆さんにはとても感謝している。帰路、旅券に張られた査証を嬉しそうに何度も見つめる奨学生。査証を頂いたということは、ある意味で今までの活動が認められたことだと思う。奨学生には、ぜひ多くの皆さんの期待に沿うよう全力で頑張って欲しいと思う。


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2005年09月08日

努力

9月9日(木)

朝から『第1回こども環境ケナフ会議』の資料つくりを進めた。これまでの調査の結果、ケナフはネパールにも存在し、古くから農村部を中心にロープなどとして活用されてきた事が分った。しかしその他の活用法や環境面で価値については、未だネパールの人々に知られていないのが現状だと思う。何とか今回の会議を通してケナフの効用について分りやすく説明できればと思う。そのためにも分りやすい資料つくりは欠かせない。

今回はネパールでの開催ということもあり、また今後、世界中で会議が継続されることを念頭において、英文で資料を作成している。毎日、辞書を睨みながらの作業が続いているが、コツコツ積み重ねるものがなければ、会議の成功も今後のネパールでの普及もありえないと思う。なんとか頑張りたい。

je夕方から今年SLC試験を合格した奨学生を訪ねた。半年ほど前から女性自立支援を受け洋裁の勉強を続けている奨学生だが、今日は手馴れた様子で布を縫い上げていた。ミシンもすっかり上手になっていた。奨学生が一生懸命努力している様子が窺え、とても嬉しく思った。奨学生の努力によって、ささやかな支援が最大限活かされる事は僕達にとって一番嬉しいことだ。薄暗い部屋で一生懸命、針仕事をしている奨学生を見て、努力の大切さを改めて実感した。




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2005年09月07日

褒め言葉

9月7日(水)

朝からクリニックで治療。今日も大勢の患者さんで慌しかった。クリニックには開院以来、5年以上に渡り足繁く通ってくれる患者さんもいる。その中、いつも笑顔の絶えない老夫婦がいる。貧しくても夫婦の仲が良く、何時もお互いに労わり合っている素敵な夫婦だ。奥さんは半年ほど前から持病の喘息と心臓病が悪化して、村からクリニックまで来られない状態が続いていたが、今日は久しぶりに来院し元気な顔を見せてくれた。

この患者さん、何時も気を使ってくれて、村で採れた野菜や果物などを差し入れてくれる。いつかは、村の祭で使われた『聖なる水』まで持ってきてくれた事もあった。その時は治療中に頭から水を掛けられたり、飲むように勧められたりと困ってしまった。

今日は慌しい時間の中、老夫婦との会話が弾み楽しい時間を過ごすことが出来た。老夫婦から『他では痛いかどうかも訊いてくれないが、あなたは何時も訊いてくれる。それが嬉しい。』と思いがけない褒め言葉をいただいた。普段、当たり前のようにしていた事が、患者さんに喜んで頂いていたなんて正直、驚いた。嬉しい気持ちよりも、むしろ治療に対する緊張感を与えてくれたような一言だった。

治療には技術や知識以上に患者さんとの信頼関係が大事だと思う。慌しい毎日の中で忘れがちになりやすい患者さんとの会話。会話がなければ信頼関係なんて築く事は出来ない。今日、患者さんが教えてくれたことを、これからの活動に必ず活かしてしていきたいと思う。

クリニックの治療を終え、急いでヒマラヤ小学校を訪ねた。今日は1年生のクラスで1分間スピーチが行われていた今年の4月から始まった1分間スピーチも、子供達の間ですっかり定着してきたように思う。子供達の発表を聞いていると、面白くて笑いが止まらなかった。2年生ではビディヤ先生へ日頃の感謝の気持ちが伝えられた。ビディヤ先生はボランティア教員として今年4月からヒマラヤ小学校で教鞭を取っているが、先生の優しさと分りやすい授業内容は子供達から人気が高い。ビディヤ先生からは新しいアイデアもどんどん出て、他の先生達への良い刺激となっているようだ。良い先生との出会いがヒマラヤ小学校の幸運の一つだと思う。

ヒマラヤ小学校を後にして、往診に出かけた。先日から治療を始めた患者さん、どうも治療効果が出ていないようだった。鍼治療への期待が高かっただけに随分がっかりした様子だった。こんな時、なんと言葉を掛けていいのか、本当に悩んでしまう。過剰に期待させる事も、あまり悲観的な事を言うのもおかしい。患者さんには5回治療して様子を見ましょうと話し、一応、納得して頂いた様子だった。

鍼治療の場合、他の医療機関でどうしても治らず、『最後の頼み』のような感じで来院する人も少なくない。患者さんの期待も高いため何とか結果を残したいと思うのだが、上手くいかない事の方が多い現状。まだまだ勉強不足を痛感する毎日だ。


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2005年09月06日

査証申請

9月6日(火)大使館査証申請

朝、カトマンズ市内にある在ネパール日本大使館を訪ね、奨学生の査証申請を行った。大使館に到着した時は緊張した面持ちの奨学生だったが、無事に査証申請を終えてほっとした様子だった。明後日、木曜日に大使館へ連絡して、面接の時間などを確認するようだ。査証が下りるまでは緊張の毎日が続くと思うが、これも良い勉強だと思って頑張って欲しい。

査証申請を終えた後、ヒマラヤ小学校を訪ねた。2階校舎の塗装工事も大詰めを向かえ、今日から教室内の上塗り作業が始まった完成を心待ちにしている子供達が何度も現場に来て、作業を覗いていた。工事は1週間以内に全て完成する予定。今回、水不足という問題に直面し工期が大幅に遅れてしまった。のんびりしたネパールとはいえ、やはり準備段階で水不足の問題を予測出来なかったのは、僕達に問題がある。今後、今回の経験をいかに活かすべきか、建設委員会のミーティングの中で話し合っていきたいと思う。

鍼不足の問題から来週あたりでクリニックと往診を一時休止しようと考えている。丁度、ダサイン祭りも始まるので時期的にも問題なく、患者さん達にも理解をいただいた。


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2005年09月05日

仲良しこども公園

9月5日(月)

今日は大使館へ査証申請を行う予定だったが、朝になって月曜日は申請窓口が開いてないことに気付いた。査証申請を前に緊張していた奨学生には悪いことをしてしまった。気を取り直して日本訪問の日程などについて打ち合わせを行った。査証申請後には面接も予定されている。奨学生には自信を持って面接に挑んで欲しい。

午後から現在、ヒマラヤ小学校の近くで建設を予定している児童公園(仲良しこども公園)の地権者との話し合いに参加した。法的な事は法務担当者が話し合うにして、限られた予算の中で、どのように地権者の方と折り合いを付けていくのか、なかなか難しい課題だが、ヒマラヤ小学校だけでなく、村の子供達も楽しみにしている『仲良し子ども公園』の開園を、一日も早く実現できるよう頑張りたい。

sumisan今回の公園建設にあたっては、あすなろ食堂のスミトラさん達も建設委員会の委員に加わり、積極的に参加している。スミトラさんのような若い人達からの斬新的な面白いアイデアをどんどん取り入れる事で、子供達が喜ぶ素晴らしい公園が出来ると皆で確信している。スミトラさん達も建設に直接参加することで、少しずつ自信をつけているように思う。頑張って欲しい。


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2005年09月04日

練習

9月4日(日)

朝からヒマラヤ小学校を訪問。試験休みが終わり、今日からヒマラヤ小学校では授業が始まった。試験から開放されてか子供達の顔が今まで以上に明るく見えた。

昼過ぎからソウラ・ユバック小学校を訪ねケナフ観察の様子を取材した。ソウラ・ユバック小学校でもケナフが大きく生長していて子供達を驚かせていた。子供達からは様々な質問を受け、ケナフへの関心の高さが窺えた。

musicその後、学校の隣にある障害者協会の寄宿舎を訪ねた。11月19日に開催予定の『第1回こども環境ケナフ会議では、障害者協会の子供達による演奏会が予定されている。今日は寄宿舎で演奏会に向けた練習が行われていたどの子供達も楽しそうに演奏している姿が印象的だった。子供達にとって今回が初めての演奏会らしい。ぜひ演奏会を通して彼らが一生懸命生きている姿を多くの人に知って頂ければと思う。

夕方、奨学生を訪ね、査証申請書の作成を手伝った。明日、いよいよ大使館で査証を申請する。奨学生が少し不安げな表情をしていたので、良いことをするために日本へ行くのだから、何も心配する必要はないと励ました。不安が払拭されたかどうかは分らないが、兎に角、頑張って欲しい。



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2005年09月03日

ヒマラヤ小学校を眺めながら

9月3日(土)

朝、2件の往診を済ませた後、天気が良かったのでダッチンカリー方面を訪ねた。ダッチンカリーに向う道中にはヒマラヤ小学校を見渡すことが出来る場所がある。今日は遠くヒマラヤ小学校を眺めながら今後の学校運営などについて、あれこれ考えて見た。

ヒマラヤ小学校では2階校舎の完成を目前に控え、今後の学校運営に関する話し合いが続いている。方向性としては皆、一致しているものの、具体的な方法などは未だ決まっていないのが現状だ。開校前、学校運営がこれほど難しいとは想像すらしていなかった。学校運営は資金面の問題だけではない。より良い学校を築くためには、村の人々の協力はもちろん、保護者の教育理解を深めることがとても大事だ。ヒマラヤ小学校では開校以来、残念ながら5名の子供達が学校を去っていった。ほとんどの場合、保護者の教育理解を深めることが出来なかったことに起因している。どうすれば保護者に教育の大切さを理解して貰えるのか。教育を受けていない保護者へ教育理解を深めることは容易なことではないが、やはり地道な活動が大事ではないかと思う。

1年半前、同じ場所から開校前のヒマラヤ小学校を見た時、感激で胸が潰れそうになったのを覚えている。今日は同じ場所から、昨年よりも一回り大きくなったヒマラヤ小学校を見て、夢が大きく膨らんだ気がした。目の前の問題に捉われすぎず、楽しく、夢のある学校を目指して頑張ろうと思う。




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2005年09月01日

試験終了

9月1日(木)

mono今日でヒマラヤ小学校の期末試験も終了。子供達の小さな戦いもようやく終わった。皆、ほっとした様子で学校を後にしていたが、帰宅途中に友達と答えを合わしているところなど、なかなか可愛らしい。今回も無事に試験を終えることが出来て一安心。先生達も子供達同様、ほっとした表情だった。これから先生達は試験結果の集計など、細かい作業が残っているので、暫くは忙しい日々が続きそうだ。



kansatu今日はブンガマティ村周辺でケナフ観察をしている学校(ルドラヤ二学校デヴィ・ジョティ学校)を訪ねた。3ヶ月余りの間にすっかり大きく生長したケナフ。何度見てもケナフの生長の早さには驚くばかり。子供達も皆、一様に驚いた様子だった。生長の速さが子供達の観察意欲を掻きたてるのかもしれない。ケナフに集まる様々な昆虫も子供達の興味を引いていた。昨年から始めたケナフ観察は、ネパールで(多分)初めてという取り組みだったが、とても上手くいっている。何とかこの取り組みを各学校で定着させていきたいと思う。

夕方から往診を1件済ませた後、奨学生を訪ねた。生憎、奨学生は親類宅に出かけていたため留守だったが、その分、母親とゆっくり話をすることが出来た。母親からは教育支援に対する感謝の気持ちが何度も伝えられ、こちらが恐縮してしまった。生活面での窮状なども聞いていると、とても胸が痛くなった。貧困から抜け出すことは本当に容易なことではない。



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