2005年03月

2005年03月31日

さまざまな交流

今日は2階建設のご支援をいただいた皆さんをお迎えし、ヒマラヤ小学校で歓迎会を行った。子供達も楽しみにしていただけに歓迎会はとても盛り上がった。

支援者の皆さんにとって今回、半年振りのヒマラヤ小学校訪問だったが、半年間の子供達の成長を見て頂きとても嬉しかった。また貴重なアドバイスも沢山いただき、大きな勉強の機会となった。

歓迎会には寺子屋に通う子供達が飛び入り参加し、踊りを踊った。寺子屋の子供達の表情もこの数ヶ月で随分明るくなった。きっと友達と一緒に勉強できる喜びが、子供達を明るくするのだろう。子供達の期待に応え今後はダンスの授業も取り入れたいと思う。

歓迎会の後はゲストの皆さんに煉瓦へメッセージを書いていただき、建設中の壁に積み上げていただいた。子供達もそれぞれ思い思いのメッセージを煉瓦に書き込み参加した。ぜひ子供達をはじめ支援者の皆さんの思いが届くよう、学校づくりに励んで行きたい。

この1年間、ヒマラヤ小学校では交流活動に一番力を入れてきた。人々との交流が子供達の夢を育て、子供達の大きな励みとなっている。今日の支援者の皆さんとの交流も素晴らしく、子供達は心から喜んでいた。

普段、社会から虐げられている子供達にとって『頑張ってるね』『大丈夫よ』と優しく声を掛けていただき、頭を撫でていただく事は、何よりの励みとなるのだろう。

今日はヒマラヤ青少年育英会の奨学生も学校を訪れ、子供達へ絵本の朗読を行った。子供達よりも少し大きい、子供達にとっては『お姉さん』のような存在の奨学生との交流は、とても親しみやすく、普段の授業とは違った学びの収穫があると思う。

来月から新学期が始まるが、もっともっと交流に力を入れたい。

今日はとても楽しい一日となった。







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2005年03月30日

サビットリさんの旅立ち。

朝からクリニックで仕事。顔馴染みの患者さん達の治療を続けていると、村から来たと思われる8名の人達がクリニックを訪ねてきた。何でも以前に治療を受けたことのなる村人から、クリニックのことを聞いて来たとのことだった。

クリニックでは原則として予約制としている。午後2時から癌専門の先生達がクリニックを使用するため、どうしても2時前にはクリニックを閉めなければならないこともあり、予約制にして時間を調整している。

患者さん達には事情を説明しているが、今日のようなケースはなかなか減らない。せっかく治療を求めて、村から来てくれた人達を断るわけにもいかず、結局、隣の会議室で治療を行った。

普段、患者さんとの会話を大事にしているつもりだが、やはり時間に追われてしまうと、どうしても雑になってしまう。慌しい治療となってしまい、とても反省した。

夕方、あすなろ食堂を訪問。今日はお客さんが少ないようで、スミさん達は不安げな表情で、何度も窓から外を眺めていた。こういう客商売は、時に忍耐力も必要だと思う。

食事を終え、あすなろ食堂を後にする時、団体のお客さんが来てくれた。キッチンで喜ぶスミさんの顔が目に浮かんだ。

今日、4人メンバーの一人、サビットリさんが結婚のためレストランを去った。2年間、暮らしてきた施設を出るときは、喜びと寂しさが混ざったような表情だった。時間がなかったためお別れ会をすることも出来ず、残念だった。

短い時間ではあったが、サビットリさんの人生の一部に関わった者として、サビットリさんの幸せを心から願っている。

今日は慌しい日となった。



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2005年03月29日

努力

今日はネパール人の知人から、ヒマラヤ小学校への支援の申し出を頂いた。思いがけないお申し出に驚いたが、とても嬉しかった。

ヒマラヤ小学校を運営するにあたり、将来は卒業生がヒマラヤ小学校を支える仕組みを構築したいと考えている。卒業生が職業訓練を受け、一生懸命働いて得たお金でヒマラヤ小学校を支える。もちろん簡単な話ではないが、何時も海外からの支援に頼るだけでなく、自分達で出来ることから始めることが大事だと思う。

今日のネパール人の知人からの支援の申し出はとても嬉しかった。知人の話では、国の未来を担う子ども達のために、ぜひ協力したいとのことだった。

ネパールでは、ほとんどの分野を海外からの援助に頼っている。長年に渡り援助を受けてきたせいか、何もかも海外の援助に頼りきっているような感じすら受ける。もちろん、『自分達でも何かしたい』と、立ち上がる有志も少しずつ増えている。

やはりネパールの問題は、ネパール人が考え、ネパール人の手で解決することが大事だと思う。そのための支援ならきっと皆さんも喜んで協力してくれるはずだ。まずはネパールの人々の意識を変えていくことが大事ではないだろうか。

ヒマラヤ小学校の継続には、日本の皆さんの支援が欠かせない。しかし何時もその支援に頼るだけでなく、僕達も出来る限りの努力を続けていかなければならないと思う。『ここまでは自分達で何とか頑張ります。この部分に「ついてぜひご協力ください。』こんな関係が一番健全だと思う。

まだまだ時間は掛かると思うが、一歩ずつ目標に向かって頑張りたい。

今日も良い日となりました。

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2005年03月28日

ダンス大会

朝、学校宛の荷物を受け取りに中央郵便局へ行った。大きな荷物だったので心配だったが、何とか一部をリュックに入れて背負い、残りはバイクに積んで学校まで運ぶことが出来た。バイクに積む作業を手伝ってくれた老人が、手馴れた感じで作業を行う様子に、思わず感心してしまった。

ヒマラヤ小学校に着いてから、ヤッギャ校長、モンゴル先生、シャムさんと雑談をしていたら、8日にブンガマティ村で学生による『ダンス大会』が開催されることを知った。

早速、協議を行い今回の大会に参加することを決めた。衣装も技術もない現状だが、まずは参加することに大きな意義があると思う。どんな成績でも良いから子ども達には頑張って欲しい。

運動でもダンスでも何でも良いから、少しずつ体験を重ねる中で、子ども達が自慢できるものを築いていきたいと思う。まずは8日のダンス大会から初めてみたい。当日は子ども達よりも、きっと僕達の方が興奮するだろう。今からとても楽しみだ。

夕方は突然の雷雨に見舞われ、奨学生宅で雨宿りをした。ゆっくり奨学生、母親と話が出来た。雨漏りのする家で、親子2人が背中を合わせながら一生懸命生活している様子には、何時も感動を覚える。こういう子ども達が将来、どんどん社会で活躍すれば、ネパールはとても素晴らしい国になるのではないだろうか。そんな気がする。

帰宅後、書く作業に追われる。よく苦手な作業が続くものだと自分でも感心してしまう。プロの人達は一体どうやって文章を書いているのだろう。才能のある人が羨ましい。

慌しくも良い日となりました。
ヒマラヤ小学校の『2階校舎建設アーカイブス』ぜひご覧ください。




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2005年03月27日

ネットワークつくり

朝、雑用を済ませた後、ヒマラヤ小学校でヤッギャ校長らと他校との協力関係の構築についてミーティングを行った。現在、看護学校をはじめ数校と協力関係を構築しているが、更なるネットワーク作りを進めたいと考えている。

学校同士のネットワークが出来上がれば、それぞれの特色を活かした様々な共同活動や、教員の相互研修も出来るようになり、子ども達だけでなく、先生達にとっても大きなメリットがあると思う。『教員評価システム』の中でも、研修先での評価をぜひ取り入れたいと思う。

ネパールでは近年、公立学校への厳しい意見を良く耳にする。いろいろな原因が考えられるが、教師の意識低下が一番の問題だといわれている。

もしネットワークが構築され各学校の交流が進めば、教師の意識向上の切欠にもなるのではないかと期待している。

夜、来月開催予定の医療キャンプの打ち合わせを行った。ぜひ実り多いキャンプを実現したいと思う。

今日でなんと29歳。『光陰矢のごとし』月日の経過の速さを実感しています。



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2005年03月26日

輝き

朝、2階校舎の増築の様子を見にヒマラヤ小学校へ出かけた。先日、型枠に流し込んだコンクリートがすっかり乾き、綺麗な柱が出来上がっていた。既に一部の教室では、煉瓦が積み上げられ、窓枠が取り付けられていた。

学校の形が少しずつ出来あがる様子を眺めながら、教室が出来た後の事をいろいろと考えると、とても楽しい。開校から1年で、2階の建設に着工できたことは夢のようだ。

夕方からゲストの皆さんとネパールの話で会話が弾んだ。ネパールの好き方同士が集まると、ついつい時間を忘れてしまう。本当に楽しい時間となった。

その後、ゲストの方とあすなろ食堂を訪問。スミさんが一生懸命つくった料理を誉めて頂き、スミさんも大喜びしていた。僕達では気がつかない点もご指導いただき、勉強になった。改善点は直ぐ直す。そんな体制を築きたい。

それにしても『美味しいよ』と声を掛けたいただいた時のスミさんの笑顔はとても輝いている。やはり頑張っている人は活き活きしている。ぜひ僕も肖りたい。

今日も良い日となりました。





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2005年03月25日

春たけなわ

今日はホーリーの祭日。

昼過ぎにヤッギャ校長と空港へ行き、日本から来られたゲストの方々をお出迎えした。ネパールの現状を心配されていただけに、ぽかぽかと暖かい春の日差しが照りつける中、ホーリー祭りで春の訪れを喜ぶ人々の姿に、ゲストの皆さんも安心された様子だった。

僕は四国の出身なので(だと思う)春が一番好きだ。四国はどの季節よりも春が良いと思う。僕の実家がある道後温泉には『春風や船伊予に寄りて道後の湯』という、和やかな四国の春を詠っている句碑がある。人情豊かで、のんびりとしているところなど、ネパールと似ているような気もする。

夕方から環境活動を続けているサダナを訪ねた。実はこの度、ソロプチミスト東京・新宿クラブの皆様から、サダナを来年度の『社会ボランティア賞』にご推薦いただくこととなった。ささやかながらも、サダナの活動を応援しているだけに、とても嬉しい。

ご推薦いただくにあたり、サダナの今までの活動を纏めているが、どの活動も素晴らしいため、なかなか上手く纏められない。自分の力不足を痛感しながらも、ぜひこの機会に夢と情熱を持って、環境問題に取り組んでいるサダナの活動を多くの方に知っていただければと思う。サダナの努力が実ることを願っている。

夜、気分転換に映画鑑賞。小学生の頃に何度も見たクリント・イーストウッドの映画だったが、名作は何度見ても面白いと思った。ついでに先日買った『荒鷲の要塞』も鑑賞。久しぶりにゆっくり出来た一日となった。明日から、また頑張ろう。


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2005年03月24日

善意に応える

何時もより早起きをして、『教員評価システム』の見直し作業を行った。来週には提出したいと考えているので、あまり時間は残っていない。導入してみないと分からない部分も沢山あるが、少しでも良い評価システムを作りたいと思う。

ヒマラヤ小学校の建設では、本当に多くの皆さんの善意のご協力を頂いた。涙を流しながら『頑張って』と励ましてくれたお年寄りの方、お菓子を我慢して募金に協力してくれた小学生、真夏の日差しが照りつける中、必死に街頭募金を呼掛けてくれたクラーク生。僕が実際に参加した募金活動はほんの一部だが、皆さんの学校建設への思いが強く伝わり大きな感動を覚えた。

ネパールでは教育設備の不備から、学校建設を求める声は大きい。しかし残念ながら、貴重な善意の支援が一部有力者の酒の肴となったり、学校建設を身内の就職場として考えている人達がいる事も事実だ。中には海外からの支援で出来た学校が開校後、数年で廃校になるケースも報告されている。

募金活動の様子を知らない現地の人々に、支援する側の気持ちを伝える事はとても難しいことだと思う。現地には『日本は豊かである』という先入観もあり、なお支援する側の気持ちを伝わりにくくしている部分もある。

幸いにもヒマラヤ小学校の建設では、ネパール人学生を日本での募金活動に参加させて頂いた。実際にネパール人学生が募金活動に参加したことで、日本の人々の善意を理解することが出来た。帰国した学生が村の人々や子ども達の前で、必死に募金活動の様子や日本の人々の気持ちを伝えてくれた事は、村の人々の協力を得る大きな力となった。

暖かい善意のご支援を頂いた方々の気持ちにお応えるするためにも、子ども達の夢を育て、社会に貢献できる学校を築いていきたい。そのためには、『教員評価システム』を構築し、先生達の能力と努力を適切に評価することで、先生達の『教育者』としての意識を高め、学校を活性化させていきたい。歴史や伝統がない分、何事にも囚われない実行力のある学校を目指したい。



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2005年03月23日

遣り甲斐

朝からネパール癌協会のクリニック。前回、膝の痛みを訴えて初めて来院したお年寄り(女性)が、クリニックの外で待っていた。お年寄りによると『痛みが軽減したので嬉しくて早く来た。』とのことだった。

自然に回復したのか、治療が偶然効いたのか?相乗効果なのか?判断はできないが、こうしてクリニックに来てくれた患者さんの状態が少しでも良くなると、やはり嬉しい。今日は患者さんの一言で、とても遣り甲斐を感じる事が出来た。

今日は新患の方も多く、慌しいまま時間が過ぎた。何とかもう一つベッドを増やし、患者さんの待ち時間を短くしたいと思う。しかしベッドを増やすと新たな通電機器も必要になるので頭が痛い。暫くは時間との戦いが続きそう。

クリニックを終え、昨日のシラミ退治で特にシラミが多かった幼稚園年長クラスのリタを訪ねた。リタの家も貧しく、現状はとても厳しい。母親にシーツや服の熱湯消毒、筵の日干しを伝えたが、教育を受けていない上、労働活動の多い女性達が実践する事は難しいかもしれない。口で伝えるだけでなく、何か有効な対策を講じる必要があると痛感している。

夕方、往診へ向かう途中、カトマンズ市内のDVD販売店へ行き、映画を数点購入した。年に数回開催している奨学生を対象にした『名画鑑賞会』を、SLCの後に行おうと考えている。今回はヒッチコックの作品を上映予定。子ども達の反応が楽しみだ。


慌しくも良い日となりました。











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2005年03月22日

シラミ退治

今日は、ナショナル・マルティプル・キャンパスの看護学生らが参加して、子ども達のシラミ退治を行った。朝から雨が降り続いていたため開催出来るか不安だったが、昼前には晴れ上がり絶好のシラミ退治日和となった。

昨年末まで、週一回のペースで開催していたシラミ退治だが、冬の間は冷水で子ども達の体を洗うことが難しく、暫くの間、活動を休止していた。

今日は久しぶりの開催で準備が大変だったが、看護学生6名が参加してくれたお陰で、あっという間に全児童のシラミ退治を終えることが出来た。

今回のシラミ退治でも、上級生が下級生を自主的に洗ったり、髪を櫛で梳いてシラミを除去したりと、今まで以上に下級生を思いやる姿が見られ、とても嬉しかった

シラミ退治に参加した看護学生らに感想を尋ねると、『とても良い勉強になった。ぜひ、また参加したい』と、どの学生からも前向きな感想が返ってきた。

『誰かのために役立つ喜び』を感じられることは、素晴らしい事だと思う。将来、看護師を志し勉強を続けている看護学生に、今日のシラミ退治を通して『誰かのために役立つ喜び』を感じて貰えたなら、とても嬉しい。今後もこのような交流を更に充実させていきたいと思う。

今日も良い日となりました。



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2005年03月21日

評価システムと悩み。

朝から『教員評価システム』の原案作成に取り組む。暫くして見直すと、随分厳しい内容になっていたことに気付き、何度も修正を繰り返す。

先生方の能力と努力を適切に評価することでヒマラヤ小学校の活動を活性化させたいと思い、導入を進めている『教員評価システム』。まずは評価を受ける側の先生達が納得できるシステムでなければいけないと思う。そのためには、出来るだけ公平・明確な判断基準が必要だ。

評価システムの内容によっては、逆に先生達の長所が消されてしまうことがあるかもしれない。評価システムの構築は、想像以上に難しい作業だと痛感している。

結局、夕方まで部屋に篭り作業を続けたが、完成までには至らなかった。日本の評価システムを参考にしようと思い調べてみたが、やはり文化・習慣の違うネパールでは、全てを参考にすることは難しい。

評価システムの構築は現在、僕にとって一番の悩みの種。暫く苦戦が続きそうだが、努力している先生達が適切な評価を受けるためにも、ぜひとも良いシステムを完成させたい。

夕方から奨学生の家を訪ねた。SLC試験を目前に控え、どの奨学生達も猛勉強中だった。今まで一度も猛勉強をした経験のない僕には、頭の下がる思い。こんなに努力する子ども達を支援することが出来て、本当に嬉しく思う。SLCが終わったら『あすなろ食堂』で、ささやかなお祝いをしようと考えている。全員合格を目指して頑張って欲しい。

今日も良い日となりました。





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2005年03月20日

全日程終了

今日、期末試験が無事終了した。子ども達も安心したようで笑顔が溢れていた。全てが始めての体験で不安も多く、ゆっくり考える間もなく過ぎた1年だったが、多くの人々のご協力をいただき、なんとか全ての日程を終えることが出来てとても嬉しい。

3時半からカトマンズ郊外バランブーの学校を訪ね、今後のケナフプロジェクトについて、担当の先生と話し合った。こちらも着々と準備が進み嬉しい。何とかケナフ会議の実施まで頑張りたい。

夕方、ヤッギャ校長と会長を訪ね、期末試験の終了を報告した。その後、モンゴル先生も加わり、知人のレストランで食事をしながら、この1年について振り返ったりヒマラヤ小学校の将来像を話したりと、とても楽しい時間を過ごすことが出来た。やはり先生達との会話はとても大事だと実感した。

帰宅の途中、バイクがパンクしてしまい困っていると、偶然近くを通りかかったバイク屋さんが、バイクを自分のワークショップまで運んでくれた上に、快く修理までしてくれた。こういう人達がいるから、みんなネパールを好きになるのだろう。

今日はとても良いとなりました。









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2005年03月19日

ニュースレター

前夜に抜歯治療を受けたこともあり、暫くの間、静かに過ごした。どうしても家でじっとできない性格なので、こういう時は大変困ってしまう。

時間があったので、遅れているニュースレターを作成した。毎回、支援者の皆さんへの送付が遅れ、申し訳なく思っている。20ページあまりのニューレターだが、完成した時は嬉しさのあまり舞い上がってしまい、毎度、編集・校正作業を忘れてプリントに出してしまう。

けっして人に読んで頂けるような上等なニュースレターではないものの、少しでも子ども達の様子が伝わればと思い続けている。

それでも、きちんと隅々まで読んで下さる方がいらっしゃることはとても嬉しい。中には今までのニュースレターを大切に保管してくださっている方もいて、そんな時は『次こそ良いニュースレターを作るぞ』と、気持ちが引き締まる。

今回のニュースレターは内容が多いため、ページ数を増やすことを検討中。プリント代、郵送代を考慮しながらも、出来るだけ多くの情報をお伝えしたいと思っている。

夕方から往診治療に出かけ、患者さん達と楽しい会話が弾んだ。帰り際に『あすなろ食堂』へ寄ってみると、大勢のお客さんで賑わっていた。『あすなろ食堂』は宣伝をほとんどしていないため、お客さんの多くは口コミで店の事を知った人たちだ。スミさん達の努力が実を結び、食堂が何時も多くの人で賑わっていることは本当に嬉しい限り。キッチンでスミさん達の仕事ぶりを観察しながら『唐揚げ定食』を食べた。

スミさん達の頑張りに負けないよう、精一杯頑張りたい。
今日も良い日となりました。










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2005年03月18日

評価システム

朝、中央郵便局で雑用を済ませ、ヒマラヤ小学校へ。医師の先生達と来月開催予定の医療キャンプ地を視察。早朝の雨のお陰で砂埃が少なく、麦畑を眺めながら快適に開催地へ到着した。

開催地の村は、首都カトマンズの中心から僅か10キロあまりに位置しているが、大変貧しく薬局すらない状況。この機会に、一人でも多くの人々が治療を受けられるよう、万全の準備を進めたい。

村にある集落を訪ねた後、ヒマラヤ小学校へ戻ったが、建設作業員が来ていないため工事が進んでいなかった。急いでヤッギャ校長とパタン市内の建設会社を訪ねた。会社の話では、鉄の運搬中に通りの家を一部壊してしまい、その問題に追われているとのこと。のんびりとしたネパールらしい話に、思わず笑ってしまった。

夕方からヤッギャ校長と、新年度導入予定の『教員評価システム』の打ち合わせを行う。先生達の努力が適切に評価され、能力を更に活かす切欠になって欲しいと願っている。『評価』である以上、評価基準が明確で、平等であることが絶対条件のため、細かい作業が暫く続きそう。

評価システムの導入には不安も沢山あったが、ヤッギャ校長の協力により、思った以上に良いものが出来そうだ。ヤッギャ校長が常に『学校を良くしたい』と、物事を前向きに検討する姿勢は、僕にとって大きな学びの収穫となる。

他の人々の意見を取り入れながら、良い評価システムが構築出来るよう、じっくり考えたいと思う。

大雨に打たれ寒い一日でしたが、良い日となりました。







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2005年03月17日

大きな成長

試験の監視をしていると、この1年間で勉強を頑張った子達の事が良く分かる。中でも幼稚園クラスで学ぶ14歳のジュンケリは、人一倍勉強を良く頑張っている。

ジュンケリは両親がなく兄夫婦と一緒に暮らし、毎朝、牛乳を運び、牛の世話をしてから学校へ通っている。義姉からは何度も学校を辞めるように言われたそうだが、それでも『教育を受ける最後のチャンス』と、頑張ってきた。

ジュンケリの回答はとても遅い。他の子供達が10問終える間にようやく1問回答するというペース。それでも回答の多くは正解であり、入学当時の状態からすると信じられないほど大きな成長を見せてくれた。

試験を終えたジュンケリに『よく頑張ってるね』と話しかけると『ダイスケさんのお陰です』と、一本取られた。ジュンケリの成長は、担任のモンゴル先生の熱心な指導と、ジュンケリ自身が教育の大切さを理解していることが大きい。『学校が楽しい』と笑顔で話していたジュンケリ。これからも大きく成長して欲しい。

試験の後は、来週の火曜日に予定している『シラミ退治』についてミーティングを行った。今回は看護学生が手伝ってくれることになっているが、初めて参加する看護学生が活動しやすいよう、分かりやすい手順を用意したいと思っている。

その後、ラリットプール郡にある学校を訪ねた。今後、教員どおしの交換留学やあらゆるな分野での交流と共有を目指し、ネットワーク作りを進めている。先日、衛生教育を行ってくれた看護学生らの交流もその一環だ。何とか良いネットワークを構築したいと思う。

夕方、往診の後、『あすなろレストラン』を訪ねた。先日から始めた新しいメニューが好評のようで、スミさんが嬉しそうに報告してくれた。本当に良かったと思う。僕も食べたが、とても美味しかった。これからも人に喜ばれるメニューつくりに励んで欲しいと思う。

今日も良い日となりました。

ヒマラヤ小学校通信を更新しました。ぜひご覧ください。



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2005年03月16日

協力

学校の試験が順調に進み、まずは一安心。試験を受ける子供達の表情を観察していると、『しまったーっ』という表情をする子や、『よし!貰った!』という表情をする子など様々で楽しい。とにかく、みんな頑張って欲しい。

2階校舎の増築も順調に進んでいる。今週中には煉瓦を積み上げる作業に入れそうだ。ネパールでは殆どが手作業なので、作業自体に人間の知恵が見られてとても面白い。今日の鉄枠を作る作業でも、梃子の原理を上手く利用しながら、ひとつ一つ作っていた。

その後、『ケナフ会議』についての素案を纏めるため、パタン市内の喫茶店で、サダナそしてヤッギャ校長とミーティングを行った。以前にも紹介したが、サダナはとても聡明かつ行動力のある学生で、環境に関する活動を熱心に行っている。今回も夢のある素晴らしい素案を纏めてくれた。

サダナの素案では、カトマンズ盆地内の学校10校でケナフ栽培を行い、各校男女5名ずつ、10名の代表学生が観察を行い、ケナフについて纏める。会議では各校2名の代表(男女)が発表を行い、その後、釜野先生(NPO日本ケナフ開発機構・理事長)とパネルディスカッションを行う。その後、環境に関する活動に取り組む団体の代表や、有識者を交えたパネルディスカッションを行い、最後に『カトマンズ・ケナフ宣言』を行う予定だ。

会議は専門家の人たちの協力を得ながら、企画、司会、進行まど全てをサダナたち学生が行うことで決まった。若い人たちの力に期待したい。

その後、来月はじめに開催予定の医療キャンプについて、参加される医師の先生達と打ち合わせを行った。サダナやヤッギャ校長も参加し、とても有意義な打ち合わせとなった。

ネパールので生活の中で一番楽しいことは、こうして皆でアイデアを出し合いながら、一つの目標に向かい協力して作業を進めていくことだ。皆で協力して行った活動が上手く行った時は、なんとも言えない達成感を感じる。こうして同じ目的に向かって全てを共有できる、素晴らしい人たちと出会えたことが、僕の幸運だったと思う。

医療キャンプもケナフ会議も、皆で協力してぜひ成功させたい。


一部住民による電気代の未払いにより、アパート全体の電気が止められ呆れながらも、楽しい一日となりました。


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2005年03月15日

試験に思う

今日から期末(進級)試験が始まった。不安もあるようで子供達の表情も何となく硬かった。

朝から子供達の試験の様子を監視した。監視員なら目を光らせて試験の不正を防止しなければならないが、勉強が苦手で試験が大嫌いだった自分には、子供達の心の叫びが良く分かった。何度か席を外し、子供達に確認?の機会を作った。

義務教育のないネパールでは、毎年進級試験を受けなければならない。小学校なら5年生までは学校の用意した進級試験を受けるが、5年生が終了すると郡レベルの統一試験を受けなければならない。そのため、小さなうちから山のように宿題が出され、毎年、学校レベルでも厳しい試験を受けなければならない。

僕の今後の大きな夢の一つに、職業訓練所の整備がある。学校の3階に職業訓練所を開設し、子供達が技術を身にけ、将来、生活が出来るようにしたいと考えている。

将来、技術を身に付けた子供達が一生懸命働き、仕事で得たお金でヒマラヤ小学校を支えていく。そんな夢を描いている。将来、卒業生の力でヒマラヤ小学校を支えていくことが、とても大事だと思う。

子供達の中には勉強は苦手でも、学校の手伝いを率先的にする男の子達がいる。先日、モンゴル先生と『こども農園』の竹囲いを作っていた時も、竹囲いを作っていることを知った彼らは、一目散に駆け寄り、夕方まで手伝ってくれた。

もちろん勉強はした方が良いと思う。より多くの知識を身に付けた方が、自信を持って生きていけるかもしれない。
僕自身はヒマラヤ小学校の子供達に、まずは衛生知識や足し算、引き算、そして時計の読み方など、生きるために必要な基本的な知識を身に付けて欲しいと願っている。勉強の好きな子は中学、高校と進学すれば良いと思うし、勉強の苦手な子供達を無理に進学させる必要は全くないと思うし、むしろ職業訓練の方が彼らのためになると考えている。

僕が席を外した間に、彼らがどれだけ確認?できたかは分からないが、試験後ニコニコしながら僕の体にぶら下がって来たところを見ると、成果があったのかもしれない。何はともあれ、全員合格してほしい。

今日も良い日となりました。






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2005年03月14日

優しさと厳しさ

先日から学校を休んでいる兄弟がいた。少しひ弱そうな感じの兄弟なので、季節の変わり目で風邪でも引いたのかと思い込んでいた。少し気になり、兄弟の近所にくらす児童に尋ねると『もう2人とも学校には来ないよ』と、思いがけない返事が返って来た。理由を尋ねると、『シャム先生が怖いから』とのことだった。

シャムさんは20歳になったばかりの若い先生だ。彼の教育への熱意が買われ、昨年12月からブンガマティ村の寺子屋を担当している。ヒマラヤ小学校でもボランティア教師として、他の先生が不在の時に授業を行っている。

シャムさんの授業は厳しい。彼が教室に入った途端、子供達に緊張感が走り教室が静まり返る。あんなに元気いっぱいの子供達をよく纏めることが出来るなぁと、感心してしまうほどだ。授業を終えたシャムさんは、授業中とは打って変わり、子供達と仲良く遊んでくれる優しいお兄さんとなる。僕はシャムさんを見て、『若いのに上手いなぁ』と感心ばかりしている。

『シャム先生が怖いから』という話を聞いて、早速、ヤッギャ校長と兄弟の家を訪ねてみた。兄弟は僕らが来たのを知ると、軒先で申し訳なさそうにしていた。兄弟の話では、妹が一度シャムさんに大声で怒られて以来、怖くて学校へ行けなくなったそうだ。

普段、親から叱られ、社会からも虐げられている子供達にとって、シャムさんに怒鳴られたことは、自分達の居場所を失くした様なものなのかもしれない。

翌日、ヤッギャ校長からシャムさんに事情が伝えられた。ヤッギャ校長から事情を聞いたシャムさんは、言い訳を一切せず問題を起こした事について詫び、『兄弟に謝りにいきます』と言って、兄弟宅へ向かった。

前日のように軒先にいた兄弟は、シャムさんを見ると途端に怯えきった表情を見せた。シャムさんは子供達の前に座り、学校のことや兄弟が大好きな動物のことなどをゆっくり話した。

子供達の表情が少し和らぐと、『今まで、君達のことをちゃんと考えていなかった。ごめんなさい。』と、幼い兄弟に心から謝り、『一緒に学校へ行こう』と子供達を誘った。子供達は何も答えなかったが、2人とも明るい表情を見せていた。

今日、兄弟は元気よく学校へ来た。そしてシャムさんと良く遊んだ。僕はシャムさんと兄弟が、とても強い信頼の絆で結ばれたように感じた。

教育には『優しさと厳しさ』両方が必要だと思う。しかし優しさも厳しさも、限度を超えてしまうと子供達を混乱させてしまうことがある。

言い訳を一切せず、子ども達に謝ったシャムさんは立派だった。こういう先生達がいるから、子供達も安心して学校で学べるのだと思った。

日本でもネパールでも、教育は人との関わりが創り上げるものだと思う。教育は本当に奥が深い。

今日も良い日となりました。



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2005年03月13日

勉強再開

ネパール癌協会での治療活動に専念するため、大学を辞めてからあっという間に5年が過ぎた。いつかもう一度、ゆっくりネパール語を勉強したいと考えていたが、なかなか実行できないまま、時間だけが過ぎていた。今回、知人の勧めもあり、ようやくネパール語の勉強を再開することとなった。

大学に復学したわけではなく、週3回程度、家庭教師にお願いすることとなった。家庭教師といっても専門家ではなく、将来、ネパール語の教師を目指している奨学生が務めてくれることになった。

第一回目の授業が土曜日に行われたが、とても分かりやすく楽しい授業となった。こんなに分かりやすい授業なら、もっと早く始めればよかったと思いつつ、たっぷり出された宿題に追われた。もともと勉強が苦手な上に年も重なり、先は思いやられるが、何とか楽しみながら頑張りたい。せめて5年前に途中で諦めた詩の翻訳だけは、やり遂げたいと思う。

僅かな基金から支援を続けている奨学生の中には、22歳、小学2年生で学んでいる女性もいる。21歳で1年生に入学した時は、大丈夫かなぁと不安だったが、本人は活き活きと勉強を続けている。本当に頼もしい限りだ。勉強に年はまったく関係ないことを教えられた。

月曜日からはヒマラヤ小学校でも進級試験が始まる。皆、今までの勉強の成果を思いっきり出して欲しい。

腰痛はほぼ回復。これから全力で頑張ります。
ヒマラヤ小学校通信を更新しました。どうぞご覧ください。

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2005年03月12日

花冷えのカトマンズ

今日カトマンズは雨が降り、花冷えの一日となった。昼過ぎに、雷がゴロゴロという大きな音を立てて鳴り響くと、子供達が一斉に教室から飛び出し、雨に打たれながらはしゃいでいた。子供達は何時も天真爛漫だ。

ヒマラヤ小学校を後にし、冷たい雨に打たれながらバイクを走らせ往診へ。患者さんの家族から甘いミルクティーを頂く。普段は少し苦手な甘いミルクティも、今日のように寒い日はとても美味しく、体がぽかぽかと温まった。

夕方、あすなろ食堂を訪ねると、フロアーを担当していたワグレさんが、楽しそうにお客さんと会話を交わしていた。少しずつ、仕事に慣れてきたようで安心した。キッチンではスミさん達が大忙しで働いていたが、皆、それぞれ充実した表情をしていた。

今日は、スミさんを何時も暖かく励ましてくださっている北海道・深川市の河野市長から、スミさんへ開店祝いのお手紙を頂いた。仕事が一段落したスミさんに手紙を渡すと、スミさんはとても嬉しそうな表情を浮かべて、喜んでいた。

開店以降、多くの方々から開店を祝うお手紙や、商売繁盛のお札などを頂き、スミさんの大きな力となっている。こうして多くの方々から暖かいご声援を頂くのも、スミさんの人徳だと思う。ぜひ頑張って欲しい。

あすなろ食堂で夕食を食べた後、奨学生宅を訪問した。ヒマラヤ青少年育英会では、主として貧しい母子家庭の女子の就学を支援しているが、やはりどの家庭も現状は厳しい。

日本からゲストの方がネパールへ来られた時は、出来る限り奨学生宅を訪問して頂くようにしている。奨学生達は、ゲストの方のちょっとした優しさや、励ましの言葉に大きく勇気付けられる。またゲストの方との交流によって、日本の皆さんが、どのような気持ちで教育を支援しているのか、子供達に良く伝わるようだ。

今日、訪問した奨学生達も、『00さんは次、何時ネパールへ来ますか?』や『00さん、元気ですか?』と、今まで出合ったゲストの方の話を楽しそうにしていた。

交流が子供達の夢を育て、頑張る活力になると確信している。何とかもっと交流の機会を持てないか?なかなか良い考えが浮かばない中でも、諦めずに考え続けたいと思う。

腰痛は少し回復。患者さんの苦しみが、少しは分かるようになってきた。忙しくも良い一日となりました。




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