常に間違っている衛生教育

2005年03月10日

ススマの窮状

支援活動を続けていると、嬉しいことも沢山ある反面、厳しい現状に直面することも多い。今朝、家であれこれ考え事をしていると、奨学生のススマ・ラマ(18)から電話があった。

ススマは貧しい母子家庭の女の子で、カトマンズから離れた小さな村に暮らしている。貧しさにより学校へ通うことが出来ず、4年生で一度、小学校を中退した。その後、家族を養うため労働者として働いていたが、やはり学校で勉強する夢を諦めることが出来ず、事務局を訪れた。

2年前から奨学生として支援を始め、ススマは16歳で再び4年生から勉強を再開した。家族を養うとい重い責任を抱え、働きながら勉強を続ける毎日だったが、本人の懸命な努力が身を結び、学年では1番の成績を残していた。

電話でススマの母親が亡くなったことを知った。ススマは幼い弟と孤児になったのだ。ススマは弟と共にパタンに移り住み、早朝の学校へ通いながら仕事をしたいと希望している。

母親が亡くなった後、一時は親類に預けられたが、親類から『学校を辞めて、朝から働け』と毎日怒鳴られ、弟と共に人身売買までされそうになったという。唯一の財産である牛も親類に取られてしまい、もはや村で得る僅かな収入だけでは、暮らしていけなくなったのだ。

以前、ススマの家を訪問したとき、病気で寝込んでいた母親から、貴重な収入源である牛乳を出してもらい、精一杯のもてなしを受けたことがあった。母親は自分が教育を受けられなかったため、とても苦しい生活を強いられていると語り、『ススマが勉強を続けられて本当に嬉しい。日本の皆さんに感謝しています。』と、病床から涙を流しながら、何度も感謝の言葉を繰り返していた。

ススマの母親は結核で亡くなった。35歳という若さだった。これからススマと幼い弟が、どのように生きていくのか。努力家のススマなら必ず窮状を打開できると確信しているが、やはり不安もある。兎に角、ススマには頑張って欲しい。ススマたちの窮状に目を逸らさず、出来る限りの応援をしていきたいと思う。3・10




hsf at 11:22│

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